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平安時代末期に成立した『とりかえばや物語』は、内気で女性的な若君と、男性的で快活な姫君とが、それぞれ女装して、男装して生きていくことで展開する王朝の物語である。「男女をとりかえたい」との父親の願いが、そのまま物語のタイトルになっている。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
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Posted by ブクログ
春風が懐妊したあたりからページをめくる手が 止まりません。現代のように女性の社会進出が活 発だったり多様な生き方が認められている風潮 なら春風も女性としてもっと伸び伸堂々と生きて いけたのではと思いました。古典作品ですがジェンダーの不平等という現代的なテーマについて考えさ せられます。
あらすじだけは知っていたけれど、初めて読んで見て、こんなに面白い話だったとはーー! すっごいフェミニスト小説だったんですねえ。 口語訳も、原文にはないキャラクター名をつけられていることもあってかなり読みやすい。
とりかえばや物語。このお話が平安時代に生まれているのがすごい。「女としての生き方」とか「男としての生き方」というごく現代的なテーマで。ハッピーエンドだし。面白かったー。
女らしい男の子と、男らしい女の子の兄弟が、入れ替わって生活して、なんやかんやで、最後は男の子が男の生活、女の子が女の生活に戻り、万事丸く収まるという、まあ都合のいい平安時代の物語。 平安時代の昔から「男性社会」に不満をもっている女性がいることが新鮮でした。
男女入れ替わりの原型ともいえる名作。 宰相中将のぶれないクズさがいい味を出してる。 特に終盤などはかなりご都合主義なところもあるけど、男装した宮廷人が月一回実家に戻るとか、ところどころにある妙に現実的な描写が面白い
氷室冴子の「ざ・ちぇんじ」を読んでから、ずっと原作が気になっていた。 無理があるストーリーだけど、おもしろかった。 夏雲の書かれ方がちょっとかわいそうだけど。
テーマとしても今に通じるトランスジェンダーの問題を扱いながら、その心理描写が豊かである。大林宣彦の転校生につながるが、もっといろいろ展開できそうだ。
「とりかえばや物語」は平安時代末期に成立した、作者未詳の物語です。 まず、「とりかえばや」って何?と思いますよね。 「とりかえ」はもちろん「取替え」で、「~ばや」というのは「~したいものだなあ」という願望を表す言葉です。 何を取り替えたいのかというと……男女の立場です。 いま、巷では「男女逆転の大奥...続きを読む」の映画が話題になっていますよね。そんなつながりで、この物語を再読してみようと思ったのでした。 時は平安時代。権大納言家の姫君は男装して朝廷に出仕し、その知性と人柄・美貌で宮廷の華になる。彼女の兄は非常な人見知りで表に出ることを好まず、女装して屋敷に籠もり、美貌の姫君とうわさされている・・・ふたりの男女逆転の行く末はいかに?! 平安時代といえば今以上に女性が束縛されることが多かった訳で、そんな中で生まれた「男女逆転」の発想の物語は、現代の私たちにも「男女の役割とは何か、男として、女として生きるというのはどういうことなのか」という問いを提示しています。 以前に、この物語に題材をとった「ざ・ちぇんじ!」(氷室冴子作。山内直実によりコミックス化もされています)を読んだことがありましたが、その軽いノリとは趣の違う、はちゃめちゃな筋書きなんだけど、考えさせられるところの多い物語です。 田辺聖子さんの平易な現代語訳で読みやすく書き下されているので、古典文学が苦手な方にも読みやすいと思います。 万人受けするストーリーではないでしょうが、ご興味をもたれた 方はぜひ。
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