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万葉集
日本の詩歌の源,最古の歌集.奈良時代末に編まれて以降,読み継がれてきた二十巻四千五百余首には,宮廷歌人から無名の男女に至る人々の心が映される.本冊には巻一―巻四,雄略天皇・額田王・柿本人麻呂・大伴旅人らの雑歌・相聞・挽歌・譬喩歌を収録.新日本古典文学大系に基づき,86年ぶりに全面刷新した文庫版.(全五冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽 名もなき「声」の物語
隠され続けたのは、私たちの「声」なんだ――。 「一億玉砕」から「民主主義」へ――。言葉は変われどその本質は変わらなかった戦後の日本。そんな中、それを言われると世間が困るような「声」を持つ人たちがいた。酒におぼれる小説家・上原、既婚者・上原を愛するかず子、麻薬とアルコール中毒で苦しむ弟・直治。1947年に発表され爆発的ブームを巻き起こした『斜陽』に描かれる、生きるのが下手な彼らの「声」に、太宰治が込めた思いとは何だったのか。彼らが追い求めた「自分の言葉で」「真に人間らしく」生きるとはどういうことなのか。太宰が「どうしても書きたかったこと」に作家・高橋源一郎が迫る。秀作『散華』に焦点をあてた書下ろし特別章「太宰治の十五年戦争」収載。 *電子版では、権利上の理由により一部収録しない写真がございます。ご了承ください。 -
工学的ストーリー創作入門
書けないのは、才能のせいではない! 直感に頼らず、物語に必須の要素から書き始める、 天才以外は必読の「工学的」創作入門。 【6つの要素】 コンセプト/人物/テーマ/構成/シーンの展開/文体 売れる物語を書くために必要な6つの要素はこれだ! ストーリー創作に必要な部品と技術がすべて揃った最強の「まとめ」本。 作品を生み出すための最適な経路をデザインする=工学的メソッドの画期的創作入門書! 小説・ストーリー創作術の最良の入門書にして、最終決定版がついに邦訳!! 世の中にたくさんあふれている小説のハウツー本を読んでもうまく小説が書けないのはなぜなのでしょうか。ハウツー本を読むと「心を込めなさい」「人生の旅を描け」「テンポと文体を磨こう」などというアドバイスが書かれています。しかし私たちが欲しいのは、このような抽象的な助言ではなく、もっと具体的な方法や手順のはずです。 売れるストーリーには原則があります。つまりストーリー創作には工学的な面があるということです。まずストーリーの要素を知り、そのうえで設計図を描くことが何より大事なのです。ストーリーの設計を「形式的」と毛嫌いする人がいるかもしれません。しかし、形式的と思うからそう見えるのであり、ストーリー作りの原則や要素を意識することとは違います。 ストーリー創作に際して知るべきことは山ほどありますが、本書ではそれらを6つのカテゴリーに大別することで、謎めいたものの本質を明確に提示しています。つまり、それが「6つのコア要素」と呼ばれるものです。「6つのコア要素」にはストーリーに必要な部品や技術が全て揃っています。書き手として知るべきことを集め、包括的に秩序立ててストーリーを作ることができます。 「紹介するモデル(作家として成功するための6つのコア要素)は僕がまとめたが、基本は誰もが知っていることだ。いわば真理で、僕の発明ではない。だが、この本のような「まとめ」は他になかったはずだ。」と著者がいうように、これまで断片的に語られてきたストーリー創作の秘訣が、網羅的に「まとめ」られているため、小説入門者が最初に読む本として最適の一冊となっています。 -
ねずさんの 日本の心で読み解く「百人一首」
これまでに「百人一首」を学ばれた方は、本書の解説が類例を見ないこと、そして「百人一首」が、百首で一首の抒情詩だという説に、おそらく驚かれたことと思います。けれど、読めば読むほど、調べれば調べるほど、それ以外に解釈のしようがないのです。 以下、著者講演会での感想文より。 ○涙が出てくる「百人一首」の解説は初めてです。やはり千年前も日本人は日本人なのだと思いました。 ○補助線1本で、幾何の難問が簡単に解けるように、長年の疑問がものの見事に氷解していきました。 ○45分の古典の授業は寝てしまいましたが、90分の小名木先生の講演は興奮と感動でアッという間でした。 ○和歌は日本文化の原点ということが本当によく分かりました。この本は「日本人の魂の書」になると思う。 ○子供たちに文法や知識を教える前に、日本の心を教えないといけない、反省とともにそう強く感じました。 ○恋をして、涙を流して、なよなよと……そんな平安貴族のイメージが吹っ飛んだ! ○和歌の概念がひっくり返るほどのインパクトです。史実に裏打ちされた解釈に反論の言葉もありません。 ○「百人一首」に初めて血の通った人間を感じて、感動の涙をこらえるのに必死でした。 ○文法的な解釈よりも、時代背景を知り、歌人の立場で考えることが、いかに大切かを教わりました。 ○話の内容にビックリ! そして、今までこんなスゴイ解釈がなかったことに、もっとビックリ!! -
日本語のために
日本全土の地理的な広がりを背景に生まれた、日本語・漢語・アイヌ語・琉球語といった多種多様な「日本語」のサンプルと論を、古代から現代まで、時代を超えて収録。古代に生まれた祝詞から、仏教やキリスト教の言葉、琉歌、いろはうた、辞書の言葉、また「ハムレット」や「マタイによる福音書」の翻訳比較、日本国憲法などを手がかりに、「日本語」そのものの成り立ちと性質を明らかにする。祝詞「六月晦大祓」(池澤夏樹・訳)、「ハムレット 第三幕第一場」(岡田利規・訳)、「終戦の詔書」(高橋源一郎・訳)は新訳で収録。かつてない視点による画期的アンソロジー。 解説=池澤夏樹 月報=鷲田清一・柴田元幸 -
石川淳/辻邦生/丸谷才一
闇市に現れた少年は神の子か狼か……石川淳「焼跡のイエス」、「国の守は狩を好んだ」に始まる王朝時代を舞台とした説話風物語「紫苑物語」、江戸人の精神に迫る「小林如泥」「鈴木牧之」「江戸人の発想法について」。 “大殿(シニョーレ)”織田信長の日本人離れした心と行動を異国人の眼を通すことで浮かび上がらせた歴史小説・辻邦生「安土往還記」。種田山頭火をめぐる文学史ミステリ・丸谷才一「横しぐれ」、小説的趣向に満ちた「樹影譚」。王朝文学や江戸文芸、西欧文学を礎に、稀代のモダニストたちが精緻に築き上げた傑作群を収録。 解説=池澤夏樹 年譜=中条省平 月報=鹿島茂・町田康 -
夜の歌
サンデー毎日に連載された「夜の歌」の単行本化。まとめるにあたり大幅な加筆修正を行う。 本作品は、著者の咽頭がんが再発し、がんの穿孔による大量出血の危機が迫るなかで書き始められ、自らの人生と表現を集大成する「白鳥の歌」の重みを持つとなっている。 3つの時制からなる。病の進行におびえる現在と、著者が歌謡曲の作詩家として栄華を誇った70年代の芸能界と、著者の原体験とも言える満州での戦争と引き揚げの体験と。著者は『赤い月』などでは触れなかった、満州での人倫に背く自らの体験――自分が生き抜くために、他の日本人を犠牲にしたことなど――をも徹底して暴きながら、愛と官能に溢れた歌謡曲の名曲たちが、悪夢のような満州体験から生まれたものであることを初めて明らかにしていく。 70年代の芸能界における著者と安井かずみとの秘められた恋愛もこれまで語られたことがなく、本書のわかりやすい話題性になるだろう。 物語は、著者がレコード大賞二冠受賞の快挙をなしとげたまさにその時に、戦争の落とし子とでも言うべき極端な逸脱者である兄が、莫大な借金を著者に負わせるところで終幕を迎える。著者の戦後の華麗な日々にも、満州の不気味な闇が延々と続いていたのである。 -
とりかえばや物語
平安時代末期に成立した『とりかえばや物語』は、内気で女性的な若君と、男性的で快活な姫君とが、それぞれ女装して、男装して生きていくことで展開する王朝の物語である。「男女をとりかえたい」との父親の願いが、そのまま物語のタイトルになっている。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。 -
断腸亭日乗
大正六年から昭和三十四年,逝去の前日まで四十一年間,書き継がれた荷風の日記.明治・大正・昭和三代にわたる文豪の畢生の代表作にして近代文学の至宝.詩趣溢れる,鋭利な批評を込めた日本語で綴られる.全文を収載,注解,解説,索引を付した初の文庫版.第一巻は,大正六年から同十四年までを収録.(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
宮沢賢治/中島敦
病床で綴られた連作詩「疾中」や「ポラーノの広場」「ひかりの素足」など宮沢の18篇と、「環礁」「李陵・司馬遷」など中島の7篇を収録。周縁から文学の核心に迫った二人の世界。 月報=夢枕獏、古川日出男 -
日野啓三/開高健
ヴェトナム戦争を起点に、世界の「向う側」と人間の「闇」を探った二人の作家。日野「向う側」や「Living Zero」からの抄録、開高「輝ける闇」など多面的な作品群を収録。 解説 池澤夏樹 年譜 千野帽子 月報 奥泉光 角幡唯介 -
P+D BOOKS 鳳仙花
中上健次が故郷紀州に描く“母の物語”。 「秋幸もの三部作」よりも以前の時代を描く、秋幸の母・フサの波乱の半生を描いた物語。 海光る3月。私生児としての生い立ちに昏い痛みを覚えながらも、美しく利発な娘に成長したフサは、十五になった春、生まれ育った南紀の町をあとにした。 若々しい肉体の目覚めとともに恋を知り、子を孕み、母となって宿命の地に根をおろすフサ。しかし、貧しくも幸福な日々は、夫・勝一郎の死によって突然に断ち切られた。 子供を抱え、戦時下を生き延びる過酷な暮らしの中で、後に賭博師の龍造と子を為し、秋幸と名付ける。しかし龍造が賭博で刑務所に入っている間、他の二人の女を孕ませていたことを知り、フサは秋幸には龍造を父と呼ばせぬと宣言する……。 中上健次が実母をモデルに、その波瀾の半生を雄大な物語へと昇華させた傑作長編。 -
石牟礼道子
『苦海浄土』で知られる、戦後日本文学における最重要作家。ふるさと水俣で過ごした幼少時の甘い記憶が豊かに綴られる。「椿の海の記」他、エッセイ「タデ子の記」、詩などを収録。 月報=多和田葉子/小野正嗣 -
司馬遼太郎と三つの戦争 戊辰・日露・太平洋
青い天に浮かぶ一朶の白い雲のみをみつめて坂をのぼっていったこの小さな国が、やがて国民を無謀な戦争にかりたてていった道。 二十一世紀に生きる私たちは、そこからなにを読みとることができるのか。 『花神』『峠』など数多くの作品の舞台となった戊辰戦争、『坂の上の雲』で壮大に描き上げられた日露戦争、そしてついに“書かれなかった”太平洋戦争―近代日本を決定づけた三つの戦争を、司馬遼太郎はどうとらえていたのか。 新聞記者時代から司馬に兄事した筆者が、ジャーナリスト、研究者、さらに若き日の海軍兵学校生徒としての体験をもふまえてたんねんに読み解く。 【著者】青木彰 1926年、東京生まれ。東京大学文学部教育学科卒。49年に産経新聞社入社、教養部長、社会部長、論説委員、大阪・東京両本社編集局長、フジ新聞社社長などを経て、78年から筑波大学現代語・現代文化学系教授。90年、東京情報大学教授。東京新聞客員、朝日新聞紙面審議会会長代理、NHK経営委員、司馬遼太郎記念財団常務理事などを歴任。2003年12月逝去。 -
平安文学の謎を解く
平安文学についての常識は、調べてみると謎だらけ。小野小町は絶世の美女だったかどうかも、在原業平が東国の放浪の旅をしたのかどうかも謎。紀貫之による『土左日記』は日記でも紀行でもない謎の文章だし、『枕草子』のようなスタイルの随筆は後にも先にも存在しない。『源氏物語』の作者も謎に包まれているし、その作者とされる紫式部の『紫式部日記』の清少納言に向けた悪口も謎に満ちている。こうした謎を解き、平安文学を深く知ることができる、楽しい古典再入門。 【目次】序章 現像を探る/第一章 小野小町とは誰だったか/第二章 在原業平の「東下り」――伊勢物語/第三章 和歌という謎との格闘――土左日記/第四章 「随筆」性の温床――『枕草子』/第五章 紫式部は清少納言の悪口を書いた?――『紫式部日記』/第六章 源氏物語プロジェクト/第七章 「光源氏」という呼称/あとがき/参考文献/人名索引 -
勝手な夢を押しつける親を憎む優等生と、東大は無理とバカにされた学年ビリが、現役合格した話
【実話をもとに描いた物語】 ミリオンセラー『ビリギャル』 最新作がついに登場! 「どうせ無理」なんて オトナの大嘘だ “ビリギャル塾”に集まった4人の高校生。 親の期待を押しつけられる優等生の希栄、 「東大なんて無理」とバカにされる翔太、 集中力が続かない健太、心を閉ざした美咲。 彼らを導くのは、生徒の可能性を引き出す教師・坪田先生。 それぞれが、「どうせ無理」とささやく“オトナ”と闘っていた。 そんなとき、白血病と闘う少年・悠斗が現れる。 「勉強してるときだけ、僕は“患者”じゃなく“受験生”でいられる」 その言葉が、みんなの心を動かしていく。 “信じる力”が人生を変える、希望の物語。 【内容】 第1章 私が志望校に受かる確率は何%ありますか? 第2章 なんで、勉強しなくちゃいけないの? 第3章 受験と恋愛の必勝法は同じ 第4章 親の言う通りにするべきなの? 第5章 「どうせ無理」を投げ捨てろ 第6章 合格発表と、勉強した意味 -
文士が、好きだ―っ!!
紹介された文士にめろめろです! 人生でこんなに文士が魅力的に見えたことない! ──三宅香帆 縦横無尽に駆け抜ける自由な文体、笑っちゃうくらい熱い口調! 坂上さんの文士愛に呑み込まれ、楽しく酔わされました☆ 個性豊かな文士の面々に、新たな気持ちで出会えます。(豆知識も増えます)。 ──大島真寿美 井伏鱒二は“かわいい系”、室生犀星は“乙女子”、堀辰雄は”実は骨太”、そして神西清の知られざる“やさしさ”––! 読めば文士たちが綺羅星のごとく光り出す、前人未到の文学案内☆★☆ 「わたしが日々胸をときめかせているところの「文士」とは、つまりは剣一本で勝負する剣士のように、「文の腕一本で勝負している!」感が、その生きざまからも作品からも、バッシンバッシンに伝わってくるようなひとたちのことでございます!」──「はじめに」より *装丁:小川恵子 *装画:伊野孝行 -
NHK趣味どきっ!MOOK 源氏物語の男君たち
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 男君たちを知ることで、物語がより味わい深く、魅力的に 身分の高くない女性を生涯愛し続けた父・桐壺帝、よき親友でありライバルでもある頭中将、娘の結婚に奔走する明石の入道、思わぬ恋敵となった柏木、出自の秘密を抱えた息子・薫、孫の匂宮など、物語に登場するさまざまな男君たち。実は、彼らには知られざるエピソードが多く、物語を動かす重要な役割を担っている。 本書は、これまであまり取り上げられてこなかった、主人公・光源氏を取り巻く男君たちにスポットを当て、個性豊かな彼らの物語を中心により深く『源氏物語』の世界を堀リ下げていく。 プレイボーイの光源氏と女君たちの物語と思われがちな『源氏物語』の、奥深い物語性が見えてくる一冊。 【内容】 『源氏物語』に登場する主な男君と女君 1章 3人の帝(桐壺帝、朱雀帝、冷泉帝) 2章 恋する光源氏 3章 わけありな親族(頭中将、明石の入道、蛍宮、鬚黒) 4章 愛すべき子孫(夕霧、柏木、薫、匂宮) コラム 平安時代の官僚制度/雨夜の品定め/男君たちの装い -
源氏物語
皇子に生まれ,幼くして母を亡くし,位人臣を極めた光源氏.その数多の恋愛を軸に,平安貴族の華やかで翳りある世界を描き尽くした,世界最古の長編物語の一つ.新日本古典文学大系版の厳密な考証に基づく全五四帖の原文に,最新の学術成果を盛り込んだ注解・補訳を付す.本冊には,桐壺から末摘花までの六帖を収録.(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
犠牲の森で
【第12回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】 「死生観」という切り口から、作家の全体像に迫る 大江健三郎という作家の全体を、「犠牲」のテーマから一貫して解釈しえた画期的研究。イメージ分析を主軸として、様々な領域のテクストからの影響、同時代的な社会状況、故郷の歴史・空間性などを踏まえて、大江作品における死生観を詳細に描き出す。 【阿部公彦(東京大学教授)東京大学南原繁記念出版賞授賞時講評より】 「おもしろいのは、菊間さんのアプローチが大江作品に内在する具体性と抽象性の独特な拮抗を半ば模倣するようにして展開することである。[…]言葉やイメージに徹底的に接近し寄り添うことで、犠牲となった獣の血なまぐささに追い立てられた人物たちの空間感覚を論考中にいわば写し取るのである。そうやって土台のところで論の具体性を確保した上で、より大きな総論へと進む。そこではちょうど大江の人物たちが「総体」との一体化を目指すのと同じように、大江健三郎という作家の全体を視野におさめた議論が展開する。」 【主要目次】 序論 「死生観」から大江を読む 第I部 「壊す人」の多面性――『同時代ゲーム』 第一章 『同時代ゲーム』の背景 第二章 「犬ほどの大きさのもの」 第三章 「暗い巨人」への帰依 第四章 「森」という神秘のトポス 第II部 犠牲獣の亡霊 第一章 皮を剥がれた獣たち 第二章 「御霊」を生むまなざし 第三章 隠された「生首」 第四章 「後期の仕事(レイト・ワーク)」における亡霊との対話 第III部 「総体」をめぐる想像力 第一章 自己犠牲と救済 第二章 救済を担う大樹 第三章 聖なる窪地と亡霊たち 補論 テン窪を探して 第四章 「神」なき「祈り」の場 結論 「犠牲の森」の変容 -
雲は美しいか
雲が和歌の歴史の中で、とりわけ別れの主題に関わって積み重ねた美を追想することでまた新たな作品を生む。その力学を解きほぐす。 -
教養としての芥川賞
1935年に創設されて以来、数々の文学シーンを演出してきた文学賞である芥川賞。あまたある受賞作のなかで、いまあらためて読まれるべき作品、小説の魅力や可能性を教えてくれる作品とは何か。 第1回受賞作の石川達三『蒼氓』から大江健三郎『飼育』、宮本輝『螢川』、多和田葉子『犬婿入り』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、宇佐見りん『推し、燃ゆ』まで、23作品を厳選。あらすじと作品の背景を概説したうえで、社会状況も踏まえながら、作品や作家の内面・奥行きを文芸評論家と文学研究者が縦横に語り合う。 「芥川賞と三島賞、野間文芸新人賞」「卓抜な新人認知システム」などのコラムで芥川賞の意義も解説。芥川賞受賞作をめぐる対話を通して教養を深めるためのブックガイド。最良の「文学の航海図」を手にすることで、小説の多面的な読み方も身につく一冊。 -
キャラクターからつくる物語創作再入門
ストーリーにさらなる輝きを与えるための、本当に知りたかったメソッドがここに! あなたの物語に足りないのは「キャラクターアーク(登場人物の変化の軌跡)」だった!! 『アウトラインから書く小説再入門』、『ストラクチャーから書く小説再入門』で画期的な創作方法を指南してきた著者が満を辞して上梓したのが、主人公の心の動きに着目した本書である。 「キャラクターアーク」を理解すれば物語の中で登場人物が躍動し、必然的に物語の力が発揮される、なぜならキャラクターアークを書くことは物語を書くことと同義だからだ。 人物がたどる変化の軌跡=「キャラクターアーク」三つの基本形とは、「ポジティブなアーク」「フラットなアーク」「ネガティブなアーク」である。本書では、 ・キャラクターアークを作るには、まず何を考えればいいのか ・ストーリーの構成とはいつ、どのように関係し合うのか ・キャラクターアークはどんな働きをするのか ・作品の長さや内容、ジャンルに関わらず、優れたキャラクターアークを確実に作る秘訣とは何か を詳しく解説しながら創作者のモチベーションを上げ、キャラクターと物語構造についての理解を一気に深める内容となっている。 【本書の内容】 (「イントロダクション」より抜粋) プロットの構成を考える人はたくさんいますが、登場人物とその人物がたどる変化の軌跡(=アーク)に対する意識はおろそかになりがちです。人物を素直に描いていけば、心情の移り変わりは自然に表れるはずだと思われているからです。しかしそれは大きな間違いです。 「プロットと人物は一心同体」というのはプロットの「構成」と人物の「アーク」が一体だということを意味します。言い換えれば、人物の内面の移り変わり(=アーク)がしっかり構成できれば、プロットもテーマもしっかりと安定したものになるということです。 本書は、人物がたどる変化の軌跡=「キャラクターアーク」に注目し、キャラクターアークの基本形な三つの型について詳しく言及しながら、登場人物とストーリー構成がいつどのように関係し合うのかを説明しています。 登場人物の容姿・性格・属性・背景などをひたすら紙に書き出すだけでは、キャラクターは動き出しません。 「読者の心をつかんで揺さぶり、趣味の域をはるかに超えた深みのある作品」を書くためには、キャラクターアークへの理解が必要不可欠なのです。 -
P+D BOOKS 四十八歳の抵抗
“中年の危機”の男を描く「男性研究の書」。 1955年から56年にかけて読売新聞に連載され、大反響の下、流行語にもなった「四十八歳の抵抗」。 55歳が停年の時代に、真面目一筋に勤めてきた48歳の保険会社次長、西村耕太郎は恵まれた家庭を持ち、傍目には幸せそうな日々を送っているが、実のところはなにやら満たされない。 その心中を見透かしたように社内の島田からヌード撮影会に誘われる。そして一度も恋愛をしてないという焦燥から、耕太郎はバーの娘で19歳のユカリを口説いて熱海の旅館に出かけるのだが――。 社会的な地位があり体裁を繕って生きてはいるが、まだ燃え上がる激情も秘かに抱えた“ミドルエイジ・クライシス”を描いた普遍的な「男性研究の書」である。 -
源氏物語の女君たち
世界最古の大恋愛小説のストーリーを追いながら、個性あふれる王朝の女性たちのキャラクターを分析した、源氏物語の入門書。 1997年4月から6月の3カ月間、NHK教育テレビ「人間大学」で「源氏物語の女性たち」という番組を書籍化した作品です。この番組は寂聴さんが毎回、源氏物語ゆかりの地に出かけていき、語るという内容。作者の紫式部をはじめ、光源氏が最も愛した紫の上、男を虜にした魔性の女・夕顔、誇り高くインテリ女性・六条御息所、情熱的で官能的な朧月夜など、光源氏を取り巻く女たちをわかりやすく解説しています。 「紫式部は仏教に帰依してもなお物語を書きつづけたことで、救われていたのではないでしょうか。『源氏物語』の底には、女人成仏の悲願がかく流れているように私には思われてなりません」 といった具合に、寂聴さん独自の見解が満載です。 -
別れぬ理由
現代の夫婦とは? 結婚して17年目を迎えた、速見修平と妻・房子。 お互いに愛人がいることがわかり、相手に対し、疑心暗鬼になり、揺れ動きつつも、紆余曲折を経て奇妙な安定期に入る。 夫婦の抱える問題を2人の心模様から見事に描き、テレビドラマ化、映画化もされた話題作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。 -
さすらい姫考
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 平安から中世にかけて、"家"のあり方が家父長制へと移りゆく頃、不慮の運命から、さすらいの旅へ向かう姫たち。さすらいの行く末に、結婚という新たな男系との接触が待ち受けるなか、彼女たちは「生きる」ために、運命にながされ、また抗っていく。『鉢かづき』『まつら長者』『しんとく丸』『をぐり』『源氏物語』『更級日記』という日本古典を題材に"家"と女の変革の"とき"をみつめ、同じ時間をいきる現代の"ヒメ"たちへメッセージを投げかける。 -
四谷怪談
幽霊話で江戸庶民をふるえあがらせ、同時に熱狂的にむかえられたのが、四世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』であった。悪のヒーロー民谷伊右衛門、お岩の顔の変貌、意表をつくさまざまな趣向など、『四谷怪談』は興味のつきない作品である。まさに怪談話の最高傑作とよぶにふさわしい。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。 -
なぜ日本文学は英米で人気があるのか
世界文学の潮流から、日本文学の快進撃の理由がクリアに見えてくる! 柚木麻子『BUTTER』、雨穴『変な絵』、王谷晶『ババヤガの夜』などが英国の文学賞やベストセラーリストを席巻した2025年。翻訳家・文芸評論家として国内外の文学シーンを長年観測する著者が人気の理由を読み解く。英米の書評に見られる意外な形容、日英翻訳家たちの創意工夫とネットワーク、排外主義的な政治状況に反発する若い世代からの支持……。フェミニズムからミステリ、猫と喫茶店が定番のヒーリングフィクションまで、村上春樹以後の「世界文学としての日本文学」を描く決定版! -
雨月物語
雨そぼふる薄暗き午後,あるいは皓々たる月の夜,この世とあの世が交錯する.荒ぶる先帝の怨霊,命を賭した義兄弟の契り,帰らぬ夫を待つ妻の悲しき末路,男にとりついた蛇性の女の執念…….中国や日本の古典をさまざまに取り入れ,美しくも妖気ただよう作品に仕上げた上田秋成(1734-1809)の珠玉の短篇集.「白峰」ほか全九篇を,平明な注と解説で.八四年ぶりの新版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
人間椅子(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第18弾は江戸川乱歩×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 私の膝の上には、いろいろな人が入りかわり立ちかわり、腰をおろしました。 作家である佳子に届いた1通の手紙。「奥様」と始まるその文章には、ある椅子職人の生活が綴られていた。 江戸川乱歩の『人間椅子』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『死語の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
脳が読みたくなるストーリーの書き方
“心”ではなく、読者の“脳”を刺激せよ! テーマ、キャラクター、プロットの組み立て方を脳科学の観点から指南! 脳科学、神経科学、認知心理学……ゆるぎない事実に基づく、物語創作の新しい実践ガイド。脳はストーリーをどう認識するのか? そして、どのようなストーリーに夢中になるのか? 面白いストーリーは、私たちの意識を常に集中させ、他のことに気をそらせない。つまり、ストーリーを書くうえで重要なポイントとは、「次に何が起こるか知りたい」という脳の欲求を常に引き出し続けることである。それが欠落していたら、どんな美しいメタファーも魅力的なキャラクターも、読者を満足させることはできないのだ。 小説、映画脚本、短編などの実例を参考にしながら、脳を満足させるためのストーリーの書き方を指南する。人間の“認知的無意識”が明らかにする、物語創作の実践ガイド。 まさか、こんな“神話”を信じて創作していませんか……? 「美しい文章は何にもまさる」 「物語で最も大事なのはプロット」 「登場人物を知る唯一の方法は、完全な経歴を書き上げること」 「感覚的な詳細描写は物語を生き生きとさせる」 「種明かしのためには、情報を伏せておくことが読者を引き込む秘訣だ」 本書ではこのような神話を退治し、脳(=読者)を魅了する物語の姿をお見せします。 -
日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集
人間のユーモアと機知とエロスに満ちた野蛮な魅力そのものが生き生きと語られる、「瘤取り爺」の原話等古来よりの説話100余篇を収録。「日本霊異記」「宇治拾遺物語」「発心集」は新訳で。 解説=池澤夏樹 解題=小峯和明 月報=高樹のぶ子・朝吹真理子 -
樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外
吉原の廓の隣町を舞台に、快活な十四歳の美少女・美登利と、内向的な少年・信如の淡い想いが交錯する、一葉「たけくらべ」(新訳・川上未映子)。 東大入学のために上京し、初めて出会う都会の自由な女性や友人に翻弄される青年を描いた、漱石「三四郎」。 謎めいた未亡人と関係を重ねる作家志望の文学青年・小泉純一が、芸術と恋愛の理想と現実の狭間で葛藤する、鴎外「青年」。 明治時代に新しい文学を切り開いた文豪三人による、青春小説の傑作三作を収録。 【ぼくがこれを選んだ理由】 明治になって社会の重心は若い人たちの方にシフトした。いきなり未来を預けられた青年たちの戸惑いを漱石は「三四郎」に書き、鴎外は「青年」に書いた。「たけくらべ」の色調は江戸期への郷愁だが、その一方でこれはモダニズムの都会小説でもある。(池澤) 【新訳にあたって】一葉が今「たけくらべ」を書いたら絶対にこうなったにちがいないと信じきって&あの匂いあの話し声あの時間に持てるすべてを浸しきって、全力全愛でとりくむ所存です。(川上未映子) 解題・年譜・参考資料=紅野謙介 解説=池澤夏樹 月報=高橋源一郎・水村美苗 -
徒然草
後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。