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こんなにも身近なところに、古典の世界が息づいている。私たちの人生そのままに、かつて、生きて戦い愛した人々がいる。――「古事記」「萬葉集」から若山牧水まで、民族の遺産として私たちに残されたおびただしい古典の中から、著者が長年いつくしんできた作品の数々を、女性ならではのこまやかな眼と、平明な文章で紹介し、味わい深い古典の世界へと招待してくれる名エッセイ集。
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Posted by ブクログ
55年前の新聞連載だそうだがこれぞ元祖推し活。 古典が好きで好きすぎる古典推しの著者が「わたしとしては、同じき愛好の人々をたくさん作って、あの作品が好き、あの人物を愛するとかたみに言いあいたいのです。人生を生きるのに、愛するもの、好きなことを一つでも多く増やすのは、たいへん、楽しい重要なことですから...続きを読む…(P294 )」と、少女のような心で古今東西、自分の好きな作品好きなタイプの男女についてキラキラした文章を連ねていて、読んでいてとても楽しい。 長谷川青澄氏の挿絵、紅梅と錦の表紙絵も美しい。 古文を学んでいる中高生女子がこれを読んだら勉強も少し楽しくなるかも。 昭憲皇太后が好きすぎてこれでもかこれでもかと最上級の敬語を連ねて絶賛する「皇太后のおん靴」。皇太后の書いた日記を「まるで古いオルゴールの、ゆるゆるとした音をきくように典雅なご文章」とたたえる一流の表現力。超ヤバしか言えない推し活女子はみならってこのくらいのものを書くべし。 P17 けれども私には、座興的に歌い交わしたらしく見える歌に、中年の男と女の、図太い、したたかな、恋の未練を感じます。片方が手なれて呼びかけると、片方が巧みに受け止めるその呼吸に、昔愛を交わし合った男と女のみの持つ、大っぴらな狎れ合いが出て、豪快な感じさえあります。たぶん、大海人と額田は、互いほほえんで見交わしたことでしょう。もう十何年の昔。あの目くるめく夏の光。(額田女王の恋) P74 (天に達するかと思われる孤独な巨木で作られた舟「枯野」)朽ちてもはや用いられなくなったとき、天皇は考えらえました。長らく官船として働いてくれた功績に報いるため、その名をのちにのこしたい。「枯野」を薪として、塩を焼くことになりました。すると五百籠もの塩が焼けました。それは諸国に下賜されました。しかしどうしても焼けない芯が残りました。天皇は不思議がられて、それで琴を作られましたら、さやさやと音は涼しくなりわたり、七つの里にまで響き渡りました。(舟と琴) P116 母になった女たちが持つ、子どもに対してとめどなくのめり汲んでゆくような相アイサ「これこそわが骨の骨、肉の肉なれ」という絡みつくような一体感の持つ妖気は、彼女の文章にはありません。「枕草子」は颯爽たる石女の文学だったのです。(うまずめ) P120 それは鉛ガラスの、重そうな、女の親指くらいの勾玉でした。煙のような色、というか、石油色というか(私は夢色、と呼びたい気がしました。古代の夢をそのまま、まどろみ続けているような色なのです。)灰色とも薄墨色ともつかぬ、不透明な玉のいろ(赤珠は) P276 日本の庶民の心の中には、大きなユーモア感覚の流れがあります。現実の生活が苦しい時にも、人々は一方で絶えず、不思議な距離感を持って、割れと我が身を嗤うおかしみを忘れませんでした。現代も一見、そういうものがありげですが、実際は単なる道化や、冷たい嘲笑や、才走った裁きの笑いに過ぎない気がします。(これ小判)
日本の古典文学の面白さを理解しやすかった! 小さなお話がたくさんあるので読みやすいし、田辺さんの解釈も共感できて、入り込みやすかった! もっと古典の歌系の話を読んでみたいなあと思った♡ 加増先生ありがとう
もう四半世紀ほども昔の受験生時代、古典を頭に入れるのに効果的と予備校の教師に勧められて以来、田辺聖子さんの古典ものを愛読してきた。今回何度目かの再読中、田辺さんの訃報。少なからずショックを受け、途中で本を閉じてしまった。 本書は、田辺さんが大好きな古典作品について綴ったエッセイ集。やさしく、たおやか...続きを読むな文体から、本当に彼女が古典とその登場人物たちを愛してやまないことが伝わってくる。彼女の視点で語られると、それまで教科書で読んだだけで、敷居の高かった古典の世界が、生き生きと鮮やかに蘇ってくるから不思議だ。登場人物の息吹まで感じられるようで、本を閉じてからも現実の世界に中々戻ってこられなくなってしまうのが難点。何度でも読み返したい名作です。
高校生のとき、友達から紹介されてこの本を読んで以来、田辺古典の虜になった。 こんな風に古典の世界を紹介できれば、古文の授業が楽しくなる学生が増えると思う。
心ときめく一冊。彼女の解釈は本当に分かりやすくて、しかもきちんと考証が入っていて信頼できます。今も昔も変わらない、人生の機微を軽やかに。“おせいさん”節、大好き!
古典についてのエッセイ。短編なので読みやすく、作者の古典への愛が伝わってきます。個人的には『あねとおとうと』が好き。
田辺聖子が綴る古典の名作案内。 長谷川青澄の繊細な挿絵も絵巻物のようで素敵です。 読むたびに古典に秘められた日本人の情緒がいきいきと蘇り、著者の古典への愛情と人間に対する洞察力が感じられます。
主に古典を題材にした田辺聖子さんのエッセイです。 短いエッセイがたくさんつまっています。 短いものでは3ページのものもありますが、 内容はどれもこれも心に響くものばかりです。 まるで平安女性が書いたような、美しくやわらかな文章が素敵。 また、短い文章で古典の魅力が最大限に引き出されていて、 つい原...続きを読む典も読んでみたくなります。 私にとっては宝物のような本。
高校入学前の宿題で読んだ。 あの頃はまったくよさがわからなかったけど 今改めて読み返すと、丁寧に人を描いているところとか、 エピソードを含蓄あるユーモアで描いているところとか 驚きがたくさんあった。 田辺聖子と、向田邦子は、生き方が似ているような気がする。 好きです。
中学の国語の問題文としてこの一部が使われており、面白かったので原本である本書を手に取る運びとなりました。 懐かしい。 田辺さんの古典案内。 情熱的で、でも柔らかな口調で語られています。女性らしい視点から語られていて、とても共感できる部分がありますね。 古典がぐっと身近に感じられたな。 当時の自分は...続きを読む、とにかく古典に嵌っていたので、本の内容に共感しつつ、次に読む本をこれで決めたりしていました。 上代から近世まで、色々な作品が登場しますからね。 古典文学の新しい魅力を発見できるかも。 田辺さんの古典エッセイの中では、これが一番好きです。
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