小林秀雄のレビュー一覧

  • 人間の建設

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    読みやすかった。
    小林さんの聞き上手っぷりに脱帽。
    トルストイやベルクソンなど共通認識の次元が高いなと感じた。
    しかもそれをひけらかさず、2人とも行間に埋め込む。
    こんな会話がしたいと思った。
    雑談の最高峰を見た気がした。

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    2025年10月16日
  • 人間の建設

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    今の自分の知識量では拾いきれないと感じさせられてしまう本でした。言葉上は分かったような気がしているが全然理解できていないような感覚にとらわれてしまいました。ただその中でも今の自分にとって必要な言葉がピックアップできたのかと思います。定期的に読み直したい本です。前回は10年くらい前でした。

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    2025年09月14日
  • 学生との対話(新潮文庫)

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    感動は個性である。
    僕はいつも感動から始めた。
    真理というのは、ほんとうは大変優しく単純なものではないでしょうか。
    直覚したとこを分析するんです。分析したところに直覚はない。

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    2025年05月18日
  • 本居宣長(上)

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    40年以上ぶりの再読。
    熊野純彦を含め、近年の本居本に飽き足らず、小林に回帰。
    二十代で初読したときには、何ひとつ理解できていなかったことを痛感した。
    晩年の小林は、ここでも相変わらず、対象を語りながら自分自身を語ってしまうといういつものスタイルのように一見見える。しかし、よく読むとそうではない。
    あの自信たっぷりに断定口調でものを言う小林が、逡巡に逡巡を重ね、思索に思索を重ねながら、少しずつ本居に肉迫しようとするその執拗さが読むものに深い感銘を与える。この上巻では、22章における宣長の歌論をめぐる小林の語り口は実にためらいがちだ。もっとも、宣長自身が自分の見解の説明に苦労しているわけだが。

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    2025年05月15日
  • 人間の建設

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    ネタバレ

    知をいくら重ねても情緒からは逃れられないっていう話。

    一つの事象を説明するのに、どの層まで掘り下げてその言葉が出てきているのかわからない為、二人の発言のどこまで理解出来て、出来ていないのか自分でもわからないけど、とりあえず最後まで面白く読めたし、良い言葉たちが沢山あった。




    p. 146
    小林 愛情には理性が持てるが、理性には愛情は行使できない。

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    2025年05月13日
  • 人間の建設

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    人は自然によって育てられる。人が人を育てることなどできない。人間の根本は、知性などではなく感情である。いくら知的に理解できても感情が納得しなければ人は納得しない。何が言いたいかというと、人が自分たちにとって必要なものは、知性でなく感情で納得できるかどうかで決まる。
    これからの時代は、人間を理解しなければならない時代に来ている。いくら知的を重ねても意味がないことがわかってきた。なぜなら、人間にとって大切なのは感情だから。

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    2025年05月03日
  • 人間の建設

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    とにかく2人の会話から頭の良さ、品性の高さが窺えて畏敬の念です。本当に文章として残してくれて、読ませてくれてありがとうございますという気持ちでいっぱいです。
    まだまだ内容的に理解が追いつかないところがあるので何度も読み返したいです。そうしている間に2人の知性や品の高さが憑ればいいなと思います笑。

    またこちらの話は小林秀雄全集から読んでいるのですが、全集では井伏鱒二の評論があり、これには本当に同意です。氏の魅力を忍耐強さという言葉で言語化、簡潔に表してくれてありがとうございます。

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    2025年03月24日
  • 人間の建設

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    批評家の小林秀雄と、数学者の岡潔による、
    まさに知の巨人といった2人の対談。

    正直難しくてわからない数学の話しもありましたが、理系とか文系とかのベクトルを超越した地点での、高度な知性での対話は、圧倒的で、伝わってくるものがありました。

    小林秀雄がベルクソンを評価している理由など、情緒的かつ逸脱を許さない人生観の情が伝わってきて、そういう感覚が岡潔との共通点だと思いました。

    キリスト教の不信や資本主義の蔓延、または敗戦からの個人主義の導入によって、民衆の知力の低下を憂う、有意義な対話であると思います。



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    2024年09月10日
  • 人間の建設

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    数学者と文章家の歴史的対談。
    何かを究めた人たちは畑は違えど、物事に対する考え方、表現の方法が似通うものなのか。
    喧嘩のようなやり取りになるかと思いきや、お互いをリスペクトする両者の考えの調和は小気味良い。
    理解ができない事柄も多々あるが、再読を繰り返し、歳を重ねながら、理解を深めたいと感じる。
    茂木健一郎氏の「情緒」を美しく耕すために
    の締めが秀逸でこの本に相応しい。

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    2024年08月22日
  • 人間の建設

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    ただのメモ

    無明≒小我≒西洋的な自我
    人は自己中心に知情意し, 感覚し, 行為するものであるが, 自己中心的な行為しようとする本能のことを無明という.
    岡潔は無明をおさえれば, やっていることが面白くなってくるというが, これは無明を超えた真の自分の心, ユングでいう自己から俯瞰してみるということなのだろうか.

    一番面白かったのは, 数学が抽象的になってしまったという話だった.
    感情的に矛盾するとしか思えない二つの命題を共に仮定してもそれが矛盾しないという証明が出てしまったことにより, 知情意の知のみの領域へ入り込んでしまった. 矛盾するというのは情であり感情の満足であるが, これが納得

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    2023年12月30日
  • モオツァルト・無常という事

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    美麗な文章で綴られる芸術論ですが、アイロニーやユーモアもあり批評のレベルにとどまらないと思う。
    豊かな歴史的観点からの考察もさすが。
    「骨董」に関する氏の「骨董の世界が所謂「美術鑑賞」と異なるのは、品物を買ってから始まり、そこから品物が此方の生活に触れてくるのだ」との下り、サブスクとレコード購入の違いを日頃思う自分としては膝を打った。

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    2023年12月29日
  • 学生との対話(新潮文庫)

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    ものを考えるということ、ほんとうに知を愛し、表現する存在を愛しているのだと思わずにはいられない。
    驚き、考え、疑い、そして信じるということに出会う。そしてまた疑う。上手に質問するということは、答えを出すことではなく、その問い自体を問い続けること。生きること死ぬこと、そこから出発しなくて何を問うというのか。信じることと疑うことはいつも表と裏の関係である。
    歴史とは、よく思い出すこと、これは大森先生がことばの論理で考えた通り、記憶とはことばによるより他ない。歴史的な事実、考古学的な事実といった唯物的な論理を持ち出さなくてもよく思い出せることこそ歴史家の力だと
    それが本居宣長であり、さまざまなひとの

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    2023年12月03日
  • 人間の建設

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    読んでいて、心が落ち着いた。

    情緒、詩人。
    落ち着いて読めたのは、岡潔さんの言う詩的なところが、この対談にもあったからでしょうか。

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    2023年09月03日
  • 考えるヒント2

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    小林秀雄氏は、やはりとっつきにくい、何度も目を通すも、本書は流れがあってまだましであった。
    文芸春秋に記載されたエッセイであるが、各項目は、流れをもっていて「考えるヒント」よりは、分かりやすかった。

    気になったのは、次です。

    ・喧嘩という言葉は、大石内蔵助の使っている言葉で、たかが喧嘩に過ぎぬ。と彼は、「浅野内匠頭家来口上」で明言している。
    ・切腹という封建的処刑の方式は、今日の絞首刑より、それほど、野蛮なわけはなかった。内匠頭は首を討たれたのであって、腹をきったのではない。
    ・内匠頭の処分は、裁決に将軍綱吉が口をきいたが為に、喧嘩両成敗という当時の法の情k式を全く無視した異例の仕儀となっ

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    2023年07月22日
  • モオツァルト・無常という事

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    本文は、モーツァルト・美を求める心と題して、noteで投稿したものです。

     
     水曜日の朝、ぼくはモーツァルトのシンフォニー第40番第1楽章を聴いて、泣きそうになったのを思いだす。その日は、いつもより早く起きていたから丁度良いと思い、かけていた。
    しかし、何故モーツァルトは、シンフォニーで何役にも転じたのか、語り部であり、聴者であり、忘れ河である。
    彼は、自らの楽曲の中で自問自答を繰り返していたのか。
    ふとそんなことを思い、狂った感覚が襲った。
    しかし、ぼくは音楽に詳しい訳では無い。空き時間に未開の地に足を踏み入れんとする者である。
    しかし、不思議だ。あの時に感じたものはいまでは、やはり偽り

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    2023年05月08日
  • 地獄の季節

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    人生のもっと早い時期に読むべきだったと悔やまれる一方、今からでも読んで本当に良かったとも思えます。
    天才から吐き出される言葉。

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    2021年05月30日
  • 考えるヒント3

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    死はそれを感じ、経験することで初めて言葉にできる。
     
    美しいモノを前にした時、言葉は目の邪魔になる。

    言葉は人間の理解と行動のための道具にしかすぎない。
    感動は消えてしまう。
    美しさを感じるために知る。



    耳を澄ますとは、音楽の明示する音を絶対的な正確さで捉えること。

    私の人生から割出した結論。

    自分を受け入れる、過去現在を。

    自分なりの文体を持つ。

    働くことが平和なのである。

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    2021年03月23日
  • Xへの手紙・私小説論

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     この文庫を手に取ってみて、きっとはじめは奇異に感じるだろう。というのも、出だしの数編が小林秀雄の若書きの小説であったり、詩が入っていたりすることだ。しかもそれが暗いシニックなもので面白くない(そしてたぶんそんなに上手くない)ものであればなおさらだ。
     最初は疑問に思いながらも読み進めて行くと、『Xへの手紙』あたりで突然、批評家としての小林秀雄が顔を出すことにきづく。「俺は自分の感受性の独特な動きだけに誠実でありさえすればと希っていた。希っていたというより寧ろそう強いられていたのだ。文字通り強いられていたのだ。」(p76)と、強烈に自己を意識した文章が飛び出してくる。この「感受性」の上に、彼の

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    2019年10月05日
  • 学生との対話(新潮文庫)

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    小林秀雄の講義および学生との質疑応答を記録した本。学生として、是非聴いてみたかったと思える内容。以下、印象に残った箇所(要点)。
    ・科学の進歩は著しい。しかし、科学は人間が思いついたひとつの能力に過ぎない。僕らが生きていくための知恵は、昔からさほど進歩していない。例えば、『論語』以上の知恵が現代の我々にあるか。p43
    ・知識を我がものにする喜びがなければ、知識が信念に育つことはない。p94

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    2019年06月05日
  • 本居宣長(上)

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    もののあわれとはなにか。日本語とは、日本の文化、民族とはどのようにしてもたらされ、持ち続けられているか。日本についての深い考察。

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    2018年10月02日