長谷川まりるのレビュー一覧
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何かを呼びよせてしまうという特異体質があるせいで2週間ごとに居場所を変えなければならない「呼人(よびと)」をめぐる連作短編集。
自分の立ち位置と折り合いをつけて達観した人と、そのクラスメート、特異体質が判明したせいで母からうとまれ、そのことがトラウマになってしまった人、今まさに自分が呼人であることが判明してうろたえる人、呼人を支援する役所の人、男を引き寄せてしまう人と、なぜかそこに寄ってきた女の子、鳥を寄せてしまう人。
あらゆるシチュエーションの呼人が描かれ、語り手の視点もさまざま。そうすることで、人とちがうことの不便や屈折した思い、まわりの人のとまどいや、浅薄な理解、簡単に口にされる励まし -
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ネタバレ帯が翻訳家の金原瑞人さんで「読み終えた瞬間、自分はこんな本を読みたかったのだと確信する本がたまにある。これは間違いなく、そういう作品だ」って書かれてて、そして表紙のポップさとタイトルの物騒さのギャップが気になってた作品。
あっという間に読み終わっちゃったけど、めちゃくちゃよかった…。
高1の子が主人公の児童文学だけど、児童書って本当に子供のための本じゃなくて子供でも楽しめる・あらゆる人のための本だなあ〜と改めて実感しました。
色んな人間関係の中で日々を進んでいく主人公の姿がよかったし、周りの友達とか大人とかに色んな形の誠実さが見えるのもとてもよかった。
そしてシンプルに構成が上手くて先を読 -
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15歳のシャールは、「食死病」にかかって死んだ父親の跡を継ぎ、レストランの料理長となる。そんなシャールがレストランに呼んだのが、貧困街に住む「天才」アズレだった。
アズレが作る魔法のような料理に胸が高鳴ったり、「天才」の隣で過ごすシャールの苦悩と優しさが痛いくらいに伝わってきたり…。関係の崩壊と修復を描くストーリーにもぐいぐい引き込まれて、少しずつ読んでいくつもりだったのに、一晩で一気読みした。
物語のラストはびっくりする展開だったけど、心が温まる、希望に満ちた終わり方で好き。すばらしかった。幸せ。
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まず、ピースープを口に入れて感じたのは、途方もない安らぎだった。
舌の上 -
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本当に盛大にネタバレを書きますので、今後本書を読む可能性がある人は以下のコメントだけ見て速やかに引き返してください。
個人的には、本書は全中高生とその親が読むべきと思うくらいの好著だと思う。
主人公のヒロと、同じ経験をしたことがある者として、そう断言したい。
高校一年生のヒロは、ある日、友人の杉森くんを殺害する決意を固める。
それまでに、「やり残したことはすべてやる」「なぜ杉森くんを殺したいかの理由を書き留める」こととし、その日に向けて決意を新たに生活をスタートする。
妙な決意を固め、妙な行動を取り始めたヒロに対し、周りの人たちは当初困惑こそするものの、それで彼女を置き去りにすることは -
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ネタバレ読みながら何度か泣いてしまった。
そうなんだろうな、とは思いつつ、タイトルのネタバラシまでヒリヒリして読むのを止められなかった。結局、なぜ杉森くんが死んでしまったのかは最後までわからない。そのことがまた現実的で身に迫る。
自分もトラウマ島にのぼるのがつらくて諦めてしまったことがある。それによって私の杉森くんが死んでしまうことはなかった。だからそこまでの罪悪感を覚えることは、なかったけど。自分が殺した<殺すのだ、と思い詰める主人公に胸が詰まる。
主人公のかなしみの乗り越え方もいいけど、主人公のまわりにいる登場人物たちのやさしさもベタベタとしていなくて、救われるものがある。完全な救いではなく、 -
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少し謎のある始まり方。読むにつれ胸のザワザワが大きくなって、やがて「ひいい……」と(ダブルミーニング)。
自分と向き合い影の部分を深掘りする物語。しばらくのあいだ離れていたことはきっとよかったんだ。
日常部分が鮮明に生き生きと描かれていればいるほど、庭でのもろもろが色鮮やかな悪夢のようでこわさが増す。はじめは美しい花に埋もれたパステルカラーの風景のようなのに、だんだん鮮明さを増して元の世界をも飲み込んでしまう。それって、何かにはまって抜けられなくなる人のようでもある。でも梓未が賢明なのは、そんななかでも自分の正気を保つためにルーティンを営もうとしたこと。それを通じて、ようやく、目をそむけよう -
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悩める同性愛の中学生の物語
主人公・ハルは、自分の性的指向がレズビアンであることに気が付き、大いに悩んでいます。悪いことをしているわけではないのに、親への後ろめたさを感じ、友達にも打ち明けることができません。
ところが、ハルは第三者によるカミングアウト、つまりアウティングを受けてしまいます。これによって、ハルは家族や友人との関係が大きく変化してしまいます。友人からは理解が得られなかったり、逆に思いがけない人物が味方になったり。
本作では重いテーマを扱っているものの、ハルに味方してくれる人物がいることで、児童書として読みやすい作風になっていると思います。
また、同性愛に対して理解のない人たち -
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傷ついた少女が、人との触れ合いを経て前に進む物語
インパクトのあるタイトルが目を引きます。とにかく最初は謎が多いです。
杉森くんは何者なのか? なぜ殺さなければならないのか?
これは、あらすじにある通り「どうして杉森くんを殺すことにしたのか、きちんと言葉にしておくこと」という実践の中で、徐々に明らかになっていきます。
どうしてもネタバレになりそうなことが多いので、ここでは多くを書きません。
私がこの物語を好きな点は、主人公・ヒロの周囲の人たちが、みんな優しいということです。
ヒロが家族や友人に恵まれている様子に、心が温まります。
また、杉森くんのエピソードにはぎょっとしてしまいましたが、 -
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シャールは思いやりのない子だった。先生に言われて、父は貧民街のスープ作りに出されることになった。シャールの父は国一番の料理人で、シャールの味付けは完璧だった。
貧民街で子供に出会う。アズレという男の子は、シャールの作ったスープに牛乳を加えて更にコクのある美味しい味付けに変えてしまった。シャールはびっくり仰天する。父に料理の腕がまだまだと言われていたけれど、初めて実感したのだ。
父が食死病という食べられなくなって死ぬ病気で他界する。シャールは子供ながらレストランを継ぐことになった。シャールはアズレを探し出して、レストランのシェフとして手伝ってもらうことにする。