金閣炎上

金閣炎上

715円 (税込)

3pt

昭和二十五年七月二日未明、鹿苑寺金閣は焼亡した。放火犯人、同寺徒弟・林養賢、二十一歳。はたして狂気のなせる業か、絢爛の美に殉じたのか? 生来の吃音、母親との確執、父親ゆずりの結核、そして拝金主義に徹する金閣への絶望……。六年の後、身も心もぼろぼろになって死んでいった若い僧の生を見つめ、足と心で探りあてた痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。

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金閣炎上 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月28日

    偶然みたNHKアナザーストーリーという番組の再放送で、「金閣寺放火事件」が取り上げられ、そこでこの作品が紹介されていました。

    戦争という時代背景、両親との関わり、自分の吃音障害、貧困、金閣寺での生活、理想と現実の大きな隔たり、様々な要因が重なって、この放火事件を起こしてしまったのだろうと推察されま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年01月29日

    小説だと思ってたら、ルポルタージュだった。これはひょっとして水上勉版『冷血』なのか。三島由紀夫の『金閣寺』よりちょうど20年を経てこの作品は上梓されたらしい。私も三島『金閣寺』を読んでからこの水上『金閣炎上』を読むのに、およそ25年のブランクがあった。時間的スパンを同じうしての読書は、読む側の熟成度...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年04月29日

    めっさ面白い!犯人である青年がなぜ放火するに至ったか、実際の関係者の思い出話を織り交ぜつつ、丹念に取材されていました。著者自身が青年と同郷で、しかも事件を起こすずっと前に青年と一面識あった、というのがまた興味をそそります。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    三島の『金閣寺』と比較されることが多いらしいけれど、全く別物。これを読むと三島の『金閣寺』は"物語"だったと思わされる。

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    Posted by ブクログ 2017年05月01日

    天を焦がす金色の焔に、彼は何を見たのか? 身も心もぼろぼろになって死んだ金閣放火僧の痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。

    三島由紀夫の同題材の作品と比べて、読んでて切なくつらくなった。

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    Posted by ブクログ 2017年05月10日

    1950(昭和25)年7月2日の未明に起きた金閣寺放火事件。犯人は同寺徒弟の林養賢という21歳の男。これだけでじゅうぶん衝撃的な事件なのに、駆けつけた母親は息子に面会を拒否され、帰宅途中の汽車から身を投じて死亡。放火の動機にさまざまな憶測が飛び交うなか、20年もの歳月をかけて調査を重ねた水上勉渾身の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    三島の金閣寺が発表されてから二十余年経ち発表された小説、というよりフィクションに近い作品。
    舞台が若狭(といっても、ほとんど舞鶴ですが)その土地には、愛着があるし、風習もまったくわからない訳ではないので、比較的理解しやすかったです。
    この作品は、美しい金閣を自分の物としたかったという歪んだ論理が描...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月27日

    天を焦がす金色の焔に、彼は何を見たのか? 身も心もぼろぼろになって死んだ金閣放火僧の痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2015年06月10日

    昭和25年7月2日に国宝鹿苑寺金閣が寺僧の放火により焼失。
    犯人である若狭の寒村出身で当時は大谷大学の学生でもあった林養賢(事件当時21歳)の出生から、懲役7年ののちに肺結核で亡くなり、その後に彼の墓がどうなっていたかまでを綿密に調べたうえで事件の約30年後に出版されたお話です。

    作者の水上さんも...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2015年11月13日

    昭和25年7月2日未明に金閣寺が寺の小僧による放火で全焼した事件を考察したドキュメンタリー小説。
    筆者は自身もかつては修行をしたことがあり、犯人である林養賢とも一度だけ会ったことがあるといい、ジャーナリストが描いたものとは一線を画す、私小説のような、身近なこととして扱っているような感じだった。

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