若き数学者のアメリカ

若き数学者のアメリカ

649円 (税込)

3pt

1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。

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若き数学者のアメリカ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    100円でたまたま買えたので読んだ本。昔、同じ著者の国家の品格を読んだことがあったけど、その時は記憶に残らなかったが、この本はかなり面白かった。

    著者がアメリカの博士課程やポスドクで留学していた時の話で、自分の感情を包み隠さず書いていて、入ってきやすい文章だった。本当に、今の時代なら公に出来なさそ

    0
    2025年07月28日

    Posted by ブクログ

    数学者であり、随筆家でもあり、また国語教育や社会問題に関して優れた見識をもつ藤原正彦氏の名随筆。彼が70年代前半にアメリカのミシガンそしてコロラドに留学した際の体験が主に語られる紀行エッセイ。
    個人的に特に印象的だったのは、次の4つ。①アメリカ本土に上陸する前に立ち寄ったハワイで、唯一の日本人として

    0
    2025年04月28日

    Posted by ブクログ

    藤原さんの感受性の豊かさと、感じたこと、考えたことの言語化力に感動した。
    同じ体験をしても、ここまで深く考えて、感じて、言葉に表すことができる人はなかなかいないと思う。

    セリーナとの会話がとても印象的だった。
    他の作品も読んでみたい。

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    最後らへん、「私のアメリカ」にまつわる文章が良かった。
    見知らぬ地で気を張ったり、疲れたり、でもそこで頑張って認められた時の全能感、それをビシって書き表していたところで「この本は面白い!」となった。
    アメリカにいても日本での自分らしくいればそれの異質さがアメリカらしさになるって言葉、励まされる。

    0
    2024年03月24日

    Posted by ブクログ

    数学者のアメリカ滞在記。

    滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。
    いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある方なんだなぁと思った

    0
    2023年11月28日

    Posted by ブクログ

    すごく面白かった!に尽きます。
    数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には『愛なしでは人間は人

    0
    2022年03月17日

    Posted by ブクログ

    2019年2月

    著者が70年代アメリカに大学教授として赴任した2年間の物語。
    今のバイト先が外国人研究者の宿泊施設なので、単身の若い教授を担当するたびにこの物語を思い出す。

    0
    2019年04月15日

    Posted by ブクログ

    『国家の品格』の大ファンなので本書を手に取った。
    筆者は当時38歳前後。にもかかわらず現在と同等レベルの高い文章力に驚いた。周辺の様子のリアルな描写のなかに詩的な表現もある。自身を卑下する得意のお笑いセンスもすでにある。
    内容は若者らしい青さ、大胆さが満ち溢れている。ただの東大卒のがり勉ではないこと

    0
    2017年06月09日

    Posted by ブクログ

    数学者である著者の、1970年代前半の米国留学体験記。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作(1978年)。
    藤原氏は、『八甲田山死の彷徨』の故新田次郎と『流れる星は生きている』の藤原ていの二男。
    本作品は数学者である藤原氏にとって、エッセイストとしての処女作であるが、氏の抜群の行動力、感性とユーモア、更

    0
    2016年01月11日

    Posted by ブクログ

    若き数学者としてアメリカに渡り、もがきながらもアメリカという国と自己のアイデンティティとの間で奮闘した素晴らしい旅行記だった。

    ハワイで日本人ひとりの真珠湾遊覧船に乗り込み日本人であることのコンプレックスを過剰なまでに意識していた旅の始まり。ラスヴェガスで全額擦ったカジノ。ミシガンでは太陽のない季

    0
    2015年04月01日

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