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秘伝の継承を目前にして親方は逝き、弟弟子には先を越され、鬱屈した日々を送る看板職人・武市のもとへ、大店(おおだな)から依頼が舞い込んだ。しくじりは許されない重圧の中、天啓のように閃いた看板思案に職人の血が滾(たぎ)る。実現を前に立ち塞がるいくつもの壁。それでも江戸っ子の度肝を抜くこの仕事、やるのは俺だ。知恵と情熱と腕一本で挑む、起死回生の大一番! 痛快無比の人情時代長編。
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Posted by ブクログ
山本一力の江戸深川人情小説長編作品でしたが、本作は、腕利きの看板職人の武市を主人公に、親方との悲運な死別から、弟弟子にその座を奪われ、自暴自棄になっていたところ、大きな仕事を請け、真剣にその仕事に打ち込み、いろいろな人たちに叱咤激励されながら、また協力を得ながら、苦難を乗り越え、大仕事を成就するとい...続きを読むう展開で良かったです! また、最後は武市が弟弟子とのやり取りで、己の小ささを自覚して、ライバルとして切磋琢磨していこうと心に誓うところが清々しくて格好良かったです!
登場人物すべてが善人! せっかくなので、最後の看板披露はもっと丁寧に書いてほしかった。文庫の表紙でやっとイメージがわいてきただけなので。そこだけがとても残念。
やっぱり山本一力はいい。 何を大切にして生きているのかが明確。 迷っても、その軸があることで、ぶれずに生きているのがわかって、しっくりくる。 やっぱり江戸時代に生まれたかったと、また思いました。
看板職人の武市が、秘伝の継承を目前にして親方が亡くなり、弟弟子に秘伝が受け継がれ、弟弟子が先に大きな看板を出して評判になるところから物語ははじまる。 まさに武市にとってはドン底からのスタートであるが、そこで悔しくて眠れない夜から行動することで物事が好転する。 江戸っ子気質の喧嘩っ早さなども封印し...続きを読むて、真面目に看板と真剣に向き合うことで、色んな人達が味方になり、物事も好転していく。 江戸時代にタイムスリップしたような痛快時代小説で、景色が思い浮かぶような文章力も山本一力の作品ならではと感じさせる。 いい話でした。
弟弟子に先を越されてしまった主人公の武市、良からぬことでもするのかと重い気持ちのシーンが続く。人助けにより、徐々に上向いてくるが、思い付いた工夫を依頼先に非難され、やっと緒についたと思ったら又頼みに行った先に怒られる。ここまでか、と思うと助けに出てくる人々が出てくる。最後は何とか評判の作品を作り上げ...続きを読むる。作者のお得意のパターン。 何か似たような作品を見たように思ったら、西條奈加の「千両かざり」だった。タイトルからして••
鬱屈した日々を過ごす看板職人・武市のもとへ 大店から依頼が舞い込んだ。「目新しい趣向を」との 注文に途方に暮れるが、不意に閃いた前代未聞の 看板思案に職人の血が沸き返る。
親方を亡くしてから、鬱屈した日々を送る看板職人・武市。 大店から舞い込んだ看板の依頼に、起死回生をかけて奮闘します。 武市に関わる人々が、皆それぞれ商人や職人としての誇りを持ち、その心意気に清々しさ感じました。
苦労を積み重ね成就する元気の出る小説。周りの人達もいい人ばかりで助けられる。ただこのテーマにしては長すぎる感はある。11月1日から12月16日までが400ページだ。2017.11.25
人生の挫折からの 起死回生。江戸深川の人々の 馴れ合いでは無い人情。自身の腕と生き様に 厳しくも熱い想い。そんな人々が織りなす千両かんばん作り。大店大木屋の猪牙舟かんばんは、立春の陽を受けて今、目隠しの帆布が外される。
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