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日本の漫画は世界でも希有な文化である。中でも少女マンガは男性とは異なる視点で新たな物語を生み出してきた。その第一人者である萩尾望都が2009年、イタリアで行った講演で繙いた、『リボンの騎士』から『大奥』へ至る少女マンガ史、そして、自作の解説と創作作法を収録。'19年にデビュー50周年を迎えてなお現役であり続ける著者が、日本独自の文化である少女マンガの「原点」と「未来」を語る一冊。(解説・中条省平)
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Posted by ブクログ
漫画製作の話が読めてよかった。ただ最近作はあまり知らないので、後半のインタヴューはよくわからなかったです。
少女マンガ好きにおすすめの本
萩原望都先生の作品を見ながら、作品を構成する際の意図が詳細に説明されているところが、大変ためになりました。 これから少女マンガを読むときには、作者が何を、どう見せたいのかを考えながら読めそうですし、描く方も頑張ろうと思いました。 また、読んだことのない作品も紹介されていて興味がわきました。 さ...続きを読むらに、昔なつかしい作品名がたくさん出てきて、忘れていた昔読んだ記憶がよみがえりました。
#感動する #深い #タメになる
懐かしい萩尾作品の解説に、少女マンガの歴史。マンガはずーーっと好きなものの一つです。好みに合うものは読み続けますよ、何歳になってもね
とても丁寧に萩尾望都さんの言葉を紡いでいて、ファンにとってもそうでない人にも分かりやすいと思いました。聞き手の矢内さんの情報量もすごいです。 全ての作品をもう一度ゆっくりと読み返したいです!
萩尾望都さんといえば、少女漫画の歴史とも言える伝説的な作家さんだ。 が、残念ながら、自分自身は大人になるまで、ほとんど読んだことがない。 唯一読んだのは『トーマの心臓』くらい。 この本では、イタリアの大学に招かれて行った講演をベースに、少女漫画の歴史を概観し、表現の特質について語られる。 表現論...続きを読むではコマ割りのことが特に多く取り上げられていた印象がある。 規則的なコマを割って物語を作っていくことがむしろ難しいという話があった。 自分にとってはそれ自体が意外で、興味深かった。 少女漫画の自在なコマ(例えば人物がコマを無視して、画面の前面に出てくるような配置)が読めない人がいるというのも、わかるような気がする。 同時に、むしろ自分はどうして違和感なく読めたような気になっていたのか、改めて不思議に思ったりもする。 萩尾さん自身のことも知ることができた。 お母さんとの関係に苦しんだことが作品に反映したものもあるとの由。 名前だけは知っていた『イグアナの娘』も、そういう作品だったとは。 あとは、SFと少女漫画は親和性があるという指摘も面白かった。 今更ながら、『ポーの一族』を読んでみたい、と思うきっかけになった。
モーさま萩尾望都さんの伊ナポリ東洋大学とボローニャ大学での戦後少女マンガ史講演手塚治虫先生リボンの騎士から各年代の代表的作品と大奥までを解説。 自作「半身」「柳の木」「イグアナの娘」解説となかなか興味深いお話がたくさん。当然ながら大泉サロンで袂を分けた竹宮惠子さん増山法恵さん少女マンガ革命について...続きを読むはスルーしておりますwwww
萩尾望都が語る少女漫画の歴史。萩尾望都が高く評価している作品は何かとか、手塚治虫はどんなところがすごいかといったことがインタビュー形式で書かれていてとてもわかりやすかった。「半神」などの作品が掲載されているのもうれしかった。
■少女マンガの岸辺で――まえがきにかえて 矢内裕子 ■Ⅰ章 イタリアでの少女マンガ講義録 ・少女マンガの歴史 ・自作についての解説「半神」「柳の木」「ローマへの道」「イグアナの娘」 ・質疑応答――イタリア人聴講者からの質問 ・ドナテッラ・トロッタ氏によるインタビュー ■Ⅱ章 少女マンガの魅力を語る ...続きを読む・少女マンガは生きている ・私の創作作法 ■Ⅲ章 自作を語る 『なのはな』から『春の夢』へ □萩尾望都氏との初対面 ジョルジョ・アミトラーノ □イタリアの秋 矢内裕子 □著者あとがき □解説 中条省平 この数年萩尾望都界隈が滾っている。 個人的には「残酷な神が支配する」で凄まじい漫画に対面させてもらったあとは、そのフィナーレを作家への興味の終わりのように錯覚したせいもあり、熱心な読者ではなくなってしまった。 が、萩尾望都は常にナウなのだ。 ということで未読だった「バルバラ異界」を初読、「なのはな」を再読してこの本に向かったが、居住まいを正すとはこのこと。 記事は多様なものだが、常に貫かれているのは萩尾望都の真摯さ、生真面目さ、文化への愛。 個人的には「イグアナの娘」「残酷な神が支配する」で親を描くことで、作者自身が救われた、という記述に、感慨ひとしお。 こういう形で読者を救い作者を救う、やはり稀有な作家だ。 今後は中川右介「萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命」、竹宮惠子「少年の名はジルベール」、萩尾望都「一度きりの大泉の話」と読み継ぐことで、じゅくじゅくした気持ちに自らなっていこうと計画している。
萩尾氏のナポリ大学での講義内容他。 テーマは 日本における少女漫画史。 漫画については私もあれこれ考察することはあるけれど、「日本における女の子の社会的在り方」に対しての自由への渇望であるとの見方は、「なるほどーーーー」と感じ入りました。 なぜ我々はあらゆるジャンルを漫画に求めるのか。コマの間に何...続きを読むを探って読んでいるのか。なぜBLが確固たるジャンルとして座を占めているのか。 窮屈な日本においてなんだって許される世界が少女漫画! すごいなー、この「みんなと同じ形」を重んじる日本において、よくこのジャンルが存在を許されたなと感動すら覚える。 ある意味「少女漫画」は少女にしか理解できない謎世界だが、しょせん少女だし大した脅威でもないのでほっとこう、というのが真実だろうか。 その結果、立派に根を張って、その文化を樹立してしまったなんて、奇跡じゃないですか。 結果的に「漫画で覚える日本史」的なものも隆盛を極めている。そんで確かに漫画としてのストーリーがあるから記憶に残るんですよね。 漫画・・・スゴいな・・・。 わたしはコミックス派です。(だからなんだ
萩尾望都が2009年にイタリアの大学で行った講演(質疑応答含む)の記録と、自作や創作にまつわるインタビューをまとめたもの。 講演では萩尾望都視点による日本の少女マンガ史の概観が述べられており、そこに挙げられた作品など萩尾望都史観とでもいうべきものが伺われて面白い。 後半のインタビューもコマ割りに現れ...続きを読むる個性の話などいろいろ興味深い。しかし、何十年も前に読んだと思われる漫画のコマ割りがさっと頭に浮かぶ萩尾望都の記憶力は凄い。
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