作品一覧

  • 左川ちか 青空に指跡をつけて
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    左川ちか(1911-36)の詩の世界において,「馬」は発狂して山をかけ下り,「海」は天にあがる.乾いた抒情と躍動感に満ち,「緑」「太陽」「昆虫」「動物」「植物」といったモチーフが自在に変態するその作品は,読む者に常に新たな驚きをもたらす.神話化されたイメージを超えて,来るべき詩人・左川ちかを多角的に読み解く.

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  • 左川ちか詩集
    4.0
    1巻792円 (税込)
    左川ちか(1911-36)は昭和初期のモダニズムを駆け抜けた女性詩人.日本近代詩の隠された奇蹟とされた.「緑」「植物」「太陽」「海」から喚起する奔放自在なイメージ,「生」「性」「死」をめぐる意識は,清新で全く独自の詩として結実した.爽快な言葉のキーセンテンスは,読む者を捉えて離さない.初の文庫化.

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  • ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    「百合」のいまを問う。『アナと雪の女王』や『思い出のマーニー』などの作品はいずれも女性同士の内面的な対話によって物語が駆動されていく。本特集では今日の女性同士の関係性はどのようなものがあるのかを知る一端としたい。
  • 久生十蘭短篇選
    4.4
    1巻1,111円 (税込)
    〈小説の魔術師〉として文学通の間で熱狂的なファンの少なくない、鬼才、久生十蘭(ひさおじゅうらん)(1902-1957)の精粋を、おもに戦後の短篇群から精選。世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した「母子像」、幻想性の高い「黄泉から」、戦争の記憶が鮮明な「蝶の絵」「復活祭」など、巧緻な構成と密度の高さが鮮烈な印象を残す全15篇。

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ユーザーレビュー

  • 久生十蘭短篇選

    Posted by ブクログ

    『黄泉から』は最後ぎょっとするのがよい。
    心構えなく、ふいにあちら側の世界を覗き込んでしまったような。

    でも、つぎの『予言』には度肝を抜かれましたね〜。
    途中いきなり福助人形が出てくるところは、本当にゾッとする。
    誰が語り手がわからなくて視点がふらすらするので、これは私が読み取れてないだけなのか?と思って調べたら、やはり意図して書かれているようですね。お話自体の結末もとてもよいし、最後に急に『われわれ』と言われて混乱しました。
    すごく面白いです。

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    2025年11月05日
  • 久生十蘭短篇選

    Posted by ブクログ

    初めて読む作家。
    何かで紹介されていて興味を持ったか、購入して積読になっていた。
    買っておいて良かったと思う。美文である。
    初出はほとんどが終戦から5〜6年のもの。
    まだ戦争の傷が癒えない時期で、戦争がらみの物語も多い。死が身近である。
    悲劇的な話多く、伝奇的な要素もあるが、おどろおどろしさは感じられず、透明感がある。
    描かれていることは無惨なのに、なぜか美しい。
    『母子像』なども、戦時中サイパンでの日本人の悲劇はあったが、物語の中の本当の地獄はそこではないところにある。
    『白雪姫』では、氷河のクレバスに落ちた女性の遺体が20年以上の歳月を経て生前のままの姿に凍り付いて出てくる。性悪な女だった

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    2023年12月30日
  • 左川ちか詩集

    Posted by ブクログ

    左川ちか(1911.2.14~1936.1.7)
    北海道出身の詩人。
    19歳で最初の詩「昆虫」を発表。
    え!?これが最初の詩なの?
    さぞや詩壇は沸いたことだろう。
    けれど病に倒れ、24歳で亡くなった。

    knkt09222さんのレビューから読みたくなり、すぐさま購入。
    表紙も素敵だった。
    よくよくレビューを拝読してから挑んだのだけど、難しかったなー。
    ただ、突如放り込まれる冷徹さにドキリとさせられる。
    「青白い夕暮れが窓をよぢのぼる。
    ランプが女の首のやうに空から吊り下がる。」
    であるとか、
    「夕暮が遠くで太陽の舌を切る。」
    であるとか、
    「その時私の感情は街中を踊りまはる
    悲しみを追い出すま

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    2023年09月28日
  • 久生十蘭短篇選

    Posted by ブクログ

    該博な知識がさらりと反映され、しかも物語は、決してしつこくないくせに充分な分量を語って心地良い。「小説の魔術師」の異名が、確かに相応しい作家に思う。理屈や感情で通るところにこの作家の文章はない。あっと言わせてやろうなどという作為もない。ただ、物語がくるくる渦を巻いて、読者が予想していたのとは「位相が異なる同じ場所」に落としていくイメージがある。位置的には予想通りであっても、空間が違うのである。私などはただ、語りの巧みさに釣り込まれて未知の世界へ落とされるばかりである。読後に独特の浮遊と満足があった。良い出会いだった。

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    2016年05月26日
  • 久生十蘭短篇選

    Posted by ブクログ

    文芸・演劇評論家、川崎賢子セレクト、
    主に戦後に発表された久生十蘭の短編選集。
    作品のテーマ・雰囲気に合わせて
    自在に文体を変えているが、どれも見事。
    個人的には終戦直後の作、
    どことなく内田百閒に似たテイストの
    「黄泉から」「予言」など、
    少し素っ気ない感じの話が特に好み。
    何となくいい雰囲気を醸して上手いこと誤魔化す、
    みたいな姑息な手を使わず、
    鋭い観察眼と深い洞察力で人間の心に切り込み、
    その断面を覗かせるような描き方が素晴らしい。
    女の読者に、
    登場する女性キャラクターを愛らしい、
    愛おしいと思わせる手腕たるや……(茫然)。

    三一書房『中井英夫作品集Ⅸ「時間」』自作解説にて
    「他人

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    2016年03月09日

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