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Posted by ブクログ 2024年01月07日
精神的枯渇期の五十がらみの男性が、古宿で本をちょっと読んでは、積み重ねてゆく。外をふらついては帰ってくる。ある日ゲーテの亡霊に世俗的若い娘を紹介され、彼はその遊びについてゆけないことを知る。そこからまだまだゲーテ先生にはほど遠いんだなと感じて、そういう庶民的な世情を知るべきだと思うようになる。ヘッセ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月31日
人は誰しもいろいろな側面を内に持っている。ハリーはヘルミーネと出会うことで、自己の諸側面について気づき、洞察を深めていく。その中には、自身が否定してきたものと相反する矛盾した自身の姿もある。たとえば、反戦思想を唱え人道を叫びながら、裕福な身分のまま亡命し個人の活動に耽っている自分、自殺志願者である自...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月14日
20世紀ドイツを代表する小説家・詩人ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の作品、1927年。時に作家五十歳、第一次大戦敗戦後のワイマール体制下で1923年にはヒトラーがミュンヘン・クーデタ未遂で投獄された情況下、作家自身の自己省察と同時代批判とを本作品で試みた。なお同年の1927年にはにハイデガー...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年06月03日
今さらながら、「名作と呼ばれる作品を、少しでも読もう!」と考えています。
そこで、ドイツ人のノーベル賞受賞作家、ヘルマン・ヘッセのこの作品を、読んでみることにしました。
主人公は、禁欲的に学問の世界に打ち込み、それゆえに人生に思い悩んでいる、中年男性。
ある日、暗く思い悩む彼の前に、魅力的な若い女性...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月28日
やっぱりヘッセはすごい。個人のある感情についてメタに、俯瞰的に言及することは誰にも可能だ。しかしそれに対してさらにメタの視点で言及することは少し困難だ。これを自由に使いこなす人間が小説家というものだと思う。しかしこれだけでは二流である。一流はさらにそれらに関してメタレベルで表現することができる。ヘッ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月02日
1927年(昭和2年) ヘッセが50歳の時の作品。
同じ年に紀行『ニュルンベルクの旅』を出版。
フーゴー・バルがヘッセ50歳の誕生記念に最初の伝記『ヘッセ伝』を出版。その直後バルは41歳で逝去。
ルート・ヴェンガーと離婚。
心は自分が全てと繋がっていることを知っている。
目の前のことに集中している...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月31日
1927年にドイツで発表された作品。
第一次世界大戦を省みるどころか、再び戦争に向かおうとしている社会を疑うこともなく生きる市民を批判する「アウトサイダー」の立場(おおかみ)の立場をとりながらも、まぎれもなく市民的行動の一部に加担している自分の葛藤が描かれています。そしてそんな自分は自殺によってし...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月19日
共感しすぎて初めて読んだ気がしない本。
それでいて先人は刺激的で、まだ見たことのない世界まで連れて行ってくれる。現実の日常でもなかなか得られないような交流が、本を介して作者との間に生まれるのだから、作者の力にただただ頭が下がるばかり。体の奥から勇気が湧いてくる。
もっと頑張ろう、楽しもう。一度き...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年03月08日
自分が抱いている自分のイメージがどれだけ偏っていて、狭いものであるかを強く感じさせられる一冊でした。わたしもハリー同様、新しいことに踏み出すことにためらってしまうし、固定観念をかなり強く持っているところがあるので、ハリーがヘルミーネやマリア、パブロとの会話の中で抱く感情がわかりすぎて読むのが辛かった...続きを読む
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