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全盛期には100万部を超えた国民雑誌『暮しの手帖』。社長・大橋鎭子(しずこ)と共に会社を立ち上げた創刊編集長・花森安治は天才的な男だった。高校時代から発揮した斬新なデザイン術、会う人の度肝を抜く「女装」、家を一軒燃やした「商品テスト」。ひとつの雑誌が庶民の生活を変え、新しい時代をつくった。その裏には、花森のある決意が隠されていた――。66年の伝説的生涯に迫る渾身の評伝。 ※新潮文庫に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
ずいぶん前に 途中まで読んで そのまま であった一冊です 改めて 再読し始めたのですが いゃあ これは 凄い 花森安治さんという 一人の生きてきた軌跡から その時々の時代の様子、雰囲気が 紙面から湧き上がってくる 「風土」ではありませんが その時代であったからこそ その人物(安森さん)が行動した...続きを読むこと その時代があったからこそ その人物が次なる行動にのめりこんでいったこと その 一つ一つが ありありと 想像できてしまう 改めて 津野海太郎さんの筆力に 脱帽です
「暮しの手帖」は常にそばにあった。小学生のころ、私は意味がよく分からないのに、母が購読していた雑誌を読んでいた。商品テスト、懐かしい。
花森安治については全く知らなかった。『暮しの手帖』の創刊者と言われれば、その雑誌をどこかで見た記憶があるような気がする程度。名コピーライターと言われてもピンと来ない。そもそも私とは同時代人ではなく、同氏は明治生まれ。 では、何故、本書を読んだのかというと他の本で気になった、戦争中に大政翼賛会の宣伝...続きを読む部で「ぜいたくは敵だ!」という戦時標語を作ったのが花森安治だったという話(確かではないらしい)。もう一つは、『暮しの手帖』の目玉として、徹底的な商品テストを行い、買い手側に正確な商品の比較評価を提供していた事。日経トレンディや価格ドットコムの先駆けである。 どんなものかなと読み始めたが、いきなり写真で度肝を抜かれる。写真は、どう見ても女性。本文を読むと、女装家だったらしい。早速、興味が増す。 ー 女性にたいする罪の意識のねじくれた表現という説があった。「花森が、敗戦直後、女のように髪をのばし、スカートをはいていたというのも、花森の屈折した内面の表れだったのではないか」「花森さんの場合、戦前との訣別の思いがつよかったんじゃないでしょうか」「大政翼賛会で積極的にメシを食い、いがぐり頭で国民服を着て颯爽としていたーというととで、彼は自らを苦しめていたのです」 ー なぜ広告をのせないのか。 広告をのせることで、スポンサーの圧力がかかる、それは絶対に困るからである。暮しの手帖は、暮しの手帖なりに、一つの主張があり一つの志がある。それがほかの力でゆがめられるとしたら、もっての外である。ことに商品テストの場合、その結果に対して、なにかの圧力がかかってゆがめられたりしては、折角のテストの意味がなくなってしまう。商品テストは絶対にヒモつきであってはならないのである。 今日日の様々なメディア、政党にも聞かせたい言葉だ。「火事をテストする」として、ストーブを倒すような壮絶な商品テストもしたらしい。話題性のある人、名前が残る人というのは、芯が通っている。
トト姉ちゃんにそろそろ唐沢寿明が登場すると聞いたことで、読んでみた。 生活の手帖で、大森鎭子と一緒に仕事をした人物が過去の戦争時において行った政治活動に対してとても反省していたことが書かれている。反省した結果、戦後の生活に関わる仕事に就くあたりは、好感が持てる。広告を載せないといった主張も近年の...続きを読むワンマン経営者と何か通ずるものがあると感じられた。 ただし本著からは花森安治のデザインセンスやそのルーツなどが実はあまり書かれていないよう気がする。もっとどうゆう人間であったか実像を深堀りした証言を集めてほしいと感じた。
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花森安治伝―日本の暮しをかえた男―
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津野海太郎
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