【感想・ネタバレ】おごそかな渇きのレビュー

あらすじ

長年対面しつづけた宗教的課題を取り上げ、“現代の聖書”として世に問うべく構想を練りながらも絶筆となった現代小説「おごそかな渇き」。ほかに“下町もの”の傑作「かあちゃん」「将監さまの細みち」「鶴は帰りぬ」、“武家もの”の名品「紅梅月毛」「野分」「蕭々十三年」、“こっけいもの”の「雨あがる」、“メルヘン調の「あだこ」「もののけ」と、周五郎文学のさまざまな魅力を一冊に収めた。

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Posted by ブクログ

おごそかな渇きを読みたくて手に取った
山本周五郎の未完の絶筆

戦後の日本の貧しさ
欲が渦巻き 他を排除しようとする人々
東京で妻に逃げられた中学教師と14歳の娘は東京を離れ田舎で野菜や特殊な
炭を焼いて生活している
学があり無宗教の父親は地域の住民に
うちとけていけないし
地域の住民もなかなか受け入れられない
そんな中 行倒れの若い男性を助け
医者を呼び食事を与え
体力を回復させる

戦後で誰もが生きること食べることに
精一杯だった時代
貧しさにも負けず困っている人を助け
希望をもって進もうとする人々
14歳の娘の生活力のたくましさ
今の時代の人が失ったものが
みずみずしく表現されていて
心がきりきりとした
あれに近い時代をちょっと経験した
私としては感慨深い
作家はこれからをどのように書こうと
していたのだろうか

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

嗚呼、山本周五郎。あなたの様々な魅力が散りばめられた短編集、また時折、棚から取り出して読みなおそうと思う。珠玉の作品たちだ。

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2014年09月13日

Posted by ブクログ

「日日平安」、「さぶ」、「赤ひげ診療譚」、「樅ノ木は残った」と読み進めた、山本周五郎作品の固め読み。まだまだ作品はたくさんあるのだけれど、ひとまず、この「おごそかな渇き」でいったん区切りをつける。どの作品も巧みな構成と人物描写、人の繋がりや心の機微をとらえ、魅力的な作品ばかりだった。これまでに読んだどの小説群よりも魅力的な作品たちだったと思う「古典」。他の作品とは明らかに視点の異なる絶筆となった「おごそかな渇き」。これの完成した作品を読んでみたかった。山本周五郎固め読みの閉めとして、周五郎の言葉集「泣き言はいわない」。これを読んで終了としよう。

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2011年12月17日

Posted by ブクログ

10/10/12。10代・20代以来かな。一番最初に住んでいたところを引き上げるときに、あまりの本の多さに捨てたんだろな、きっと。
表題作は、宗教論?。

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2010年10月13日

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6年ぐらい前に友人から薦められた。今年の始め、本屋でふとそのことを思い出して探してみたらあったので買ってきた。
表題作の「おごそかな渇き」を一番最初に読んだ。書きかけで絶筆となった作品。テーマが深くそれだけに残念だった。
西洋文学に深くはまり込んでいた自分にとって、日本が舞台の小説は、特に古びた日本の背景は、何となく受け付けなくて、「おごそかな〜」以外はずっと手をつけずに机の上に置きっぱなしにしていた。ある折に、ふと読み始めた所ぐいぐいとひきつけられて、忙しい仕事のあいまに少しずつ読み進めながら気付いたら読み終わってしまった。ものすごく良かった!

近代化が進むそれ以前の日本。人の心、言葉が今よりもずっと重みがあった時代。言葉にしてしまうと心が決まり、環境がそのように動き出す。自分のする事に責任を強く意識していた時代。今よりもずっとずっと人の心が単純で深い時代があった。そんな時代に生きたことがない自分だが、この小説に懐かしさを感じるのは、今も昔も変わらずに人の心にある純粋な思いが現れているからだろう。
 「かあちゃん」「鶴は帰らぬ」「あだこ」がよかった。「紅梅月毛」「しょうしょう十三年」も良かった。他の作品も良かった。山本周五郎、大好きになった。


08/7/29

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2009年10月04日

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周五郎絶筆の「おごそかな渇き」を初めとして雨上がるやかあちゃんはもちろん,これまた名作がずらり。特におごそかな〜は本当に周五郎の人生観が凝縮されるに違いない,という作品に仕上がっただろうと思われる。残念。

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2009年10月04日

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良いものは色あせない。この人の作品は、ずっといつまでも触れていたいです。たまに読み返すと、大切な言葉が沢山散りばめられています。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

しみじみ人情を感じる短編集だけど、実はそれぞれ違いがあり、バラエティーに富む。武家もの、心意気、相手を気遣う気持ち、ほんとうの人間らしさが感じられる。
「将監さまの細みち」なんて、背景を変えたら現代の小説になりそう。”あのひとは知っていた”と気づくあたりはドラマのようで「蕭々十三年」「紅梅月毛」と全く違う世界を描けるってすごい。

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2022年02月22日

Posted by ブクログ

表題作の「おごそかな渇き」は山本周五郎の絶筆で,朝日新聞に連載中に亡くなってしまった.宗教を取り扱っているのだが,途中で終わってしまっていて続きが読めないのがとても残念だ.
他の作品は,生きる気力を無くした武士の前に住み込みの田舎娘が現れる「あだこ」,家康主催の馬くらべにあばら馬で出場する「紅馬月毛」がよかったかな.

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2015年10月07日

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「将監さまの細みち」
「かあちゃん」
など下町ものが良い感じ。

「あだこ」も「雨あがる」も良かったし、
武家物も読み味強いのが多くて良かった。

全体的に佳作が多くて良いんですが、
絶筆作品「おごそかな渇き」の印象が強い。重い。
この先どうやって展開するつもりだったのか分かりませんが、
良い作品になってただろうなぁ。

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2014年03月26日

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相変わらずの庶民の生活を描く山本周五郎。短編集であるが、各お話は最初の数ページはほぼ頭に入ってこない。これは文体が少し古いのと、登場人物が分かりにくいのともろもろの理由があるが。しかし、中盤から終盤にかけてどんどん話が盛り上がってくると内容が俄然頭に入ってきて最後は感動してしまう、というのが自分の周五郎さんの読み方である。基本的に長屋人情物を描く周五郎さんの短編はさほど代わり映えがしないが、この書はバラエティに富んでいた。ちょっと、ホラーっぽいのもあったし。最後の未完成で絶筆した表題の「おごそかな渇き」は長年対峙してきた宗教を扱ったものであるとのこと。さながら現代の聖書を志した著作であったがかなり早い段階で絶筆してしまったのは惜しいところ。

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2011年06月30日

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好きすぎて、なんと書いていいものか。
好きを羅列…「蕭々十三年」「紅梅月毛」「野分」「鶴は帰りぬ」

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2009年10月04日

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"あだこ"は好き。「風が吹いていて、おれは風が向こうから吹いて来て、そして吹き去ってゆくのを感じていた、そのうちにふと、いま自分に触れていった風には、二度と触れることはできない、ということを考えた、どんな方法をもちいても、いちど自分を吹き去っていった風にはもう二度と触れることはできない」"紅梅月毛"、"鶴は帰りぬ"もお気に入り

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2009年10月04日

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一番のお気に入りは表題作ではなく「紅梅月毛」という短編。
高校の頃先生に紹介されて、山本周五郎を好きになるきっかけとなった作品。思い入れが深いな

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2009年10月04日

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ネタバレ

山本周五郎先生の作品。
私は多分、この先生の作品を読むのは初めて……にして、絶筆となった話が載っている短編集に当たるようなものを読むことになってしまうとは……。

物語の舞台はほとんどが、江戸時代前後。
様々な人情味溢れる物語がいっぱい綴られています。
この人は、義理人情を大切にしてるんだなあ……と思う感じの話。
なんとなく、勝手なイメージなんですが、骨太のしっかりした男の人が書く話を書いている話だなあ……と思いました。

だいたいそのイメージで読んで間違いないと思います。

最後の表題作でもある「おごそかな渇き」はそれなりにキリのいいところで終わっているので、あまり違和感はありませんでしたけど、言われてみれば途中な気がします……。
確かに、ちょっと不思議な話なので、最後まで読んでみたかったとも思いますけど、最後がどこに行き着くつもりだったのかは、ちょっと謎な話でしたよね。

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2015年11月05日

Posted by ブクログ

短編集ですがあまり心に残るものがないです。現代文は基本的に読まないのでおごそかな渇き、飛ばしました(笑)

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2009年10月04日

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