長谷川まりるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
思いがけず読み応えのある作品に出会うことがある。
この『呼人は旅をする』はまさにそれだった。
“何か”を引き寄せる「呼人」になってしまった人達が主人公となる短編集。
その“何か”はその呼人それぞれだが、呼人が同じ場所に居続けることで、ある一定の物を大量に呼び寄せてしまい、多くの人が生活に支障をきたすことになる。
だから呼人という特殊能力が己の身に出現してしまった人は、一箇所に留まらずに旅を続けなければならない…子どもであっても。
ちょっと有り得ない設定だが、ファンタジックなわけでもなく、何かすとんと腑に落ちる語り口なのだ。
きっとそれは呼人が感じることや呼人に対する周囲の反応が、私たちの日 -
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました
同性愛者という事を認めていいのか分からない感情や家族,友人に話したくても話せない
相手にも好きと伝えていいのか分からない,気持ち悪いと思われたくないなどまだ義務教育中の女の子が考えるには重すぎるけどしっかり自覚しないとあやふやなまま時間が過ぎてしまうという内容が読んでてハラハラしたりほっとする場面があったりしてとても面白かったです
LGBTQなどが少数では無くなってきている時代にこの本を読んで自分が異性愛者の場合同性愛者の人はどんな気持ちや思考を持っているのかが少しでも理解してくれる方が増えるといいなと思います -
Posted by ブクログ
ネタバレLGBTQやSOGIについての学習が行われている今、若者のほうが同性愛に理解があり、考え方が柔軟だなと感心します。それにひきかえ親世代はカッチカチ頭でいろいろ決めつけてかかってくる…(ハルにキツく当たってくる同級生、親のステレオタイプを引き継いでるんでしょうね…)描き方は軽妙ですが、リアリティがあります。LINEで写真が拡散される辺り本当にリアルです。笑
文体、展開、読みやすく引き込まれるので、小学校高学年辺りから読めるのではないでしょうか。「レズとかキモ」と言い出す前に読んでほしい作品。
ほかの方も書かれていましたが、翔太渋いです。 -
Posted by ブクログ
第62回野間児童文芸賞 受賞作品
『杉森くんを殺す』
タイトルがあまりにも強烈。なのに、表紙絵はとってもかわいい。何だろうこのギャップ。
読み始めると、漫画みたいスイスイ読める。だからといって内容が軽いわけではない。文章がおもしろい。高校生の心情がよく伝わってくる。例えば、男子と女子の距離感の表現。
“わたしの中学では、男子と女子のあいだにはマリアナ海溝くらい深い溝が存在していて、おなじクラスでもめったにしゃべったりしなかったから。”
まさに自分の中学時代が、この表現にドンピシャだったのでビックリ!
主人公のヒロは、高校1年生。親友だった女の子(呼び名が杉森くん)を自死で亡くしている -
Posted by ブクログ
私は、杉森くんを殺すことに決めた。
高校生のヒロは、意地悪で嘘つきで、ヒロに依存しすぎる杉森くんを殺すことに決める。
喪失感からの再生の物語。
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なんて悲しく、そして希望に満ちた物語だろう。
私自身もかつて杉森くんのような状態になったことがある。
自分だけが苦しいと思い込み、その苦しみから逃れたいと近くの人に過剰なまでに依存してしまった。
結果、その人は私から離れていった。
もし私が逆の立場であれば、同じように行動しただろうに。
人は決して一人ではないんだ。
繋がっていないようで繋がっている。
もし私が今ここにいなくなってしまったとしたら、誰かの生活にほんの少しでも影響を与えることは間違いな -
Posted by ブクログ
ネタバレ児童書としてはぎょっとするタイトルですが、ホントに「杉森くんを殺すには」という内容でした!
中盤に主人公が爆発した後、新しくできた友達が離れていったら辛かった……でも、そこは救いあげてくれてよかった…。ちゃんと児童文学や地方演劇系にみられる類型だった……。
周囲の人が、いい人ばっかり!
一緒に墓参りまで行ってくれて!
杉森くんが既に死んでいることは予想できましたが、実は女の子で、ただ、中身男の子とかじゃなくて『性別が決めつけられることに違和感を感じる』というのは、そこまで掬いあげてくるようになったんですね~と膝を打つ感じです。令和!
心が落ち切っている最初の方から、だんだん回復してくるに