作品一覧

  • 呼人は旅をする
    4.5
    1巻1,485円 (税込)
    呼人は、なにかを寄せてしまう 動物や、虫や、植物、自然現象 だから、ひとつの場所にとどまらず、 旅をする 人とちがうこと、それでも隣りあって生きること 痛みと希望の連作短編集。 「呼人」とは、なにかを引き寄せる特殊体質。原因は不明でごく少数だが一定の割合で発現する。政府機関によって認定され、生活に制限がある。5人の呼人と、呼人に関わる人たちの姿から、社会の中で少数であること、そうした状況で生きるというのはどういうことか、を描く。 ::::::::::::::::::::::::::::::::: 「……真帆ってすごいね」 「なにが?」 「あたしの目の前で、自分は恵まれてるって、はっきりいうなんて」  真帆は首をかしげた。 「だってそうじゃない? くいなは自分で選んでないのに旅をしなくちゃいけなくて、わたしは旅をするかしないか、好きに選べる。それってわたしが恵まれてるってことだよね?」 (本文より)
  • 杉森くんを殺すには
    4.2
    1巻1,540円 (税込)
    「杉森くんを殺すことにしたの」 高校1年生のヒロは、一大決心をして兄のミトさんに電話をかけた。ヒロは友人の杉森くんを殺すことにしたのだ。そんなヒロにミトさんは「今のうちにやりのこしたことをやっておくこと、裁判所で理由を話すために、どうして杉森くんを殺すことにしたのか、きちんと言葉にしておくこと」という2つの助言をする。具体的な助言に納得したヒロは、ミトさんからのアドバイスをあますことなく実践していくことにするが……。
  • 砂漠の旅ガラス
    5.0
    1巻1,287円 (税込)
    【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 AIも電力もない世界で人間のあり方を問う。 AIによって人類ほぼ滅亡……。“防腐塵(ぼうふじん)”という特殊な砂におおわれた、植物と電力が存在しない世界で、人間の末裔たちはどう生きるのか?   砂漠を自由気ままに旅してお宝を探す“旅ガラス”のぼく。 実は数年前にある事件から逃げてきた過去があった。 きっかけは、ポケットの中の茶色い謎の物体。 この謎の物体をめぐり、生き方の違うさまざまな民族が、それぞれの思惑をかけて交錯する。 講談社児童文学新人賞佳作、日本児童文学者協会新人賞受賞の作者が初めて挿絵も手がけたYA小説。 先入観をぬぐい、多様性を認め合う、いまを生きる人たちに届けたい物語です。
  • YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    女子校に進んだわたし。男子の目を気にしなくていい女子校ライフって最高! でも、共学に進んだ大好きな幼なじみには恋人ができたらしい。やっぱり女子校なんて最悪!?(『女子校か共学か、それが問題だ!』小林深雪) 変わり者のわたしは、友達のミッコが好き。ミッコがくれるチョコは夢のように甘いから、いつだってわたしは泣きたくなる。だけどミッコには彼氏もいて、わたしにも事情があって──。(『チョコレートの香りがするね』にかいどう青) お父さんは悪い人じゃない。でも、一緒にお風呂に入りたがったり、スカートをめくろうとしたり、ちょっと疲れる。そんなある日、クラスメイトのみやびが父親によって暴力を振るわれていることを知ってしまう。私のお父さんなんて、全然マシ?(『チキンとプラム』長谷川まりる) 千歳とつきあっている真結は、「そろそろ隠すのをやめない?」と提案をされ、動揺する。レズビアンだとカミングアウトすることへの不安と、千歳に嫌われてしまうかもしれないという不安。セクシャルマイノリティについての本には、無理にカミングアウトすることないって書いてあったけど……。(『いわないふたり』如月かずさ) 「ピュア」で「コドモっぽい」僕は、みんなのエロ話に付いていけない。急にみんながオトナになってしまったみたいだ。廊下でティッシュだと思ってナプキンを拾ったときも、大騒ぎになった。どうやったらオトナになれるんだろう?(『羽つきスキップ』水野瑠見) クールな安寿に、どこか憧れる栞。しかし安寿には手のかかるいとこ、咲留がいた。少しずつ二人の事情を知っていくなか、ふと安寿がこぼす。「役に立たないから、期待されないから、廃墟が好き」だと。(『いつかアニワの灯台に』菅野雪虫) ◆ ◆ 心と身体を取り巻くあれこれ。「今」を生きる児童文学作家がジェンダーと中学生をテーマに物語をつづります。 六人の児童文学作家のほか、イラストと漫画は『少年ノート』『ヒラエスは旅路の果て』の鎌谷悠希が担当。漫画「Peony」では、ジェンダーがまとう「香り」をみずみずしく表現。 ここでしか読めない、珠玉のアンソロジーです。
  • 満天inサマラファーム
    5.0
    1巻1,265円 (税込)
    小学生男子とふしぎな人魚とのふれあいを描いた『かすみ川の人魚』で日本児童文学者協会新人賞を受賞した長谷川まりるの、受賞後第一作! 高校2年の満天は、父のタクさんが経営する自給自足の農場「サマラファーム」で暮らしている。そこはタクさんがすべてを取り仕切る彼の「王国」であり、満天はタクさんの息子でありながら、早朝から畑で農作業をし、ファームが経営するレストランの手伝いをするなど従業員のように働いていた。 手で作らなければ何も得られない生活に嫌気がさした満天の母は、彼が幼いころに、とっくにサマラファームを逃げ出していた。そして、満天もまた、ここを去ることを考えていた。 そんなある日、大学生の瑞雪がサマラファームにやってきた。瑞雪はサマラファームでの暮らしにひるむことなく、タクさんともうまくやっているようだった。しかし……。 父との軋轢と自らのルーツに悩む高校生が、自分の歩む道を探す姿を描く意欲作。
  • かすみ川の人魚
    3.7
    1巻1,265円 (税込)
    学校近くのかすみ川でへんなものをみつけた。人間の赤ん坊ぐらいの大きさで、上半身が人間、下半身が魚……そう、それは人魚だった! ぼくは、友だちの千秋といっしょに、その人魚を大塚山の池でこっそり飼うことに。それから、人魚の「かすみ」と、ぼくたちの物語がはじまったが、かすみがとんでもない事件を引き起こしてしまった! 講談社児童文学新人賞作家が贈る、どこかかわいらしく、どこか不気味な人魚をめぐる、少年たちの友情の物語。
  • お絵かき禁止の国
    3.9
    1巻1,265円 (税込)
    ハルは中学3年の女の子。彼女には好きな子がいる。それはアキラという同級生の女の子! アキラを好きになったことで、ハルはうすうす感じていた自分の気持ちを確信する。やっぱりあたし、女の子が好きなんだ。世の中にそんな人がいることは知っていたけど、まさか、自分が、そうだったなんて! 第59回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。登場人物の心理描写がうまく、家族やクラスメイトなど、それぞれの個性もうまく書き分けられていました。深刻になりそうなテーマが、時折ユーモアもまじえ、あたたかい雰囲気のある作品になっていて、最後まで安心して読むことができました。──茂市久美子(講談社児童文学新人賞選評より)
  • 呼人は旅をする

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第7回 ほんま大賞 受賞作品の1冊です。
    児童書 あなどるなかれ。
    あなどるなんて、そんな・・・
    コレは、子ども達へオススメせねば!
    大人の方もご一読を! 

    ファンタジーです。 呼人(よびと)と呼ばられる人→その人その人で引きつけるものは違う。影響が大きいため引きつけるものでその場所に滞在できる期間も違う。
    呼人になったら、ずっと旅をし続けなければならない。

    ファンタジーではあるものの、自分だったら?とか自分の身近にいたら?どうするだろあとか考えることができた。
    呼人を受け入れる周りの環境が、現実の世界と重なる部分があるなと思った。
     受け入れてくれる ただそれだけで、どれだけ嬉しいか、生

    0
    2025年04月14日
  • 杉森くんを殺すには

    Posted by ブクログ

    日記で杉森くんを殺す理由を書いていく中で自分自身と向き合い、人とつながっていくことで、ヒロが杉森くんを殺さなきゃならない理由が少しずつ見えてきて、、なるほどなあと思った
    人はだれしも、悲しみ、辛さ、やり切れないおもい、もしくはそんな気持ちも抑圧していたり、、悲しみと共存しているんだと思う。
    また悲しい思いと向き合うのは、つらい。
    でも最終的にヒロが、自分と向き合い、杉森くんと向き合い、自分の心以外にも、心を預けられる場所を見つけられて、よかった。
    あーーー自分の語彙力の無さが悲しい。
    まだまだこの本を理解出来てないんだと思う、また読もう

    0
    2025年04月13日
  • 杉森くんを殺すには

    Posted by ブクログ

    ものすごく良かった!
    中学生〜高校生には、是非とも読んでほしい。
    普段、読書しない子も
    学校の読書時間とかあれば、この一冊を選んでみたらいかがでしょうか。
    子ども時代って、実は大人より辛いこととかしんどいことを抱えることが多いと感じています。私の主観ですが。
    大人ほど解決策を見つけられない、相談するにも誰に相談すればよいか?しかも、知ってる大人ってまだまだ限られる。
    そして、何より自分の世界が
    主に自宅と学校という非常に狭いのが苦しいところです。
    大人に近づけば近づくほど、世界は広がるのですが、それを体感できるのは年月が経たないとなかなか難しい。
    大人になると、大変なことは増えていきますが、そ

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    2025年04月08日
  • 呼人は旅をする

    Posted by ブクログ

    なにかを引き寄せてしまう呼人は、その特性ゆえに旅をする。
    理由なく不意に「マイノリティ」になってしまった人にまつわる、偏見、同情、理解、困難、諦観、支援、そして希望を、オムニバス短編により様々な情景とともに描く。
    実に巧い。そして面白い。

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    2025年04月07日
  • 呼人は旅をする

    Posted by ブクログ

    ブク友さんの本棚で紹介されていた本、初読み作家さんです。

    「呼人」とは、なにかを引き寄せる体質の人。
    登場する5人の呼人は、小学生から20歳。
    とても多感な若い人たちです。

    人と違うことで腫れ物に触るような態度をとられたり、ひとつの場所では長く滞在できなかったり(特異体質のため)…不快で、不自由なことでいっぱいです。
    人はみんな違って当たり前。
    稀な才能があると賞賛し、人が思う常識から外れると遠まきに避ける態度、私たちは自分の都合のいい解釈を無意識にしていませんか。
    その特異な体質で、呼人は誤解と偏見にさらされます。

    児童書コーナーにあったこの本をたくさんの子供たちに読んでほしいです。

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    2025年04月06日

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