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長年対面しつづけた宗教的課題を取り上げ、“現代の聖書”として世に問うべく構想を練りながらも絶筆となった現代小説「おごそかな渇き」。ほかに“下町もの”の傑作「かあちゃん」「将監さまの細みち」「鶴は帰りぬ」、“武家もの”の名品「紅梅月毛」「野分」「蕭々十三年」、“こっけいもの”の「雨あがる」、“メルヘン調の「あだこ」「もののけ」と、周五郎文学のさまざまな魅力を一冊に収めた。
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Posted by ブクログ
安定の山本周五郎。時代物だけでなく、現代物(といっても戦後すぐくらい)の物語が含まれる短編集。いつもはスパッと切れ味の良い武士の忠義、親子、夫婦、兄弟の理想系などが中心だが、この一冊では、ちょっとドロドロした話、救いようがない人間像、無駄に生きるどうしようもなさなどが正直に描かれている感じ。理想だけ...続きを読むじゃないんだよなあということをしみじみと思い出させる一冊で、これはこれで十分アリ。
おごそかな渇きを読みたくて手に取った 山本周五郎の未完の絶筆 戦後の日本の貧しさ 欲が渦巻き 他を排除しようとする人々 東京で妻に逃げられた中学教師と14歳の娘は東京を離れ田舎で野菜や特殊な 炭を焼いて生活している 学があり無宗教の父親は地域の住民に うちとけていけないし 地域の住民もなかなか受け...続きを読む入れられない そんな中 行倒れの若い男性を助け 医者を呼び食事を与え 体力を回復させる 戦後で誰もが生きること食べることに 精一杯だった時代 貧しさにも負けず困っている人を助け 希望をもって進もうとする人々 14歳の娘の生活力のたくましさ 今の時代の人が失ったものが みずみずしく表現されていて 心がきりきりとした あれに近い時代をちょっと経験した 私としては感慨深い 作家はこれからをどのように書こうと していたのだろうか
嗚呼、山本周五郎。あなたの様々な魅力が散りばめられた短編集、また時折、棚から取り出して読みなおそうと思う。珠玉の作品たちだ。
「日日平安」、「さぶ」、「赤ひげ診療譚」、「樅ノ木は残った」と読み進めた、山本周五郎作品の固め読み。まだまだ作品はたくさんあるのだけれど、ひとまず、この「おごそかな渇き」でいったん区切りをつける。どの作品も巧みな構成と人物描写、人の繋がりや心の機微をとらえ、魅力的な作品ばかりだった。これまでに読んだ...続きを読むどの小説群よりも魅力的な作品たちだったと思う「古典」。他の作品とは明らかに視点の異なる絶筆となった「おごそかな渇き」。これの完成した作品を読んでみたかった。山本周五郎固め読みの閉めとして、周五郎の言葉集「泣き言はいわない」。これを読んで終了としよう。
10/10/12。10代・20代以来かな。一番最初に住んでいたところを引き上げるときに、あまりの本の多さに捨てたんだろな、きっと。 表題作は、宗教論?。
6年ぐらい前に友人から薦められた。今年の始め、本屋でふとそのことを思い出して探してみたらあったので買ってきた。 表題作の「おごそかな渇き」を一番最初に読んだ。書きかけで絶筆となった作品。テーマが深くそれだけに残念だった。 西洋文学に深くはまり込んでいた自分にとって、日本が舞台の小説は、特に古びた日本...続きを読むの背景は、何となく受け付けなくて、「おごそかな〜」以外はずっと手をつけずに机の上に置きっぱなしにしていた。ある折に、ふと読み始めた所ぐいぐいとひきつけられて、忙しい仕事のあいまに少しずつ読み進めながら気付いたら読み終わってしまった。ものすごく良かった! 近代化が進むそれ以前の日本。人の心、言葉が今よりもずっと重みがあった時代。言葉にしてしまうと心が決まり、環境がそのように動き出す。自分のする事に責任を強く意識していた時代。今よりもずっとずっと人の心が単純で深い時代があった。そんな時代に生きたことがない自分だが、この小説に懐かしさを感じるのは、今も昔も変わらずに人の心にある純粋な思いが現れているからだろう。 「かあちゃん」「鶴は帰らぬ」「あだこ」がよかった。「紅梅月毛」「しょうしょう十三年」も良かった。他の作品も良かった。山本周五郎、大好きになった。 08/7/29
周五郎絶筆の「おごそかな渇き」を初めとして雨上がるやかあちゃんはもちろん,これまた名作がずらり。特におごそかな〜は本当に周五郎の人生観が凝縮されるに違いない,という作品に仕上がっただろうと思われる。残念。
良いものは色あせない。この人の作品は、ずっといつまでも触れていたいです。たまに読み返すと、大切な言葉が沢山散りばめられています。
しみじみ人情を感じる短編集だけど、実はそれぞれ違いがあり、バラエティーに富む。武家もの、心意気、相手を気遣う気持ち、ほんとうの人間らしさが感じられる。 「将監さまの細みち」なんて、背景を変えたら現代の小説になりそう。”あのひとは知っていた”と気づくあたりはドラマのようで「蕭々十三年」「紅梅月毛」と全...続きを読むく違う世界を描けるってすごい。
表題作の「おごそかな渇き」は山本周五郎の絶筆で,朝日新聞に連載中に亡くなってしまった.宗教を取り扱っているのだが,途中で終わってしまっていて続きが読めないのがとても残念だ. 他の作品は,生きる気力を無くした武士の前に住み込みの田舎娘が現れる「あだこ」,家康主催の馬くらべにあばら馬で出場する「紅馬月毛...続きを読む」がよかったかな.
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