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「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。
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Posted by ブクログ
毎年、暑くなり始める初夏のタイミングに読みたくなる、そして実際に毎年読んでいる作品です。 実際に四条通りや河原町通りの喧騒から一本裏通りに入っただけで、急に誰もいない、どこかに迷い込んだような錯覚に陥ることがあり、営業しているのかどうか一見して分からないような古い店を見つけると、いつも本作品を思い出...続きを読むします。 京都を舞台にした学生街ならではの青春小説などもたくさんありますが、こっち寄り(どっち?)の話が実は京都の本質なのではないかと思います。
読むのは、たぶん3回目。 単行本が出た時、「これは読みたい!」と、すぐ読んで。 文庫になった時、表紙を見て、「あー、この感じ、この感じ」と、なんだかミョーに嬉しくて、表紙目当てに買って読んだ。 中身は同じなのに2冊も買ってしまって、なんだか狐に化かされたようだw ていうか、新潮社ぎつねに見事たぶらか...続きを読むされたってことなんだろう(爆) そんな『きつねのはなし』を久しぶりに読んだのは、『怪談のテープおこし』を読んだからだ。 『怪談のテープおこし』は、いわゆる“すんごい怖い怪談”wなのだが、自分は“すんごい怖い怪談”って、すんごい怖いからこそ、逆に怖さを感じない。←なに言ってんだかわかんんねーよ(^^ゞ だって、オバケの怖さって、それが存在するってわかった瞬間がマックスなわけじゃない?w つまり、いるの?、いないの?、あるいは、存在するの?、しないの?と不安がどんどんつのっていって。 どうする?、どうする?、どうする?……と、嵐の前の静けさを経て、バーン!とお出ましになったソレに「バカヤロ。やっぱ、いるじゃねーか!」と、心臓が頭のてっぺんに飛び上がっちゃった時の怖さこそが最大なわけじゃん。 その後、いくらオバケがあーでもない、こーでもないしたところで、出た瞬間の怖さは絶対越えられない。 まー、三津田信三は数多の実話怪談の“作り手”と違って、その辺りは心得ているようで。 ソレがいるからいないに変わる前のグレーの段階をちゃんと引っ張ってくれるから、怪談の醍醐味であるゾクゾク感をちゃんと味わえるんだけど。 バーン!の後も引っ張る悪いクセがあるんだよね(^^ゞ ま、ホラー・怪談業界的には、バーン!の後こそ読みたい/聞きたいとする人の方が多いから。 読者サービスという面もあるのかもしれないけどねぇーw つまり、この『きつねのはなし』というのは、バーン!以降がない。 ちゃんとゾクゾクのニーズを満たせて、話がスパッと終わる。 個人的に、怪異な出来事というのはそういうものなんじゃないか?って思うこともあって、 そこがいいわけ。 そんなこの『きつねのはなし』には、4つのお話が入っている。 最初の「きつねのはなし」は、一番ゾクゾクくるお話。 主人公は大学生で、ナツメさんという女性が店主の古道具屋でバイトをしている。 そのお客に天城さんという、長い坂の上にある屋敷に住んでいる人がいて。 主人公は、店主に言付かって、届け物をするところから話が始まる。 店に戻った主人公は、店主のナツメさんに「天城さんはちょっと怖い感じの人ですね」と言う。 すると、ナツメさんは「そうですね」と頷いて。「本当は私が行かなければならなかった。でも、私はあの人のところに行くのが嫌なのです」と言う。 そんなナツメさんを見て、天城さんのところにはなるべく自分が行くようにしようとする主人公はある時、彼女である奈緒子の写真を天城さんに取られてしまう。 すると、奈緒子は…… みたいなお話。 2話目の「果実の中の龍」は、主人公(一話目の主人公とは別の人)と先輩、そしてその彼女をめぐる、ちょっと寂しい、でもどこか素っ惚けている青春譚。 といっても三角関係の話ではないんだけど、最近、村上春樹ばかり読んでいたせいかな? 村上春樹の小説によくある関係のようで、イメージがダブってしまう。 ていうかー、3人の関係って、『ノルウェイの森』のワタナベと永沢、ハツミの関係とほぼ同じだよね。 まぁ、永沢とくらべるとこっちの先輩は虚構を現実として生きている、かなりの変人なんだけどさw ただ、永沢は永沢で、現実を虚構(ゲーム)としてしか生きられない人だからなぁー。 先輩の彼女である瑞穂さんと主人公の会話が意味深で面白い。 「先輩はつまらない人ではないですよ」「僕こそつまらん男ですよ」 「みんな、なぜそんなことにこだわるの。その方がよっぽどつまらない」 また、お話の最後、京都を離れることになった瑞穂さんをおくる京都駅では、タイトルになっている龍の根付けについて、瑞穂さんが、 「彼は本当に忘れてたと思う?(ネタバレになるので以下略)」と言うと。 主人公は「あり得ることです」と。 「ひどいこと、あっさり言うね」 「僕は嘘をつけない男です」 「嘘つき」 それらのシーンの、暖かみがあるユーモアの裏に隠れている寂しさがすごくいいんだよね。 なんだか「なごり雪」を思い出すんだけど、あんがい著者もそれを意識していたのかな? てことで、3話目と4話目はハードカバー版につづく(^^ゞ
森見登美彦さんらしい、ちょっとざわざわするようなヒヤッとするような怪しい短編集です 芳蓮堂やナツメさん、道場や、お寺など、共通の場所や人たちが出てきます そして、いやに胴が長いケモノ、狐面。 最初の きつねのはなし がとても怪しくどきどきしながら読みました。 渡してはいけないもの 取引してはいけない...続きを読むこと が出てくるのはまさに 京都奇譚集ですね
森見登美彦作品の中では「夜行」と同じジャンルになると思うが、よりじとっとした雰囲気がある。 短編をまとめた様な話だが、それぞれの話の繋がりを匂わせる場面も多くて面白い。こういうのに弱い。
どこかふざけておちゃらけている森見節が鳴りを潜めている作品。 不気味で不思議な、ホラーとも言える物語。 正直あまり期待してなかったのだけど、思ったよりも面白かった。 全4篇の作品集で、それぞれ語り手は違うのだけど、どこか繋がっているようないないような不可思議さ。 最初の「きつねのはなし」が一番面白...続きを読むかったし怖かった。 どの話も読み終わってなんだかもやもや、疑問の残る感じ。でもそれが不快ではなくて、こういう読み心地は初めてかもしれない。 読み終わってすぐにまた最初のページに戻って読み返すと、また違ったものが見えてきそう。 森見さんはあのおふざけ節が面白いのだけど、たまにこういう雰囲気のものもあって予期せず驚かされる。 この本は「夜行」とか「宵山万華鏡」の部類かも。 読書って予想外に面白いとすごい嬉しいな。 まだまだ森見作品読みたくなった。
森見初期の短編集。 「果実の中の龍」はデビュー作「太陽の塔」より前に書かれたものとのこと。 「夜は短し〜」から森見作品を読み始めたのですが、 森見らしい古風で軽快な文体やユーモアは少なく、じめっとした、少しホラーみのある短編集。 いつもの感じを期待して読み始めると、なんか違う!という気がしてくる。...続きを読む 京都の街で狐に化かされたような4つの物語。 共通して出てくる,胴の長い狐のような生き物。 久しぶりに京都に行きたくなりました。
結末はよく分からない(読み取る能力が足りない)ものの、最後まで楽しめました。四畳半神話大系などのバカ大学生のドタバタ劇も好きですが、不意打ちで来る『夜行』のようなひんやりとした夏の怪談話系もとっても好きです。 どことなく作品を通して水や龍というものがキーワードな気がします。次読み返すときはそれがど...続きを読むういう意味を持つのか着目しながら読もうと思います。今回は雰囲気だけしか味わえていないのかもしれませんが、それだけでもとっても楽しめる読書体験でした。
有頂天家族は苦手だと話したらこちらをおすすめされた。 作者独特の表現が少なく、不思議で妖しい雰囲気が非常にはまり、ぞくぞくしながら読むことが出来た。
全編にわたり静かな不気味さが漂う短編集でした。 「夜は短し歩けよ乙女」から森見さんを知ったので、森見さんのB面を見たような気持ちになりました。 個人的には「魔」という話の後味の悪さが好きです。
森見登美彦の難解さとそれに伴う不気味さを煮詰めたような本作。短編であり四作入っているが、特徴的なのはそのどれもがホラーテイストであることだ。 森見登美彦の世界は繋がっている、しかし同じ京都ではない。それぞれが違う世界線の京都でただ筆者のファンである者からすればにくい繋がりが存在するのだ。今作で言えば...続きを読む、樋口直次郎と四畳半シリーズ、夜は短しに登場する樋口師匠の関係性がその代表である。 また四作を通じて登場するナツメさんと狐の面。これも四作それぞれで違う世界のナツメさんなのかなと思うこともあるし、はたまたやっぱり繋がってる?と思うこともある。そのこそばゆさが面白い。 表題作の「きつねのはなし」は、ホラー作品としてかなりの傑作であると思える。その一つだけでもいいからぜひ手に取って欲しい。
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