【感想・ネタバレ】若き数学者のアメリカのレビュー

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Posted by ブクログ

藤原さんの感受性の豊かさと、感じたこと、考えたことの言語化力に感動した。
同じ体験をしても、ここまで深く考えて、感じて、言葉に表すことができる人はなかなかいないと思う。

セリーナとの会話がとても印象的だった。
他の作品も読んでみたい。

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2024年05月01日

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最後らへん、「私のアメリカ」にまつわる文章にoverwhelmed。
見知らぬ地で気を張ったり、疲れたり、でもそこで頑張って認められた時の全能感、それをビシって書き表していたところで「この本は面白い!」となった。
アメリカにいても日本での自分らしくいればそれの異質さがアメリカらしさになるって言葉、励まされる。

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2024年03月24日

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数学者のアメリカ滞在記。

滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。
いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある方なんだなぁと思った

大学の研究vs教育の話、大学を辞めさせられた教授の話は、自分のいるコミュニティの洞察力の参考になりそう。

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2023年11月28日

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すごく面白かった!に尽きます。
数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には『愛なしでは人間は人間であり得ない』と言うところに行き着いているところにも表れていると思います。
また、ユーモアもあって色々な場面で何度も笑ってしまいます。アメリカに対し、初めは対抗心を持っていた著者が、一時は疎外感からノイローゼに陥り、フロリダで心が解放されアメリカを好きになる事で克服してからの、その後のアメリカに対する理解が深まる様子はすごい。
アメリカ人の国民性についてのお考えは、ある一つの見方と言えるのかも知れませんが、アメリカと言う国を理解する上で十分納得性があり、その国民性や多様性の問題などについては、現在もなお当てはまるものであると思います。
日本人としての自覚も改めて高まりました。

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2022年03月17日

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『国家の品格』の大ファンなので本書を手に取った。
筆者は当時38歳前後。にもかかわらず現在と同等レベルの高い文章力に驚いた。周辺の様子のリアルな描写のなかに詩的な表現もある。自身を卑下する得意のお笑いセンスもすでにある。
内容は若者らしい青さ、大胆さが満ち溢れている。ただの東大卒のがり勉ではないことがよく理解できた。彼のアメリカという国への洞察力にも感服。読後感は爽快。
ただし、最後の解説はかなり読みずらくおもしろくなかった。

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2017年06月09日

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数学者である著者の、1970年代前半の米国留学体験記。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作(1978年)。
藤原氏は、『八甲田山死の彷徨』の故新田次郎と『流れる星は生きている』の藤原ていの二男。
本作品は数学者である藤原氏にとって、エッセイストとしての処女作であるが、氏の抜群の行動力、感性とユーモア、更に両親から受け継いだ著述力を余すことなく表現した、何とも楽しい優れた作品となっている。
2006年には著書『国家の品格』が年間ベストセラー1位となるが、本書で語られているような、異文化の体験とそれへの理解、日本文化への思いが、そのベースになっていることがわかる。
元気が湧く、青年数学者の体験記である。
(2007年9月了)

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2016年01月11日

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若き数学者としてアメリカに渡り、もがきながらもアメリカという国と自己のアイデンティティとの間で奮闘した素晴らしい旅行記だった。

ハワイで日本人ひとりの真珠湾遊覧船に乗り込み日本人であることのコンプレックスを過剰なまでに意識していた旅の始まり。ラスヴェガスで全額擦ったカジノ。ミシガンでは太陽のない季節に精神を病み、ガールハントのフロリダで新生し、コロラドで研究者としての深みを得る。最後はサンフランシスコ、「私のアメリカ」は太平洋で生まれ、大西洋で蘇り、サンフランシスコの霧に沈んだ。

全編通して素晴らしいが、10章のアメリカに対する考察は特に素晴らしい。

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2015年04月01日

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文章のリズムがいい。
筆者の嫌な部分も含めた感情が素直に書いてあって共感もできておもしろい。
コロラド大学での最初の授業の様子は思わず笑ってしまった。

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2014年07月16日

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喜怒哀楽を幅広く体験できた一冊。中でも、大いに笑ったこと、群れの中で虚無感を抱くこと、人が本能的に愛を求めるのに共感できたことが印象的。一つ一つの出来事に伴う感情を誤魔化さず綴ることに、これほど引きつけられるとは。私自身も言葉を活用して、感情をより深く味わってみたい。

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2013年10月21日

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担任の数学のおじいちゃん先生がまじめな顔をして読んでいたので、難しい数学の数式が出てくるような話かと思いきや、痛快アメリカ滞在記でした。

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2013年05月07日

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数学が嫌いだからって理由でこの本を避けないでください。光る視点、引き付ける表現。さりげなくすばらしい文学です。

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2018年09月04日

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 「日本の土地には涙が心情的に滲んでいる」とのくだりがよかった。辛い事を承知で海外に留学してみたい。

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2022年11月20日

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情緒溢れる感性。最終章の、日本的な感性を維持することがアメリカに融け込む方法、というのが印象的だった。

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2019年12月29日

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若さが伴う躍動感感じる紀行文。アメリカ人になめられないぞという気負いから、2年後のアメリカ人を見る目が変わるまで、結果自らが大きく成長した証が印象的。子供たちとの微笑ましい交流を叙述したのも効果的。2019.12.15

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2019年12月15日

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タイトル通り、お若かったんですね(笑)という感じ。全体に勢いがあって、学問と新しい環境への情熱が感じられる。

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2019年03月07日

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以前「名著講義」という著者の本を読み、その時に本書の存在を知って積読リストにいれていました。

著者が数学者としてはじめてアメリカの大学に赴任した1年を綴ったエッセイです。
1877年に発売された本ですから、時代を感じさせる箇所があるのは当たり前のはずなのに、古臭いと感じるところはほとんどありません
日本から離れることによって芽生えた日本人としての気負いや孤独が赤裸々に綴られており、著者の感じたアメリカを私も肌で感じることが出来ました。
特に、その繊細な気持ちを風景で表現する様は真のロマンチストだと感じました。
(その表現力は生物学者の福岡伸一さんがよぎりました。お二人とも本業は物書きじゃないのに・・才能が溢れてる!)

但し、その豊かな感性はロマンチックで繊細なのに、それだけの人ではありません。
時に情熱に突き動かされ無茶で大胆な行動をとり、かと思うと自分を冷静に分析する能力にも優れ・・・本当に一言では表せない度量の大きさを感じました。
その上ユーモアのセンスも抜群で、本自体は読みやすく、とても楽しめました。

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2017年06月19日

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ずーっと前に読みたいと思いつつなかなか読めないでいた本をやっとw 数学者なのはわかっていたけど、どんな人?と思って調べたら、なんと!新田次郎、藤原てい夫妻の次男とな!知らんかった!!w あー、藤原かぁ~・・・って、有名な『流れる星は生きている』は読んでたけど、さすがにわからないって!ww
先日も「マナーの正体」を読んで面白かったので、流れで読めてよかったわー♪
ラストずいぶん哀愁ただよっちゃってますが、なかなかお上手で軽妙で、数学者という特殊な立場でのアメリカ滞在記として、面白く読めましたー。

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2016年01月25日

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時は1970年代のアメリカ。
背景にある人種の寄せ集めの国家、宗教、ベトナム戦争。若さ溢れる数学家が異国の地で直感する当時のアメリカの様子が熱い文章からよく伝わってくる。滞在が長くなるにつれて凝り固まっていた日本人的戦後の劣等感が徐々に溶けてく様子も読んでいて面白い。
数学の先生がこんなに素敵な文章が書けてしまう事にオドロキ。

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2015年12月27日

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藤原教授が初めてアメリカの大学に招聘された時の生活を記したエッセイ。「日本人の」「数学者」から見たアメリカが鮮やかに描かれている。淡々として潔い文体は数学者だからこそなのかもしれない。40年以上前の話なので今では変わってしまっている状況もあるのかもしれないが、それでもああしたアメリカの大学事情やアメリカ人像を見ると何となく憧れを抱く。この人の文章は真面目な顔をしながらとても面白いことを言っている感じがして楽しいですね。

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2015年07月27日

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著者がアメリカの大学で研究員・助教授として体感した等身大のアメリカの大学が生き生きと書かれています。学問の最先端をいく超大国アメリカへ東洋の片田舎の日本から挑戦するという著者の気概が、微笑ましいです。また、数学の世界の厳しさもひしひしと感じられます。しかし、著者はユーモアを交えながら、丁寧に説明してくれています。読み終えた時には、議論の難しさから私達から遠いように感じてしまう数学という学問をちょっとかじってみたくなる本です。

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2014年08月05日

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ネタバレ

【Impression】
数学者に関する本、という訳ではなくアメリカについての観察に主眼を置いている。
「遥かなるケンブリッジ」とは対照的だったが、その観察の鋭さは同様だと思った。

特に最終章の「アメリカ人」に関する文章。
「アメリカ人らしいとは逆説的ではあるが日本人らしくいること」という考察に納得。
「彼らは不思議がるが不快感を持つわけではない」、という所が目にとまった。

だからこそ、日本人であるにも関わらずアメリカ人に迎合することは、一見早道であるように思えるが、長期的には有益ではない。

まぁ、言葉に関してはそんなこと言ってられない時代やけど

【Synopsis】
・ミシガン大学へ研究のために渡米、当初は反骨精神丸出しで、周りのアメリカ人全てを敵かのように振舞っていた
・しかしどこか「孤独感」を覚え、その原因を「愛がない」とした。同時に体調も思わしくなくなり、コロラド大学の助教授に就く
・そこで学生や子供達と触れ合いながら、アメリカに迎合するのではなく、「日本人とアメリカ人」の両立、というか根源は同じであるということに気付き、ようやくアメリカに「愛」を感じ、帰国する

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2013年06月08日

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「数学者」という肩書から、自分には到底理解できないような難解な数式のオンパレードかと思ったら、彼の地で筆者が遭遇した出来事について綴っている『自伝エッセイ』でございました。当時の『空気』がわかります。

本書はエッセイストであり、著名な数学者でもある作者が アメリカへ留学した際の出来事を綴った自伝エッセイとも 呼べる本でございました。ここには1970年代のアメリカが 筆者の目で活写されて、当時の『時代』を知るという意味でも、面白いエッセイであると思います。

若き日の筆者が日米の習慣的、文化的な摩擦を乗り越えて、大学で数学を教え、研究者たちと切磋琢磨をしていく姿は、本当に面白かったです。たった一人で異郷にいる孤独感を紛らわせるために、片っ端から女性に声をかけては玉砕したり、それとは一転、フロリダでは一転してバフィーという女性との交流があったり、はたまた、ミシガンからコロラドに移った際に住んでいたアパートメントでは、子供たちの子供たちの人気者になったというエピソードは、なんともほほえましいものでございました。

後半部のアメリカの学生に対する授業風景では、日本とアメリカ人の学生の『気質』の違いや、『大学に入ってから彼らは勉強する』という今でも変わらない風習がある中で、彼らの選んだ人生の多様性にも、読みながらこれまた驚くべきものが多かったような気がいたしました。

あらすじで『自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記』と結びの言葉でかかれてりましたが、まさにそのとおりであると思います。

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2013年05月24日

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故・新田次郎の息子である数学者、藤原正彦さんが、アメリカに客員教授として呼ばれたときの心情を綴ったエッセイ。
藤原正彦さんのエッセイは今までに三冊くらい読んでいて、そのどれもが読者を彼の世界観に引き込む力がある。

彼は、決してハンサムとは言えないのだが、ユーモアのセンスや、鋭敏な感受性のためだろうか、旅先で女性とけっこう好い中になることが多い。

最終章では彼がアメリカ人を真の意味で好きになったということを書いている。日本でのアメリカ人のイメージは、個人主義、主義主張が強い、自分の弱さを決して他人に見せないスーパーマン、などだろう。しかし、アメリカ人と近しくなるにつれて藤原正彦さんは、悩みを打ち明けられたり、ある金髪の女性と「愛」と呼べるかもしれない物によって、心の1番奥深いところを通わせたりしたことによって、アメリカ人も日本人と同じなのだということに気がつく。

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2013年05月16日

Posted by ブクログ

「国家の品格」でも有名な筆者の初エッセイ(多分)。
アメリカが題材ということで読み始め。私はアメリカだろうが日本だろうが、「〇〇の国最高!」とかいう感覚はあまりもってないし、もちたくないから、この本の随所にチラチラ出てくる「アメリカじゃなくて日本が良い!」の感覚がちょっとダメで読み終えるのが遅くなった。でも最後に出てくる「アメリカ人という国民性がないのがアメリカ人の国民性」「アメリカに真の意味で溶け込むには日本人らしく振る舞うこと」などというところは面白く読んだ。

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2023年12月23日

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藤原正彦さんの作品は国家の品格に続き二作目。

基本的には著者のアメリカ滞在記なんだけど、数学者なのに内容が数学に偏ってなくてどちらかというと日常生活のアメリカ、アメリカ人に重点が置かれているところが面白い。

ちょっと古い本だけどすごく「あるある」的な感じで懐かしさに溢れながら読みました。

著者はおそらく天才の部類に入るんだろうけど色々苦労も絶えないんだなと感心したりも。

国家の品格と内容が少し重複してるのはご愛敬。

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2022年01月06日

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 この頃の藤原さんは楽しかった。そういう時代だったのだろう、アメリカ体験がみんなの興味を引いたこともあるが、はじけ方がよかった。
 

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2021年11月01日

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1970年代のアメリカ。豊かさを実感できた時代。アメリカが唯一の憧れであった時代。アメリカとイギリスが比較にされるが、アメリカでは目立つことが正義であり、のしあがって行く必要だってあるはず。それは当時も今も変わらない気がします。
今ほど格差のない時代。アメリカの高層ビル郡は、手を伸ばせば届く存在だったのかもしれないと思うと牧歌的なアメリカも悪くないです。

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2017年10月04日

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若かりし頃の藤原正彦の留学記。何を思い、何を感じたのかがつらつらと書かれている。今では大学の教授で何の悩みもないように思うが、彼の苦しみやホームシックも書かれており、我々と何も変わらない普通の人であると分かる。留学先のアメリカは、奔放で自由で豪快で、何の悩みもないように思う。しかし筆者は彼らと接しているうちに、彼等には帰るべき「故郷」がないと感じた。日本にいる間は分からなかったその土地の人柄を知れてよい本である。ちょっとした留学気分を味わいつつ。

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2017年01月30日

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著者が1970年代に過ごしたアメリカの大学講師時代を中心につづった随筆。

結構面白かったです。
話は古いし、読んでて気恥ずかしくなることもあるのだけれど、それでいて、今にも通じることがあったりとか。

中でも、アメリカ社会に馴染むというのは軽妙なジョークを飛ばし、滑らかな英語を話し、ということではなく、日本人としての特質をもったままに堂々と過ごす・・・みたいな話がなるほど・・・と思いました。

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2016年02月14日

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アメリカも数学も好きなので購入。
数学の話はあまり深くまで語られない。

アメリカ人と著者の関係が少しずつ変化していく様子が興味深い。
知り合った女性の話、学生との話、近所の子供達との話が面白かった。

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2014年11月10日

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