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Posted by ブクログ
ジャンルと言われると自伝かと思われます。著者が外務省に入って、イギリスとソ連で研修を行っている期間だけの話ですので、小説といったほうが近いのかもしれません。
外交官としての研修で語学を主として学ぶためにイギリスに14ヶ月滞在、その期間の話をホームステイ先の息子グレンとの出来事を主体に書かれています。まだ研修中の話ですので、外交官の世界については触り程度のことが書かれているにすぎません。そのため著者の純粋な人間観ややりたいことについて、とても人間的に書かれてあり、読んでいる自分と照らして読むことができました。
自身の生き方に対して、少しだけ高度な視点で考える。著者の生き方を読み、そのように考えさせられました。
学習と学問
個人的な好みもあろうが、この本ほど、一文一文、一語一読まで読ませる本に出会ったのは初めて。 一文一文の意味を噛みしめるごとに、次の一文へ胸の高鳴りを覚えた。
著者のロシア語習得のためのイギリス留学の必要性の行は、成程そういう事があったのかと腑に落ち、余韻を愉しみました。
また、ホームステイ先ファミリーのグレン少年と筆者とのやり取りは、爽快感さえ覚えるほど愉しかった。
人種は別で、使用言語も別で、だが普遍的な人間、人生観に、グレン少年との英語での会話を通して一致をみていく二人に、妙なる共感を覚えました。
Posted by ブクログ
ここでは筆者が外交官になってすぐのころ。イギリスはベーコンズフィールドにある陸軍語学学校時代に触れた回想録です。キャリアの同僚と12歳の少年。彼らとの出会いと別れの物語であります。
帯に書かれているキャッチコピーが
「あの夏の約束を捨て、私は外交官になった―。」
という非常に印象的な佐藤優氏のイギリス時代を振り返った回顧録になっております。佐藤氏のイギリス時代はラジオ番組などで自身が語っている話から想像するに外交官として語学を身につけるためにイギリスの陸軍語学学校の日々は本当に過酷なものだったんだな、と思っておりました。
しかし、ここで描かれているものは語学学校の日々のほかにグレンという筆者のホームステイ先の家の12歳の少年との交流と、同期であり、キャリア外交官である武藤顕氏との交流と別れを中心に描かれておりまして、これがまたなんともいえない切ない展開になりましてね。
筆者はグレンとその家族を通して、イギリスに横たわる『見えない壁』具体的に言うところの『階級社会』の存在や、社会の姿を知り、武藤氏からはキャリアとノンキャリと立場は違えど、同じロシア・スクール(外務省の『派閥』)として語学で切磋琢磨する姿。さらにはグレンと映画『戦場のメリークリスマス』を見る場面があり、この映画を大学時代に見たことを思い出し、台詞やト書きが出てくるとその場面の映像を思い出しました。
ここで武藤氏は筆者に
『あまり政治に深くかかわるな。』
や
『君はいつか組織と対立するかもしれない』との警告があったり、グレンが両親と別な階級に行くために大学へ進学するべきか否かを筆者に問うている場面はすごく印象に残っております。
グレンとの結末は本書に譲るとして、筆者と武藤氏は同じモスクワ大使館に勤めながらもだんだんと疎遠になっていき、筆者が政争に巻き込まれたときは組織に『踏み絵』のために『佐藤優調査チーム』の指揮を執った事がここに記され、こういう結末になってしまったことにやるせなさを感じつつも筆者が
「私が武藤君と会話を交わすことは、生涯ないと思う。しかし、武藤君が研修生時代の私にとってかけがえのない友人であったという記憶は一生消えない」
とあとがきのほうに記してあったことがあのすさまじい修羅場を経験した筆者だからこそ書くことのできるメッセージだな、という読後感を持ちました。ほろ苦い後味を持つ一冊ですが、これは面白かったです。
Posted by ブクログ
著者である26歳の日本人外交官と、12歳のイギリス人少年との交流を描いた回想録。
著者のエグい教養作品とは違った進学や恋愛相談を通じて、生々しく、心温まる交流を描いた文学的な作品だと思う。
大学出たばっかりの26歳で、自国の文化や歴史を語りつつ、「(イギリス人に対し日本)食は文化だから、食べなくてもいいんだよ」と言えるか?著者の本当のグローバルコミュニケーション能力・才能には、恐れいる。
海外赴任する人だけでなく、国内転勤族にも、使える実践的知識だと言っても過言ではないだろうか。
他人との交流のあり方において。
本作品の時代からは、変化しているのかも知れないが、生活レベルで見た日英の違いも見逃せない。
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ビジネス・実用
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