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<絵本>憲法のこころ/平和憲法の精神を表している「前文」と「第九条」を、井上ひさしが子どもにも読める言葉に「翻訳」。いわさきちひろの絵とともに、憲法の内容を、心で感じられる。<お話>憲法って、つまりこういうこと/日本国憲法のもとになっている考え方、重要な条文の内容、そして、なぜ憲法をかんたんに変えてはいけないのか?井上ひさしが、実際に小学生に話した内容を再録。【付録】日本国憲法全文
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Posted by ブクログ
素晴らしい「はじめに」で、さすが、井上ひさし!
今現在、戦争が身近に迫っているような怪しい状況下にあるので、子供のみならず、大人ももう一度、日本国憲法を噛み締めて欲しい。
〈本から〉
はじめに
いまでは信じられないことですが、昭和二0(1945)年の日本人男性の平均寿命は、たしか二三.九歳でした。戦地では兵士たちが戦って死ぬ(あとで分かったのですが、戦死者の三分の二が餓死でした)、内地では空襲で焼かれて死ぬ、病気になれば薬がないので助かる命が助からぬ、栄養不足の母親を持った幼児たちは栄養失調で死ぬ。\そこで大勢が若死にしたのです。女性の平均寿命も、三七.五歳だったはずです。
そんな時代ですから、私たち国民学校生徒も先生たちから、「きみたちも長くは生きられないだろう」と言い聞かされていました。(略)
ところがあの八月一五日を境に、なにもかも変わった。「きみたちは三〇、四〇まで生きていいのです」というのですから、頭の上から重石がとれたようで、しばらく呆としていました。この状態を大人たちは「開放感」というコトバで言い表しておりましたが。
その呆とした気持ちがシャンとなったのは、敗戦の翌年、日本国憲法が発布されたときです。「君たちは長く生きられまい」と悲しそうにしていた先生が、こんどは朗らかな口調で「これから先の生きていく目安が、すべてこの百と三つの条文に書いてあります」とおっしゃった。とりわけ、日本は\もう二度と戦争で自分の言い分を通すことはしないという覚悟に、体がふるえてきました。
二度と武器では戦わない。ーこれは途方もない生き方ではないか。勇気のいる生き方ではないか。
(略)
剣よりも強いものがあって、それを戦わず生きること。そこことを剣豪たちはその生涯の後半で汁が、いま、私たちはそれと同じ境地に立っている。なんて誇らしくて、いい気分なんだろう。
この子どものときの誇らしくていい気分を、なんとか今の子どもたちにも分けてあげたいと思って、私はこの本をてがけました
井上ひさし
Posted by ブクログ
知之介さんのレビューで知った本。
子どものためではなく、自分のために読みました。
法学部出身なので学生時代に学んだ憲法ですが、憲法について考える私も、そして日本も当時と比べるとかなり変化しました。
どなたか国会議員の方にこの本を国会で音読してほしい。
政治家のみならず、全国民にそれを聞いてほしい。
政治的な発信はほとんどしない私ですが、頭の中で常に考えてはいます。他人事としてぼんやりしていると取り返しのつかないことになってしまうと恐れています。
日本国憲法は民定憲法であることに触れ、「民定憲法は、国民から政府への命令書ですから、国や政府の好き勝手は許されません」とありました。
なのになぜ、最近いくつものとても重要なことが国民を置いてけぼりにして決まっていくのでしょう。
30分もあれば読み終えられる本ですが、読んでいる間も読み終えた後も、ずっと考え続けています。
たくさんの方に読んでほしいなと思いました。
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