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東京の片隅で、中年店主が老いた父親を抱えながらほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」。そこへ、住み込みで働きたいと、わけありげな女性があらわれ……「夕映え天使」。定年を目前に控え、三陸へひとり旅に出た警官。漁師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹れている男は、交番の手配書で見慣れたあの……「琥珀」。人生の喜怒哀楽が、心に沁みいる六篇。
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Posted by ブクログ
短編6編。現状、幸せとは思えない主人公たちが、恵まれない現状から一歩先に進もうとするストーリー。 ほんのり温かかったり、固い決意だったり、さまざまだけど、人はまだまだ頑張れるんだな。っていう勇気をもらえた気がする。 人生っていい事よりも悪い事の方が多いらしい。でも悪い事も考えようによってはいい事に...続きを読む向かうステップにもなりうるのかも。
浅田次郎作品は、ノスタルジックな雰囲気がとても好きなのだけど、この作品集はその持ち味にプラスして、いろんなジャンルの話があってとっても好きだった! 全て読後感が良く、終わってもはぁ…と余韻に浸る感じ。 全部が全部ハッピーな終わり方では無いのだけど。 考える隙を与えてくれるこの短編集は手元に置いておき...続きを読むたいなぁ。
6つの短編からなるこの小説はどの章を読んでもすぐに映画のような映像が浮かんでくる。 登場人物が生き生きとそれぞれの置かれた境遇でそれぞれの運命を受け入れながらも少しの諦観を持って生きている。全てのお話がもやもやと夕闇に包まれて終わっていくようだった。
表紙の雰囲気が好きで買ってみました。個人的には浅田次郎作品は初めてでしたが難しい漢字が多く調べながら読んでいたため読み終わるまでに時間がかかりましたが、ストーリー自体は面白かったのでスラスラ読めました。
浅田次郎さんって、不思議な人だと思う。 登場人物の誰も彼もがものすごく人間くさい。 どうしようもない一面 生々しい欲望 切なくなるほどの胸の内 鮮烈で個性の塊みたいなそれらがぐちゃぐちゃに混ざり合っているはずなのに、なぜか立ち上る風景は、全てがセピア色だ。 それでいて、人間くささはあっても ...続きを読む計算くささは全くない。 6つある短編はどれも決して長くはないのに、 なぜか読み終わった時にどっしりと余韻が残る。 余韻に絡めとられて、 すぐに次の話には行き難くなる。 日を変えて次の話を読めば、 また知らないうちにその世界に囚われてしまう。 戸惑いながら読み始めても、 いつしか目が離せなくなる。 いろんな人の人生を、少しずつ覗き見た気持ち。 一体どこまで計算して書いているんだろう。 浅田次郎さんって、本当に不思議・・・
BSテレ東 西田敏行追悼ドラマ「琥珀」 東京の片隅で、中年店主が老いた父親を抱えながらほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」。そこへ、住み込みで働きたいと、わけありげな女性があらわれ……「夕映え天使」。定年を目前に控え、三陸へひとり旅に出た警官。漁師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹...続きを読むれている男は、交番の手配書で見慣れたあの……「琥珀」。人生の喜怒哀楽が、心に沁みいる六篇。
短編集ではあるが、浅田次郎さんらしく、人間の機微が描かれており、持ち味が活かされている。時代モノとはまた一味違った良さがある。
SFチックなテイストを感じる小作品を収録した短編集。 定年を迎える1日の話かと思って読み進めた「特別な一日」がそうではない「特別な一日」の話だったことに気づいて「…してやられた。」な。 タイトル作の「夕映え天使」からして、SFとはいえないが、不思議な読後感に包まれる。 時効迄の一週間の邂逅を描いた「...続きを読む琥珀」もいい。三陸の寂れた漁村と偶然そこに降り立った定年間近の老刑事、曰くのありそうな過去を抱える2人のその後が気になる。 「切符」、「丘の上の白い家」も捨てがたい。作者の実体験をベースに書かれたと思われる「樹海の人」も余韻を残す。 おれの認識している浅田次郎スタイルとは異るアナザーサイドオブ浅田次郎のアンソロジー。 つぎは何を読もうか。
父と息子2人だけの小さな中華料理店。味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れた天使のような女・純子。あいつは儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。
帯には「最多涙小説」、泣かせの浅田次郎とありました。帯に釣られました。 6編の作品集です。表題の「夕映え天使」のラスト、泣けますね。 他も短いながら、どれも映画化できそう。 「特別な一日」は前半、微妙に違和感のある会話が後半で一気に展開が変わります。 起承転結、伏線回収とはこういうことか、 プロの小...続きを読む説家の凄さを感じる作品でした。
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