無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2021年06月27日
留学の苦しみ。理想と現実との葛藤。
向坂の以下の発言が胸に刺さる。
「ぼくら留学生はすぐに長い世紀に亙るヨーロッパの大河の中に立たされてしまうんだ。ぼくは多くの日本人留学生のように、河の一部分だけをコソ泥のように盗んでそれを自分の才能で模倣する建築家になりたくなかっただけなんです。河そのものの本質...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月08日
三章仕立てですが、前半部を工藤と荒木トマスの類似、後半部を田中とサド侯爵の対比として読みました。
作中人物たちの葛藤が解消不可能であるだけに、バッドエンドであろうとわかっていながら、それでも救われてほしいという願いを込め、頁をめくりつづけました。「虚無に祈るような」と形容すれば良いのでしょうか...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月15日
フランスに留学した人物を主人公とした作品三編で構成されています。
第一章は、キリスト教文学について学ぶためにフランスにやってきた工藤という青年が主人公の短編です。彼は、日本でのキリスト教布教の希望を疑うことがなく、日本についての想像力を欠いた善意を示すフランスの敬虔な信者たちに、理解されることのな...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月05日
三部作。最後の話やたら長い。本作も他の作品と同じく西洋文化キリスト教と日本の文化との対峙、本質的な相違について描かれている。
主人公はもちろん遠藤周作ご本人がモデルなんだけど、しかし苦しい。なんでこんなに苦しまなあかんのか。時代ゆえなんか、芸術とか文学を志す者ゆえなんか、とにかく苦しい。文学者として...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月06日
著者自身の留学経験を下に書かれたであろう、留学経験者で有れば誰でも思わず頷く様な、現地での葛藤や苦労を描いた作品です。 現代社会とは少し違った感覚、古臭い側面も多々有りますが、時代は変わってもこういった気苦労やコミュニケ―ションにおけるもどかしさや歯がゆさは、いつの時代でも変らないみたいですね。 遠...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。