井上光晴の作品一覧
「井上光晴」の「明日 一九四五年八月八日・長崎」「階級」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「井上光晴」の「明日 一九四五年八月八日・長崎」「階級」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『眼の皮膚』の主人公は、五歳の娘を持つ団地の主婦である。物語は、朝、自分の顔を鏡で点検することから始まる。湯気で鏡が曇り、手でこすり、さらにタオルで拭くという描写があり、「目のまわりの薄汚れた隈」に注目し、おもいをこらす。 団地の主婦の一日が描いてあるのだが、ふつふつと小さな物語の芽が湧き出ているが、それが大きく発展することはない。夫は浮気をしているようだが、主人公はさめている。緊張した文体で主人公のいらだった気分を緻密に描いている。
『象のいないサーカス』(別冊潮一九六八年夏季号)は、小学六年生の息子を持つ団地の主婦の心理の揺れを巧みに描いている。息子が汚してきた運動着のひざの部分が切れて
Posted by ブクログ
1945年8月9日11時2分、長崎市松山町上空に原子爆弾が投下されました。その前日、まさかそんなことが起こるとは思いもせずに暮らしていた人々の日常が、記されていました。
生活のなかで色々なことがあるのは今と変わらず、それぞれの事情を抱えつつも、人々の目は明日へと向いていました。
前日の月が、不気味なほど赤い月だったことが印象的でした。
人を愛し、人と関わるなかで、戦時中で閉塞感はあっても、生きていくことを諦めている感じはしませんでした。
そんななかでこの人達が次の日には···。
その日が穏やかな朝だったことを思うと、なおさら胸がきゅっとしました。その未来を知った上でこの本を読むことは、