新潮社作品一覧

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  • こころの処方箋
    4.3
    「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。
  • 原発と政治のリアリズム
    4.3
    突然、原発事故対応の現場に放り込まれた著者は、眼前の光景に愕然とする。「政治主導」をはき違えた政府、楽観論にこだわる「原子力ムラ」……機能不全の現場には「リアリズム」が欠如していたのだ。高線量下で現場作業をどう進めるか? 原発をコントロールすることは本当に可能か? 真の危機管理能力とは何か? 政治の無力さに苦悩しつつ、その役割と意義を自問し続けた経験から語る現実主義的政治論。

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  • キミトピア
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    あなたが見せるその「優しさ」ってなんか違くない? 夫が分泌するものに、妻は名前をつける(「やさしナリン」)。許せない渾名の先輩をストーキングする私の親友(「ンポ先輩」)。一人ぼっちの部屋に突然現れたもう一人の自分(「あまりぼっち」)。話題作に書下し三作を追加、舞城最多七篇で編むトータル・ストーリーズ。

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  • かくれさと苦界行
    4.3
    徳川家康より与えられた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いに勝ち、松永誠一郎は色里・吉原の惣名主となった。だが、一度は敗れながら、なお執拗に御免状を狙う裏柳生の総帥・柳生義仙の邪剣が再び誠一郎に迫る。加えて吉原を潰すべく岡場所が各所に乱立し、さらに柳生の守護神・荒木又右衛門も江戸に現れた。ついに吉原と裏柳生全面対決の時が――。圧倒的迫力で描く時代長編。

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  • 鬼麿斬人剣
    4.3
    山中に捨てられ、長じて名刀工・源清麿に師事した巨躯の野人・鬼麿は、亡き師が心ならずも遺した数打ちの駄刀を諸国に捜し、切り捨てる旅に出た。様(ためし)剣術独特の構えから繰り出されるその長刀は、人も刀も石をも鉄も瞬時に切り裂く。中山道、野麦街道、丹波路、山陰道と、師の足跡を追い、女を惹きつけ、伊賀者に追われつつ、異色のヒーローが繰り広げる斬人剣八番勝負。

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  • 李陵・山月記
    4.3
    1巻440円 (税込)
    人はいかなる時に、人を捨てて畜生に成り下がるのか。中国の古典に想を得て、人間の心の深奥を描き出した「山月記」。母国に忠誠を誓う李陵、孤独な文人・司馬遷、不屈の行動人・蘇武、三者三様の苦難と運命を描く「李陵」など、三十三歳の若さでなくなるまで、わずか二編の中編と十数編の短編しか残さなかった著者の、短かった生を凝縮させたような緊張感がみなぎる名作四編を収める。

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  • 仮釈放
    4.3
    1巻649円 (税込)
    浮気をした妻を刺殺し、相手の男を刺傷し、その母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が、16年後に刑法にしたがって仮釈放された。長い歳月の空白をへた元高校教師の目にこの社会はどう映るか? 己れの行為を必然のものと確信して悔いることのない男は、与えられた自由を享受することができるか? 罪と罰のテーマに挑み、人間の悲劇の原型に迫った書下ろし長編小説。

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  • 遠い日の戦争
    4.3
    1巻539円 (税込)
    終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。

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  • さぶ
    4.3
    小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二。江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分ちあって生きる、純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れた、ひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。

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  • 破船
    4.3
    1巻528円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

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  • 蜘蛛の糸・杜子春
    4.3
    地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落っこちる『蜘蛛の糸』。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた『杜子春』。魔法使いが悪魔の裁きを受ける神秘的な『アグニの神』。健康で明るく、人間性豊かな作品集。

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  • 銀嶺の人(上)
    4.3
    1~2巻704~792円 (税込)
    女医をめざす、勝気な“泣かない子”であった駒井淑子は、冬の八ヶ岳で単独行を試みて遭難しかかった時、若林美佐子と出会う。鎌倉彫の新鋭彫刻家として注目されていた美佐子は、無口ですぐに“涙ぐむ子”であった。死を覚悟した二人を事もなげに助け出した三人の男性登攀家(クライマー)に魅入られて、彼女たちは、ついに初の女性隊によるマッターホルン北壁登攀への挑戦を試みる……。
  • 本居宣長(上)
    4.3
    「とにもかくにも人は、もののあはれを知る、これ肝要なり……」。本居宣長七十二年の生涯は、終始、古典文学味読のうちに、波瀾万丈の思想劇となって完結した。伊勢松坂に温和な常識人として身を処し、古典作者との対話に人生の意味と道の学問を究めた宣長の人と思想は、時代をこえてわれわれを深い感動の世界につつみこむ。著者がその晩年、全精力を傾注して書きついだ畢生の大業。

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  • Xへの手紙・私小説論
    4.3
    文芸批評家として最初の、揺るぎない立場を確立し、後の文学活動のあらゆる萌芽を含む『様々なる意匠』。人生観、ことに女性観、芸術論、社会批評などが、鋭く、渾然一体となって述べられた『Xへの手紙』。わが国に特有な私小説を見事に解剖した『私小説論』。その他、『一ツの脳髄』『女とポンキン』等の初期創作から始まって、中期以降戦後に至るまでの主要な論文、感想を収録する。

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  • 中国 真の権力エリート―軍、諜報・治安機関―
    4.3
    1巻1,320円 (税込)
    軍を握るものが権力を握り、公安を含む諜報・治安機関こそが中国共産党の一党支配を維持する権力基盤である――。人民解放軍総参謀部、国家安全部、公安部国内安全保衛局、中央外事弁公室……これまで誰も触れることのできなかった“赤い権力”の中枢に、執拗な監視、尾行、盗聴、拘束を受けながらも肉薄した、比類なき一冊。

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  • どうせ、あちらへは手ぶらで行く
    4.3
    「五月十六日 『楽しく楽に』を最優先。不快、厄介、後廻し。楽々鈍で、どんどん楽」──作家が手帳に記していた晩年の日録には、自身の老いを自覚し、見つめながら、限られた人生を最期まで豊かにしようとする姿があった。執筆への意気込み、友との交遊の楽しさ、家族への愛情、そして妻を亡くした悲しみなど、作家が世を去る三ヶ月前まで、九年間にわたって綴っていた感動の記録。

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  • 静かに 健やかに 遠くまで
    4.3
    著者は若い頃から箴言の魅力に惹かれ、生きる指針としてきた。その著者の作品にも、心に染みる会話や、じっくり考えさせる文章が数多くある。出世でこり固まった男もおもしろくないが、出世をあきらめた男も魅力はない/妻が愛人であり、愛人が妻である――多忙な夫には、それがふさわしい/人間の能力とは努力のことでしかない……忙しいビジネスマンの琴線に触れる言葉を、集大成!

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  • 侍

    4.3
    藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。

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  • イエスの生涯
    4.3
    英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。
  • 彼の生きかた
    4.3
    〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。

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  • 謎とき『悪霊』
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    現代において「救い」はあり得るか? 究極の「悪」とは何か? そして、「神」の正体とは?……。「スタヴローギンの告白」3つの異稿を読み解くことで、これまで語られることのなかった、人間性の本質を問う試みが見えてくる。『罪と罰』『カラマーゾフ』『白痴』の「謎とき」シリーズから20年、亀山版「謎とき」の登場!

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  • 半生の記
    4.3
    日本が破滅に向って急速に傾斜していった時代、金も学問も希望すらもなく、ひたすら貧困とたたかっていた孤独な青年松本清張。印刷所の版下工としてインクにまみれ、新聞社に勤めてからも箒の仲買人までしながら一家八人の生活維持に苦しんだその時代が今日の松本文学を培(つちか)ったのであった――。本書は、社会派推理小説の第一人者である著者が若き日を回想して綴る魂の記録である。

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  • 酔いどれ次郎八
    4.3
    藩の名刀を奪い、役人を斬って薩摩藩に逃げ込んだ侍を上意討ちにする命をおびた矢作次郎八と岡田千久馬。二人は首尾よく本懐を遂げるが、薩摩藩士に取り囲まれ退路を断たれる。千久馬を逃がし、その場で死んだと思われていた次郎八が二年後に藩に姿を現した時、かつての許婚は千久馬のもとに嫁いでいた――。次郎八のとる意外な行動を描く表題作ほか、「与茂七の帰藩」など全11編を収録。

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  • おごそかな渇き
    4.3
    長年対面しつづけた宗教的課題を取り上げ、“現代の聖書”として世に問うべく構想を練りながらも絶筆となった現代小説「おごそかな渇き」。ほかに“下町もの”の傑作「かあちゃん」「将監さまの細みち」「鶴は帰りぬ」、“武家もの”の名品「紅梅月毛」「野分」「蕭々十三年」、“こっけいもの”の「雨あがる」、“メルヘン調の「あだこ」「もののけ」と、周五郎文学のさまざまな魅力を一冊に収めた。

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  • 夢の階段
    4.3
    微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断り、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった……表題作他、処女小説「厨房(キッチン)にて」から、直木賞受賞第一作「踏切は知っている」、「忠臣蔵余話 おみちの客」まで、〈作家池波正太郎〉誕生の跡をたどる、ファン必読の未刊行初期短編9編。
  • 池波正太郎の銀座日記[全]
    4.3
    週に何度となく出かけた街・銀座。少年のころから通いなれたあの店、この店。そこで出会った味と映画と人びとは、著者の旺盛な創作力の源であった。「銀座日記」は、街での出来事を芯にした、ごく簡潔な記述のなかに、作家の日常とそこから導かれる死生観を巧みに浮き彫りにして大好評であった。急逝の2カ月前まで、8年にわたった連載の全てを1冊に収めた文庫オリジナル版。

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  • 男振
    4.3
    若くして頭髪が抜け落ちる奇病を主君の嗣子・千代之助に、侮蔑された17歳の源太郎は、乱暴をはたらき監禁される。別人の小太郎を名のって生きることを許されるが、実は主君の血筋をひいていたことから、お家騒動にまきこまれることになる。しかし、源太郎は、宿命的なコンプレックスを強力なエネルギーに変えて、市井の人として生きる道を拓いていく。清々しく爽やかな男の生涯。
  • 気骨の判決―東條英機と闘った裁判官―
    4.3
    吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官――。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。

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  • ―明治めちゃくちゃ物語―勝海舟の腹芸
    4.3
    維新の志士はみな傑物、明治は華やかな新時代――というのは教科書の中の幻想。デタラメな新政府と死に損ないの旧幕府がせめぎあい、実情はまさに大混乱! 家来を捨てて逃げ出す慶喜、奸計を巡らす岩倉具視、世間知らずの公卿たち……。その間を取り持って勝海舟は孤軍奮闘! 敗者は非情な淘汰で歴史から消え、勝者は好き勝手に国を創る。最終決戦・戊辰戦争を軸に、「めちゃくちゃ」な政権交代劇を描く。

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  • 銀座と資生堂―日本を「モダーン」にした会社―
    4.3
    「東京銀座資生堂」の通称そのままに、銀座とともに名声を高め、規模を拡大していった資生堂。大正期にその礎を築き、写真家としても活躍した二代目がもっとも力を注いだのは、寂れつつあった街の復興とパーラー、ギャラリーの運営だった。日本女性を個性的にしたいと願った経営者は、相次ぐ有事をいかにして乗り切ったか。

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  • 「常識」としての保守主義
    4.3
    保守主義とは何か。頑迷に旧いものを守る思想ではない。右翼やタカ派とイコールではない。ましてや、特定の国や人種を排除する偏狭な姿勢でもない。伝統を尊びつつも、柔軟かつ大胆に新しいものを取り入れ、中庸を美徳とする――その本質を、成立の歴史や、ド・ゴール、吉田茂等の代表的保守政治家から学び、これからの可能性を探る。混迷を極める政治状況を考えるうえで必要な視点を提示する、濃厚かつ刺激的な一冊。

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  • ゴールデンラッキービートルの伝説
    4.3
    1巻1,320円 (税込)
    足が速いことしか取り得のない、フツーの小学六年生だった俺。特別に不幸ではなかったけれど、“未来に夢を抱く”ことなんて諦めていた。あいつらと出会うまでは――「ハッとする描写、レベルの高い全体図、そして、とても感じのいい読後感」選考委員・恩田陸氏イチ押し! 少年少女のひと夏の友情を描く、希望あふれるデビュー作。

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  • 「名医」のウソ―病院で損をしないために―
    4.3
    「どの病院を選べばいいのかわからない」「『名医』に診てもらったけれど釈然としない」――「名医・名病院ガイド」をいくら読んでも、こういう不満は解消できません。満足できる医療サービスを受けるには、患者側が知っておくべきいくつかの常識とコツがあるからです。この知識さえ手に入れれば、近所の医者があなたのための名医に変わります。そう、名医は探すものではありません。賢い患者が作り出すものなのです。

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  • ハリウッドで勝て!
    4.3
    企画はテレビの二番煎じで、当てても誰も儲からず、製作・配給システムは硬直化……。日本映画界の構造問題は指摘されるようになって久しいが、実態はなかなか変わっていない。映画が「産業」になっているハリウッドに対し、日本映画界の「道楽」体質も相変わらずだ。面白い映画を作る――そのために本当に必要なこととは何なのか。日本映画界に見切りをつけた業界の異端児が語る、日本映画界への挑戦状。

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  • 待ってました!―花形落語家、たっぷり語る―
    4.3
    師曰く、「会場を選ぶな。自分の演るところが神殿だ」「何を語るかでなく、誰が語るかだ。落語家の存在自体がネタである」。芸と人間の磨き方、災難も笑い話にしてしまう精神力と話術。ビジネス書より学べて、ためになる。小朝、志の輔、談春、志らく、鶴瓶、昇太、円丈、あやめ、歌之介、三枝――花形10人が明かす、とっておきの話。

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  • ―世界最小最強セッター―竹下佳江 短所を武器とせよ
    4.3
    バレー選手としてはあまりに小さい。それゆえ「彼女は通用しない」と言われ続けた。一時は引退にまで追い込まれた彼女は、徹底的に考える事、とことんやり抜く事で壁を突き破った。他人を輝かせ、自らは消える――その強靱な意志の力と、最高峰のセッター技術に迫る。日本女子バレー復活を支えてきた司令塔の感動ドキュメント!

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  • 新・戦争論―積極的平和主義への提言―
    4.3
    戦争とは、人間の社会に常に存在してきた「不可避の現象」などではない。むしろ、一定の条件の下に成立する「社会現象」であって、その条件がなくなった時には消滅するはずのものなのである……。人類の誕生から現代の「イラク戦争」「対テロ戦争」までを射程に収め、戦争が成立してきた条件を問い直し、「戦争時代の黄昏」と「不戦時代の到来」を告げる文明論的考察。

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  • 会議で事件を起こせ
    4.3
    誰か一人が延々と喋り続ける「独演会現象」、皆が他人の顔色を窺う「様子見現象」、いつの間にか提案者が吊るし上げられる「被告人現象」、雑談だけで終始してしまう「脱線現象」等々。いま、あなたの参加する会議にはどんな問題現象が起きていますか。実際の会議の流れに即して、平社員でも管理職でも今すぐ使えるコツを伝授。ちょっとした技術と、ほんの少しの勇気であなたの会議は生まれ変わります。

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  • 白洲次郎 日本を復興させた男
    4.3
    「重要なのは輸出マインドだ」「水利は国家の資源じゃないか」――再生への命運がかかる1951年、この男が大鉈を振るう! 商工省解体、通産省発足、電力再編、平和条約。やるべきことの信念は曲げず、手柄は他人へ。既得権益を斬り、現場を信じつづけた手腕を見よ! 新資料を掘り起こし、真実を伝えるドキュメントノベルの誕生。

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  • 知床に生きる―大船頭・大瀬初三郎とオホーツクの海―
    4.3
    知床のことはこの男に聴け! オホーツクの海に四十余年、大船頭・大瀬初三郎はその目で見たことだけを真直ぐに語る。サケやマスについて、ヒグマやシカについて、木や草について、潮や風について、さらには流氷について……。いずれの言葉も深い。著者は二十年の歳月をかけて繰り返しこの北の地を訪れ、彼の話に耳を傾けてきた。その体験を手がかりに、世界自然遺産に登録された知床の自然を考える。

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  • 立ち上がれ日本人
    4.3
    日本は、いつまでアメリカの言いなりになり続けるのか。なぜ欧米の価値観に振り回され、古きよき心と習慣を捨ててしまうのか。一体、いつまで謝罪外交を続けるのか。そして、若者は何を目指せばいいのか――。日本人には、先人の勤勉な血が流れている。現代日本に過去の栄光を取り戻させるのは、強いリーダーと愛国心だ! マレーシアの哲人宰相が辞任を期に贈る、叱咤激励のメッセージ。

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  • 無言歌
    4.3
    お姉ちゃんが結婚する日の朝、お父さんの携帯に1通のメールが届いた。“お元気ですか? 実は、私も今日結婚するんです。”それは、お父さんの昔の愛人からのメッセージ。でもその直後、花嫁は式場から忽然と姿を消してしまって……。この家族の中で、嘘をついているのは誰? 次々と起こる切ない秘密で塗りかためられた事件に、女子高生・亜矢が迷い込む。100%赤川ワールドのミステリー!

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  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―
    4.3
    国史研究史上、初めての発見! 「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が完全な姿で遺されていた。仕事は経理、小遣い5840円、借金地獄、リストラ……。タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、江戸時代史や日本近代史の見直しを余儀なくされる驚きの連続。気鋭の研究者による意欲作。

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  • 檸檬夫人
    4.3
    1巻440円 (税込)
    「ああっ、何をなさいますっ、これ以上、私に恥をかかせるのはおやめ下さい」――親の仇である憎き男と、使用人であった下郎に、お志津は全裸に剥がされ後手に緊縛された。割り裂かれた両足首を棒杭に繋がれ、2人の男に上半身と下半身とを執拗に愛撫される。屈辱感と汚辱感、しかしそれと並行して突き上げて来るこの快美感は一体……「卑怯な、自由を奪った女を辱めるなど――」血走った声はやがて甘美な喘ぎ声に……武士の妻が2人がかりで嬲られる『卑怯者』など、緊縛の文豪による全5篇。

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  • ディズニーリゾート150の秘密
    4.3
    絶対に別の場所で同時出演しないミッキー驚異のスケジュール管理の真相は? アルコールOKのディズニーシーで泥酔客を見掛けないのはなぜ? ディズニーランドvs.ディズニーシー、ミッキーに会える確率が高いのはどっち!? など、徹底取材で解明した150の秘密を大公開。やっぱり知りたい舞台裏事情も満載の世界最高権威の研究集団による、究極のディズニー雑学集大成。お出掛け前に読んでおくと、もっとディズニーリゾートが楽しめる!

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  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    4.3
    1~5巻660~737円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!

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  • 用心棒日月抄
    4.3
    用心棒が赴くところにドラマがある――。故あって人を斬り脱藩。己れの命を危険にさらし、様々な人の楯となって生きる浪人青江又八郎の苛烈な青春。江戸は元禄、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれ、請け負う仕事はなぜか浅野・吉良両家の争いの周辺に……。凄まじい殺陣の迫力と市井の哀歓あふれる十話。
  • 気まぐれ指数
    4.3
    1巻572円 (税込)
    ビックリ箱作りのアイディアマン、黒田一郎の企てた奇想天外な完全犯罪とは? 傑出したギャグと警句をもりこんだ長編コメディー。
  • 行人(新潮文庫)
    NEW
    4.2
    学問だけを生きがいとしている一郎は、妻に理解されないばかりでなく、両親や親族からも敬遠されている。孤独に苦しみながらも、我を棄てることができない彼は、妻を愛しながらも、妻を信じることができず、弟・二郎に対する妻の愛情を疑い、弟に自分の妻とひと晩よそで泊まってくれとまで頼む……。「他の心」をつかめなくなった人間の寂寞とした姿を追究して『こころ』につながる作品。(解説・大野淳一)
  • それから(新潮文庫)
    NEW
    4.2
    長井代助は三十にもなって定職も持たず、父からの援助で毎日をぶらぶらと暮している。実生活に根を持たない思索家の代助は、かつて愛しながらも義侠心から友人平岡に譲った平岡の妻三千代との再会により、妙な運命に巻き込まれていく……。破局を予想しながらもそれにむかわなければいられない愛を通して明治知識人の悲劇を描く、『三四郎』に続く三部作の第二作。(解説・柄谷行人)
  • 笑う森
    NEW
    4.2
    1巻2,420円 (税込)
    原生林で5歳のASD児が行方不明になった。1週間後無事に保護されるが「クマさんが助けてくれた」と語るのみで全容を把握できない。バッシングに遭う母のため義弟が懸命に調査し、4人の男女と一緒にいたことは判明するが空白の時間は完全に埋まらない。森での邂逅が導く未来とは。希望と再生に溢れた荻原ワールド真骨頂。
  • プレゼントでできている
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 僕はよく、ものをもらう。モンゴルの絨毯、鹿の角、大家さんの柚子、あの人の言葉……。もらったものは買ったものより捨てにくいし、何かをもらうと何かをお返ししたくなる。なぜだろう? もう会えない誰かや目に見えない何かとも、“プレゼント”でつながれる――。『ぼくのお父さん』『マンガ ぼけ日和』の矢部太郎が贈る、新作コミック。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)
    4.2
    失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次々と失い、大都会という他人だけの砂漠の中で次第に自分を見失っていく。追う者が、追われる者となり……。おのれの地図を焼き捨てて、他人しかいない砂漠の中に歩き出す以外には、もはやどんな出発もありえない、現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う傑作書下ろし長編小説。(解説・ドナルド・キーン)
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)
    4.2
    ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変ってゆく「水中都市」、コモン君が、見馴れぬ植物になる話「デンドロカカリヤ」。安部短編作品の頂点をなす表題二作に、戯曲「友達」の原型となった「闖入者」や「飢えた皮膚」など、寓意とユーモアあふれる文体の内に人間存在の不安感を浮び上がらせた初期短編11編を収録。(解説・ドナルド・キーン)
  • 第四間氷期(新潮文庫)
    4.2
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 壁(新潮文庫)
    4.2
    ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)
  • のち更に咲く
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
  • 落雷はすべてキス
    4.2
    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 読む人の世界の美しさのきっかけになりたい――。webマガジン「yom yom」掲載詩を中心に、「最果タヒ書店」のグッズ、雑誌、SNS発表作品を加えた44編を収録。詩の映画化、個展、作詞、街とのコラボレーションなど、ジャンルを超え続ける詩人が、言葉にならない思いを紡ぎ、未知の感覚を呼びさます最新詩集。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • フランス革命の女たち―激動の時代を生きた11人の物語―(新潮文庫)
    4.2
    永遠の名作『ベルサイユのばら』から50年を越え、今、新たな真実の歴史が詳らかになる――。ロココの薔薇マリー・アントワネット、美貌の画家ヴィジェ=ルブラン、暗殺の天使シャルロット・コルデー……。美貌と愛によって、才気と知性によって、歴史の表舞台へと躍り出た女たちに寄り添い、その激しい人生を豊富な絵画と共に活写する。マンガでは語り尽くせなかったフランス革命の物語。(解説・鹿島茂)
  • 隠蔽捜査(新潮文庫)
    4.2
    竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る――。保身に走る上層部、上からの命令に苦慮する現場指揮官、混乱する捜査本部。孤立無援の男は、組織の威信を守ることができるのか? 吉川英治文学新人賞受賞の新・警察小説。

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  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)
    4.2
    地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)
  • 奇譚蒐集録―弔い少女の鎮魂歌―(新潮文庫nex)
    4.2
    大正二年、帝大講師・南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉(よみ)がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子(ミクチヌグヮ)」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣(あざ)が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
  • にがにが日記
    4.2
    生活史研究で知られ、大阪と沖縄、そして音楽に魅せられた社会学者が綴る、発見と内省、諧謔と哀切に満ちた日記。ウェブマガジン「考える人」の人気連載に、最愛の猫とのかけがえのない日々を書き下ろした「おはぎ日記」を併録。
  • コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)
    4.2
    九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
  • 遠い声、遠い部屋
    4.2
    新鮮な言語感覚と幻想に満ちた華麗な文体で構成された本作は、1948年に刊行されるやいなや、アメリカ中で大きな波紋を呼び起こした。父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエル少年の、近づきつつある大人の世界に怯え屈折する心理と、脆くもうつろいやすい感情とを描いた半自伝的なデビュー長編。
  • 金春屋ゴメス 因果の刀(新潮文庫nex)
    4.2
    江戸国からの阿片流出事件について、日本から査察が入った。団長は大御所議員の印西茂樹。江戸城で評定が開かれる中、印西は秘密裡にゴメスに接触し、江戸国の開国と明け渡しを迫る。印西の目的は江戸国深くに眠る白緑石で、この資源を元にロケット燃料を開発し暴利を貪る算段だ。拒絶すれば江戸国は消滅――。開国以来の危機に襲われる江戸国をゴメスは守り切れるか。書き下ろし長編。
  • フィリピンパブ嬢の経済学(新潮新書)
    4.2
    フィリピンパブ嬢との出会いと交際は、すったもんだの末に見事ゴールイン。これで平穏な日々が訪れるかと思いきや、妻が妊娠。新たな生命の誕生とともに二人の人生は新たな局面に突入する。初めての育児、言葉の壁、親族縁者の無心と綱渡りの家計……それでも「大丈夫、何とかなるよ」。異文化の中で奮闘する妻と支える夫の運命は? 話題作『フィリピンパブ嬢の社会学』に続く、抱腹絶倒のドキュメント第二弾!!
  • 国難のインテリジェンス(新潮新書)
    4.2
    人口減少、災害対策、DXの発展、医療財政、教育システム、宗教法人、皇室の存続――日本は長い間、解決すべき問題を抱え続けてきてしまった。世界が再び混迷の時代に突入する中、それらは「時限爆弾」として我が国を脅かす。本書では各分野を代表する十四人のプロフェッショナルと本気で語り合い、日本の、そして個人の生存戦略を考える。問題を解決する猶予はもはや残されていないのだ。
  • 原田マハ、アートの達人に会いにいく
    4.2
    谷川俊太郎、竹宮惠子、安藤忠雄、山田洋次――アート小説の名手が、作家になる以前からいつか会いたいと思っていた先達たちに直撃。それぞれの子供時代から現在の仕事にいたるまで、分厚い人生から発せられた言葉は、豊かな智恵にあふれています。「芸術新潮」の人気連載から生まれた、次世代へ伝えたい珠玉の対話集。
  • 占(新潮文庫)
    4.2
    1巻781円 (税込)
    翻訳家の桐子(とうこ)は大工の伊助と深い仲。ただ彼は、生き別れた義妹が一番大事という。ならば私は何だと桐子は憤り、偶然行き着いた卜い家(うらないや)で彼の本心を探る(「時追町の卜い家」)。お宅は平穏ねと羨まれる政子。果たしてそうか、近所の家庭を勝手に格付けし、比べ始める。それが噂になってしまい……(「深山町の双六堂」)。“占い”に照らされた己の可能性を信じ、逞(たくま)しく生きる女性たちを描く短編集。(対談・鏡リュウジ)
  • 無人島に生きる十六人(新潮文庫)
    4.2
    大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた! 明治31年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか? 名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。(解説・椎名誠)
  • おやじはニーチェ―認知症の父と過ごした436日―
    4.2
    突然怒り、取り繕い、身近なことを忘れる。変わっていく認知症の父に、60男は戸惑うが、周囲の人の助けも借りて、新しい環境に向き合っていく。結局、おやじはおやじなんだ。時に父と笑い合いながら、亡くなるまでの日々を過ごす。「健忘があるから、幸福も希望もあるのだ」という哲学者ニーチェの至言に背中を押されながら。
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    1945年、19歳で学徒出陣により徴兵され、戦争と軍隊を嫌悪した渡辺。政治記者となって目にしたのは、嫉妬が渦巻き、カネが飛び交う永田町政治の現実だった――。「総理大臣禅譲密約書」の真相、日韓国交正常化交渉と沖縄返還の裏側、歴代総理大臣の素顔。戦後日本が生んだ稀代のリアリストが、縦横無尽に語り尽くす。
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)
    4.2
    シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。
  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    4.2
    優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。ひとつ、どこか、生きるうえで不便な、生きにくい部分を守り育てていくことも、大切なんだ。勝てばいい、これでは下郎の生き方だ……。著者の別名は雀聖・阿佐田哲也。いくたびか人生の裏街道に踏み迷い、勝負の修羅場もくぐり抜けてきた。愚かしくて不格好な人間が生きていくうえでの魂の技術とセオリーを静かに語った名著。(解説・西部邁)
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
    4.2
    相手に何かを伝えるため、人間は即興で言葉を生みだす。それは互いにヒントを与えあうジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ。ゲームが繰り返されるたびに、言葉は単純化され、様式化され、やがて言語の体系が生まれる。神経科学や認知心理学などの知見と30年におよぶ共同研究から導きだされた最新の言語論。
  • 中原中也詩集(新潮文庫)
    4.2
    愛する者よ、無垢なる日々よ――。生と死のあわいを漂いながら、失われて二度とかえらぬものへの、あふれる惜別の想いを、ノスタルジックにうたい続けた、夭折の天才詩人、中也。哀切で甘美なことばが、胸をうつ調べとなって響きあい、はかない余韻が心に沁みる2冊の詩集『山羊の歌』『在りし日の歌』に、詩集として編まれなかった作品も併せた140篇の詩篇を収録。(解説・吉田凞生)
  • しろがねの葉
    4.2
    1巻1,870円 (税込)
    戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!
  • ストレス脳(新潮新書)
    4.2
    病気や飢餓などのリスクを克服し、人類はかつてないほど快適に生きられるようになった。だが、うつや不安障害は増加の一途……孤独にデジタル社会が拍車をかけて、現代人のメンタルは今や史上最悪と言っていい。なぜ、いまだに人は「不安」から逃れられないのか?  幸福感を感じるには?  精神科医である著者が最新研究から明らかにする心と脳の仕組み、強い味方にもなる「ストレス」と付き合うための「脳の処方箋」。
  • 村雨辰剛と申します。
    4.2
    スウェーデンに生まれて日本に憧れた少年は、独学で日本語を習得、留学できる日本の高校を飛び込み電話で探し、チャットで知り合った(!)人の家に3か月のホームステイで初来日。庭師として働く中で日本名と国籍も取得。モデル、そして俳優としてもマルチに活躍する「和の心を誰よりも愛する男」の素顔と謎にカラー写真満載で迫る!
  • 渡りの足跡(新潮文庫)
    4.2
    この鳥たちが話してくれたら、それはきっと人間に負けないくらいの冒険譚になるに違いない──。一万キロを無着陸で飛び続けることもある、壮大なスケールの「渡り」。案内人に導かれ、命がけで旅立つ鳥たちの足跡を訪ねて、知床、諏訪湖、カムチャツカへ。ひとつの生命体の、その意志の向こうにあるものとは何か。創作の根源にあるテーマを浮き彫りにする、奇跡を見つめた旅の記録。
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    4.2
    中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話、シリーズ第二弾。
  • ハレルヤ(新潮文庫)
    4.2
    五月の晴れた日に、お饅頭のようなかわいらしい子猫と出会った。親猫はおらず、病院に連れて行ったところ、特別な猫であることがわかって――。花ちゃんと名付けられた子猫が、元気に走り回るようになるまでを描いた「生きる歓び」。それから十八年八カ月後、花ちゃんとの別れが語られる「ハレルヤ」。青春時代を振り返った川端康成文学賞受賞作「こことよそ」など愛おしさに満ちた傑作短編集。(解説・湯浅学)
  • 話術(新潮文庫)
    4.2
    話は誰でもできる。だからこそ、上手に話すことは難しい。日常の座談では、何を、どう話すか。大勢の聞き手を相手にするときに気を付けておくことは。声の出し方、間の置き方はどうする? 一人で喋るな、黙りこむな。お世辞、毒舌、愚痴、自慢は、やりすぎると嫌われる。ほら吹き、知ったかぶりは恥ずかしい。人生のあらゆる場面で役に立つ、“話術の神様”が書き残した〈話し方〉の教科書。(解説・濵田研吾、久米宏)
  • アントニオ猪木―闘魂60余年の軌跡―(新潮新書)
    4.2
    なぜ、アントニオ猪木は人を惹きつけるのか――プロレスファンでなくても知っている、その圧倒的存在感と魅力の根源を、これまでの人生から徹底検証する。デビューから60余年、リングの内外で起きた“事件”、世界中の強豪選手を相手に闘った姿、政治の場で示した抜群の行動力……その時々の猪木の行動と発言を精緻に描写する。ひとたび興味を持てば「猪木に魅せられ、心を奪われてしまう」理由が、本書で明解に!!
  • 肖像彫刻家(新潮文庫)
    4.2
    芸術家の道を諦めた中年バツイチの正道。心機一転、八ケ岳山麓に移住するが、本場イタリア仕込みの腕を振るった女神像は、あらぬ場所に置かれてしまう。それでも注文には心を込めリアルな彫像を造った。だが耳を疑うことが起きた。喋るというのだ、肖像が……。古刹の訳あり仕事から、亡き両親の像、大胆な裸体彫刻まで、珍現象が巻きおこす人間模様をからりとしたユーモアで笑い飛ばす傑作。(解説・鵜飼哲夫)
  • なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない
    4.2
    どこでも、誰とでもつながれる時代。なのに、どうしようもなく「ひとりぼっち」だと感じるのはなぜ? 検索すれば、わかりやすい「答え」がありあまる時代。なのに、自分のこころがわからなくなるのはどうして? 紀伊國屋じんぶん大賞受賞の臨床心理士が読者との〈夜の航海〉を通じて描く、新感覚の「読むセラピー」。
  • 木(新潮文庫)
    4.2
    樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床発芽するえぞ松の倒木更新、娘に買ってやらなかった鉢植えの藤、様相を一変させる縄紋杉の風格……。北は北海道、南は屋久島まで、生命の手触りを写す名随筆。(解説・佐伯一麦)
  • 異邦人(新潮文庫)
    4.2
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
  • 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    4.2
    「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。
  • ミトンとふびん
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていく――。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。
  • しゃばけごはん(新潮文庫)
    4.2
    しゃばけシリーズには、おいしい料理場面がいっぱい。若だんなも妖も大好きな卵焼き、仁吉や佐助が給仕してくれる小豆粥。豪華な花見弁当、宴会の葱鮪鍋、やなり稲荷。宿場町の奈良茶飯、天狗と食べた夜鷹蕎麦。三春屋の茶饅頭に、栄吉の辛あられ……しゃばけに登場する美味なる江戸料理、全33品をお手軽なレシピで再現。若だんなが食べたあの味を、あなたもおうちで楽しんでみませんか?
  • トヨタ物語(新潮文庫)
    4.2
    同じような部品や機械を使っても、できあがった自動車の性能はまったく違うものになる。その違いを生むのは生産方式だ。「ジャスト・イン・タイム」「かんばん方式」――トヨタ自動車は「トヨタ生産方式(TPS)」に則り優れた自動車を作り続けてきた。「日本人が作った車で生活が豊かになる」と夢見た三河の自動織機会社が世界のトヨタになるまで。TPSの最深部を描き切った巨編ノンフィクション。(解説・千住博)
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)
    4.2
    彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる――。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。没後に発見された感動、感涙の手記。(解説・児玉清)
  • 人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか―
    4.2
    ほぼ同じDNAをもつ二人が、何もかも異なるのはなぜか。毎日5個もの細胞が癌化しているのに、なぜ簡単には死なないのか。生命体とウイルスのちがいとは――。医療・医学の最前線を取材し、7000杼個の原子の塊が2キロの遺骨となって終わるまでのすべてを描き尽くした、全米各紙絶賛のエンタメ・ノンフィクション!
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)
    4.2
    日本の漫画は世界でも希有な文化である。中でも少女マンガは男性とは異なる視点で新たな物語を生み出してきた。その第一人者である萩尾望都が2009年、イタリアで行った講演で繙いた、『リボンの騎士』から『大奥』へ至る少女マンガ史、そして、自作の解説と創作作法を収録。'19年にデビュー50周年を迎えてなお現役であり続ける著者が、日本独自の文化である少女マンガの「原点」と「未来」を語る一冊。(解説・中条省平)
  • 軽薄(新潮文庫)
    4.2
    18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を越えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していた――。二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。喪失と再生の純愛小説。
  • クイーンズ・ギャンビット(新潮文庫)
    4.2
    孤児院で育った少女ベス。用務員にチェスを習い天賦の才を開花させた彼女は、やがてウィートリー夫人に引き取られ、各地の大会で強豪プレイヤーを相手に次々優勝、男性優位のチェス界で頭角を現す。孤児院で与えられた安定剤と、アルコールへの依存とも闘いながら、ベスはついにソ連の大会で最強の敵ボルゴフに挑む――。世界的な大ヒットドラマの原作となった、天才少女の孤高の挑戦を描く長編。

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