作品一覧

  • 誰の中にでもいる彼
    3.4
    1巻506円 (税込)
    人生には忘れがたい瞬間がある。十四年前、東京駅のプラットホーム。そこにいたのは互いに縁もゆかりもない29歳の人妻と27歳の独身商社マン。運命が連れ添うはずもない二人を引き寄せたのだった。だが、輝かしい時間も歳月とともに色褪せてゆき……。燃えるような恋とその後の顛末を綴った文庫オリジナル作品「誰の中にでもいる彼」ほか6編を収録。ベストセラー『水曜の朝、午前三時』の著者が贈る、珠玉短編集。
  • 別れの時まで
    3.6
    1巻671円 (税込)
    『水曜の朝、午前三時』著者の長編恋愛小説。 私は手記募集で応募してきた女性に関心を持ち面接するが、彼女は女優であり、その波乱の人生に興味を持ち交際を始める。彼女には息子がいたが夫の影はなく、同じく娘を持つ私は共感を覚え密かな情事を深めていった。 しかし彼女の家に出入りするうち私は監視されていることに気づく。そして息子の父親であるかつての「恋人」が指名手配されていることを知る。 著者は2001年11月、書き下ろしの長編恋愛小説『水曜の朝、午前三時』でデビュー。1970年に大阪で開かれた万国博覧会を舞台に国籍問題で引き裂かれていく男女の恋愛をミステリアスな筆致で描いた同作品は、新人作家の第一作にもかかわらず多数の読者の支持を得て、ベストセラーとなった。 本作『別れの時まで』は、著者が10年ぶりに満を持して発表した長編恋愛小説。大人の恋愛の切なさと先が読めないミステリアスな展開に、全国の書店員さんから多数の感動コメントが集まった。 待望の電子化!
  • 八月十五日の夜会
    3.5
    1巻550円 (税込)
    最後まで聴き終わったとき、僕は長い旅から戻ったような気がしていた……。大学生の秀二に渡された3本のテープ、生々しい肉声。一発の砲弾も撃ち込まれなかった「平穏な」伊是名島で、何が起きたのか。真夏の闇、敗残兵たちの影、島民のスパイ疑惑、無意味な死。「秘められた戦争」に迫り、人間の真実と生への励ましを伝える力作長編。

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  • 水曜の朝、午前三時
    4.0
    1巻693円 (税込)
    児玉清氏絶賛のベストセラー。45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

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ユーザーレビュー

  • 水曜の朝、午前三時

    Posted by ブクログ

    面白い。その時代特有の通念や時代遅れとも言える女性への差別などなあり、それがこの物語を逆に彩っている気がするけれど、この女性の人生に起きたこと、彼女が考えたことは現代の人たちも共感できる部分があるのではないかと思った。
    誰しも忘れられない人がいる この言葉にハッとさせられた。

    0
    2025年07月27日
  • 水曜の朝、午前三時

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サイモン&ガーファンクルの歌(Wednesday Morning, 3 AM)をタイトルにした本作、久々に読む文芸作品だと思う。再読だけど。
    物語に流れるノスタルジックと洋楽、大阪万博を覚えてる世代じゃないけれどなにか懐かしくなる。 死を前にした母が、昔の、いや今も胸を焦がしている恋愛について語る。
    いや恋愛についてではなくて母は娘に「人生は宝探し。嫌でも歩き出さなければならないし、それなら最初から宝探しと割り切ったほうが楽しいに決まっている」という言葉を残したかったんだろう。
    どんな時代もいろいろな障害はあるし、そしてそれだから人生だ。

    0
    2020年02月06日
  • 水曜の朝、午前三時

    Posted by ブクログ

    友人にお勧めされたので読んでみました。
    著者の作品は初めて読みましたが、文体かなり好みです。

    1970年の大阪万博を舞台とした恋愛小説ですが、単純な在日朝鮮人との悲恋話として語ることのできない一冊です。
    50年前と現代では差別に対する考え方にギャップがあるとは思いますが、そのあたりは当時の世相や風俗がとても丁寧に表現されているので、うまく受け入れることが出来ました。
    ましてやA級戦犯となった祖父を持つ家庭に育った彼女では他の選択肢はないだろうなと、だからこそ同情や否定的な気持ちを持つことなく、主人公と一緒になって哀しみや悔恨や苦しさを共有してしまいました。。

    そのうえで、心の声に素直に従う

    0
    2019年04月21日
  • 水曜の朝、午前三時

    Posted by ブクログ

    直美さんの短くて長い人生の話。
    ある半年間に起きた出来事。
    ドキドキしたり、切なくなったり、
    でもまさかね。
    そしてまたまさかね。
    前に読んだ気がしてたんだけど、こんなに衝撃を受けるくらい本当に忘れていたなら、自分も大人になった証拠や。

    0
    2018年06月02日
  • 水曜の朝、午前三時

    Posted by ブクログ

    主人公がとても知的明瞭で、冒険心が強い。何かしたいけど、うまくやり切れない。大阪万博という華やかだけれど、まだまだ不安定な日本だった時代に、葛藤を抱えながらも、気高く、力強く生きていく姿がとってもカッコいいです。
    ツンとしていて、音楽や文学、哲学等にも精通していて、おしゃれ。頑固だけれど、自分の考えをしっかりもっていて、行動力もある。無敵の彼女に見えますが、大きな壁にたちはだっかった時、すごく人間らしい結末を迎え、共感しました。

    とてもメッセージ性の強い文が、数多く出てきます。物語としても楽しめますが、生きずらいな、と悩んだときに勇気づけてくれるような小説かもしれません。

    0
    2016年06月07日

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