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大国の漢と匈奴とにはさまれた弱小国楼蘭は、匈奴の劫掠から逃れるために住み慣れたロブ湖畔の城邑から新しい都城に移り、漢の庇護下に入った。新しい国家はぜん善と呼ばれたが、人々は自分たちの故地を忘れたことはなかった。それから数百年を経て、若い武将が祖先の地を奪回しようと計ったが……。西域の一オアシス国家の苛烈な運命を描く表題作など、歴史作品を中心に12編を収録。
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壮大なドラマ
壮大なドラマですが作中に出てくる地名を一々地図で探すのも面倒なので軍勢の移動ルート等も一緒に示して欲しかった。もう一つ、昔読んだ時に見つけた誤植がそのままになっていた。(「洪水」の終わりの辺り)
Posted by ブクログ
四半世紀ぶりに取りて読む。中学生のときは李陵と比べて格段に低い評価をしていたが、改めてこれはこれで趣の深い作品である。
井上靖の歴史短編小説集。 1:楼蘭 2:洪水 3:異域の人 4:狼災記 5:羅刹女国 6:僧伽羅国縁起 7:宦者中行説 8:褒ジ(女以)の笑い 【ここまでは中国西域の説話】 9:幽鬼 10:補陀落渡海記 11:小磐梯 12:北の駅路 【ここまでは日本の説話】 12話と盛りだくさんです。 通勤途...続きを読む中に1〜2話/日に読み進めるのに丁度よいです。 彼の作風が自分に合うかどうか試したい方に、お勧めの一冊。 人間の感情描写やその表現の細やかさに、 二千年前の楼蘭人や西域の人々の息づかいがそのまま 立ち上ってくるような錯覚を覚えます。 とにかく、お勧めの一冊です。 読み返した数少ない小説の一つです。
オリエント情緒というかシルクロードロマンというかそういうのを感じたい時に ぱらっとめくって好きなとこを読んで満足する一冊です。 ずっと手元に置いておきたい。
これは作家井上靖氏の昭和30年代中心の短篇小説集です。標題に代表されるように西域に主題をとった作品群が多く、この地域に関心の深い私には前から読みたかった作品です。小説というよりは史書のような趣きで、どこまでが創作でどこからが史実かとかわからなくなりそうなくらい、引き込まれます。日本の説話にまつわる作...続きを読む品も集録されており、磐梯山の爆発の事件に主題をとった小磐梯という作品も味わい深いです。ま、核となる作品は間違いなく楼蘭です。実際にあった楼蘭という小国の過酷な運命が描かれており、それと興味尽きない謎の湖、ロプノールの変遷も興味津々です。読後、シンセサイザー奏者の喜多郎の作品を聞きながら床に入ると一層効果的です。
中国、インド、日本が舞台の物語12編の短編集。 「薬屋のひとりごと」から西域に興味がわき調べてみると、「楼蘭て実際にあった国の名前なのか」「その楼蘭の小説があるのか」ということで買ってみた本。 【楼蘭】 かつてシルクロードの要衝として栄えた楼蘭は、大国や大いなる自然の力に翻弄され滅んでいったまるで...続きを読む蜃気楼のような都市。そこに生きた人々の営み、彼らの想像を超える苦悩と翻弄の歴史、そして悠久の時の流れの中に埋もれていった文明の儚さに深い哀愁とロマンを感じる。 楼蘭は漢の命により紀元前77年に鄯善と名前を変えて場所を移し、紀元5世紀ころまで続いたようだ。当たり前の事ではあるが、鄯善移住後すぐの世代と何百年か後の世代では、楼蘭の地への想いは違うし、そもそも楼蘭を知らない人々もたくさんいる。淡々と語られる静かな筆致も相まって、時の流れの無情さを感じられてとても良い。 物語の最後は、悠久の時を越えて1900年頃スウェーデンの探検家スウェン・ヘディンらによって女性のミイラが発見されたところで締めくくられている。「楼蘭」は昭和33年発表の作品なので本書には書かれていないが、その後も何体かこの地で若い女性のミイラが発見されていて、Wikipediaで「楼蘭の美女」と調べると1980年と2004年に発掘されたミイラの画像をみることができる。調査の結果では紀元前19世紀頃に埋葬されたもののようで、楼蘭が歴史に登場する紀元前2世紀よりも遥か昔からこの地で生きていた人々がいたことがわかる。時代が全く違うのだがこのミイラの穏やかな表情は、物語に登場する自殺した王女を思わせる。 【補陀落渡海記】 表題の楼蘭以外で特に気に入った話。日本の補陀洛寺が舞台。覚悟もないまま流れで補陀落渡海(要は舟に乗って海上で死ぬこと)をすることになってしまった僧の壮絶な心情が淡々と描かれている。物語の最後、一度嵐で島まで戻されてしまったあと、有無を言わさず箱に閉じ込められてまた海に流されてしまう場面は自分も殺されるような気分になりとても恐ろしかった。 その他では、「狼災記」「褒じの笑い」「幽鬼」が面白かった。
敦煌から続けて読む。中島敦や芥川龍之介とも似てるけど、昭和になってから書かれているので読みやすい。「異域の人」が一番良かったかな。
12の短編集。多くが古代中国の歴史物語。著者の作品はジャンル幅広く、文章もしっかりして、読んでる最中でもじっくり熟読したくなる、本棚にずっと取っておきたくなる。「浪災記」、「山月記」に似ている。2021.1.22
歴史作品を中心に12編収録。楼蘭とは「中央アジア、タリム盆地のタクラマカン砂漠北東部(現在の中国・新疆ウイグル自治区チャルクリク)に、かつて存在した都市、及びその都市を中心とした国家の名称」である(wiki調べ)なんとロマンを掻き立てることか、更に「さまよえる湖」ロプノールの西岸に位置し、シルクロ...続きを読むードが西域南道と天山南路に分岐する要衝にあって、交易により栄えたとある。日本人はシルクロードに弱い。なぜなら島国に住むわたしたちの感覚からして、大陸の雄大さは永遠の憧れなのであろう。
楼蘭は、移動するロブ湖をめぐる話。叙述詩を読んでるみたい。小磐梯は噴火の前の静けさが物凄く不気味に描かれている。今の時期だから余計にこわく思えるのかもしれない。
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