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「ああっ、何をなさいますっ、これ以上、私に恥をかかせるのはおやめ下さい」――親の仇である憎き男と、使用人であった下郎に、お志津は全裸に剥がされ後手に緊縛された。割り裂かれた両足首を棒杭に繋がれ、2人の男に上半身と下半身とを執拗に愛撫される。屈辱感と汚辱感、しかしそれと並行して突き上げて来るこの快美感は一体……「卑怯な、自由を奪った女を辱めるなど――」血走った声はやがて甘美な喘ぎ声に……武士の妻が2人がかりで嬲られる『卑怯者』など、緊縛の文豪による全5篇。
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Posted by ブクログ
この人が私小説を書く人なのか、それとも空想のみで書く人なのか、それは知りません。ただ、ここには老人の醜さはない。ただひたすらに男であろうとする哀れがあるだけ。
約20年振りの団鬼六作品。 以前読んだモノはもっと、官能然としていたと思う(残念ながら、どの作品を読んだか記憶にない)。 性倒錯、SMの巨匠……という一面だけでは評価できない。繊細さやわびさびという「和」のテイストと、意外にも(?)嫉妬深い潜在的な脆さ、適度なユーモア感もあって、全体的に素晴らしい。...続きを読む もちろん、官能場面の表現の秀逸さは言うに及ばず。 最終「大切腹」を除くと、時系列を追った私小節のようでもある。 若い時分「檸檬夫人」とお手合わせ願いたかった……。
モーレツな官能小説(それもSM)を予想していたら、そうでもなかったです。こう言ってしまうと身も蓋もありませんが「懐古短編」かなと。その中には著者の赤裸裸な性生活や性癖などが紹介されてはいますが。また、作品?章?が進むほど、現在に近い話。性癖に関しては「倒錯」と思われる向きもあるのかもしれませんが、僕...続きを読むが受けた印象は著者はただ「正直」なのではないかと。自分の気持ちに。欲望に。好奇心に。
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