学生との対話(新潮文庫)

学生との対話(新潮文庫)

さあ、何でも聞いて下さい――。小林秀雄は昭和36年から53年にかけて、雲仙、阿蘇など九州各地で五度、全国から集った学生達に講義を行い、終了後一時間程、質疑に応えていた。学生の鋭い問いに、時には厳しく、時には悩みながら、しかし一貫して誠実に応じた。本書はその伝説の講義の文字起こし二編、決定稿一編、そして質疑応答のすべてを収録。小林の学生に対する優しい視線が胸を打つ一巻。

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学生との対話(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ものを考えるということ、ほんとうに知を愛し、表現する存在を愛しているのだと思わずにはいられない。
    驚き、考え、疑い、そして信じるということに出会う。そしてまた疑う。上手に質問するということは、答えを出すことではなく、その問い自体を問い続けること。生きること死ぬこと、そこから出発しなくて何を問うという

    0
    2023年12月03日

    Posted by ブクログ

    小林秀雄の講義および学生との質疑応答を記録した本。学生として、是非聴いてみたかったと思える内容。以下、印象に残った箇所(要点)。
    ・科学の進歩は著しい。しかし、科学は人間が思いついたひとつの能力に過ぎない。僕らが生きていくための知恵は、昔からさほど進歩していない。例えば、『論語』以上の知恵が現代の我

    0
    2019年06月05日

    Posted by ブクログ

    文筆家としての自覚と矜持を貫いた小林秀雄は、講演や対談の場での自らの話し言葉を文字にするときは、必ず速記原稿に目を通し、書き言葉に調えることを必須としていたとのこと。
    今回のこの本は、小林氏の著作権継承者である白洲明子氏の検分と容認を得てようやく刊行されたものなのです。
    そのような経緯があるのですが

    0
    2018年04月11日

    Posted by ブクログ

    印象に残ったこと

    ・歴史について
    現在の学校教育では、何年に何が起きたかを暗記することで点数が得られる形式をとっていると思う。
    私自身も歴史は暗記するものであるという認識があったが、小林秀雄が述べた「歴史とは上手に思い出すこと」という言葉に感銘を受けた。出来事を客観的に追っていくだけでなく、当事者

    0
    2023年01月03日

    Posted by ブクログ

    小林秀雄という名前は聞いたことがあったが、初めて読んでみた。
    生の経験や対話を重視する言葉がいくつも出てくる。
    科学を否定するように聞こえる言葉もあるが、科学という一つの物差しで測れない人とのつながりや生きる意味など、そういうものにまで科学を取り入れようとする(また測れないから無用だとする)風潮を否

    0
    2021年07月25日

    Posted by ブクログ

    科学は切り刻む。分析的。しかし,統合できない。細かいことが分かってくる。それで,どうなんだ?心を分析した。分析した結果,心が分かったのか。そもそもそんな問いすら忘れてしまっていないか。

    歴史書は鏡という字が使われている。歴史は自分自身の中にある。⇒「自分自身を見る鏡」「自分自身を見るということは過

    0
    2020年08月19日

    Posted by ブクログ

    小林秀雄は、エラそうではあるが、快刀乱麻、切れ味のあるボキャブラリーとエクスプレッション、さらにパッション。若い人に熱烈な信者が出るのもうなずける。ほぼ肉声なので、その背筋の伸びた佇まいが行間から立ち昇るようでもある。

    0
    2019年05月30日

    Posted by ブクログ

    約40年ぶりに対面する。あの頃もそうだったが、やはり小林は難しい。自分の頭では一読二読では到底理解できない。なのに、国語の教員をしている…。

    0
    2017年07月26日

    Posted by ブクログ

    1961年から1978年の間、5度学生に対して九州の合宿で講義した記録。学生との真摯な質疑応答が厳しくも優しい。科学について、物理学が数学の姿をとるように、経済学者や社会学者は数学を手本にし過ぎるので誤りが出る。それぞれの個性に準じて、科学精神を用いればよい。なるほど。2017.5.18

    0
    2017年05月18日

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