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Posted by ブクログ
前半は、著者が読んだ本の紹介。新進気鋭の研究者の方々の著作で、普段の自分のアンテナには引っかかりにくいものばかりだったので、世界が広がりました。
「人新世の資本論」(職場の上司もオススメしていた)と「現代思想入門」は、読んでみようと思います。
後半はアナキズムについて。つい最近、読んだ本にも、ソビエト連邦建国関連で、ボルシェビキが出てきたところだったので、思わぬシンクロに、興味深く読みました。
この部分を読みながら、右左の対立に囚われない政党も昨今生まれており、社会を変革するのは、小さな活動からのうねりなのかもしれないと少し未来に明るい展望を抱きました。
Posted by ブクログ
自分の生活に染み込ませるような、生きる力を静かに養うような、そんな読書
ほとんどジャケ買いのような形で購入したので、著者のことをまったく知らずに手に取りました。読み始める前に調べてみると、アングラ劇団の演出家、出版社取締役、小林信彦や植草甚一などレジェンド文化人との仕事と、”戦後サブカルの生きる地図”のような人なんだと知り期待が高まりました。
御年86歳の著者が自身で「最後のお祭り読書」と表現した、老年の読書について書かれています。ブックレビュー然としてなくて、読書記録や読書周辺のよもやま話など著者の生活や考えが見えてくる、とても読みやすいエッセイです。著者が今まで触れることのなかった30〜40代の若い研究者・学者の本を読み刺激を受ける前半と、それら読書から読み解く、現代によみがえる新しいアナキズムの形について語られた後半で構成されています。
開発途上国でのフィールドワークなどを取り上げた文化人類学系の本は、ここのところ個人的に興味のあるジャンルです。政府の力がまだ及びきってない途上国の社会モデルからアナキズムを読み取って、生きにくい現代を生きるヒントにするような書籍も、よく本屋で見かけます。この本の中で指摘されている、新しい形のアナキズムを提唱しはじめた世代に私も入っているし、実際にそういった本も数冊ですが読んでます。この世代が今、アナキズムに接近しているのはなぜ? 景気のいい時代を知らないから?脱・保守的なマインド? そんな問いが生まれました。
この本を読み始めた当初、「希望あふれるタイトルの割には、自分のことを“もうじき死ぬ人”と頻繁に言うなあ」と少し気になっていました。照れ隠しの皮肉とも感じないし、老いに対する諦観のようなものかなと思っていたのです。しかし読み終わって、私のタイトルの解釈が違っていたのだと思いました。タイトルの『生きるための読書』は、自分の生活に染み込ませるような、生きる力を静かに養うような、そんな読書のいちスタイルのことを言っているのであって、著者個人の生とは関係ないのだと。
尽きぬ知的好奇心、あと切実に視力と認知力(笑)。それがあれば、老いても若い世代の本を読むことができる。老いて固まってしまいそうな脳みそを柔軟に開くことができ、若い風を招き入れることができるということか。私が高齢者になった時、それができるかどうか…
あとがきで階段から転倒し緊急入院、そして退院後についての著者の生活が書かれていますが、本当に、ただただ大事になさってほしいと願うばかりです。
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