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60年安保以後、その大きな影響下に書かれた“現代の恐怖”にかかわる一連の作品を収める。「個人的な体験」と同一の設定のもとにそれとは全く逆の結末を導き出し、共通のテーマをめぐる著者の文学的格闘をうかがわせる『空の怪物アグイー』ほか、「万延元年のフットボール」につながる『ブラジル風のポルトガル語』、核時代の苦いユーモア『アトミック・エイジの守護神』など7編。
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Posted by ブクログ
死者の奢りあたりの文体の個性、 迫ってくるような閉塞感はやや影を潜め、 いろいろなパターンの小説が増えてきたな、という感じ。 でも相変わらず短編はおもしろい。引き込まれる。
『不満足』では『個人的な体験』の菊比古とバードが…。 『空の怪物アグイー』は、『個人的な体験』のテーマ性をそのまま引き継いだ、別バージョン。 「僕はアグイーの存在を信じようとしてたんですよ!」とかいうせりふがあって、それが響いたなぁ。 短編集です。どれもよかった。 『敬老週間』も面白か...続きを読むったし
相変わらず、大江健三郎さんの短編集は、どの話もダークな雰囲気の中に皮肉や人間の本質が描かれていてとても面白い。これは他の短編集に比べるとちょっと難解だったかな。 しかし、「敬老週間」はとても皮肉が込められたラストで笑っちゃうし、「スパルタ教育」「犬の世界」などは自分は大好物。「空の怪物アグイー」は長...続きを読む編「個人的な体験」の逆のモチーフでとても興味深かった。 大江作品は亡くなってから読み始めたけど、こうなったら全作品読破するしかないな。
短編集。めちゃくちゃ心震え感動に胸打たれた!というものはなかったが、どれもそれなりに面白かった。『不満足』は暗すぎて好きではないが。 全体的に暗いのはいつも通りだが、それプラス諧謔、皮肉が効いている印象を受けた。 『スパルタ教育』、『敬老週間』、『アトミックエイジの守護神』は特にそう。『スパルタ教...続きを読む育』は特に好き。「恐怖は負け犬でいるよりマシ」というメッセージがとてもストレートに描かれている。 『空の怪物アグイー』は、『個人的な体験』と同じテーマを扱いながらだいぶ軽やかだなと思った。 解説の「副題をつけるとしたら『現代の恐怖』」というのは的確だなと思った。様々な恐怖が描かれていて暗い。
どれも安定して面白い貴重な短編集。 オーケンが文字で表したい事がしっかり明示され、最初期と比べるとライトさも感じる。彼の入門書として最適解かもしれない。
これはA子さんの恋人から。 作者の的確な描写により、体臭やら、汗臭さ、街の埃臭さなどの「生の人間」が生きる環境をジリジリと感じ、喫茶店でコーヒーとか軽食取りながら読んでいたら気分が悪くなってしまう。いや、僭越ながら…凄まじい褒め言葉です。 こう,その当時の時代の空気を想像するに十分な描写。もっと...続きを読む読んでみたくなりました。
1950年代〜1960年代を舞台にした青春小説。 「異常な世界を平気な様子で生きなければならない時代」という意味では今とそうは変わらないのかもしれない。 この異常な世界に放り込まれた主人公たちを導くのが、いずれも精神異常者や地下社会の人間など「同じ時間を生きているのに、別の世界を生きている人間」...続きを読むであるのが興味深い。 危ういバランスで存在している“この世界”と“もうひとつの世界”を私たちは多元的に生きているのだ。 「不満足」の、遺体を積んだオート三輪が早朝の町を駆け抜けるラストシーンは美しかった。
「敬老週間」はちょっと大江らしくないので意外であったが、あとは読んでいてニヤニヤしてしまういつもの大江であった。「ブラジル風のポルトガル語」なんかはいつにも増して他者性というものがきわだって描かれていたように思う、けっこう好きな作品が多かった。
大江健三郎、著。精神病院から逃げ出した患者を探して町をさまよう「不満足」、新興宗教団体から脅される記者の心理的葛藤「スパルタ教育」、寝たきりの老人に現代社会は明るいと嘘をつくアルバイト「敬老週間」、原爆被害者の孤児を引き取った男の真意「アトミック・エイジの守護神」、生まれたばかりの障害児を殺した男...続きを読むが憑りつかれた赤ん坊の妄想「空の怪物アグイー」、突如消えた森林の奥の集落「ブラジル風ポルトガル語」、非行少年が住む世界「犬の世界」の七つの短編を収録。 長編「個人的な体験」や「万延元年のフットボール」を書く過渡期の短編集らしく、初期の作風から抜け出そうという工夫が感じられた。特に「敬老週間」「アトミック・エイジの守護神」ではショートショート的な分かりやすいオチが用意されていて意外だった。ただ大江健三郎にそういうものを期待していなかったので少し腑に落ちなかった。暴力にあふれているが衝撃的というより虚脱感のあるオチ、生物・無生物の境界を取り去ったような観念的な視点、鬼気迫る比喩、悪文と捉えられかねない奇妙な文章、それらがこの著者のオリジナリティーだろう。それを考えると「スパルタ教育」と「空の怪物アグイー」が抜きん出ている。同じストーリーで別の小説家が文章を書いても決してここまで奥深い解釈はできないだろう。
敬老週間―人を食ったようなユーモアのある短編で、今の時代にこんな老人がいたとして、嘘で渡り合える人なんてごくまれじゃないかな、と思う。 アトミック・エイジの守護神―主人公の作家が目で追う中年の男が場面場面で善人にも悪人にも変化するけれど、読みやすく大江には珍しくショート・ショートのような肌触りさえ...続きを読む感じられる。 けれど、この中年の男が特に誇張されているだけで、人はみんなこの彼みたいに善いところも悪いところも持っているのだ。
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