呼人は旅をする

呼人は旅をする

小説・文芸
1,485円 (税込)

7pt

呼人は、なにかを寄せてしまう
動物や、虫や、植物、自然現象
だから、ひとつの場所にとどまらず、
旅をする

人とちがうこと、それでも隣りあって生きること
痛みと希望の連作短編集。


「呼人」とは、なにかを引き寄せる特殊体質。原因は不明でごく少数だが一定の割合で発現する。政府機関によって認定され、生活に制限がある。5人の呼人と、呼人に関わる人たちの姿から、社会の中で少数であること、そうした状況で生きるというのはどういうことか、を描く。


:::::::::::::::::::::::::::::::::
「……真帆ってすごいね」
「なにが?」
「あたしの目の前で、自分は恵まれてるって、はっきりいうなんて」
真帆は首をかしげた。
「だってそうじゃない? くいなは自分で選んでないのに旅をしなくちゃいけなくて、わたしは旅をするかしないか、好きに選べる。それってわたしが恵まれてるってことだよね?」
(本文より)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    児童書 / 児童文学
  • 出版社
    :
    偕成社
  • タイトル
    :
    呼人は旅をする
  • タイトルID
    :
    1737133
  • ページ数
    :
    254ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年11月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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呼人は旅をする のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    何かを呼びよせてしまうという特異体質があるせいで2週間ごとに居場所を変えなければならない「呼人(よびと)」をめぐる連作短編集。
    自分の立ち位置と折り合いをつけて達観した人と、そのクラスメート、特異体質が判明したせいで母からうとまれ、そのことがトラウマになってしまった人、今まさに自分が呼人であることが判明してうろたえる人、呼人を支援する役所の人、男を引き寄せてしまう人と、なぜかそこに寄ってきた女の子、鳥を寄せてしまう人。

    あらゆるシチュエーションの呼人が描かれ、語り手の視点もさまざま。そうすることで、人とちがうことの不便や屈折した思い、まわりの人のとまどいや、浅薄な理解、簡単に口にされる励ましの言葉、率直な友情に対する心からの感謝などが活写され、あちこちでたちどまって深く考えさせられる。

    2編めのたんぽぽの子のかかえる母へのトラウマと、それを埋めてくれる別の形の愛情に泣いた。

    0
    2026年08月06日

    Posted by ブクログ

    動物や虫、植物、自然現象など呼び寄せてしまう「呼人」。呼人は旅をする必要があり、滞在日数が個人差はあるが決められてます。この本は、物語が6つに分けられててどれも呼人に関係している人が主人公です。呼人が友人であったり、主人公であったり、唐突に呼人になった人など様々な視点から呼人について知ることができます。呼人になると、新しい環境や生活に移り変わらないといけないし、差別や偏見の目で見られることもあり大変だと思います。その中で、呼人であることを綺麗事で片付けず、鋭い視点から不満や困難、普通の人たちとの認識の違いで苦労する登場人物が悩みながら前に進もうとする姿は心を惹かれました。読み終わった後は、新たな価値観を感じることができて良かったと思いました。

    0
    2025年06月15日

    Posted by ブクログ

    なにかを引き寄せてしまう呼人は、その特性ゆえに旅をする。
    理由なく不意に「マイノリティ」になってしまった人にまつわる、偏見、同情、理解、困難、諦観、支援、そして希望を、オムニバス短編により様々な情景とともに描く。
    実に巧い。そして面白い。

    0
    2025年04月07日

    Posted by ブクログ

    呼人という架空の特性に仮託して、想像力を働かせることの大切さとやり方を気付かせてくれる。過剰な悪口を言ってしまったり、アンチコメントを書き込んでしまったり、自分の小さな常識に当てはめた一方的な思い込みや発言をしてしまったりすること、誰にでもあるじゃん。己を省みて目から鱗がボロボロ落ちる。うますぎる。こんな童話素晴らしすぎる。短編集だからこそ、いろんな人いろんな生活が描かれている。

    0
    2025年03月18日

    Posted by ブクログ

    マイノリティについて考えるためのとても良い本だったと思います。
    “呼人”とは、何かを呼び寄せてしまう体質を持った人のこと。雨だったり、動物だったり、植物だったり。分かりやすく言えば雨女みたいなことですね。でもこのお話の中の呼人の力はハンパないので、ひと所にいるのを政府から禁じられるほど。ひと所にとどまると災害や自然破壊が起きてしまうから。
    なので旅を続けなければならないのですが、国から保障を受けている存在。
    そんな呼人たちの短編集。主人公は10代の子たちなので、その年代の人たちへのメッセージなんだろうな、と思われます。
    呼人は特殊な存在という理由でいつでも我慢しなければいけないのか?という問題や、今まで遠巻きにしていた呼人という存在に、ある日突然自分がなってしまったら?とか、マイノリティとマジョリティの関係にバッサバッサとメスを入れてきます。呼人である我が子を受け入れられない母まで登場します。そして呼人である自分だって差別をすることがあることに気付いたりもします。
    呼人であることに意味や原因なんかない、ただそう生まれついただけ。
    結局、根っこのところが違うのだから分かり合えなくて当たり前。分かり合えて当然と思うからぶつかるのだ、とこの本は訴えてきます。
    ぜひぜひ10代の人たちに読んでもらいたい作品。もちろん大人の私たちにも。

    0
    2025年02月02日

    Posted by ブクログ

    思いがけず読み応えのある作品に出会うことがある。
    この『呼人は旅をする』はまさにそれだった。

    “何か”を引き寄せる「呼人」になってしまった人達が主人公となる短編集。
    その“何か”はその呼人それぞれだが、呼人が同じ場所に居続けることで、ある一定の物を大量に呼び寄せてしまい、多くの人が生活に支障をきたすことになる。
    だから呼人という特殊能力が己の身に出現してしまった人は、一箇所に留まらずに旅を続けなければならない…子どもであっても。

    ちょっと有り得ない設定だが、ファンタジックなわけでもなく、何かすとんと腑に落ちる語り口なのだ。
    きっとそれは呼人が感じることや呼人に対する周囲の反応が、私たちの日常にも見え隠れしていることだからだろう。
    分かっていても目を瞑ったり、見えないことにしたり…呼人という存在を通してそれに気づかせてくれる。

    小学校高学年〜中学生に是非読んでもらいたい。

    0
    2025年01月19日

    Posted by ブクログ

    何かを寄せてしまう”呼人”にまつわる連作短編集。「自分とは違う」こと、「他者」を受け入れることとはなにか、を考える物語。

    雨の呼人、たんぽぽの呼人…いろんな呼人がいるけれど、「普通の人とは違う」「特別扱いされているようにみえる」呼人と、それ以外の人々との対比の描かれ方が素晴らしいのだ。あまりにも切なくて、それでも人と関わりたくて、という日常が描かれている。

    これはすごいぞ。
    全員、この作品に出会ってほしい。

    0
    2024年11月11日

    Posted by ブクログ

    雨、たんぽぽ、鹿、男、鳥、何かを寄せてしまう“呼人“という存在。定住せず旅を続けることを羨ましいと思うのは、きっと他人事だからで、自分がなったらそうは思わないんだろう。人と自分は違うけど、関わり合って生きていかなきゃいけないんだと考えさせられた。

    0
    2026年08月28日

    Posted by ブクログ

    不思議で切なくてユーモアのある連作短編。
    何かひとつのものを呼び込んでしまう呼人という存在。自分で選んだわけではないのにその宿命ゆえひとつ所にすむわけにいかず、一生旅をする運命。
    社会の問題も凝縮されているお話。面白かった。

    0
    2026年07月01日

    Posted by ブクログ

    旅する呼人と、彼らを取り巻く人や社会の姿を通して、他人との「違い」をどう捉え、受け入れるかを深く考えさせられた。設定はファンタジーなのに、今の社会を写し取っているように思えるのはなぜだろう。 まりる先生の作品は、差別や孤独の痛みを真正面から描き出すからこそ、子どもだけでなく大人にも重く、しっかり刺さる。それでも読後には、じんわりと温かな余韻が残る安心感があって、まりる先生の作品大好き。

    0
    2026年06月07日

呼人は旅をする の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    児童書 / 児童文学
  • 出版社
    :
    偕成社
  • タイトル
    :
    呼人は旅をする
  • タイトルID
    :
    1737133
  • ページ数
    :
    254ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年11月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
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