Posted by ブクログ
2011年06月12日
感動系で人気のカジシンの新作です。
まず最初にびっくりしたのは、解説が新井素子であったコト。
新井素子さん、最近全く新しい作品見てないのですが、どうなんでしょうか?
全く新しい作品見てないんですが…。
最近何やってるのかな?と思ったら、日本SF協会の会長さんをやってたんですね。
知らなかった…。いつ...続きを読むの間にか偉い人になってたんですね。
で、肝心な『あねのねちゃん』。
やや暗い系の女の子である主人公。普通の日常生活を過ごすなかでもいろいろ嫌なことはあるモンです。
あるときは、オトコにフラれるとか、会社で嫌な想いをするとか、普通に嫌なことが続きました。
そこで気分が落ち込んでいたときに出てきたのが、子供のときに自分の頭で創り出したと信じていたお友達の『あねのねちゃん』。
子供の頃、自分の願望や希望を実現する存在として創り出される想像上のキャラクターだと思っていたのが、いきなり大人になって出てきてしまいます。
大人ですので、これは自分のなかの深層心理が創り出したものであるという認識もあるのですが、それが、嫌なメにあわせている人々を、かなり酷いめにあわせていきます。
それで主人公は『自分の深層心理では、こんなに酷いことを考えていたのか』ってコトで自己嫌悪に陥り、もっと自信のない状態に陥ってしまうのですが…。
その後、あねのねちゃんはどんどん暴走していきます。
主人公はあねのねちゃんを制御出来ないのですが、そういった状況のなかで、お母さんがかなり嫌な要求を主人公にしてくる。
果たしてその結果は…?という内容です。
結構ホラー系ファンタジーの小説で、なかなか読ませる小説ではあります。
でも、残念ながらホラー系を狙ったせいか、作者の得意な心温まる系の小説にはなっておりません。
ラストには救いがあるからまぁいいとしても、期待としてはもっと優しい小説を書いて欲しいなぁと思ってしまうのでした。