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長井代助は三十にもなって定職も持たず、父からの援助で毎日をぶらぶらと暮している。実生活に根を持たない思索家の代助は、かつて愛しながらも義侠心から友人平岡に譲った平岡の妻三千代との再会により、妙な運命に巻き込まれていく……。破局を予想しながらもそれにむかわなければいられない愛を通して明治知識人の悲劇を描く、『三四郎』に続く三部作の第二作。(解説・柄谷行人)
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Posted by ブクログ
随分前に『三四郎』を読んで、漱石ふつうにおもしろいなと思っていたのですが、前期三部作の2作目にあたるこちらを読むのにだいぶかかりました。 『三四郎』はラストが少し物悲しさもありますが、全体的に青春小説風ですがすがしさがありましたが、こちらは最初から全体的に詰んでいるというか、代助自体は最初は悠々自適...続きを読むとしていますが、明らかにそう長くは続かないだろうという不安感が、読者の方にも共有していて、この不発弾、いつか爆発するんだろうという緊張感がただよっていて、読みごたえがありました。 また、『三四郎』や『こころ』にも表れていましたが、時代が物質的文化へシフトしていくときに、時代は変わるけど、さて人のこころもそう簡単に変えることができるのだろうかという疑問が、この作品にも表れていたように思います。
はたしてハッピーエンドだったのかそれともバッドエンドだったのか。 それはそれからの代助しかわからない。 代助の心理描写や思考が所狭しと出てきてとても面白い。 自分だったらどう選択するのか?そしてその選択の先は正解なのか?所々でこんな事をじっくり想像してしまって非常に良い読書体験だった。 言葉が古いか...続きを読むら読むのに時間はかかるがそれでも色々考えさせられる良い物語である。 自分の人生は果たして正しい道を行っているのか? そんな自分の人生を見直す良い機会になるだろう。
定職を持たず父からの援助で暮らしている明治期の高等遊民である長井代助が主人公の小説。 代助が働かない理由を友人である平岡に語る場面でもあるように代助の言っていることは屁理屈にも感じるが、世の中をできるだけ公平に見て自由に論じるためには代助のような立場の人間の方が適している面もあるのかなと感じた。 平...続きを読む岡と平岡の妻である三千代とのやりとりはもちろんだが、個人的にはかつては代助と同じように文学書を熱心に読んでいたのに生活に追われるようになり次第に読書の面白さがわからなくなった但馬にいる友人の描写が代助の生活との対比を上手く表現していると感じ印象に残っている。
「それから」を再読して、主人公や家族、女性達がいきいきと描写され、改めて漱石の素晴らしさを感じた。 高等遊民のような生活をしている長井代助は、友人の平岡の妻、三千代に横恋慕する。三千代とは過去深い心の交流があったのだ。しかし時代は明治、他人の妻をとることは許されない。代助は家族からも絶縁され、実社会...続きを読むの荒波の中を漕ぎ出す。
ニートをここまで正当化するように描けられる夏目漱石はすごいと思った笑 この時代の姦通罪がどれほど大きいのかを知っておくとなお理解しやすいかも。 登場人物が代助の思考に上手く絡んでて、代助の考え方がはっきりわかりやすい。
1月の「夢十夜」の読書会で久しぶりに漱石の本に触れたら、非常に心地よい世界であることを再認識しました。三部作の「三四郎」は高校生の頃と数年前と2回読んだので、「それから」を購入。素直に「面白かった」というのが印象でした。 ストーリーの展開は静かです。父からの援助で30になっても毎日私ぶらぶら暮らし...続きを読むている長井代助が主人公。実生活に根を持たず、散歩、読書、書生や嫂、そして友人の平岡とのおしゃべりに時間を費やしています。平岡の妻、三千代は代助がかって愛しながらも、友情から平岡に譲った女性。この小説は三千代に再会した代助の内面を中心に描く心理小説です。 上記のように地味な物語ですが、読み終えるのがもったいないほど夢中になって読みました。その理由は 1)ストーリーの動きが地味な割に、代助の内面の激しい動きが刻々と描かれること。神経質で敏感な性格で、これからの行動を決めかね、過去の行動については後悔するという、けっこう第三者を苛立たせる性格です。 「なぜ働かないって、それは僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。もっと大げさに言うと日本対西洋の関係がダメだから働かないのだ」 「高等遊民」として独自の醒めた考えを持つ代助の思考は、神経質であったり、三千代のことを突然想起したりとジェットコースターのように展開します。この小説を面白くしている大きな要因と思いました。 2)解説にある通り、「それから」は「姦通小説」です。この「姦通」という主題が登場人物の人間関係に緊張をもたらしています。したがい、展開が地味な割には、引き込まれるような小説になっています。 当然ながら明治の親子関係、風俗が描かれていて、なんとも言えない心地よさがあります。やはり、読むべき小説のひとつと思います。
今は亡き姦通罪に対し、あたかも正当化に向けさせるようなロジックに加え破滅した心理的描写で括られる グロいね〜
夏目漱石の前期三部作(三四郎/それから/門)の真ん中の作品。 主人公の代助はスーパーニート。実家が豊かで、そこから送られるお金で思索にふける事こそが最上の生き方で、金の為にあくせく働く事は自分を無くす事だ、という信念がある。 すごい主人公設定だが、あとがきなどによると、この設定がどうにも共感を得難く...続きを読む、いまいち人気が出なかったとか。まぁ、こんな人がうんうん悩んでいても、「お前はとりあえず働け」と思ってしまうのも、もっともな話か。 さて、今作の主人公の代助くんがどんな悩みにぶち当たるかと言うと、不倫だ。 今よりも倫理観とか厳しそうな時代に、スーパーニートが不倫に悩む。これは人気ないどころかむしろ反感買ったりしたんじゃなかろうか…。 代助には学生時代からの友・平岡がいて、代助も平岡も三千代という女性を好きになってしまう。代助は友情を選択し平岡と三千代の仲を取り持った過去があり、現在平岡と三千代は夫婦だ。 そこから時は経ち、代助は平岡夫妻と再会。平岡は金の為にあくせくする「代助が嫌いなタイプの人間」へと変貌しており、夫婦関係も色々あって冷え切っている様子。 そんな不遇な三千代の姿を見て代助は再び三千代に惹かれ始める…。 というのが今作のストーリーだ。なんとなく『こころ』とも通ずる人間関係。 さて代助は不倫へと踏み込むのか否か…こう聞くと大分ドラマティックな物語のようだが、漱石先生お得意のゆったりとした展開で、モヤモヤした空気が結構な時間紡がれる。 その間、代助は実によく悩む。実家の方では度々彼に縁談を持ちかける。 いっそ結婚してしまうか、断って三千代への思いを貫くか。縁談を断り人の妻を奪うと、当然実家からの仕送りは打ち切られるだろう(おい)打ち切られたら大嫌いな労働をしなければならない(おい) などなど、共感出来るような、共感出来ないような悩みで煩悶する代助。 働いて当然、不倫はしないのが当然、というような社会の常識とか制度とか、そういったものと、人間の自由というものの対立構造が色んな箇所で登場するこの作品。 全てと対立していく為に、共感を得にくい主人公像になったのかもしれない。 実際、代助の言葉には道理が通っているなぁと感じる場面も多々ある。 印象的なのは代助が三千代の夫・平岡に言うこのセリフ。 「三千代さんは公然君の所有だ。けれども物件じゃない人間だから、心まで所有する事は誰にも出来ない。本人以外にどんなものが出て来たって、愛情の増減や方向を命令する訳には行かない。夫の権利は其所まで届きやしない。だから細君の愛を他へ移さない様にするのが、却って夫の義務だろう。」 とこうだ。なるほど、それは道理だ、となる。『吾輩は猫である』の後半における結婚論といい、夏目漱石の描く男女の関係には新しいものがあるように感じる。 既成の概念に囚われずに生き方を模索する様が刺激的だ。 『それから』は、これも漱石先生あるあるだが、後半、エンジンがかかりにかかっていて面白い。まさに怒涛の展開。 「僕の存在には貴方が必要だ」と、どストレートなセリフまで飛び出す。 それまでまったり進んできた物語が一気に加速する。ラストシーンは緊迫感があり、ここまで読んできてよかったー!という気持ちになった。
人生に彩りがない白黒の世界で生きていた代助 あることをきっかけに人生に彩りが出てくる 代助に意志が出てくる ある意味人間らしい
3部作の2作目という事で、期待しておりましたが、普段大して小説を読まない者からすると、中々の出来で流石漱石先生という感じです⁉️ 時代背景とか難しいですが、奥深く感じて色々考えさせられました。 風景の言い回しとか、スゴくキレイだと思います‼️ 3作目『門』が楽しみです
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