小林秀雄のレビュー一覧
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美麗な文章で綴られる芸術論ですが、アイロニーやユーモアもあり批評のレベルにとどまらないと思う。
豊かな歴史的観点からの考察もさすが。
「骨董」に関する氏の「骨董の世界が所謂「美術鑑賞」と異なるのは、品物を買ってから始まり、そこから品物が此方の生活に触れてくるのだ」との下り、サブスクとレコード購入の違...続きを読むPosted by ブクログ -
ものを考えるということ、ほんとうに知を愛し、表現する存在を愛しているのだと思わずにはいられない。
驚き、考え、疑い、そして信じるということに出会う。そしてまた疑う。上手に質問するということは、答えを出すことではなく、その問い自体を問い続けること。生きること死ぬこと、そこから出発しなくて何を問うという...続きを読むPosted by ブクログ -
本文は、モーツァルト・美を求める心と題して、noteで投稿したものです。
水曜日の朝、ぼくはモーツァルトのシンフォニー第40番第1楽章を聴いて、泣きそうになったのを思いだす。その日は、いつもより早く起きていたから丁度良いと思い、かけていた。
しかし、何故モーツァルトは、シンフォニーで何役にも...続きを読むPosted by ブクログ -
この文庫を手に取ってみて、きっとはじめは奇異に感じるだろう。というのも、出だしの数編が小林秀雄の若書きの小説であったり、詩が入っていたりすることだ。しかもそれが暗いシニックなもので面白くない(そしてたぶんそんなに上手くない)ものであればなおさらだ。
最初は疑問に思いながらも読み進めて行くと、『X...続きを読むPosted by ブクログ -
小林秀雄の講義および学生との質疑応答を記録した本。学生として、是非聴いてみたかったと思える内容。以下、印象に残った箇所(要点)。
・科学の進歩は著しい。しかし、科学は人間が思いついたひとつの能力に過ぎない。僕らが生きていくための知恵は、昔からさほど進歩していない。例えば、『論語』以上の知恵が現代の我...続きを読むPosted by ブクログ -
「かたち」が沁みてくる。このひとはこのひとである以上、どうしようもなかつた、そのことに気づかされる時、「かたち」が浮かび上がつてくる。批評とは問題点を取り上げて改善を促す類のものではなく、この「かたち」に辿り着くことだと思ふ。
「かたち」を物語として書いたところにも彼の姿が映つてゐるが、彼が生き響い...続きを読むPosted by ブクログ -
文筆家としての自覚と矜持を貫いた小林秀雄は、講演や対談の場での自らの話し言葉を文字にするときは、必ず速記原稿に目を通し、書き言葉に調えることを必須としていたとのこと。
今回のこの本は、小林氏の著作権継承者である白洲明子氏の検分と容認を得てようやく刊行されたものなのです。
そのような経緯があるのですが...続きを読むPosted by ブクログ -
熱量がある。
以下引用
諸君の現在の心の中に生きなければ歴史ではない
現代のインテリは不思議を不思議とする素直な心を失っています
信じるというのは、責任をとること
物知り人を嫌うPosted by ブクログ