長谷川まりるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ表紙の可愛いイラストに惹かれて手に取った小説。可愛らしい表紙とは裏腹に物騒な題名なのに児童書コーナーにあったので、そのちぐはぐさも気になっていた。
杉森くんが自殺してしまう前に届いていたメッセージを、ヒロは無視してしまった。そのことから「あの時、自分が止められたのではないか」という罪悪感を抱えていた。だからこそ、杉森くんは自殺したのではなく、自分が殺したようなものだと思い込んで、「自分が殺したこと」にしたかったのかなと、物語を読み進めるうちに少しずつ分かっていった。
ヒロが周りの友達や兄のミトさんに自分の気持ちを打ち明けることで、少しずつ杉森くんの死を受け入れていく過程が印象に残った。
扱うのが難しい題材だと思うけれど、会話のポップさがあるおかげで重くなりすぎず、読みやすかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校1年生のヒロが杉森くんを殺そうと血の繋がってない兄であるミトさんとの電話から始まり、ミトさんからのアドバイスで杉森くんをなんで殺そうとしているのか理由を付けていく。何故仲が良く幼なじみだった杉森くんを殺そうとしているのか。
今風の文章の書き方で読みやすさはあった。
杉森くん(さん)は身体は女の子だけど心は男の子?ヒロは杉森くんを実際に殺そうとしていた訳ではなかった(もう既に杉森くんは自殺していた)。杉森くんは親や先生などには優等生のいい子として振舞っていたが、本当は不満だらけでそれをヒロに聞いてもらっていたがヒロもそれに付き合いきれなくなってしまっていた。杉森くんが不満を言ってもいい逃げ道のような存在であるヒロから距離を置かれるのは辛いことだし、ヒロも杉森くんの心情を知らずに不満ばっか聞かされめんどくさく、嫌になってしまった気持ちはよく分かる。
杉森くんの周りにもっと話を聞いてくれる存在が多ければヒロ1人にかかる負担が少なくなり杉森くんは自殺しなくても良かったかもしれない。
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Posted by ブクログ
『杉森くんを殺すには』以来、長谷川まりるさんの本を探していた。
小学生に合うものという観点では、わたしの主観ではあるが、なかなかフィットしないでいた。
しかし、これはよさそう。
推定300歳の妖怪サトリは見かけはこども。
人の心を読めるが空気は読めないため、人の気分を害してしまう、おっちょこちょい。
人の目から落ちたウロコを集めている。
さまざまな人のお困りごとを解決しつつ、他の妖怪とかかわりながら話が進んでいく。
すじは違うが、雰囲気は名探偵コナン✕ふしぎ駄菓子屋銭天堂みたいな感じ。
はたして、こどもたちの心を掴むか?様子をみたい。
ちなみに『杉森くん…』は、本校昨年度の高学年貸出数第2位!
人気貸出ランキングの上位に文学はなかなか入らない学校なので、正直びっくりした。 -
Posted by ブクログ
「呼人」とは、何かを呼び寄せてしまう人。
そんな特異体質を政府認定されると
人によっては一箇所にとどまり続けられず
家族と離れて暮らさなければならないことも。
(そのかわり保護の対象になる)
そんな呼人と世間との関わりを描いた6つの話。
雨女のクラスメイトに憤る小学生からはじまって
たんぽぽを呼ぶ娘と森の家主との交流では
呼人なことが家族に与える影響を知った。
ある日突然、呼人になってしまった高校生や
呼人支援局で働く青年のこと
人を魅了してしまうタイプの呼人の苦悩も
生まれつきの呼人な少女の気遣いも
みんなみんな…何かの比喩でもある気がする。
不思議な読後感でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ我、くもん出版という会社の本を初めて読む。あまりの清らかさに蒸発せし、ことばもなく、ただ呆然と本を置くなり。まさか杉森くんが自殺してしまっていたとは、可能性として思ってはいたけれど、脳みそが震えた。「言うて、殺さんだろう」と思っていた我の予想は当たっていたが、さして嬉しくもなく、我が身の汚さを直視した。ミトさんのヒロへの告白が、誰しも覚えのある内容で、身につまされる思いであった。これは依存についての物語であり、杉森くんは永遠に死ぬことはないのであろう。大人でも一読すべし、書物である。
杉森くんがなぜ杉森「くん」を望んだのか、きっと性別で判断してもらいたくなかったのだろうと推察される。けれど、ピンクとフリフリが好きでありながら、決めつけを嫌っていた。杉森くんとはとても厄介で、めんどくさく、愛おしい生き物なのであった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校一年生の主人公ヒロの親友「杉森くん(女の子)」が自殺した。それを、どう受け止め、乗り越えていけば良いのか。
ヒロは表面的には冷静のようだが、深く傷ついているのは確かで、家族やクラスメート、新しい趣味を見つけたりしながら、乗り越えていく。
杉森くんが、実際には何が一番つらかったのか、明確にはわからなかったが、子どもに限らず、現代のストレスの中で生きていくと、積もった疲れも含めて「落ちて」しまうことは多い。誰もが、どこかに「逃げ道」や「捌け口」を持っておくべきだが、それは誰か一人に縋りつくことではなく、相談場所を多く持つこと。
この本流にいうと、それが「依存」ではなく、「自立」することなのだ、と。
巻末、スクールカウンセラーが解説しているように、大人としては、その声に、どれだけフラットに批判や評価をせずに聞けるかにかかっているのかも、と感じた。