長谷川まりるのレビュー一覧

  • 呼人は旅をする

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    何かを呼びよせてしまうという特異体質があるせいで2週間ごとに居場所を変えなければならない「呼人(よびと)」をめぐる連作短編集。
    自分の立ち位置と折り合いをつけて達観した人と、そのクラスメート、特異体質が判明したせいで母からうとまれ、そのことがトラウマになってしまった人、今まさに自分が呼人であることが判明してうろたえる人、呼人を支援する役所の人、男を引き寄せてしまう人と、なぜかそこに寄ってきた女の子、鳥を寄せてしまう人。

    あらゆるシチュエーションの呼人が描かれ、語り手の視点もさまざま。そうすることで、人とちがうことの不便や屈折した思い、まわりの人のとまどいや、浅薄な理解、簡単に口にされる励まし

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    2026年08月06日
  • 杉森くんを殺すには

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    ネタバレ

    帯が翻訳家の金原瑞人さんで「読み終えた瞬間、自分はこんな本を読みたかったのだと確信する本がたまにある。これは間違いなく、そういう作品だ」って書かれてて、そして表紙のポップさとタイトルの物騒さのギャップが気になってた作品。

    あっという間に読み終わっちゃったけど、めちゃくちゃよかった…。
    高1の子が主人公の児童文学だけど、児童書って本当に子供のための本じゃなくて子供でも楽しめる・あらゆる人のための本だなあ〜と改めて実感しました。
    色んな人間関係の中で日々を進んでいく主人公の姿がよかったし、周りの友達とか大人とかに色んな形の誠実さが見えるのもとてもよかった。

    そしてシンプルに構成が上手くて先を読

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    2026年07月28日
  • お絵かき禁止の国

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    児童文学なので、もちろん読みやすい文章で進んでいくのだけれど、主人公が自分の娘だったらと思うと、娘を親が傷つけていることに苦しくてたまらなかった。私は絶対に娘や息子の一番の味方になれる親であろう。強い!強いぞ主人公!

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    2026年07月12日
  • ぼくのシェフ

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    文句なしの星5。すごく面白かった。どこの国の、いつの時代の話なのか分からないのに、キャラクターもストーリーもすごく魅力的。素朴なのに刺激的。これは…高学年なら読めるかな?

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    2026年07月06日
  • ぼくのシェフ

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    15歳のシャールは、「食死病」にかかって死んだ父親の跡を継ぎ、レストランの料理長となる。そんなシャールがレストランに呼んだのが、貧困街に住む「天才」アズレだった。

    アズレが作る魔法のような料理に胸が高鳴ったり、「天才」の隣で過ごすシャールの苦悩と優しさが痛いくらいに伝わってきたり…。関係の崩壊と修復を描くストーリーにもぐいぐい引き込まれて、少しずつ読んでいくつもりだったのに、一晩で一気読みした。

    物語のラストはびっくりする展開だったけど、心が温まる、希望に満ちた終わり方で好き。すばらしかった。幸せ。

    ーーーーー
     まず、ピースープを口に入れて感じたのは、途方もない安らぎだった。
     舌の上

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    2026年07月02日
  • 花売り姫

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    表紙の絵がきれい、話は不思議な感じで、怖さがあるけどおもしろかった。ちょっと怖い不思議なのが好きなのでよかった、考えさせられるとこもあるしよかった

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    2026年07月02日
  • 杉森くんを殺すには

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    客観なんて所詮誰かの主観。という言葉が心に残りました。杉森くんのことが分かっていくたびにどうすることがよかったのかわからなくなりました。
    大人である私たちの在り方を問い直す作品でした。

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    2026年06月23日
  • 杉森くんを殺すには

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    自傷は、本人にとってつらい現実から目をそらすための延命措置。自傷という時間稼ぎをしているうちに、心の傷をいやす方法を探す。

    誰にでも、友人、知人を救えなかったと後悔していることはある。そんな人に癒しになる本です。

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    2026年06月03日
  • 杉森くんを殺すには

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    本当に盛大にネタバレを書きますので、今後本書を読む可能性がある人は以下のコメントだけ見て速やかに引き返してください。
    個人的には、本書は全中高生とその親が読むべきと思うくらいの好著だと思う。
    主人公のヒロと、同じ経験をしたことがある者として、そう断言したい。




    高校一年生のヒロは、ある日、友人の杉森くんを殺害する決意を固める。
    それまでに、「やり残したことはすべてやる」「なぜ杉森くんを殺したいかの理由を書き留める」こととし、その日に向けて決意を新たに生活をスタートする。
    妙な決意を固め、妙な行動を取り始めたヒロに対し、周りの人たちは当初困惑こそするものの、それで彼女を置き去りにすることは

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    2026年05月18日
  • 杉森くんを殺すには

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    人に頼るか相談するか迷ったら、信頼できる人なら迷わず頼った方が良いことを痛感した。

    この年代特有の
    恥ずかしさとか空回りとか、
    そんなものも全部含めて良かった。

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    2026年05月07日
  • 杉森くんを殺すには

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    自分のことを「ぼく」と呼ぶなら男の子だと思ってしまうし、「ミトさん」と呼ぶ相手を兄だとは思わないし、他にも色々、『こういう表現が出てきたらこういう意味だ』とミスリードさせられることの連続で、自分の中にどれだけアンコンシャスバイアスがあるのかを気付かされる作品だった。

    大人になる前にこれを読める10代が羨ましい。
    多感な時期にこの作品に出会えたら、その後友達との関係で辛いことがあった時に支えになりそう。

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    2026年05月05日
  • 花売り姫

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    ネタバレ

    ある理由で高校を退学し、母と二人で田舎に引っ越してきた梓未(あずみ)。母が営む花屋を手伝っていたが、ある時、家の裏に紫陽花や桜、桔梗、牡丹など、咲く季節が違うはずの花々が咲き乱れる不思議な花畑を見つける。花畑の主である女性“ひい”と出会い、仲良くなった梓未は、美しい花と自分が持っていたものを交換してもらうようになるが、次第にひいの態度が変わっていき……。「本当に嫌いなものは何か」「本当に好きなものは何か」「本当に大切なものは何か」を問う、不思議で美しい物語。

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    2026年04月24日
  • 杉森くんを殺すには

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    ネタバレ

    読みながら何度か泣いてしまった。
    そうなんだろうな、とは思いつつ、タイトルのネタバラシまでヒリヒリして読むのを止められなかった。結局、なぜ杉森くんが死んでしまったのかは最後までわからない。そのことがまた現実的で身に迫る。

    自分もトラウマ島にのぼるのがつらくて諦めてしまったことがある。それによって私の杉森くんが死んでしまうことはなかった。だからそこまでの罪悪感を覚えることは、なかったけど。自分が殺した<殺すのだ、と思い詰める主人公に胸が詰まる。

    主人公のかなしみの乗り越え方もいいけど、主人公のまわりにいる登場人物たちのやさしさもベタベタとしていなくて、救われるものがある。完全な救いではなく、

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    2026年04月19日
  • 花売り姫

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    少し謎のある始まり方。読むにつれ胸のザワザワが大きくなって、やがて「ひいい……」と(ダブルミーニング)。
    自分と向き合い影の部分を深掘りする物語。しばらくのあいだ離れていたことはきっとよかったんだ。

    日常部分が鮮明に生き生きと描かれていればいるほど、庭でのもろもろが色鮮やかな悪夢のようでこわさが増す。はじめは美しい花に埋もれたパステルカラーの風景のようなのに、だんだん鮮明さを増して元の世界をも飲み込んでしまう。それって、何かにはまって抜けられなくなる人のようでもある。でも梓未が賢明なのは、そんななかでも自分の正気を保つためにルーティンを営もうとしたこと。それを通じて、ようやく、目をそむけよう

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    2026年04月06日
  • お絵かき禁止の国

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    悩める同性愛の中学生の物語

    主人公・ハルは、自分の性的指向がレズビアンであることに気が付き、大いに悩んでいます。悪いことをしているわけではないのに、親への後ろめたさを感じ、友達にも打ち明けることができません。
    ところが、ハルは第三者によるカミングアウト、つまりアウティングを受けてしまいます。これによって、ハルは家族や友人との関係が大きく変化してしまいます。友人からは理解が得られなかったり、逆に思いがけない人物が味方になったり。

    本作では重いテーマを扱っているものの、ハルに味方してくれる人物がいることで、児童書として読みやすい作風になっていると思います。
    また、同性愛に対して理解のない人たち

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    2026年04月04日
  • 杉森くんを殺すには

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    傷ついた少女が、人との触れ合いを経て前に進む物語

    インパクトのあるタイトルが目を引きます。とにかく最初は謎が多いです。
    杉森くんは何者なのか? なぜ殺さなければならないのか?
    これは、あらすじにある通り「どうして杉森くんを殺すことにしたのか、きちんと言葉にしておくこと」という実践の中で、徐々に明らかになっていきます。

    どうしてもネタバレになりそうなことが多いので、ここでは多くを書きません。

    私がこの物語を好きな点は、主人公・ヒロの周囲の人たちが、みんな優しいということです。
    ヒロが家族や友人に恵まれている様子に、心が温まります。
    また、杉森くんのエピソードにはぎょっとしてしまいましたが、

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    2026年04月03日
  • ぼくのシェフ

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    好きな物語だった。
    料理人のシャールと貧民街で育ったアゼルの友情譚。
    相手の立場と心情に想像を巡らせること。

    西村ツチカさんの挿絵がとても可愛かった。
    食べ物を美味しいと感じ続けられる人生でありたい。
    巻末のレシピ、ちょっと試してみたい。

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    2026年03月06日
  • 満天inサマラファーム

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    この作者さん、すごいな
    魔法のやつ、杉森くん、これと続けて読みました。
    ポケモン好きの私は途中までマサラだと思い込んでいましたが、そんなことどうでもいいくらい、話に没頭できました。
    特殊な環境ではあるけれど、文章がそう感じさせないというか、普通にそこで暮らす若者がいるのです。生き生きと描かれていると言えばいいのかな。
    最後の10ページくらい、涙出ました。

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    2026年02月22日
  • ぼくのシェフ

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    長谷川まりるは天才なんや…

    食死病(なにも食べられなくなる病)が流行する世界で、有名レストランの跡取り少年と、貧民街に住む少年が出会う。
    秀才と天才の話なんだけど、最後に視点がぐるっとひっくり返る。半ば察してはいたけど、あまりにお見事すぎる。
    立場の違いや生まれの違い価値観の違いを、料理を通じて描く秀作。

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    2026年02月14日
  • ぼくのシェフ

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    シャールは思いやりのない子だった。先生に言われて、父は貧民街のスープ作りに出されることになった。シャールの父は国一番の料理人で、シャールの味付けは完璧だった。
    貧民街で子供に出会う。アズレという男の子は、シャールの作ったスープに牛乳を加えて更にコクのある美味しい味付けに変えてしまった。シャールはびっくり仰天する。父に料理の腕がまだまだと言われていたけれど、初めて実感したのだ。
    父が食死病という食べられなくなって死ぬ病気で他界する。シャールは子供ながらレストランを継ぐことになった。シャールはアズレを探し出して、レストランのシェフとして手伝ってもらうことにする。

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    2026年01月10日