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「私生児と、その母、けれども……古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生き」ていく一人の女。結核で死んでいく「日本で最後の貴婦人」のその母。自分の体に流れる貴族の血に反抗しながらも、戦い敗れて、宿命的な死を選ぶ弟。生家の没落をきっかけに日本版「桜の園」を描こうとした作者が、昭和22年、死の一年前に発表した作品。この作品で、作者の名は決定的なものとなった。
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Posted by ブクログ
初、太宰作品でした。 文章がすごく丁寧で、するするっと読めて、出てくる人物を想像するのが楽しかったです。 心の描写もすごく丁寧で、さすがだなと思いました。 また繰り返し読んで、理解を深めていきたいと思うような本です。
近代文学に苦手意識があったんですが、これを読んで拍子抜けしました。 読みやすいし面白い! 思わず吹き出すこともあるくらい楽しくてびっくりしました。 太宰治には鬱々としたイメージを持ってたので余計驚きでした。 面白い小説です。
私も結婚したら、この小説の母のようになりたいなんて思った。 一つ一つの仕草が美しくて、上品。 遺書の部分が大好き。 最後まで貴族のプライドを捨てなかった兄は素敵だと思う。
読んだのと同じ表紙のが無かった……角川で昭和25年出版だからこれで良いのかな あらすじ読んで想像してたのとは全然違いました 出た当時すごい流行して「斜陽族」なんてのを産むほどだった、っていうのは知ってたんですが、私は今までそれがいまいちピンとこなかったんです。時代が違うといっても、一冊の本がそんな...続きを読む大きな影響を与えるというのがよくわからなかった。でも読んでくうちに納得しました。こりゃ斜陽族なんてのも出来るわけだわ。なんかよくわかんないけど読んでるとすごい衝撃と影響を受けずにはいられない。私は途中でこ、これはやばいと気付いて、だからそこからはバリアを張ってがっちりガードした上で読みました。ぜ、絶対影響されたりしないぞ!って。今更一人斜陽族なんて気取るわけにはいかないからね!汗
「傑作を書きます。大傑作を書きます。日本の『桜の園』を書くつもりです。没落階級の悲劇です。もう題名は決めてある。『斜陽』。斜めの陽。『斜陽』です。どうです、いい題名でしょう。」 この言葉の通り、『斜陽』は大傑作となり「斜陽族」という流行語を生み、太宰治は一躍流行作家になりました。美しい滅亡に向け...続きを読むたかず子、お母さま、直治、上原二郎4人の力強くもはかない物語。気持ち悪いほど完成された作品のように思います。発表されて60年以上たった今でもまったく色褪せません。
太宰が描くある女性の物語。 太宰の描く女性はすごい斬新であった。 簡単に言ってしまえば、悲劇。 ある女性、母親、兄の3人が中心となって話が動いていく。 悲壮感、絶望感が漂うなか話は進み、そして沈む一方。 現代の文学にはない物語の展開。 度重なる悲劇。 その終焉はいかなるものか。
これはイイ。様々な主義思想を持った人たちが出てきて、それを貫いて生きていく。幸せってなんなんですかね。
太宰の有名作品だから読んでみたかったんですけど純粋に面白かったなあ。読んでいくうちにどんどん斜陽の世界に惹かれていく。文章が綺麗で、ところどころ物凄く衝撃を受ける文がありました。『人間は恋と革命のために生まれてきたのだ』『私のひと。私の虹。マイ、チャイルド。にくいひと。ずるいひと』
これはとてつもなく暗い作品です。 零落した貴族というのも悲しさが漂いますし 母親が弱り、あっけなく死に行く様も暗いと来ています。 主人公もとかく悲しい目に遭っています。 そう、離婚という。 そして行き着いた先は傷つく恋… 全部に陰鬱が漂います。 この作品は死の1年前に書かれたそうで。 きっとこの...続きを読む時期から彼の死の渇望は あったのだとおもいます。
太宰に少し苦手意識を持っていた私が、すんなりと読めた作品。この本のおかげで、ほかの作品も読んでみようという気になった。
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