長谷川まりるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んだきっかけ:母に勧められて読んでみました!
この本は命とは何なのか、生きるとは何なのか、この世とはどういうところなのかを考えさせてくれるような本です。
この本の中で1番気に入ったところは
「ごめんね、キツネ。でもおれは、この世界が好きなんだよ。この世界を、なにより美しいと思ってしまった。泥の中で咲く花みたいに、きれいだと思っちゃったんだ。だから……」
という主人公のセリフです。
私はこのセリフの中の「泥の中で咲く花」にすごく考えさせられました。
綺麗な花畑で咲く花もいいけれど、泥の中のような汚くて見ることも拒否してしまうような場所に咲く花は、綺麗な花畑で見る花とはまた違った綺麗さがあると思います。
泥の中で咲くというのはとても大変だけれど、その大変さを味わったからこそあらわれる美しさがとても素晴らしいものだと思うのです。
同じように人生も、辛いこと、悲しいこと、大変なことがあると思いますが、それを乗り越えて咲いた花は、きっと人それぞれ様々な色や形、匂いがあってとっても美しい花だろうな思います。
この本を読んで、私は心が挫けそうになっても美しい花を咲かせるためだと考え、乗り越えていこうと思いました!
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Posted by ブクログ
すごくおもしろかったんだけど、読後に残るざらりとした感触をなかなか言葉にできない。「食死病」という奇病がなんとも残酷であるんだけど、コロナの後遺症で、美味しいものを味わいたくても味覚(というか嗅覚)を失ってしまったり、摂食障害で食べることが恐怖になってしまったりというケースも想起させるし、そもそも食というのはほかの生きものの命をうばわなくては食べられないものであるという、なんか根源的な問いを突きつけられるようでもある。そういう一筋縄ではいかないテーマが設定されているのが長谷川まりるさん流なのかなと。
もうひとつわたしが勝手に考えている長谷川まりるさんの作品の特徴は、魂のつながる伴奏者がいること。今回の伴奏者はなかなか手ごわくて、元は立場に上下があり、でもほどこしを受ける側に天賦の才があるわけで。その関係が、断絶を経て以前よりいい形でよみがえって進んでいくのは希望を感じさせてすごい。
よい物語だった。
あ、あと、キム・チョヨプ『惑星語書店』の「外から来た移住者たち」を思い出して再読した。こちらは、謎めいた食堂に入ったら、今まで食べたことのない風味の、スープとプリンを供される人の話。味音痴で何を食べても美味しいと思ったことがないけどこれは美味しいというと、店主が、実は自分もそうで、味覚が鋭敏すぎるがゆえに、チョコレートがひどい味に感じられたり、塩味が苦味になったりすると告白する。でも美味しいものをあきらめるのではなく、一度でいいから美味しいものを見つけようと思ってこの仕事を始めたのだと。
じつはこの店長にはさらなる秘密があって、それがサラリと明かされるのがゆかいなんだけど、そちらは読んでのお楽しみということで。
食死病とは似ても似つかないんだけど、ちょっとだけ似ていなくもないお話でした。 -
Posted by ブクログ
人間の世界を知らない魂が、インフルエンザで重症化し死を彷徨っている中学2年生の男子、高梨天山の体に入り込む。天山の体の中で生活できる期間は1年間。人間界で魂は生きる喜び、悲しみ、苦しみを理解していく。
もう、読む前にこのタイトルだけで星5つを付けたくなる。
森絵都さんの『カラフル』に似てると話題だが、『カラフル』が刊行されて20年以上がたち、今の中高生は『カラフル』を知らない子もいる。確かに似てる。でも、『カラフル』は『カラフル』で森絵都さんの思いがあり、この本にはまりるさんの生きることの思いがいっぱい詰まっている。そう、この世には生きる価値があるんだよね。
生きることがくだらない、なんで勉強しなきゃならないの、親の小言がウザいと言っている中二病の子たちに読んでほしいし、読んで何かを得てほしい。
その後の天山ファミリーがどうなったのか、めちゃくちゃ気になる。私は天山のお父さんが好きだなー。 -
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動物や虫、植物、自然現象など呼び寄せてしまう「呼人」。呼人は旅をする必要があり、滞在日数が個人差はあるが決められてます。この本は、物語が6つに分けられててどれも呼人に関係している人が主人公です。呼人が友人であったり、主人公であったり、唐突に呼人になった人など様々な視点から呼人について知ることができます。呼人になると、新しい環境や生活に移り変わらないといけないし、差別や偏見の目で見られることもあり大変だと思います。その中で、呼人であることを綺麗事で片付けず、鋭い視点から不満や困難、普通の人たちとの認識の違いで苦労する登場人物が悩みながら前に進もうとする姿は心を惹かれました。読み終わった後は、新たな価値観を感じることができて良かったと思いました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ第7回 ほんま大賞 受賞作品の1冊です。
児童書 あなどるなかれ。
あなどるなんて、そんな・・・
コレは、子ども達へオススメせねば!
大人の方もご一読を!
ファンタジーです。 呼人(よびと)と呼ばられる人→その人その人で引きつけるものは違う。影響が大きいため引きつけるものでその場所に滞在できる期間も違う。
呼人になったら、ずっと旅をし続けなければならない。
ファンタジーではあるものの、自分だったら?とか自分の身近にいたら?どうするだろかとか考えることができた。
呼人を受け入れる周りの環境が、現実の世界と重なる部分があるなと思った。
受け入れてくれる ただそれだけで、どれだけ嬉しいか、生きやすいか 実感中。
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Posted by ブクログ
マイノリティについて考えるためのとても良い本だったと思います。
“呼人”とは、何かを呼び寄せてしまう体質を持った人のこと。雨だったり、動物だったり、植物だったり。分かりやすく言えば雨女みたいなことですね。でもこのお話の中の呼人の力はハンパないので、ひと所にいるのを政府から禁じられるほど。ひと所にとどまると災害や自然破壊が起きてしまうから。
なので旅を続けなければならないのですが、国から保障を受けている存在。
そんな呼人たちの短編集。主人公は10代の子たちなので、その年代の人たちへのメッセージなんだろうな、と思われます。
呼人は特殊な存在という理由でいつでも我慢しなければいけないのか?という問題や、今まで遠巻きにしていた呼人という存在に、ある日突然自分がなってしまったら?とか、マイノリティとマジョリティの関係にバッサバッサとメスを入れてきます。呼人である我が子を受け入れられない母まで登場します。そして呼人である自分だって差別をすることがあることに気付いたりもします。
呼人であることに意味や原因なんかない、ただそう生まれついただけ。
結局、根っこのところが違うのだから分かり合えなくて当たり前。分かり合えて当然と思うからぶつかるのだ、とこの本は訴えてきます。
ぜひぜひ10代の人たちに読んでもらいたい作品。もちろん大人の私たちにも。 -
Posted by ブクログ
思いがけず読み応えのある作品に出会うことがある。
この『呼人は旅をする』はまさにそれだった。
“何か”を引き寄せる「呼人」になってしまった人達が主人公となる短編集。
その“何か”はその呼人それぞれだが、呼人が同じ場所に居続けることで、ある一定の物を大量に呼び寄せてしまい、多くの人が生活に支障をきたすことになる。
だから呼人という特殊能力が己の身に出現してしまった人は、一箇所に留まらずに旅を続けなければならない…子どもであっても。
ちょっと有り得ない設定だが、ファンタジックなわけでもなく、何かすとんと腑に落ちる語り口なのだ。
きっとそれは呼人が感じることや呼人に対する周囲の反応が、私たちの日常にも見え隠れしていることだからだろう。
分かっていても目を瞑ったり、見えないことにしたり…呼人という存在を通してそれに気づかせてくれる。
小学校高学年〜中学生に是非読んでもらいたい。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました
同性愛者という事を認めていいのか分からない感情や家族,友人に話したくても話せない
相手にも好きと伝えていいのか分からない,気持ち悪いと思われたくないなどまだ義務教育中の女の子が考えるには重すぎるけどしっかり自覚しないとあやふやなまま時間が過ぎてしまうという内容が読んでてハラハラしたりほっとする場面があったりしてとても面白かったです
LGBTQなどが少数では無くなってきている時代にこの本を読んで自分が異性愛者の場合同性愛者の人はどんな気持ちや思考を持っているのかが少しでも理解してくれる方が増えるといいなと思います