留学

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583円 (税込)

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カトリック神学生の工藤、日本最初のヨーロッパ留学生である十七世紀の荒木トマス、仏文学者の田中の三人を主人公とした『ルーアンの夏』『留学生』『爾も、また』の三章から成る。時代は違っても、三人の留学生の悩みは共通であり、それぞれにヨーロッパ文明の壁に挑んで懸命に生きるが、宗教や文化その他の精神風土の絶対的な相違によって空しく挫折してゆく姿を描く力作。

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留学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年06月27日

    留学の苦しみ。理想と現実との葛藤。

    向坂の以下の発言が胸に刺さる。
    「ぼくら留学生はすぐに長い世紀に亙るヨーロッパの大河の中に立たされてしまうんだ。ぼくは多くの日本人留学生のように、河の一部分だけをコソ泥のように盗んでそれを自分の才能で模倣する建築家になりたくなかっただけなんです。河そのものの本質...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年05月08日



    三章仕立てですが、前半部を工藤と荒木トマスの類似、後半部を田中とサド侯爵の対比として読みました。

    作中人物たちの葛藤が解消不可能であるだけに、バッドエンドであろうとわかっていながら、それでも救われてほしいという願いを込め、頁をめくりつづけました。「虚無に祈るような」と形容すれば良いのでしょうか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月05日

    経験しているからなのかな、人の葛藤を描くのが上手いなあと思いました。昇進に悩む社会人とか勉学に励む学生とか、共感できる方は多いのではないかと思った。

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    Posted by ブクログ 2014年05月04日

    自分も留学している身だが、共感することが非常に多い。留学考えている人はネットにある留学体験談じゃなくてこの本を読んだ方が良い。

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    Posted by ブクログ 2011年10月15日

    人が異文化に接したとき、その異質さに打ちのめされることはままある。

    あのテヘランの、どんよりした空気の中、ひとりバスに座り帰宅を急いでいたころをぼんやり頭に置きながら、読み進めた作品であった。時代も、場所も、作中の人物とは異なるけれども。

    留学経験者には、なるほど頷ける場面が多い作品だとおもう。

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    Posted by ブクログ 2023年07月15日

    フランスに留学した人物を主人公とした作品三編で構成されています。

    第一章は、キリスト教文学について学ぶためにフランスにやってきた工藤という青年が主人公の短編です。彼は、日本でのキリスト教布教の希望を疑うことがなく、日本についての想像力を欠いた善意を示すフランスの敬虔な信者たちに、理解されることのな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月08日


    当時の留学の苦悩と孤独感が苦しく、重い。
    この救いの無さ、読後虚脱感の最高峰は『侍』だと思うが、他の名作の影に隠れた良い作品だと思う。

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    Posted by ブクログ 2020年07月25日

    重く長い。
    工藤も田中も遠藤周作自身なのだなと思った。
    彼らの中には必ず劣等感があり、その部分こそが私たちを同じ人間なのだと狂わせる。
    誰も同じなわけないのに。
    我々はいつどこの場所に生きても、思い悩み、一点の消えない朱色を追い求めるんだ、と思った。

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    Posted by ブクログ 2014年02月05日

    三部作。最後の話やたら長い。本作も他の作品と同じく西洋文化キリスト教と日本の文化との対峙、本質的な相違について描かれている。
    主人公はもちろん遠藤周作ご本人がモデルなんだけど、しかし苦しい。なんでこんなに苦しまなあかんのか。時代ゆえなんか、芸術とか文学を志す者ゆえなんか、とにかく苦しい。文学者として...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月06日

    著者自身の留学経験を下に書かれたであろう、留学経験者で有れば誰でも思わず頷く様な、現地での葛藤や苦労を描いた作品です。 現代社会とは少し違った感覚、古臭い側面も多々有りますが、時代は変わってもこういった気苦労やコミュニケ―ションにおけるもどかしさや歯がゆさは、いつの時代でも変らないみたいですね。 遠...続きを読む

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