黙示

黙示

小説・文芸
825円 (税込)

4pt

農薬散布中のラジコンヘリが小学生の集団に墜落する事故が発生。重い中毒症状に苦しむ子どもたちを目の当たりにした世論は、農薬の是非のはざまで揺れることに。その間隙を縫い、農薬を必要としない遺伝子組み換え食品を推進するアメリカの巨大企業と、日本の食品の買い占めを目論む中国。私たちは何を選び、何を捨てるのか。日本の食のあり方を厳しく問う社会派メガ・エンタメ!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    黙示
  • タイトルID
    :
    355404
  • 電子版発売日
    :
    2016年01月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『黙示』真山仁著

    テーマ ★★★★★
    問題提起 ★★★★★
    現代社会とのつながり ★★★★★
    (直近の輸入食品中心とする、為替も理由として食糧高騰。)

    【A;購読動機】
    ハゲタカの真山さん。好きな理由は、新聞記者出身でいらっしゃるため、参考文献が豊富なうえでの展開であることです。
    過去、カジノ、地熱エネルギー、原発事故など社会性が高いテーマで展開されていました。
    今回のテーマは「食糧問題」です。
    ――――――――
    【B;テーマと登場人物】
    テーマは食糧問題です。増え続ける世界人口と不足しはじめている食糧を彫り上げます。

    日本は、自給率が低いです。
    どのように国内外から食糧を調達していくのか?という社会問題に切り込みます。

    登場人物は、農薬メーカー、養蜂家、そして農林水産省です。
    ――――――――
    【C;統計情報ほか】
    ①世界人口
    1986年50億、1998年60億、2010年70億、2022年80億人です。
    ②国内自給率/カロリーベース
    1990年48%2000年40%2020年37%
    ③遺伝子許組み換え食料/国内
    とうもろこし、大豆、菜種、じゃがいも
    ※すでに畜産の肥料として輸入されている。
    ④水耕市場
    土をつかわない農作物の製造。㈱グローバルインフォメーション調べ。
    世界2022年100億ドル。2030年301億ドル。
    ――――――――
    【D;物語】
    養蜂家では、最近、蜂が多く死んでしまう機会が増えました。農薬との因果関係が疑われますが、証明することができません。
    そんな中、誤った農薬散布方法が原因で、住民が重傷を負う事件が発生しました。

    農林水産省では、事件の原因が人為的なものであることとして処理します。
    また、農薬メーカーでは、正しい散布方法をさらに認知させるべく、マニュアルの見直しを図ります。

    農薬問題は、この段階でいったん沈静化します。

    一方で、別次元の課題がたちあがります。
    それは、温暖化よる干ばつ、そして農作物の大不況です。
    世界レベルで不作となり、国家間で食糧の輸出・輸入交渉が始まります。

    そこで、農林水産省は、自給率100%に近い米を中心に、生産ならびに輸出を強化するプロジェクトを立ち上げます。
    ーーーーーーーー
    【E;読み終えて】
    著者真山さんは、小説のなかで「知らないから怖い。だから(政策含めて)反対するのではなく、まず知ろうとする一歩目が大切」と記述しています。
    ・人口増加
    ・国内自給率
    ・減反よる減り続ける生産量
    ・遺伝子組み換え食品供給の世界的な状況

    わたくしが関心をもった内容が水耕栽培です。
    土をつかわず、工場内で農作物を生産するシステムです。
    ここ最近では、都市部のオフィスビル内部でも同様の試みが見られます。
    農家の後継者不足、天候による生産量の不安定さ、それが収入に直結することのリスク。こうした状況に対してのひとつの解決策になるのでは?と再認識できました。

    真山さんファンにはぜひ読んでほしい作品です。

    0
    2023年07月30日

    Posted by ブクログ

    とんでもない取材量で書かれると言われるのも納得な程の、現実的な怖さがいつもある。やっぱ凄いなぁ。
    今の仕事柄、国民に見えないところでしたたかに立ち回ってほしいなぁとつくづく思う国。秋田や米野みたいな官僚が本当にいてくれたら、まだこの国を信じて頑張れる気がした。そんなことを率直に思った作品。

    0
    2024年11月06日

    Posted by ブクログ

    真山仁は、日本の様々な分野において問題提起をする。この黙示は、農業がこれでいいのか?ということを説く。根底には、日本の農業の再生をどう進めるのかにある。ここで、取り上げられるのは、農薬と遺伝子組み換えが主人公だ。
    小説では、農薬散布中のラジコンヘリが小学生の集団に墜落する事故が発生。この本が書かれた時にはラジコンヘリであったが、今ではドローンで散布する。また、病害虫のあるところに向けて集中的に農薬を散布することもできるようになってきている。少し技術は進歩しているが、テーマは変わらない。カーソンの「沈黙の春」の警鐘から、農業に携わる人々が農薬をどう捉えるのか?ということは、大きな問題でもある。農薬と化学肥料によって、農業の生産量は飛躍的に高まった。増殖しつづけるニンゲンの〈食〉をどう支えるのか?問題意識は、深いものがある。
    日本の農林省は、脱炭素社会をめざし、2050年までに農地の25%、100万ヘクタールを農薬と化学肥料を使わない農業へ拡大して行くという。現在の有機農業の面積は1万6000haであり、農業全体の栽培面積の0.4%だから、飛躍的な変化である。有機農業がなぜ広がらないのかという本質的な問題が明らかにされていない。相変わらず、農林水産省は勝手なこというご都合主義でもあるが、そうしなければならない環境を直視する農業を作る必要もある。
    ラジコンヘリの暴走と墜落。農薬が直接子供達に降りかかる。子供の中には農薬開発者の息子がいた。その子供は意識不明となる。自分のつくった物で、自分の子供が被害に遭う。それでも、農薬は必要と考える平井。
    戦場カメラマン代田がミツバチを育てる。代田は、農薬は 第2の放射能だという。
    現在ミツバチは急速に死滅している。害虫を殺すものが、ミツバチをも殺すのだ。アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジンなどのネオニコチオイド系農薬がミツバチを殺す。
    農薬開発者と平井とミツバチを育てる代田の対談がじつに興味深い。
    世界的な天候不順(地球温暖化)による干ばつによって、農業は影響を受け生産量が減少するとされる。その干ばつに対応する遺伝子組み換えトウモロコシが広がって行く。農業技術は、問題があればそれに立ち向かおうとする。農水省で農産物輸出のビジネス戦略を命じられる女性キャリアの秋田。「弱い」と言われる農業を何とか強くすべく、若手官僚として農業に対する方向性を探す。植物工場、アグリトピア、フードバレー、原村、淡路島とひろがる。平井、代田、秋田という三人の主人公が、日本の農業と食の安全について、それぞれの立場から悩み解決しようとする。
    中国が100万トンから400万トンの米を欲しがるという設定から、減反にたいする中国の提案。
    これが、実におもしろい。日本の人口が高齢化と減少の中で、農業の生産量が過剰になって行く。一方で世界は相変わらず人口増加していることで食料不足は想定できるので、日本の農産物を輸出するということも視野におく。この本の提起されていることに、日本人は立ち向かうべきでもある。
    ここでは、日本の肥料の過剰投入によって、環境を破壊し、地球温暖化を進める亜硝酸ガスの発生や農産物の硝酸態窒素の過剰について触れられていないのが、残念。日本の農産物の硝酸態過剰は、健康被害を起こし、病害虫を増やし、日持ちを悪くしてロスを増やしている。ヨーロッパの硝酸態窒素の基準をはるかに超えているので、オリンピック村の野菜は海外から輸入するということが起こっている。

    0
    2022年01月27日

    Posted by ブクログ

    良い面もあれば悪い面もある。
    主観的な判断が必要だからこそ
    相対的な視点が必要なんでしょう。

    そして、無知は罪。
    あまり、知らない事の方が多いけれど、
    知らないうちにこんな事が起こる可能性
    があることには恐怖を感じました。

    0
    2020年07月21日

    Posted by ブクログ

    ラジコンによる農薬散布時の事故により農薬の使用に疑義が唱えられる。一方で大規模な旱魃被害により食料の安定供給の為、あるいは自国の人口増加による食料調達の為、GMO(遺伝子組み換え)を積極的に研究、採用するアメリカ、中国の両大国。GMOは農薬の代替となりうるのか。

    0
    2020年06月09日

    Posted by ブクログ

    作者らしく、農薬メーカ、養蜂家、反対団体などを丁寧に取材したのだろう。作者が伝えたかったのは、次世代の子供たちに、安全で適切な価格の食品をどう残していけるか、という解答と選択を迫られてる事実だ。その為には、安全の定義が必要になろう。少なくとも特定の巨大企業や政治団体だけでは答えは歪ませられるであろう。小説自体は、まだまだ作者の得意分野ではない、と感じた。ただ、伝えなければ行けない、という強い課題認識を感じた。自分の残り人生のテーマの一つにしたいな。

    0
    2019年03月06日

    Posted by ブクログ

    すごい。
    この一言に尽きます。
    そして、私は、本当に無知だと実感させられました。
    巻末の参考文献の多さ、豊富さには、度肝を抜かされました。内容の濃さからして、相当調べてはおられるのだろうとは思っていましたが、まさかシェパードの飼い方まで参考文献があるとは。。。

    蜜蜂を殺すかもしれないネオニコチノイド系農薬、「ピンポイント」が誤って人に対して散布された。一時、命が危ない人までも居た散布事件で、農薬に対して批判が集まる。
    果たして、農薬は危険なのだろうか?
    それに対して、農水省では、植物工場やGMOを推進するプロジェクトを始めようと企んでる人たちがいた。
    私たちが、生きる上で欠かすことのできない食物。知らなければ、恐怖はなく声をあげることもない。知らない方が幸せなのだろうか。
    「ピンポイント」を開発した平井、養蜂家の代田、農水相の秋田。それぞれが思いを抱えて、誇りを携えて、そして未来の日本へ向けて、今を生きるーー

    農薬は必要悪か?
    私は、知らないことが多すぎる。
    だから、不安なのだと、この本を読んで思った。知ることの恐怖。
    でも、それと同時に、知ることで拓ける未来もあるのだと感じました。
    人はわかりやすいことが好きだ。だから、土屋宏美のような人がいて、それは、私たちの代表だと言っても過言じゃないのではないでしょうか。

    いつもこの著者の本を読み終えると、余韻が長い。感情や考えがわーって押し寄せて、だけどまとまらない。
    時間を空けて、感想書き始めたけど、結局頭の中でうまくまとまってないなぁと実感。
    時間の問題じゃなく、私の知識とかの問題かな。。。

    さおりが、なぜ登場して、去って行ったのか。
    私は、彼女がキーパーソンであり、何かこのことに絡んでたと思っていたので、ちょっと肩透かし。。。読みきれてないとこがあるのでしょうか??

    GMOやら農水相やら農薬やらの参考文献を読んだ上でもう一度読みたい。そう思える本でした。

    0
    2019年01月14日

    Posted by ブクログ

    農薬問題からの遺伝子組み換え作物を題材にすることで日本の農業、ひいては世界中での食糧争奪戦を人ごとではないと警鐘を鳴らす話。
    農薬メーカーの研究者、農薬の被害を受ける立場の養蜂家、農水省の役人とそれぞれの立場でそれぞれの問題日本の直面する。
    知らないことなどがたくさんあり、とても興味深かった。この話では農水省は前向きな大きなプロジェクトを実行しつつあるが、現実はどうなのか、知りたくなった。

    0
    2017年04月24日

    Posted by ブクログ

    農薬・食糧危機・遺伝子組換え…これからの日本の農業政策について、食の安全についての問題提起。真山仁の取材力に感服。そういうところはアーサー・ヘイリーに似てる。

    0
    2016年07月19日

    Posted by ブクログ

    ・対立からは何も生まれない。異論がある時こそ、相手を納得させるように話すのが大事だよ
    ・物事を二極化して、対立構図で考えるのは愚行だよ。そもそも反対や否定から何にもうまれないだろ

    0
    2016年05月02日

黙示 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    黙示
  • タイトルID
    :
    355404
  • 電子版発売日
    :
    2016年01月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    1MB

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