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東京の或る交響楽団の主席トランペット奏者だったという犬伏太吉老人は、現在、岩手県は遠野山中の岩屋に住まっており、入学したばかりの大学を休学して、遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”に、腹の皮がよじれるほど奇天烈な話を語ってきかせた……。“遠野”に限りない愛着を寄せる鬼才が、柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、現代の怪異譚9話。
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Posted by ブクログ
言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。 もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。 いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。 『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本から読み始めるといいと...続きを読む思います。
井上ひさしの代表作ともいえる連作小説集。たぶん、新潮文庫の百冊にも入っていたような記憶がある。 収録されているのは、「鍋の中」「川上の家」「雉子娘」「冷し馬」「狐つきおよね」「笛吹峠の話売り」「水面の影」「鰻と赤飯」「狐穴」の9編。 民俗学者柳田國男が書いた「遠野物語」の中に収録されている伝説...続きを読むや昔話を、井上ひさし流に新たな話として現代に蘇らせたものである。 どこか聞いたことのあるような親しみのある話が、笑い話や怖い話、不思議な話と生まれ変わっている。 この本を最初に読んだのは、高校生ぐらいの時、それから何度も読み返しているし、本自体2冊目になっている。 ストーリーもあらかたわかっているのにもかかわらず何度も読めてしまうのは、井上ひさしの冗長なぐらいのと言いつつもテンポの良い、独特の文体に引き寄せられてしまうところがあるのかもしれない。 また、話のいくつかは、艶っぽい女性が出てくる(これも井上ひさしらしいが)。こういう大人の女性は、歳を経ないとわからない所があるよね。(まあ、今になってもわかっているとはいいがたいが・・・。) こういった所も何回も読める所なのかもしれない。 もとになっている話も、何処かで聞いたことがあるよなあと思う話が料理されているのでその事もあるのだろう。 この本は1976年に筑摩書房から単行本が出版され 1980年に文庫化されている。 思ったより出版が古いなあ。(笑)
軽快な語り口。巧妙なプロット。読後に味わう悲哀。東北の山水とそこに生きる人びとの奇譚。いずれも印象深い話だった。川での生死をめぐる話『川上の家』と『鰻と赤飯』の余韻は忘れがたいものだ。
遠野物語をもとにしたと思われる短編集。これはおもしろい。 遠野物語の原作を読んだことがないので、どのくらい原作に忠実なのかわからないけど、どこか胡散臭い犬伏老人の語る話は幻想的な話や怪奇的な話などバリエーション豊かでテンポがよく、ハズレ無しの面白さ。 最終話でキッチリとオチまでつけてくれる丁寧さで、...続きを読む大満足の一冊でした。
遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”は、その山中に住む犬伏老人に出会う。老人は“ぼく”に、遠野に伝わる奇天烈な話の数々を語って聞かせた。柳田國男の名著「遠野物語」を井上ひさし氏が新釈したもう一つの「遠野物語」。 話し上手な犬伏老人のインチキ話の数々に、誇大癖のある“ぼく”は当初疑心暗...続きを読む鬼になりながらも暇つぶしと思って話を聞き入るが、しだいに“ぼく”は老人に次の話を乞い始める。老人が語る9つの話は、木々や動物といった遠野の美しい自然を背景に今も昔も変わらない人間の滑稽な姿を浮彫にする。印象的だったのは「雉子娘」「笛吹峠の話売り」、そして最後の「狐穴」。 後悔先に立たずなオチはどれも秀逸で、読んでいる方は自分自身も話の登場人物のようにラストで途方に暮れるが、それがまた不思議と心地いい。「やられた」の一言。
誇大癖のある"ぼく"と、語り部である いんちき臭い犬伏老人が「遠野物語」の序文に なぞらえつつ紹介され、つるりと始まる物語。 山の緑の稜線に重なる白い夏雲。 世界が反転するような不思議で美しい 桜の花びらほどの大きな雪の舞う景色。 美しい描写にうっとりしながら、 老人の話す怪...続きを読む異に夢中になりページをめくると、 それはいつしか艶っぽい話、悲しい恋の話、 残酷な話、悲しく面妖な話へと様変わりしていく。 本家遠野の話を小さな骨組みとして 話は隆々と肉をつけ、種を知っているはずの 手品が鮮やかに趣向が変わり、感嘆し、 最後には井上氏の愉しい試みに口角が上がる。 遠野とどこかしら地続きでありながらも、 延長線上のオマージュに留まらず、 再構築され生まれ変わる遠野。 "ぼく"となった聞き手の私は 犬伏老人の話を心の底から楽しみ魅了される。 見事な筆致にまさしく、どんとはれ!!
久々に手に取り読みました。 もともとは柳田国男が遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたものですが、これは何度読んでも、不思議な気分にさせられる本です。
goole mapとwikipediaを見れば、だいたいのことは分かってしまう世の中だけど、それが完全に思い込みであることを教えてくれる1冊。 目の前にいる人は、人間なのか、獣の類なのか。 ここからあそこへは、近いのか、遠いのか。 全ては、やってみなきゃ分からないんだ。
「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。 本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。 「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。 「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いん...続きを読むちき臭く、聞く側は誇張癖がある、という事になっている。 犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が対等な立場で関わりあう。全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。 怪異の物語ではあるが、どこか懐かしい感じもする。 夏祭りの夜、人通りの少ない裏通りに入ってしまったような、 すぐ近くに「普通」の世界があるにも関わらず、少しだけ異なる「異世界」に踏み込んでしまったような、 「大人向け日本昔話」 と言ってしまってもいいかもしれない。
初めて読んだのは高校生の頃だったか。。 その後、時折、読み直してしまい、結局何度読み直したことか。 読み直すたびに、気付かされることがある。 「笛吹き峠の話売り」が一番好き。
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