新釈遠野物語

新釈遠野物語

605円 (税込)

3pt

東京の或る交響楽団の主席トランペット奏者だったという犬伏太吉老人は、現在、岩手県は遠野山中の岩屋に住まっており、入学したばかりの大学を休学して、遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”に、腹の皮がよじれるほど奇天烈な話を語ってきかせた……。“遠野”に限りない愛着を寄せる鬼才が、柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、現代の怪異譚9話。

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新釈遠野物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。

     もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。

     いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。

     『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本から読み始めるといいと

    1
    2017年08月15日

    Posted by ブクログ

     井上ひさしの代表作ともいえる連作小説集。たぶん、新潮文庫の百冊にも入っていたような記憶がある。
     収録されているのは、「鍋の中」「川上の家」「雉子娘」「冷し馬」「狐つきおよね」「笛吹峠の話売り」「水面の影」「鰻と赤飯」「狐穴」の9編。
     民俗学者柳田國男が書いた「遠野物語」の中に収録されている伝説

    0
    2024年08月03日

    Posted by ブクログ

    軽快な語り口。巧妙なプロット。読後に味わう悲哀。東北の山水とそこに生きる人びとの奇譚。いずれも印象深い話だった。川での生死をめぐる話『川上の家』と『鰻と赤飯』の余韻は忘れがたいものだ。

    0
    2024年01月01日

    Posted by ブクログ

    遠野物語をもとにしたと思われる短編集。これはおもしろい。
    遠野物語の原作を読んだことがないので、どのくらい原作に忠実なのかわからないけど、どこか胡散臭い犬伏老人の語る話は幻想的な話や怪奇的な話などバリエーション豊かでテンポがよく、ハズレ無しの面白さ。
    最終話でキッチリとオチまでつけてくれる丁寧さで、

    0
    2023年01月16日

    Posted by ブクログ

    遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”は、その山中に住む犬伏老人に出会う。老人は“ぼく”に、遠野に伝わる奇天烈な話の数々を語って聞かせた。柳田國男の名著「遠野物語」を井上ひさし氏が新釈したもう一つの「遠野物語」。

    話し上手な犬伏老人のインチキ話の数々に、誇大癖のある“ぼく”は当初疑心暗

    0
    2014年11月29日

    Posted by ブクログ

    誇大癖のある"ぼく"と、語り部である
    いんちき臭い犬伏老人が「遠野物語」の序文に
    なぞらえつつ紹介され、つるりと始まる物語。

    山の緑の稜線に重なる白い夏雲。
    世界が反転するような不思議で美しい
    桜の花びらほどの大きな雪の舞う景色。

    美しい描写にうっとりしながら、
    老人の話す怪

    0
    2014年06月14日

    Posted by ブクログ

    久々に手に取り読みました。
    もともとは柳田国男が遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたものですが、これは何度読んでも、不思議な気分にさせられる本です。

    0
    2012年07月15日

    Posted by ブクログ

    goole mapとwikipediaを見れば、だいたいのことは分かってしまう世の中だけど、それが完全に思い込みであることを教えてくれる1冊。

    目の前にいる人は、人間なのか、獣の類なのか。

    ここからあそこへは、近いのか、遠いのか。

    全ては、やってみなきゃ分からないんだ。

    0
    2012年07月02日

    Posted by ブクログ

    「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
    本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

    「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
    「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いん

    0
    2012年06月09日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだのは高校生の頃だったか。。
    その後、時折、読み直してしまい、結局何度読み直したことか。
    読み直すたびに、気付かされることがある。
    「笛吹き峠の話売り」が一番好き。

    0
    2012年02月05日

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