無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ホラーミステリー、になるのか。後ろが振り向けないようなゾッとする怖さではないので読みやすい。(私はホラーは苦手です)
謎解きの気持ちで読んでいたが、そうゆうストーリーではなかった。暗喩だらけの印象で、何を訴えたいのか、モヤモヤしながらラストの解説を読むと、分かりやすくて満足。
要所要所に、残りわずかな学生生活への憂いや、制限された学校という場所への閉塞感、勉強学歴への疑問など、様々な思いを感じる。
これは何歳の人でも読めるし、何度読んでも考えさせられる。
生徒数や素行などは昭和を感じ、それがまたこの物語の世界観を作り出す要素になっている。
まだ、アレは続いてるのかな。
Posted by ブクログ
再読。
『六番目の小夜子』は、恩田陸さんのデビュー作で恩田陸さんの母校茨城県立水戸一高が舞台になっている。『夜のピクニック』も水戸一高が舞台である。
季節ごとに章が分かれているせいか、読みやすかった。
高校生活最後の1年間で素敵な思い出を作りたいと思いつつも、受験を控えた、高3という不安定な時期の高校生の姿を瑞々しく描いていて、自分が高3だった時のことを思い出して懐かしくなってしまった。
そんな高校生活に十数年も続いている『サヨコ伝説』が加わってミステリアスに展開していく。
二番目のサヨコと同じ名前を持つ謎の美少女転校生津村沙世子。『サヨコ伝説』とは? 六番目のサヨコの正体は? 秋と沙世子が火事の時に見た校舎の屋上にいたセーラー服姿の髪の長い女の子は誰なのか? など、興味を持って読み進めることができた。
学園祭の全校生徒全員参加による朗読劇の場面は緊張感と迫力、そして不気味さが高まって来てドキドキしながら読んだ。
NHKで放送していたドラマもまた観てみたくなった。
心に残った文章
・学校というのは、なんて変なところなのだろう。同じ歳の男の子と女の子がこんなにたくさん集まって、あの狭く四角い部屋にずらりと机を並べているなんて。なんと特異で、なんと優遇された、そしてなんと閉じられた空間なのだろう。
・たとえ四人が大学生になって再会したとしても、もう二度とこんな一体感、この四人がいるべき場所にいるという、世界の秩序の一部になったような満足感を味わうことはないだろうと。(由紀夫)
・「つまりな、学校というのは回っているコマのようなものなんだな。いつも、同じ位置で、まっすぐ立ってくるくる回っている。で、おまえら生徒がヒモを持って、コマを一生懸命バシバシ叩いて、コマが失速して倒れないように努力するわけだ。そして、ヒモをどんどん後輩に渡していって、次々と別の生徒がコマを叩く。コマはずっと同じ一つのコマだけど、ヒモを持つ人間、叩く人間がどんどん変わっていくわけだな。(略)このコマの回り方っていうのが、それぞれの学校の個性と伝統というわけだ」(黒川先生)
・時が継続し、円環しつつ蓄積されていく学校。
一回性の、直線的な時の中にいる生徒。
いわば、永遠と刹那ー。
その相反する二つの時の齟齬が、学校を劇場にする。サヨコ伝説のように生徒の間で代々語り継がれていく伝説やしきたり、儀式といったものは、永遠と刹那の狭間からたちのぼってきたのではないか。(『解説』岡田幸四郎)
青春ものとホラー要素が調和
恩田陸の作品にはまったきっかけです。
物語全体に不吉な予感が漂い、それと限られた場所で限られた時間を過ごすキリキリするような焦燥感がうまく調和していました。
その中にうまく青春もの要素も入っていて好きな本のベスト5に入ります。
物語中盤の小夜子の一人芝居?本番?のあたりの緊張感は圧巻です。
ただ、全ての謎が解けてすっきりしたい人にはあまり向いていないかも。
Posted by ブクログ
三年に一度、「サヨコ」と呼ばれる生徒が選ばれるという伝承が残る高校。謎めいた転校生の登場をきっかけに、穏やかな日常は少しずつ不思議な色を帯びていく。
正直、感想をまとめるのが難しい作品だった。それは理解できなかったからではなく、一つの答えにたどり着けないから。答えらしきものは示されても、それが本当に答えなのかは分からない。だから、この物語の答えは読者それぞれの中にあるのだと思う。
読んでいて何度も浮かんだのは、高校時代という特別な時間だった。子どもでも大人でもない、現実と幻想の境界がどこか曖昧だった頃。仲間、友情、恋愛、噂、集団心理――あの頃だけが持つ不思議な熱量は、何気ない出来事さえ複雑な物語へと変えてしまう。
誰の立場で読むかによって見える景色も変わるのだろう。だから感想も一つにまとまらず、思考はあちこちへ広がっていく。その散らかり方さえ、この作品らしい余韻に感じた。
高校時代を振り返るたびに、この作品もまた読み返したくなる気がする。その時はきっと、今とは違う答えが自分の中に生まれているのだろう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。