小林秀雄の作品一覧
「小林秀雄」の「考えるヒント」「Xへの手紙・私小説論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
40年以上ぶりの再読。
熊野純彦を含め、近年の本居本に飽き足らず、小林に回帰。
二十代で初読したときには、何ひとつ理解できていなかったことを痛感した。
晩年の小林は、ここでも相変わらず、対象を語りながら自分自身を語ってしまうといういつものスタイルのように一見見える。しかし、よく読むとそうではない。
あの自信たっぷりに断定口調でものを言う小林が、逡巡に逡巡を重ね、思索に思索を重ねながら、少しずつ本居に肉迫しようとするその執拗さが読むものに深い感銘を与える。この上巻では、22章における宣長の歌論をめぐる小林の語り口は実にためらいがちだ。もっとも、宣長自身が自分の見解の説明に苦労しているわけだが。