蓮見圭一のレビュー一覧

  • 水曜の朝、午前三時

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    面白い。その時代特有の通念や時代遅れとも言える女性への差別などなあり、それがこの物語を逆に彩っている気がするけれど、この女性の人生に起きたこと、彼女が考えたことは現代の人たちも共感できる部分があるのではないかと思った。
    誰しも忘れられない人がいる この言葉にハッとさせられた。

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    2025年07月27日
  • 水曜の朝、午前三時

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    ネタバレ

    サイモン&ガーファンクルの歌(Wednesday Morning, 3 AM)をタイトルにした本作、久々に読む文芸作品だと思う。再読だけど。
    物語に流れるノスタルジックと洋楽、大阪万博を覚えてる世代じゃないけれどなにか懐かしくなる。 死を前にした母が、昔の、いや今も胸を焦がしている恋愛について語る。
    いや恋愛についてではなくて母は娘に「人生は宝探し。嫌でも歩き出さなければならないし、それなら最初から宝探しと割り切ったほうが楽しいに決まっている」という言葉を残したかったんだろう。
    どんな時代もいろいろな障害はあるし、そしてそれだから人生だ。

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    2020年02月06日
  • 水曜の朝、午前三時

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    友人にお勧めされたので読んでみました。
    著者の作品は初めて読みましたが、文体かなり好みです。

    1970年の大阪万博を舞台とした恋愛小説ですが、単純な在日朝鮮人との悲恋話として語ることのできない一冊です。
    50年前と現代では差別に対する考え方にギャップがあるとは思いますが、そのあたりは当時の世相や風俗がとても丁寧に表現されているので、うまく受け入れることが出来ました。
    ましてやA級戦犯となった祖父を持つ家庭に育った彼女では他の選択肢はないだろうなと、だからこそ同情や否定的な気持ちを持つことなく、主人公と一緒になって哀しみや悔恨や苦しさを共有してしまいました。。

    そのうえで、心の声に素直に従う

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    2019年04月21日
  • 水曜の朝、午前三時

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    直美さんの短くて長い人生の話。
    ある半年間に起きた出来事。
    ドキドキしたり、切なくなったり、
    でもまさかね。
    そしてまたまさかね。
    前に読んだ気がしてたんだけど、こんなに衝撃を受けるくらい本当に忘れていたなら、自分も大人になった証拠や。

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    2018年06月02日
  • 水曜の朝、午前三時

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    主人公がとても知的明瞭で、冒険心が強い。何かしたいけど、うまくやり切れない。大阪万博という華やかだけれど、まだまだ不安定な日本だった時代に、葛藤を抱えながらも、気高く、力強く生きていく姿がとってもカッコいいです。
    ツンとしていて、音楽や文学、哲学等にも精通していて、おしゃれ。頑固だけれど、自分の考えをしっかりもっていて、行動力もある。無敵の彼女に見えますが、大きな壁にたちはだっかった時、すごく人間らしい結末を迎え、共感しました。

    とてもメッセージ性の強い文が、数多く出てきます。物語としても楽しめますが、生きずらいな、と悩んだときに勇気づけてくれるような小説かもしれません。

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    2016年06月07日
  • 水曜の朝、午前三時

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    素晴らしかった。
    宝物にしたい文がたくさん出てきた。
    抜粋
    「その人が言ったことをそんなに気にしなければいけないほど、お前はその人のことを重視しているのか」
    「人生とは宝探しなのです」

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    2014年02月09日
  • 水曜の朝、午前三時

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    初めて読んだのは何年も前だが、読後の切なさとともに強く印象に残っている作品。たまに読み返したくなる本。

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    2013年09月27日
  • 別れの時まで

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    大人でなければ読めない小説である。

    親が子を想い、恋人に焦がれ、自らの在り方について思い悩む。人生において、一通りの経験を積んだ者にしかわからない哀しさが描かれている。

    早紀と隆。この二人の子供が持つ真っ直ぐな正しさが主人公だけではなく、読者の心も苦しくする。そう、「正しいことは人を傷つけやすい」のだ。

    大人はいろいろな正しさを計ろうとし、シンプルにAからBへ移動できなくなってしまう。そしてわからなくなる。いつの頃からか自分もそうなっていることに気がついた。

    『水曜の朝、午前三時』と同じように、僕は小説を読みながら涙を流した。感動とは趣の異なるやりどころのない悲しみが溢れだす。

    本当

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    2013年04月19日
  • 水曜の朝、午前三時

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    がんで死を間近に控えた女性翻訳家が、自分の恋愛について娘に送った手紙(手紙を書くために録音したテープ)。 大阪万博では、コンパニオンをホステスと呼んでいたそうで、ストーリーとは別の部分で感動(?)しました。 面白かったです。

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    2014年11月13日
  • 水曜の朝、午前三時

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    45歳の若さで逝った、知的で魅力的な翻訳家で詩人の直美。彼女が娘のために遺したテープには、大阪万博で働いていた23歳の直美と、将来有望なエリート学生・臼井との切ない恋とその後が語られていた。恋の痛みと人生の重みを描く、大人のラブストーリー。
    .
    国籍や肩書きへの固執、亭主関白的な父親像、などなど昭和感漂っていた。
    しかし、皆が多くを語らないあたりが、人間的深みがでるというか、趣があり、想像力が掻き立てられた。
    .
    今どきは先がよみやすく、わかりやすいストーリーがドラマ化、小説化されることが多いので、偶にはこういう作品もいいですね。

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    2021年02月04日
  • 水曜の朝、午前三時

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    ー生と死、静寂と激情

    友人から勧められた本です。
    淡々とした語り口調の中に感情の激しさ、秘められた想い、出会いと繋がりがある小説で、思ったりよりもするする読めました。

    45歳の若さで脳腫瘍で亡くなった直美が、娘のために遺したテープ。その中には23歳の直美が大阪万博のホステスとなり、将来外交官を期待される臼井さんと出会い、想い溢れる燃えるような日々を過ごし、万博が終わっていく……そんな思い出たちが吹き込められていた。

    ほとんど直美の語りで進む話です。大阪万博という特殊な環境が作り出す唯一無二な出会いを、直美が淡々と語ってきているように感じます。でも相手に恋い焦がれる気持ちの激しさや、決めた

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    2020年06月11日
  • 水曜の朝、午前三時

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    1970年の大阪万博、時代が激しく動き出した頃に一生引きずるような恋をした人たち。
    いま読んで必要なことたくさんかいてあった気がします。
    その頃から何にも変わってない。
    人間なんて、そんなに変わらない。
    直美の考え方に共感するところは多々あり。政治的な考え方とか。
    それにしても、地元千里感満載過ぎて読みやすいところはあったかもしれない。阪急オアシスとかね。読書会で何て言うか考えるところもある

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    2019年03月01日
  • 水曜の朝、午前三時

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    すごーく良かった。人生に対する力強い応援。けどテーマのひとつである差別については唐突でうまく受け入れられなかった。

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    2018年12月02日
  • 水曜の朝、午前三時

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    「この人生に私が何を求めていたのか
    ここまで根気よく付き合ってくれたなら、もつわかったでしょう。私は時間をかけて、どこかにあるはずの宝物を探し回っていたのです。ただ漠然と生きていては何も見つけることはできない。でも耳を澄まし、目を見開いて注意深く進めれば、きっと何かが見えてくるはずです。」45歳でなくなった一人の女性の娘にあてたテープ。恋愛や仕事、その環境にいる人たちの話をとりとめなく伝える内容。共感することが多く、人生の深さを実感させられる

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    2018年03月27日
  • 別れの時まで

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    ネタバレ

    編集者の松永は、母の手記に応募してきた毛利伊都子と出会い恋に落ちた。

    互いに片親ということもあり、松永と娘の早紀と伊都子と息子の隆はなんの問題もなく交流を深めていた。

    その矢先、松永は隆の父親である三田という男の行方を追っているという警察に伊都子の行動について捜査協力を迫られる。

    好きな女である伊都子にたいする思いと、彼女に直接聞くこともできずに三田の存在を周囲に触れ回る自分との葛藤。

    前半がどういう話になるのか展開が読めず、ずいぶんとだらだら読んでしまった
    けれど
    警察が出てきたあたりから午前中だけで読み終えた。

    三田は最終的に自分で松永の前に姿をあらわして警察に逮捕されるわけなん

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    2018年03月23日
  • 水曜の朝、午前三時

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    108円で、良い作品に出会えました。

    お初の作家さんなのですが、とても上手い作家さんだと思います‼️

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    2017年12月24日
  • 水曜の朝、午前三時

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    70年代を舞台にした恋愛小説が好きな私にはドンピシャな小説でした。
    日本は高度成長で一見華やかな時代だけど世界は冷戦の最中で、そういう時代を察するとこの主人公の感じる「怖さ=差別」というのが理解できるような気がしました。

    (海外で長く過ごした才女である鳴海さんを登場させて「私は差別主義じゃないわ」って言わせてる部分も時代背景を補足しているようで巧いな〜)

    最後の方で主人公が亡くなった後に、かつての恋人と主人公に憧れていた義理の息子が飲みながら主人公について語るシーンがあって、こんな事をされたら女冥利に尽きるなあ、と思いました。(夫は完全に蚊帳の外…)

    素敵な言葉がそこかしこに散らばれてい

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    2015年08月13日
  • 水曜の朝、午前三時

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    1人の女性が死の前にして娘に残したテープ。そこには彼女の生き方全てが詰まっていた。

    耳を澄ましてじっと自分の心の声を聞くこと。歩き出すのはそこからでいい。自分の今にたくさんの気づきを与えてくれた。

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    2015年08月12日
  • 八月十五日の夜会

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    好物のテーマのひとつである太平洋戦争・沖縄戦もの。
    大岡昇平『野火』を彷彿とさせるような、乾いてざらざらした死の感覚。裏切りと欺瞞の連鎖。
    サディスティックな描写の中に、生の根源に触れるような深みがある。
    読み進めるのが苦痛になる人もいるだろうな。「戦う相手を間違えてるんじゃないか」というコメントがぴったりくる気がした。

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    2015年07月15日
  • 水曜の朝、午前三時

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    大阪万博の華やかな世界の中で生涯忘れられない恋をした主人公。

    その時代にタイムスリップしたような感覚で興味深く、どんどん読み進めたくなる。
    誰にでもあるのかもしれない、正しさだけは説明がつかない心が求める恋の物語。

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    2015年05月15日