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札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく――。警察小説に新たな地平を拓いた連作集。
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Posted by ブクログ
面白かった。 北海道の寂れた街に赴任した駐在所の警察官が独自に捜査を進めるストーリー。普通駐在所の警察官は地域のお困りごとの対応が主体で捜査に参加するのは稀なんですが。この辺りがタイトルの由来かな? 5つの短編からなり、スラスラと読めます。 オススメ!
警察小説は弁護士ものとかと同じく蘊蓄ものに含めるべきかとも思うが 警察であるという立場が重要で 医者と医療関係者の違い 教師と教育関係者の違いともいえるか この作品についてはひとのだめちんなところを上手く拾った 暗黒ミステリとしてまず普通の出来か もう少し舞台の特殊さを浮き上がらせずに普通に書けると...続きを読む思う が警察小説というのはこういうものかもしれない
僕の中では警察小説を書く方の中で打順を組んだら必ずクリーンアップとなる佐々木譲さんの連作集です。 長編では無く連作なので若干後回しにしていたのですがこれが大ヒット。僕の中では警官の血に迫る勢いで心のランキングを駆け上って行きました。 元々刑事だった川久保が駐在さんとして赴任した先で出会う事件を連作と...続きを読むして書いています。 遭遇する事件としてはとても現実味が有って、やたらと重大事件に遭遇したり、やたらと姿死体が発見されたりせず、人と人の軋轢によって生じる心の闇の部分を描いていて違和感が無く読めました。 比べる訳ではないのですが、笹本稜平さんの「駐在刑事」はあまりにも事件起き過ぎ人死に過ぎという違和感がぬぐえなかったので、これだ!と膝をはたと打つ思いでした。 そしてそして粛々と村の闇の部分に目を向けながら、最後の中編で十数年前の祭りで行方不明になった少女と、村の闇の部分が重なり合い新たな事件が発生します。 十数年ぶりに復活した祭りに人々が訪れ、忌まわしい失踪事件とあまりにも類似する新たな誘拐事件が勃発するのでありました。 これが最後のフィナーレにふさわしい手に汗握る物語で、あまりに強く握ったので本がよれよれになってしまいました。
昼ご飯を食べてぱらっとめくって読み始めたら、そのまま一心に読みふけってしまってた。気づいたらもうおやつの時間が・・・ 短編ながら続き物。 しらず手にしたが、冒頭の一篇が、年末に読んだ警察小説6作家競演の中の一番最初の小説だった。この短編を読んで、佐々木譲さん読もうと思ったのだった!続きがあるの嬉し...続きを読むかった。 道警の大異動による駐在署勤務。元は刑事。道警の刑事より出しゃばらぬよう弁えつつ、光らせる眼は刑事だ。 そして、駐在ならではの難しさ。地元の防犯協会や有力者も無下にできない。 割れガラスが特によかった。仮装祭のハラハラとスピード感。 制服捜査っていう題名、たしかに制服警官の話だけど、それ以上のなにかもっともっとかっこいい題名が似合うと思う。
北海道が舞台ということもあって、ちょっと贔屓目にみている感は否めないものの佐々木譲さんの作品の中でも好きな小説のひとつ。
道警の大異動により札幌から十勝の志茂別駐在所に赴任した川久保篤巡査部長が活躍する連作小説。 駐在所の警官なので基本的に捜査権はないが、この田舎町で起きる事件に川久保の推理が冴え渡る。赴任当初の姿から徐々に日を経るごとに、この田舎町が抱える大きな闇へと踏み込んでいく川久保の姿が鮮やかに描かれている...続きを読む。非常に読み応えのある連作集。 表紙が寒さ厳しい真冬の十勝平野で孤軍奮闘する姿を思わせるが、内容はどちらかというと夏~秋といった場面が多く意外な印象を受ける。 社会でも会社でもそうだが、閉鎖的な空間というのは闇を醸造しやすい環境なのかもしれないということをこの小説には教えられる。
夫の友人からお借りしました。初めての作家さんです。 表向きは自警団や自治会でがっちり守られた平和な田舎町なのですが、実はそのせいで犯罪の温床となってしまっている、コワイ町のお話でした。 次第に明らかになってゆく田舎ならではの歪んだ倫理観や正義感がだんだん恐ろしく感じられ、最後の章は特に面白かったで...続きを読むす。 また、捜査の主導権を握ることはないけれど、立場をわきまえたうえで警察官としての職務を実直にこなしてゆく主人公の姿には好感が持てたので、これからも彼が本当の意味で町の治安向上に貢献し続けくれる希望が持てて、読後感もよかったです! 本作は連作短編だったので、今度は著者の長編作品を読んでみたいと思いました。
既読でした。 北海道警シリーズ。制服の警官が田舎町でおこる事件の捜査を(こっそり)するというのはなかなか目新しい。 田舎特有の柵とかあって面白い。
しがないおっさん感のあるお巡りさんが大活躍な、割と心が躍る系な一冊。なんだけども。中川や麗子が一介のお巡りさんで何やってるんだろう?って漫画ならそこまで気にもしないわけだけども、このおっさんかなりのもんなのに、何でまぁこの年でしがない巡査部長なのか。そしてこのおっさんが来てからおっさんの周りで事件が...続きを読む起きていくという、まるでコナン君や金田一少年ばりの恐ろしい星のもとに生まれているという。 と、少々突っ込みを入れたくもなったものの、ずいずいと引き込まれて楽しいんだよねぇ。あとはいつもの通りの田舎恐るべしな話は、やっぱ田舎怖いわーっていう恐怖感をいや増すばかりで、ある意味普段暮らしに関わる分だけ犯罪者よりよっぽど怖いわね。
5つの短編での構成。どの話も短いながらなかなかの秀作。 特に「割れガラス」と「仮装祭」は良かった。☆4つにしたが、4.5かな。川久保篤巡査部長か…すっかりファンになってしまった。
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