新潮社作品一覧

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  • 紳士同盟(新潮文庫)
    5.0
    いんちき臭くなければ生きていけない! 思わぬ運命の転変にめぐりあい、莫大な金を必要としたとき、四人はそう悟った。目標は二億円――素人の彼らは老詐欺師のコーチを受け、知恵を傾け、トリックを仕掛け、あの手この手で金をせしめる……。奇妙な男女四人組が、人間の欲望や心理の隙、意識の空白につけこむスマートで爽快、ユーモラスな本格的コン・ゲーム小説。
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)
    3.8
    天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、“誘拐”されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報! 明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時――。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。
  • 兵士は起つ―自衛隊史上最大の作戦―
    4.4
    津波に呑まれながらも濁流の中を自力で泳ぎ、人々を救助した隊員たちがいた! 自らの家族の安否も確認できないままでの救助活動、遺体と向き合う苛烈な日々……。そして非常事態に陥った福島第一原発では、世界が注視する中、全国からさまざまな部隊が召集されていた――。自衛隊を追い続けた著者二十年の歳月が生み出した緊迫と感動のノンフィクション。兵士シリーズの最高傑作。※新潮文庫版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 君と過ごした嘘つきの秋 (新潮文庫nex)
    3.5
    風見高校に教育実習生がやって来た。友樹たち1年5組の教生・久遠寺絢子(くおんじあやこ)は女子大生作家であるとわかり、たちまち注目の的に。映画研究部はその小説の映画化を企画し、美少女の毬(まり)の出演も決まる。撮影が順調に進むなか、花壇に「骨」がばらまかれたことから、過去の落下事故が浮上する。恋愛、友情……十代の危うさが巻き起こす事件の真相とは? 風高5人組が挑む学園ミステリー!
  • 遠すぎた輝き、今ここを照らす光
    4.2
    月刊誌記者として働く小坂井夏輝、31歳。取材先で中学の同級生・瀧光平と再会する。かつて周囲を見下していた瀧を夏輝は疎んじ、片や誰彼なく優しくする夏輝を瀧は偽善者と嫌っていた。だが次第に夏輝は瀧が抱える痛みを、瀧は夏輝の葛藤を知るようになる。過去を受け止め、前を向いて歩くために、二人はある行動に出る。逃げたくなる自分の背中をそっと押してくれる、優しい物語。
  • 日本原爆開発秘録
    3.7
    戦時下で秘密裡に進められていた「ニ号研究」「F号研究」という日本の原爆製造計画。戦局の挽回を期し、軍部が命じて科学者の叡智を集めた研究の全貌とは……。昭和史研究の第一人者が、膨大な資料と関係者への貴重なインタビューをもとに、戦後、原発立国へと舵を切った日本の「原子力前史」を繙き、現代との因果を詳らかにする。『日本の原爆─その開発と挫折の道程』改題。
  • 春告げ坂―小石川診療記―
    3.5
    たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川養生所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
  • 坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つ(新潮文庫nex)
    4.0
    坂東蛍子は桐ケ谷茉莉花が嫌いだった。容姿端麗、運動神経抜群にして、自分と並び称される彼女のことが許せなかった。だが、なぜ嫌いで許せないのか、判らなかった。故に、彼女は果たし状を書く。その日、学園二大スターは、屋上にて決闘する。校舎がお化け屋敷と化し、テロリストに占拠されようと、その程度の“事件”は少女達の青春をとめられない。疾風怒濤の女子高生譚、第二弾。
  • 小説以外
    3.7
    本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか? ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女漫画、日本文学……あらゆるジャンルを越境する読書の秘密に迫る。さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。
  • 着物をめぐる物語
    4.0
    華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。男に翻弄されたホステスが遺した大島。老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める……。縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。※新潮文庫版に掲載のイラストは、電子版には収録しておりません。
  • あした―慶次郎縁側日記―
    4.0
    泥棒長屋に流れ着いた老婆の悲しみが、出世にとことん無欲だった若き慶次郎の思いと交わる表題作「あした」。無精な夫を捨てた、髪結い妻の思わぬ本音を描く「春惜しむ」。内緒の逢瀬を重ねてはらんだ娘が、未来ある思い人を必死に庇う「むこうみず」など、円熟の筆致が香り立つ江戸の哀歓十景。慶次郎への尽きぬ思いを語る、生前最後の著者談話も収録した、人気シリーズ第13弾!
  • 天皇と原爆
    4.0
    日米開戦はなぜ起ったのか? それは建国以来、西へと膨脹する覇権主義のキリスト教国アメリカと、天皇信仰の日本がぶつかり合う宗教戦争だった。原爆投下という恐るべき行為も、「サタンの国」日本を叩き潰そうという宗教的動機があったからこそ可能だったのだ。日本を悪者にする左翼似非(えせ)史観を糾弾し、日米両国を世界史の中に位置づけて大東亜戦争の「真実」に迫る、衝撃の論考。
  • ローマとギリシャの英雄たち 〈黎明篇〉―プルタークの物語―
    3.3
    1~2巻715~770円 (税込)
    いつか歴史の授業で習ったローマの皇帝、ギリシャの賢人。彼らの功績を暗記はしても、どんな人間だったかまでは知りえなかった。教科書の記述からこぼれ落ちてしまった古代リーダーたちの素顔を、恋、性格、家族関係など、魅力的なアプローチで解き明かす! 伝説の古典的名著『英雄伝』を、熟練の筆致で解かりやすく翻案した新しい歴史の入門ガイド。『プルタークの物語』改題。
  • 街のアラベスク
    -
    なぜだろう、この街を歩いていると、僕を通り過ぎていった愛しい人たちへの想いが甦る。まるで、街角の風景が、あの恋の記憶を永久保存していたかのように。井の頭公園、麻布十番、銀座、五反田、神楽坂、浅草、蒲田、新宿・十二社、善福寺──ふとした瞬間浮かび上がる、嘘のなかった誓いの台詞、息も詰まるような別れの言葉。東京という街のアルバムに綴じられた、切ない恋の物語。
  • ミステリー列車が消えた
    3.3
    行き先不明のブルートレイン「ミステリー号」が東京駅を出発したまま消息を絶ってしまった。ほどなく犯人から身代金10億円を要求する連絡が入る。速かに応じない場合は乗客の生命は保証できないという。全長250メートルに及ぶ列車を400名の乗客ごとに誘拐するという前代未聞の犯罪に、国鉄当局・警察は翻弄される。十津川警部の活躍は? 奇想天外なトリックの傑作鉄道ミステリー。
  • ガラシャ
    3.8
    明智光秀の娘として美しく成長した玉子。主君である織田信長の媒酌で、細川藤孝の子・忠興と華燭の典を挙げ、平穏な日々を送っていた。だが、突如発生した本能寺の変。実父の犯した罪により蟄居を命じられた玉子は、幽閉先で出会った男に惹かれてしまう。愛の何たるかも知らず妻となった女を苦しめる恋の業火──。絶世の美女と謳われた細川ガラシャの人生を描く華麗なる戦国純愛絵巻。
  • 傷―慶次郎縁側日記―
    3.8
    空き巣稼業の伊太八は、「身内に迷惑を掛けない」というのがモットーだ。豊蔵から共謀を持ちかけられ、目的の瓦屋に忍び込んだはよかったが、何とそこは豊蔵の弟の家だった。自らの信条に反する仕事をさせられた挙げ句、あらぬ罪まで着せられてお尋ね者になってしまった伊太八──彼の運命やいかに? 元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎が人々の心を潤す、粋と人情のお江戸事件簿。
  • 燃えあがる緑の木―第一部 「救い主」が殴られるまで―
    3.7
    1~3巻715円 (税込)
    百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編三部作。
  • 島倉千代子という人生
    -
    日本の戦後を代表する歌手、「島倉千代子」。だが、婉然とした笑顔の陰には、人知れぬ波瀾万丈の人生が荒々しくも滾っていた。七歳の時の大怪我、十六歳でのデビュー、結婚と離婚、巨額の借金、そして乳癌宣告…。「この世の花」「からたち日記」「人生いろいろ」など、数々のヒット曲に乗せ、辣腕政治ジャーナリストがその愛と悲しみを描ききる。
  • 射程
    -
    1巻715円 (税込)
    美しい多津子は、掠奪者の手に引かれていったのだ。――心の底に隠されたままの、深い傷に発する情念、それこそが、若い諏訪高男の運命を、根源においてゆさぶらずにはおかぬものだった。医師である父に反抗して家出し、やがて、たくましいヤミ商人となった高男。そして、ついには億万もの毛織物を先物買いするほどの富を築きながら、一挙に失敗して転落、彼は自殺を遂げる……。
  • きのうの空
    4.0
    見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。だが、この地にしがみつき、一日一日をひたすらに積み重ねなければ、生きてゆけなかった。わたしの帰りを家族が待っていた。親やきょうだいは、ときに疎ましくときには重く、ただ間違いなく、私をささえていた。名匠が自らを注ぎこみ、磨き続けた十色の珠玉。柴田錬三郎賞受賞作。

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  • 川のある下町の話
    -
    恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻いて虚無の雑音によどむ庶民の街――これは、そこに住む貧しい医学生、清純な女学生、薄幸の美少女、知性の優れた女医、キャバレーの孤独な青年など、善意に満たされた人々の人間讃歌であり、また人間の脆さ、哀れさを奏でて死を思わせる虚無の歌でもある。頽廃と死をつきぬける青春の愛の姿に、いのちの美しさの極致を描く。

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  • ニコライ遭難
    3.9
    明治24年5月、国賓のロシア皇太子を警護の巡査が襲った。この非常事態に、近代国家への道を歩み始めた日本が震撼する。極東進出を目論むロシアに対し、当時日本は余りにも脆弱であった――。皇太子ニコライへの官民を挙げての歓待ぶり、犯人津田三蔵の処分を巡る政府有力者と司法の軋轢、津田の死の実態など、新資料を得て未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。

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  • 火の杯
    -
    日本最大の財閥、御池家の庶子、康彦は財閥解体からのがれるための生け贄として、別人に仕立てられて公金拐帯の罪をきせられて、最後には生命までも奪われようとする。出生の秘密にまつわるニヒルな性格から、過酷な指令をただ受け入れているだけの康彦であったが、かつて自分の愛した奥勤めの娘の献身的な愛によって運命に立ち向かうようになる。山本周五郎が戦後の現実に挑んだ意欲作。

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  • 迷走地図(上)
    -
    1~2巻715円 (税込)
    保守党派閥抗争の確執の中、若手議員・川村は色と金を求め、銀座の高級クラブのママ織部佐登子に眼をつけた。だが、彼女は財界人をパトロンに持ち、政・財界間の影の資金ルートをつないでいた。次期首相を約束される寺西議員のもとから、逆リベートを運ぶ途中、佐登子は若い男に金を強奪されてしまう――。秘書、運転手、院内紙記者、代筆屋など代議士の陰で蠢く永田町人種の生態。

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  • ポンコツ魔王の田舎暮らし 1巻
    4.8
    1~5巻726~770円 (税込)
    魔界にて最強の存在である魔王。しかし、コミュ障の魔王は平穏を求めて現代の田舎へ移住。動物たちが言葉を発しないため、ここにはコミュ障しかいない天国だと思い込むものの、現地住民と接触し……。魔力は最強、コミュ力は最弱。コミュ障魔王のひきこもり譚! 電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に一部ページをカラーぺージで収録!
  • ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話 1巻
    4.8
    矛橋真澄は42歳のサラリーマン。会社で部下からは疎まれ、恋人もおらず、これといった趣味もない。日々の仕事で疲れ、渇き切ったおじさんだった。しかしある日オークションで幻と呼ばれる人形、【エーテルドール】“スターレット”を見つける。その可憐な姿と星の輝きを秘めた瞳に一目惚れし、気付けば競りに参加しており……。
  • 訳アリ心霊マンション 1巻【電子特典付き】
    4.7
    1~6巻726~770円 (税込)
    フリーター生活を続けていた東雲薫は一念発起して、中古マンションを一棟買い! 夢の不労所得生活がスタート! ……と思いきや、マンションでは心霊現象が多発して入居者はゼロに……!? それならいっそ、霊を住まわせちゃえばよくね? 新規入居霊、勧誘スタート! 【電子版特典】巻末には2022年9月にTwitterで掲載した番外編を収録!
  • 宮廷魔導師見習いを辞めて、魔法アイテム職人になります 1巻
    4.2
    1~6巻726~770円 (税込)
    幼い頃、地獄の王・ベリアルと出会って契約してしまったイリヤ。みっちり魔法を指導されてしまい、イリヤの実力は桁外れに……。その腕前をもって、宮廷魔導師見習いというエリートコースを歩み始めたイリヤだが、貴族や宮廷魔導師長の思惑が渦巻く職場に嫌気が差してしまう。思い切ったイリヤは……キャリアを捨てて、国外逃亡!?
  • おひとりさまホテル 1巻
    4.0
    「いつも」を「特別に」――設計会社に勤める塩川史香は、ホテルで過ごす「おひとりさま」の時間をとても大切にしている。友人たちもそれぞれホテルに対するこだわりがあって……『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチが描く、ホテルを巡る様々な物語――!! 電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に巻頭をカラーぺージで収録!
  • ケーキの切れない非行少年たち 1巻
    4.1
    少年院に収監される非行少年たちの中で、少なくない確率で境界知能の少年がいる…!『「子供を殺してください」という親たち』の鈴木マサカズ最新作!! 累計60万部突破の新書漫画化! 少年院と境界知能の闇に迫る!!
  • 133cmの景色 1巻
    4.7
    吉乃華(よしの はな)25歳。食品会社勤務。病気の影響で、小学生の頃に身体の成長が止まってしまった華は、その時と同じ身長のまま大人になった。年齢と外見が乖離していることで「見た目がもたらす生きづらさ」に直面してゆき――。恋も仕事も趣味も……「見た目」に縛られる社会で戦う、生きづらさの物語。
  • 女騎士とケモミミの子 1巻【電子特典付き】
    4.6
    魔物が蔓延り殺伐とした異世界。女騎士オリビアは、弟子の獣人ノアと暮らしていた。強く生きる2人の絆に癒され、キュンとする師弟の成長冒険譚。【電子版特典】巻末には電子書籍限定のイラストを収録!
  • 泥濘の食卓 1巻
    完結
    3.7
    全9巻726~792円 (税込)
    田舎町のスーパーで働く「深愛(みあ)」は、パート先の店長と不倫関係にあった。何のとりえもない自分に優しくしてくれる店長が大好きな深愛。しかし突然、別れを告げられる。理由は妻の鬱。家族の為に使う時間が必要で関係を続けられないという店長の言葉は耳に入らず、深愛が導き出した答えは、「私はやっぱり、店長と幸せになりたい」。その想いが一つの家庭を泥濘へと引きずり込む――。
  • 手のひらねこ 1巻
    完結
    5.0
    全2巻726~770円 (税込)
    これは世界で一番小さな猫と男子高校生の、ちょっと不思議な心温まるお話。高校1年生の奏くんのもとに手のひらに乗るサイズの幻の猫「手のひらねこ」が現れた。気に入ると棲みついてくれるというのだが……!? 『向ヒ兎堂日記』『午後3時 雨宮教授のお茶の時間』の鷹野久、最新作。
  • 西成ユートピア 1巻
    完結
    4.0
    大学卒業後、就職に失敗し裏モノ系ライターで飯を食う、國やん。いつものように編集長に金をせがむと、突然「西成で1か月生活してルポを書け」と命令され――。金なし、コネなしのクズ男が日本最大のドヤ街で見た光景とは。
  • 犬飼兄弟は不器用 1巻
    完結
    -
    犬飼兄弟は二人で暮らす、ごく平凡な社会人です。そう、人並み以上に不器用なことを除いては……。何気ない日常のワンシーンが、二人にとっては達成困難なミッションに様変わり!? もどかしくて、じれったい……だけど愛おしいぶきっちょ日常コメディです。
  • #真相をお話しします 1巻
    完結
    3.7
    累計20万部突破!! 話題の新感覚ミステリ、堂々コミカライズ!! 居酒屋で触れ合う男女、閑静な住宅街の裕福な親子、 久々の同窓会で見たあいつ、やっと授かった愛し子、自然あふれる島でのスローライフ。 目で見て分かる事実、だけど、ほんとにそれだけ?  したたかに行われる男女の駆け引き、食うか食われるか果たして――(『ヤリモク』編)。 ご希望があって家庭教師の営業に訪れたけど、なんか話がかみ合わない……?(『惨者面談』編)。 さらに、コミカライズ担当・もりとおるによる描き下ろしオリジナルミステリ『定期購毒』を収録の第1巻。 あなたの隣にも潜んでるかもしれない“非日常”をご堪能あれ。
  • エロ漫画家おねーさんとお疲れリーマン 1巻
    完結
    5.0
    36歳バツイチのサラリーマン・勅使河原三蔵が引っ越したマンションの隣にはエロ漫画家・只野くおんが住んでいた。ふとしたきっかけから只野と仲良く? なり、なぜか一緒にご飯を食べる間柄に!? 自由奔放な只野に終始振り回される勅使河原だが、そんな関係も嫌じゃない? 焦れったい二人のドキドキラブコメディ。
  • 悪者さんちのハムスター 1巻
    完結
    3.5
    職業・悪役レスラーの金剛寺は、その屈強な体とコワモテから試合でもプライベートでも恐れられている。しかし彼の家には溺愛するキンクマハムスターのオムライスが待っていて……!? 悪役レスラーがハムスターに癒されるムキふわコメディ開幕!!
  • か「」く「」し「」ご「」と「 1巻
    完結
    4.5
    『君の膵臓をたべたい』著者がおくる、共感度No.1の青春小説が待望のコミカライズ!! 地味な自分にやや引け目を感じている高校生・京は、ちょっとだけ特別なちからを持っていて――。5人の男女が織り成す清涼感あふれる群像劇を、『彼女はろくろ首』の新鋭・二駅ずいが独自の筆致で新たに描き出す! ◎さらに、電子版限定特典! 二駅ずい『純とかおる』(講談社刊)の第1話、第2話試し読みを収録!
  • 花と修羅場 1巻
    完結
    4.5
    高校2年生の岡 夕奈は、恋愛経験ゼロの地味で目立たない普通の女子高生…だが、実は少女マンガ誌『少女ニコラ』にて、タピ岡というペンネームで連載を持つプロのマンガ家でもあった。 学校と連載の両立は難しく、締切に追われ修羅場を迎える夕奈に、担当編集はアシスタントの起用を提案する。試しにお願いしてみたら、家にやってきたのはどうみてもカタギじゃない男で――!? ところが、花村と名乗るヤクザのような風貌をしたその男が開口一番発したのは、 「ファンです サインください!」 なんと花村は少女マンガ家志望というだけでなく、タピ岡の大ファンだった。 見た目とのギャップに戸惑いながらも、一緒に作業をする中でタピ岡は、花村の純粋さとひたむきさに心を許していく。 トラブルに見舞われながらも、花村の助けもあり、ついに原稿が完成! 花村の助力なしでは決して乗り越えることができなかった修羅場が明け、夕奈は正式に花村をアシスタントに雇うことを決意する。すると、 「俺と“親子の盃”を交わしてくれるという事ですね!?」 興奮する花村と指切りで契りを交わした夕奈のもとに、花村を迎えにやってきたのは黒塗りのハイヤー…そして車内から出てきた悪人顔の男が夕奈に告げる。 「あの方は花村組組長のご子息だからな ちょっとでも変な事したら…」 花村組の跡取り息子を雇ってしまった、タピ岡(本名:岡 夕奈)の波乱のマンガ家人生と恋路がスタート…!? (担当より) 現役女子高生マンガ家のタピ岡先生と、暴力団・花村組の跡取り息子の花村さん。年齢も立場も生い立ちも、何もかもがチグハグな二人を結びつけたのは“少女マンガ”でした。 本当なら出会うことがなかった二人…もしかしたら、道ですれ違うことはあったかもしれないけど、普通ならばそこで物語は終わっているはず、いや、始まりもしなかったであろう二人が、たった1つのきっかけで仲を深めていく…。 そんな都合の良い話あるわけがない、と思う方もいるかもしれませんが、そんな都合の良い話のことを人は“運命”と呼ぶのではないでしょうか。 そう、これは運命と恋と笑いの物語です! 一流の少女マンガ家になるという、険しい道をいくタピ岡先生と花村さんがいきつく関係は、ともに切磋琢磨する戦友? それともそれ以上の何か――…? 二人が迎える恋と笑いにあふれた修羅場を、是非とも最後までお楽しみください!
  • ハツ恋は2度おいしい 1巻
    4.1
    1~4巻726~748円 (税込)
    東野 美雲と今城 聖は、子どもの頃からの幼なじみ。中学生になっても周囲から公認カップルと言われるほどの仲の良さで、恋人になるのも時間の問題…だったはずが、なんと美雲の親の中国転勤が決定!? 美雲は引っ越しを余儀なくされ、お互いの気持ちを伝え合うことができないまま、二人は離ればなれになってしまう。聖は別れる間際、美雲に餞別として帽子をプレゼントする。 「これ餞別。待ってるから。美雲」 最後にそう告げられた美雲は、悲しい別れに涙しながらも、再会の約束を胸に抱き、日本を飛び立つのだった。 ……それから数年後。 日本に帰国し、高校生となった美雲は猛勉強を経て、聖が通う進学校に入学。 あの日の約束を果たし、見事、聖との再会を果たすことができた。 夢見ていたのは、お互いに想いあい、しかしついに実ることがなかった、あの初恋に心躍らせた日々の続き……。 しかし、そんな美雲の目の前に現れた聖はというと……、 「脳細胞死んでんじゃねーの」 「なんでこの学校にしたの?バカなのに」 なんて毒づく超辛口&クールな男子に成長していて、あの頃の面影は全くなし!? 想像していた再会とのギャップにショックを受ける美雲は、さらに学校の勉強にもついていけず、入学早々のテストも散々な結果となってしまう。 「あの頃の聖ちゃんは一体どこにいっちゃったの!?」 しかし、意気消沈しながらも、追試に備えて早朝の教室で勉強をする美雲のもとに、聖が現れ勉強を手伝ってくれることに。 様変わりしてしまった聖との距離を測りかねる美雲だったが、垣間見える聖の優しさと昔の面影に少しずつ惹かれていく。 「私ずっとあの頃に戻りたいって思ってたんだよね」 そう告白する美雲だったが、 「俺はあの頃に戻るつもりはないから」 と聖に拒絶されてしまう。 自分が嫌われてしまったと落ち込む美雲は、自室であの日の約束と聖の言葉を思い出していた。 「これ餞別。待ってるから」 もうあの頃には戻れない。 美雲は別れの日に聖からもらった帽子を抱き涙する……と、その美雲の目にとびこんできたのは、帽子のツバの裏に描かれた簡素な英文だった。 「Look here」 聖が書いたであろうその英文、昔は意味がわからずにそのままにしてあったことを思い出した美雲は、その指示の通り帽子のフチを調べる。そこに書いてあった、昔の聖からのメッセージとは…? このメッセージを見た瞬間から、二人のハツ恋は第2ラウンドに突入…!? 2度目のハツ恋、スタートです! (担当より) 「初恋は実らない、という言い伝えがあります。 一説によると、初恋は恋愛経験ゼロの状態でスタートするので、成就する可能性が低いとかなんとか。例えるなら、レベル1で魔王に挑むようなものでしょうか。確かにそう考えると初恋を実らせるのはもう殆ど奇跡のような所業に思えます。 そんなものに固執するのは馬鹿馬鹿しい…そう思いつつも、私たちはついつい、初恋を特別なものとして扱ってしまいます。 それはきっと、初恋は2度と更新できない経験だからではないでしょうか。 これから生きる上で、人生最高の恋愛は、きっと誰にでもいつだって更新するチャンスがあるはずです。 だけど、初恋はそうはいきません。 私たちがどれだけ願っても、お金を積んでも、もう1度初恋を経験することはできません。 レベル1で魔王と対峙した、あのドキドキ、あの恐怖…そして一歩、歩みを進めたときに感じた誇らしさは、その時にしか感じることができないものです。 そしてもし、その主人公が魔王を倒し、ハッピーエンドを迎えられたら…そんな物語を一つ、先生、よろしくお願いします。」 とお願いしたら、ふかさわ先生がこんなに素敵な作品を描いてくれました。 そんな、奇跡のようなお話です。是非とも美雲たちの初恋の行方を、最後まで見守って頂けると幸いです!
  • でっちあげ 1巻
    完結
    4.3
    どこにでもあるような街の、どこにでもあるような学校。どこにでもいるような母親と、どこにでもいるような先生。どこにでもあるようなありふれた関係、のはずだった。悪夢の“家庭訪問”までは――。小さな街で起きた“体罰事件”は全国を駆け巡り、やがて裁判へと発展する。世論の見守る中、正義の鉄槌が下るはずが……。
  • 恋するランウェイ 1巻
    完結
    1.8
    元ヤン女子高生、モデルを目指す♡ 月ヶ瀬るな、高校1年生。 一見、清楚な女子高生だけど、実は「元ヤン」。かつてはチームの頭をつとめ、無敗記録を持つ伝説の極悪ヤンキー「月影のルナ」と呼ばれていた――。 彼女の夢は、モデルになること。夢のために、大切な仲間とも別れ、ヤンキーを引退した。過去の自分を隠して、オーディションに挑戦するも落選続き……。そんな彼女に手を差し伸べたのは、ツンデレイケメンの同級生、日向樹だった――。 「モデルになりたい」というガッツだけは人一倍あるけれど、ファッションもメイクも壊滅的なセンス、貧乏家庭出身で、油断するとついついヤンキー口調になってしまうるな。 一方、樹は、いつもクールでファッションセンスも抜群、「イケメン高校生」としてファッション雑誌にひっぱりだこの有名人で御曹司。 太陽と月みたいに正反対のふたりだけど、「モデルになる」という夢のためにいつも全力のるなの姿に樹の気持ちも変化してきて……。 そしてるなは、雑誌「ニコティーン」のモデルオーディションに挑戦することに。そこへ超強力美少女で樹とも仲良しのライバル・羽生姫星が登場して……。 モデルへの道は険しいけれど、元ヤン魂と樹の応援があれば、乗りこえられる!? 元ヤン女子高生の恋と夢に「胸キュン」ストーリー開幕です♡ ≪桃井すみれ先生より≫ るなちゃんがモデルとして成長していくのをぜひ一緒に見守ってください。 ≪担当編集より≫ 「モデルになる」という夢に向かって突っ走るるなちゃんとそんな彼女を応援する樹くんとの関係が、とっても素敵なラブストーリーです♡ さまざまな困難を乗り越えようと頑張るるなちゃんと樹くんを応援よろしくお願いします♪
  • 星屑シェアハウス 1巻
    完結
    2.5
    ハウススタジオ=寮からお届け モデル男女5人の共同生活ラブ・ストーリー! 青森の農家から上京してきた中森杏(なかもり・あんず)の将来の夢は、「すごいモデルになること」。 東京への憧れがいっぱいな杏は、おしゃれなハウススタジオが自分の住む寮だと知り、テンションMAX! さっそく玄関のドアを開けると、上半身裸の男が立っていて――!!!!! しかも、ずんずん目の前に迫ってきて、赤面&目をつぶっていると、 「戸締り、ちゃんとして」 初めて出会ったその男子高校生は、 人気モデルで、イケメン俳優の片岡陸(かたおか・りく)。 男子と一緒の生活なんてありえないっ――!!!!! そう思っていたら、 初めての雑誌撮影の現場で、陸のプロフェッショナルな姿に感動してしまう杏。 「空気が全然違う、すごい存在感」 …同じモデルの道を進む人として、陸を尊敬する。 杏が寮に帰ると、 ぶっきらぼうな陸がやってきて、 自分の部屋に誘う、超展開に! 会って少ししかたってないのに、 男の子の部屋なんて入れるわけないよ~~~~~! 身構える杏に、 陸が見せてくれたのは、天井と壁一面に広がる綺麗なプラネタリウムの星たち。 同級生だけどモデルの先輩として、 陸は杏を気づかって「自分の良さを生かす」ようにアドバイスしてくれる。 一緒に寝ころんで、星屑を眺めていると、 自然と手が重なり、ドキドキが止まらなくなってきて…… !!!!!!!!!!!!!!!!!! そこへドタバタと入ってきたのは、 他のモデルたち3人! 若葉(わかば)、樹(いつき)、草太(そうた)。 実は他にも住人がいたことを知らされて、 杏の気持ちは、流れ星のようにシュルシュルと飛び回る! 誰とくっつくかわからない、誰もが羨む恋愛リアリティショー、開幕!
  • 私の愛した小説
    -
    敗戦直後に出会ったモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」は、作家として進むべき方向を、私に教えてくれた作品だった。『沈黙』を書く時も『侍』の時も、必ずこの小説を読み直してから執筆を始めた……。四十年以上にわたり、読むたびにいつも新しい顔を見せる「テレーズ」を回想し、文学と宗教について語った長編エッセイ。巻末に遠藤周作訳「テレーズ・デスケルー」を収録する。

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  • 大変だァ
    -
    腑甲斐ない男どもの多い中に、塙剛太氏は男だ。家では〈風呂。メシ。寝る。〉の三語で万事を済ませる関白亭主。ところが娘の友達の軟弱な男子学生を鍛えようとした闇鍋会で、放射能を浴び性転換を起した鶏を食べてしまったから、さあ大変。言葉優しく胸は少女のようにふくらみ始め……。男性の女性化、女性上位、学園紛争など、現代の世相をアイロニカルに諷刺した痛快ユーモア小説。

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  • 殺意はないけど(新潮文庫)
    4.0
    高校の仲良し女子4人組。10年後――阿季子はアイドルとして活躍したあと玉の輿に乗って主婦に、由記はタウン誌編集長に、はるなは地方局アナウンサーに、玲子はぬいぐるみ劇団の団員になっていた。そして阿季子の芸能界復帰が決まると差出人不明の「贈り物」が次々と送られてくる。穴だらけの写真、ガラス片……その先に待っていたのは!? 心の闇を描く傑作サスペンス。『微笑みがえし』改題。(解説・細谷正充)
  • あかあかや月―明恵上人伝―(新潮文庫)
    -
    1巻737円 (税込)
    鎌倉初期・京都。戒律と理想に生きた一人の僧がいた――。十六歳で出家し求道のため自らの右耳を切り落とした明恵は、仏道に励み高山寺を開く。一世を風靡した法然を糾弾し、承久の乱の敗残兵を匿うなど、権力に屈せず釈迦の教えを貫く姿は、純真な魂そのものだった。気高さと無垢を併せ持ち、仏教史に鮮烈な足跡を刻む奇僧を、従者イサの眼を通して蘇らせた傑作長編。『あかあかや明恵』改題。(解説・玄侑宗久)
  • 新樹の言葉(新潮文庫)
    3.9
    1巻737円 (税込)
    麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねていた時期の作品集。乳母の子供たちとの異郷での再会という、心温まる空想譚のなかに再生への祈りをこめた「新樹の言葉」。“男爵”と呼ばれる無垢な男と、昔その家の女中で今は大女優となっている女性との恋愛譚「花燭」。ほかに「懶惰の歌留多」「葉桜と魔笛」「火の鳥」「八十八夜」「老ハイデルベルヒ」など全15編。(解説・奥野健男)
  • きりぎりす(新潮文庫)
    4.1
    1巻737円 (税込)
    「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。……」名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して印象深く描いた表題作など、著者の最も得意とする女性の告白体小説「燈籠」「千代女」。著者の文学観、時代への洞察がうかがわれる随想的作品「鴎」「善蔵を思う」「風の便り」。他に本格的ロマンの「水仙」「日の出前」など、中期の作品から秀作14編を収録。(解説・奥野健男)
  • 新ハムレット(新潮文庫)
    3.8
    1巻737円 (税込)
    デカダンス文学の旗手、太宰のもう一つの面、天稟の文学的才能を存分に発揮した知性的作品群の中から、西洋の古典や歴史に取材した作品を収める。「ハムレット」の戯曲形式を踏みながら、そこに現代人の心理的葛藤と現代的悪の典型を描き込んだ表題作、全作品中もっとも技巧をこらした「女の決闘」、人生の本質的意味を数頁に結晶させた「待つ」ほか「古典風」「乞食学生」の全5編。(解説・奥野健男)
  • 幽世の薬剤師(新潮文庫nex)
    3.7
    薬剤師として働く空洞淵霧瑚(うろぶちきりこ)は、自身が専門とする漢方と現代医療の狭間で苦悩していた。そんなある日、病院からの帰り道で不思議な少女に出会う。「幽世(かくりよ)の薬師様、お迎えに上がりました」――気が付けば、そこは携帯の電波も届かぬ異界であり、さらに、謎の感染現象に苦しむ人々が溢れていた。これは病か。あるいは、怪異か。現役薬剤師が描く漢方×異世界×医療ミステリー、開幕!
  • 落ちこぼれ魔法少女の恋愛下剋上―魔法学校のワケあり劣等生なのに稀代の天才魔法使い様がベタ惚れ執着して困ってます―(新潮文庫nex)
    5.0
    「お前は今からゴミ捨て場行きだ!」成績で厳格な階級のある魔法学校で訳あって最底辺クラス(ゴミ捨て場)に落ちてしまったティムル。そこで出会った青年・ドラッギィがまさか稀代の超天才首席生徒本人とも思わず「惚れさせたら私の方が上ってことだよね」なんて憎まれ口を叩いたら、予期せぬ湿度高めな溺愛が始まってしまい――!? 胸キュン100%の異世界でこぼこ恋愛ファンタジー。
  • おとどけものです。―あなたに届いた6つの恐怖―(新潮文庫nex)
    3.6
    ある日、あなたのもとに届いた一つの箱。その中に潜むのは――わざと炎上を起こした女性の末路/隣の家に祀られた“幸せになれる”神様/部署に異動してきたいわくつきの彼女/眼球の裏側にいる何か/歯を捧げることで願いを叶えてくれる■■/謎の宗教施設で少年が見たもの……。読後、訪れるのは幸か不幸か、それとも――。時代を牽引するホラー作家たちが織り成す、無制限の恐怖。
  • 千羽鶴(新潮文庫)
    4.5
    菊治は、かつて父の愛人だった茶の師匠・栗本ちか子から、茶会の案内状をもらう。菊治に、弟子である美しい令嬢を紹介するというのだ。ところが茶会には、令嬢だけでなく、栗本の後に父の愛人となった太田夫人と、その娘も現れて……。時代を超えて受け継がれていく茶器と、それを扱う人間たちの愛と哀しみの物語。ノーベル文学賞対象作品。菊治のその後を描く「波千鳥」(続千羽鶴)を併録。(解説・山本健吉、恩田陸)
  • 舞姫(新潮文庫)
    3.5
    空前のバレエブームに沸く戦後。バレエ教室を主宰する波子の夢は、娘の品子をプリマドンナにすることだった。だが、夫は家に生活費を入れてくれず、暮らしは苦しくなっていく。追い詰められる波子の心の支えは、かつて彼女に思いを寄せた男、竹原だった――。終戦後の急速な体制の変化で社会や価値観が激変する時代に、寄る辺ない日本人の精神の揺らぎを、ある家族に仮託して凝縮させた傑作。(解説・池澤夏樹)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。
  • 小さいころに置いてきたもの(新潮文庫)
    4.6
    イチローの試合を見るため、ヤンキー・スタジアムでのナイター初観戦。ヨン様の姿を見ようとトライしたパチンコ。ハワイでのナンパ……トットちゃんの周りには、面白エピソードが溢れている。一方、多くの人を見送った。渥美清、久世光彦、森茉莉、赤塚不二夫らとの想い出。『窓ぎわのトットちゃん』に書けなかった秘密、ユニセフの活動で出会った子どもたちへの願いを綴るエッセイ。(解説・笹本恒子)
  • 記憶の鍵盤(新潮文庫nex)
    3.6
    あの日、不思議な少女は僕の目を見つめてこう言った。「わたしには、未来の記憶があるの。」ピアノの音を失い、弟の才能に影を落としながらも懸命に生きる高校三年生の茂住歩人(もずみあると)。想いを寄せる空手女子との関係は曖昧なまま、未来の記憶を持つという不思議な少女の導きが、歩人の運命を大きく動かし始める。未来と過去が絡み合う三角関係のゆくえは――。切なくて儚いひと夏の青春がここに。(解説・杉崎亮)
  • 町内会死者蘇生事件(新潮文庫nex)
    4.0
    生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)、昇太、由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
  • 怪談小説という名の小説怪談(新潮文庫)
    3.9
    “小説”ならではの企みに満ちた“怪談”全7編。深夜、疾走する車内を戦慄させた「高速怪談」、呪われた大ヒットホラー映画「苦々陀の仮面」、禁忌を犯してしまった夫婦と「こうとげい」、正体不明の殺戮犯「うらみせんせい」、作者不明の恐怖譚「涸れ井戸の声」他。謎めいた語りが恐怖と驚愕を生み、奇妙で不穏な空気と意外な結末に嫌な汗が滲みだす。著者真髄の大どんでん返し恐怖短編集!(解説・大森望)
  • 田沼と蔦重(新潮文庫)
    3.0
    次々とヒット作を生み出し出版界の寵児となった蔦重こと蔦屋重三郎。老中の田沼意次を庶民の理解者と評価する重三郎は文化人たちと築いたネットワークを駆使し、田沼のため情報収集に奔走することに。一方、獄死と偽り田沼邸に匿われていた平賀源内は、幕府財政再建を図るべく夷地の富に目を付けた意次の意を受け北に向かう。型破りで「べらぼう」な男たちを描く書下ろし長編歴史小説。(解説・木村行伸)
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)
    完結
    3.9
    この希有な旅人のことをどうしても書きたい――。第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人がいた。名は西川一三。未知なる世界への好奇心に突き動かされた男は、極寒の雪道、延々と続く砂漠、幾重もの峠、匪賊の襲撃や飢えを乗り越え、八年に亘り中国北部からインドまで果てしなく長い路を歩み続けた。二十五年の歳月を経て結実した超大型ノンフィクション。
  • このクリニックはつぶれます!―医療コンサル高柴一香の診断―(新潮文庫nex)
    3.8
    家族の思い出のクリニックを守るため開業医となった岩崎慎は、医者としての腕はいいが、経営はダメダメ。医師会の嫌がらせで患者は入らず、借金を抱え倒産寸前。藁にもすがる思いで医師免許を持つ異色の医療コンサル・高柴一香に助けを求める。「医療は金儲けです」と言い切る彼女に反発を覚えつつも、二人で奮闘し、次第に慎は医師として成長する。現役医師による医療お仕事エンタメ。
  • 美澄真白の正なる殺人(新潮文庫nex)
    4.3
    私たちは、どこで間違ったのだろう。天主堂と聖歌の町で、「正義の味方」を目指す女子高生の美澄(みすみ)真白(ましろ)は、八年ぶりに再会した親友・紫音(しおん)と楽しい日々を過ごしていた。紫音の抱える闇に気づくまでは――。事故死したはずの母親、虐待と思しきいくつもの痣……。聖なる夜、大切なものを守るため、痛々しいほど真っ白な少女が犯す、「完全に正しい」罪の炎。衝撃のラストが心を穿つサスペンス。
  • 世界でいちばん透きとおった物語2(新潮文庫nex)
    3.7
    新人作家の藤阪燈真の元に奇妙な依頼が舞い込む。コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したため、ミステリ専門雑誌『アメジスト』で連載中の未完の作品『殺導線の少女』の解決編を探ってほしいというものだ。担当編集の霧子の力を借りて調べるうちに、小説に残された故人の想いが明らかになり――。各種メディアで話題沸騰の新人作家と敏腕編集によるビブリオ・ミステリ第2弾!
  • もういちど、あなたと食べたい(新潮文庫)
    4.0
    大切な思い出はいつだって“食”とともにある。松田優作と食べたにぎり寿司、佐野洋子が作ってくれた野菜炒め煮、樹木希林に伝えた玄米の味噌雑炊、深作欣二が大好きだったキムチ鍋……。かれらと囲んだ味や匂いは、やがて私の肉となり血となった。映画「それから」「失楽園」等で知られる脚本家が、俳優や監督たちとの出会いと別れ、そして忘れられない食事を振り返る美味しくも儚いエッセイ集。(解説・ハルノ宵子)
  • 名探偵の顔が良い―天草茅夢のジャンクな事件簿―(新潮文庫nex)
    3.6
    ある日、職場で不可解な殺人事件に巻き込まれた潤子。事情聴取後、日課のジャンク飯を食べに向かうと、なんとそこには愛しの推し・天草茅夢(あまくさちむ)の姿が! 突然の出会いで興奮収まらぬ中、ジャンク飯への愛で意気投合した二人。事件のことを打ち明けると、彼は目を輝かせ推理を始めた。う~ん、この探偵、頭も良いけど何より“顔が良い”。推しが探偵で、助手が私の新感覚タッグミステリ!
  • 敗北からの芸人論(新潮文庫)
    3.0
    圧倒的な才能を前にし、絶望から始まる職業、芸人。テレビで見ない日はない彼らも、世界に羽ばたいた彼女も、若い世代から大人気のあのコンビも、かつては挫折し、どん底を味わった。ただ彼らはそこから立ち上がり、傷つきながらも自らのスタイルを確立していく。その過程はドラマチックで、馬鹿馬鹿しくて、美しい。誰よりも敗北を重ねた〈悟り芸人〉が、22組の芸人の挫折と栄光を熱く語る。
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)
    3.7
    ああおいしい。姫君の喉もたべてやりましょう――。おぞましい遊戯に耽る男と女(坂口安吾「桜の森の満開の下」)。大怪我を負った夫に堕ちてゆく妻(江戸川乱歩「芋虫」)。幼き兄妹が罪深き愛故に望む裁き(夢野久作「瓶詰地獄」)。泉鏡花、谷崎潤一郎、小栗虫太郎、太宰治ほか名だたる文豪達による10の良識や想像力を越えた怪作。物語は今、あなたの網膜に焼き付き、忘却を拒む。
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)
    完結
    4.2
    「ボッコちゃん」「マイ国家」など数多のショートショートを生み出し、今なお愛される星新一。森鴎外の血縁にあたり、大企業の御曹司として生まれた少年はいかなる人生を歩んだのか。星製薬社長となった空白の六年間と封印された負の遺産、昭和の借金王と呼ばれた父との関係、作家の片鱗をみせた青年時代、後の盟友たちとの出会い――知られざる小説家以前の姿を浮かび上がらせる。
  • 高虎と天海(新潮文庫)
    3.5
    1巻737円 (税込)
    六尺二寸の巨躯にして全身に九十九の傷を持つ戦国屈指の荒武者・藤堂高虎。徳川家康を天下人と見定め家来として仕えることにした高虎は、関ヶ原合戦勝利祝賀の席で、その博識と器量を家康に認められた喜多院の僧侶・天海と共に天下安寧を目指す。島左近の暗躍、風魔対伊賀者の諜報合戦、魑魅魍魎渦巻く朝廷対策、そして大坂の陣。徳川幕府の礎を築いた二人の智略と交友を描く書下ろし小説。
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)
    4.4
    腹に水がたまって妊婦のように膨らみ、やがて動けなくなって死に至る――古来より日本各地で発生した「謎の病」。原因も治療法も分からず、その地に嫁ぐときは「棺桶を背負って行け」といわれるほどだった。この病を克服するため医師たちが立ち上がる。そして未知の寄生虫が原因ではないかと疑われ始め……。のちに「日本住血吸虫症」と呼ばれる病との闘いを記録した傑作ノンフィクション。(解説・飯島渉)
  • 公孫龍 巻一 青龍篇(新潮文庫)
    5.0
    1~2巻737円 (税込)
    中国戦国時代、人質として周から燕に送られることとなった十八歳の王子稜(りょう)。父赧王の燕王宛ての書翰に、己を殺すようにと書かれているのを知った稜は愕然とする。王宮内の陰謀に巻き込まれたことを悟った稜は、山賊の襲撃から救った強国趙の幼き二公子の求めに応じ、商人「公孫龍(こうそんりょう)」として趙の都邯鄲(かんたん)を目指すことに。群雄割拠の乱世に颯爽と現れた青年の成長を描く波乱万丈の大河歴史小説開幕。
  • VR浮遊館の謎―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫nex)
    3.8
    人工知能探偵・相以(あい)と助手の輔(たすく)は、世界初のフルダイブ型VRに挑戦! あらゆるものが浮遊する館で、相以は魔法使いに変身! 早速、犯人当てゲームの最速クリア法を提案する。「一人ずつ殺していけばいいと思います!」ゲームとは思えない生々しい死体の出現、迫りくる殺人鬼の魔の手。はたして二人は浮遊館の謎を解き、無事に脱出できるのか。急転直下の推理バトル、新感覚ミステリ。
  • 笑う月(新潮文庫)
    3.7
    笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだ――。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という〈意識下でつづっている創作ノート〉は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。
  • 密会(新潮文庫)
    4.0
    ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(解説・平岡篤頼)
  • 箱男(新潮文庫)
    3.8
    ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)
    4.2
    ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変ってゆく「水中都市」、コモン君が、見馴れぬ植物になる話「デンドロカカリヤ」。安部短編作品の頂点をなす表題二作に、戯曲「友達」の原型となった「闖入者」や「飢えた皮膚」など、寓意とユーモアあふれる文体の内に人間存在の不安感を浮び上がらせた初期短編11編を収録。(解説・ドナルド・キーン)
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)
    3.9
    ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州。敵か味方か、国籍さえも判然とせぬ男とともに、久木久三は南をめざす。氷雪に閉ざされた満州からの逃走は困難を極めた。日本という故郷から根を断ち切られ、抗いがたい政治の渦に巻き込まれた人間にとっての、“自由”とは何なのか? 牧歌的神話は地に堕ち、峻厳たる現実が裸形の姿を顕現する。人間の生の尊厳を描ききった傑作長編。(解説・磯田光一)
  • 壁(新潮文庫)
    4.2
    ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    3.6
    これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる? 信者に人生を壊されたVtuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と嘘。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の最注目作家7名による“今”を切り取るアンソロジー。
  • 果ての海(新潮文庫)
    4.0
    階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原(あわら)温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり――。女の生き様を描く傑作サスペンス。(解説・原武史)
  • 土佐くろしお鉄道殺人事件(新潮文庫)
    -
    JR土讃線・土佐くろしお鉄道を、高知から宿毛(すくも)まで走る特急「あしずり九号」。その車内でコロナ担当大臣が毒殺された。この殺人を発端に、各地で事件が続発する。しかし、被害者に世直しを求める手紙を送る容疑者には常に確実なアリバイがあった。手紙と姿を見せない犯人との関連性は? 捜査を進めるほどに深まっていく謎に、十津川警部はどう立ち向かうのか。「地方鉄道」シリーズ、最後の事件。
  • 友喰い―鬼食役人のあやかし退治帖―(新潮文庫nex)
    4.0
    しくじれば、喰われる――。富士のふもとの山廻役人・坂下と加当の務めは、無断で山の樹木を伐る不届き者の見張り。だが真の任務は、林奉行・小野寺の指令のもと、山に棲むあやかしを退治すること。目玉を抉られ、四肢を奪われ、いつも犠牲になる加当と、なんでも喰らう化け物喰いの坂下は山の怪を次々と解決に導くが、実は壮絶な過去があり……。最強の役人バディが暴れまわる伝奇エンタメ!
  • 食う寝る坐る 永平寺修行記(新潮文庫)
    4.0
    その日、僕は出家した、彼女と社会を捨てて――。道元が開いた曹洞宗の本山・永平寺。ひとたび山門を潜れば、そこは娑婆とは別世界。東司(トイレ)にも行鉢(食事)にも厳格な作法がある。新入りは、古参僧侶に罵倒され、規矩を徹底的に叩き込まれる。さらに坐禅に日々打ち込んだ末、30歳の著者が会得したものはなにか? 雲水として修行した一年を描いた体験的ノンフィクション。(解説・柳澤桂子)
  • 破天荒(新潮文庫)
    4.0
    1巻737円 (税込)
    スクープ連発の若き業界紙記者がいた! 高校中退ながら、石油化学新聞社に入社した杉田亮平は、生意気といわれようが、言いたいことを言うのが信条。その圧倒的な取材力に、大手経済紙も高級官僚も驚愕した。企業トップと堂々と渡り合い、誰よりも早く情報を掴み、ダイナミックな経済の現場に立って、亮平は日本経済の真ん中を駆け抜ける。人間ドラマを見つめてきた著者の自伝的経済小説。(解説・加藤正文)
  • 魔女推理―嘘つき魔女が6度死ぬ―(新潮文庫nex)
    3.3
    春。満開の桜の樹の下で、僕は「彼女」に再会した。檻杖くのり。久城という街に住まう、美しくも謎に満ちた存在。「魔女」と称される彼女の周囲では常に事件が起こり……。記憶を失った少女。川で溺れた子ども。教会で起きた不審死。不可思議な謎の原因は「魔法」なのか。あるいはそれは「嘘」なのか。くのりと僕、二人の高校生の等身大の青春を描く魔法×ミステリー、ここに開幕。
  • 奇譚蒐集録―弔い少女の鎮魂歌―(新潮文庫nex)
    4.1
    大正二年、帝大講師・南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉(よみ)がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子(ミクチヌグヮ)」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣(あざ)が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
  • 江戸の空、水面の風―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    3.5
    大好きだった兄の長太郎を亡くしたお瑛も、今は成次郎と夫婦になり幸せに暮らしていた。そんな時、圭太という男が現れる。料理茶屋『柚木』の新しい奉公人だ。何くれとなくお瑛を助けてくれた女将のお加津は、優しくて手際のよい圭太を褒めちぎる。でも、何かおかしい……お瑛の胸はざわついた。お加津さんは何を考えているの? お瑛は猪牙舟を大川に漕ぎだしていく。好評「みとや」シリーズ!(解説・細谷正充)
  • 草原のサーカス(新潮文庫)
    3.9
    大手製薬会社に勤める姉の依千佳(いちか)と、人気アクセサリー作家の妹の仁胡瑠(にこる)。それぞれの道で成功を掴んだ姉妹は、やがて日本を揺るがす治験データ捏造事件、そしてハラスメント騒動を引き起こす。たった一度でも踏み外せば、容易(たやす)く切り捨てられる世の中で、私たちは何を「正しさ」の指標にできるだろう。「間違えた」後も続く自分の人生と、傷ついた心への向き合い方を渾身の力で問う長編小説。(解説・芦沢央)
  • 凜と咲け―家康の愛した女たち―(新潮文庫)
    5.0
    女子(おなご)の賢さを、上様に見せてあげましょうぞ――。意外にしたたかで大胆だった知られざる側近女性たち。正室築山御前の〈最後の恋〉、出奔した側室お万ノ方、老いても家康に大切にされた西郡(にしごおり)ノ局、秀頼の妻千姫に誠実に向き合ったお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局。徳川の礎を担いながら自分らしく生きた六人の魅力を描き出す傑作短編集。(解説・大矢博子)
  • やがて訪れる春のために(新潮文庫)
    4.0
    入院中の祖母から、庭の様子を見てきてほしいと頼まれた村上真芽(まめ)。彼女が目にしたのは、荒涼とした景色だった。花が咲き誇った庭に、しっかり者の祖母に、いったい何が起きたのか? 庭を復活させようとする真芽は、怪しげな隣人や家の売却計画など様々な困難に直面するが、幼なじみたちの力を借りながら奮闘する。バラ、クレマチス、ミントなど植物が彩る庭を舞台に描く、あなたのための物語。(解説・岩田徹)
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)
    4.0
    憂鬱な不採用通知、幼い娘を抱える母子家庭、契約社員の葛藤……。うまく喋れなくても否定されても、僕は耳を澄ませていたい――地球の中心に静かに降り積もる銀色の雪に。深海に響くザトウクジラの歌に。磁場を見ているハトの目に。珪藻の精緻で完璧な美しさに。高度一万メートルに吹き続ける偏西風の永遠に。表題作の他「海へ還る日」「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」「十万年の西風」の五編。(解説・橋本麻里)
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
    3.8
    なぜ小田急江ノ島線沿線にはカトリック教会や女学校が多いのか。JR阪和線沿線にはなぜ古代から現代までの歴代天皇の足跡が豊かに残るのか。JR山陽本線沿線の内陸部に多くの新宗教が発生したのはなぜなのか――。鉄路という「線」に沿い、地を這うように移動し、考えることで、歴史の死角に隠された地下水脈が発掘される。旅情をそそり、知的興奮のとまらない歴史紀行ミステリー・ツアー。(解説・山本理顕)
  • 真夜中のたずねびと(新潮文庫)
    3.4
    言葉を失った震災孤児の少女アキ。空き家を転々とする中で、彼女は占い師の老婆と出会い、共に暮らすことに。少女を「天使」と呼ぶ老婆は言った――ある岩穴に封印したそれをとってきて欲しい、と。探し辿り着いた場所で、アキは死者の声を聞く……。平穏な日々を突如として切り裂く、災害、事故、そして底知れぬ悪意。人探しの探偵へと成長したアキに導かれ、真夜中に呑まれた者たちの現代奇譚。(解説・朝宮運河)
  • こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)
    4.5
    2016年、大阪市に日本初の民間小児ホスピス「TSURUMIこどもホスピス」が誕生した。ここは死を看取る場所ではない。難病の子供に苦しい治療を強いるのではなく、短い時間であっても治療から離れ、家族や友人と笑い合って生涯忘れえぬ思い出を作る手助けをする施設なのだ。設立に向けて奮闘した医師、看護師、保育士たち。そして自分の人生を守り生きるために声を上げた子供たちの感動の記録。
  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―(新潮文庫)
    4.0
    20XX年平壌でクーデターが勃発、北朝鮮軍部はムスダンリからミサイル発射を企んでいた。米国は自国保護のためピンポイント爆撃へと動き出す。だがその標的近くで日本人拉致被害者6名が生存していることが発覚。日本政府は邦人奪還のため自衛隊特殊部隊の投入を決断するが……。海上自衛隊特別警備隊の創設者が、政府の動きや作戦行動を完全シミュレーション。驚愕のドキュメントノベル。(対談・かわぐちかいじ)
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)
    4.1
    シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。

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