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――シャールがその天才に出会ったのは、あの奇病が国に広がる、2年前のことだった。 13歳のシャールは、国いちばんの料理人である父のあとを継ぐために修行をつづけている。あるとき、慈善団体の活動に参加したシャールは、貧民街で暮らす少年・アズレと出会う。アズレのもつ天才的な料理の才能に気づいたシャールは、彼に料理を教えることにするが、ふたりの関係はある日、とうとつに終わってしまう。そして2年後……。
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Posted by ブクログ
文句なしの星5。すごく面白かった。どこの国の、いつの時代の話なのか分からないのに、キャラクターもストーリーもすごく魅力的。素朴なのに刺激的。これは…高学年なら読めるかな?
15歳のシャールは、「食死病」にかかって死んだ父親の跡を継ぎ、レストランの料理長となる。そんなシャールがレストランに呼んだのが、貧困街に住む「天才」アズレだった。 アズレが作る魔法のような料理に胸が高鳴ったり、「天才」の隣で過ごすシャールの苦悩と優しさが痛いくらいに伝わってきたり…。関係の崩壊と修...続きを読む復を描くストーリーにもぐいぐい引き込まれて、少しずつ読んでいくつもりだったのに、一晩で一気読みした。 物語のラストはびっくりする展開だったけど、心が温まる、希望に満ちた終わり方で好き。すばらしかった。幸せ。 ーーーーー まず、ピースープを口に入れて感じたのは、途方もない安らぎだった。 舌の上からなにかが電気のようにかけめぐって、血管をとおって、一気に足の裏まで、体のすみずみまで知らせていった。この味を。このぬくもりを。このよろこびを。p93
好きな物語だった。 料理人のシャールと貧民街で育ったアゼルの友情譚。 相手の立場と心情に想像を巡らせること。 西村ツチカさんの挿絵がとても可愛かった。 食べ物を美味しいと感じ続けられる人生でありたい。 巻末のレシピ、ちょっと試してみたい。
長谷川まりるは天才なんや… 食死病(なにも食べられなくなる病)が流行する世界で、有名レストランの跡取り少年と、貧民街に住む少年が出会う。 秀才と天才の話なんだけど、最後に視点がぐるっとひっくり返る。半ば察してはいたけど、あまりにお見事すぎる。 立場の違いや生まれの違い価値観の違いを、料理を通じて描...続きを読むく秀作。
シャールは思いやりのない子だった。先生に言われて、父は貧民街のスープ作りに出されることになった。シャールの父は国一番の料理人で、シャールの味付けは完璧だった。 貧民街で子供に出会う。アズレという男の子は、シャールの作ったスープに牛乳を加えて更にコクのある美味しい味付けに変えてしまった。シャールはびっ...続きを読むくり仰天する。父に料理の腕がまだまだと言われていたけれど、初めて実感したのだ。 父が食死病という食べられなくなって死ぬ病気で他界する。シャールは子供ながらレストランを継ぐことになった。シャールはアズレを探し出して、レストランのシェフとして手伝ってもらうことにする。
食べ物から死のにおいを感じる食死病が広がった世界。そこで出会った有名料理家の息子と、貧民街の少年。 立場や境遇により見えるものや見え方が変わることを示すのに、料理を通じた物語で表す。それが物語の力であり、長谷川まりる作品の魅力だろう。
すごく面白くて一気読みしました。 長谷川まりるさんの作品は設定と意外な展開で児童書だけど想像を超えるので面白い。他の作品も読んでみたい。
すごくおもしろかったんだけど、読後に残るざらりとした感触をなかなか言葉にできない。「食死病」という奇病がなんとも残酷であるんだけど、コロナの後遺症で、美味しいものを味わいたくても味覚(というか嗅覚)を失ってしまったり、摂食障害で食べることが恐怖になってしまったりというケースも想起させるし、そもそも食...続きを読むというのはほかの生きものの命をうばわなくては食べられないものであるという、なんか根源的な問いを突きつけられるようでもある。そういう一筋縄ではいかないテーマが設定されているのが長谷川まりるさん流なのかなと。 もうひとつわたしが勝手に考えている長谷川まりるさんの作品の特徴は、魂のつながる伴奏者がいること。今回の伴奏者はなかなか手ごわくて、元は立場に上下があり、でもほどこしを受ける側に天賦の才があるわけで。その関係が、断絶を経て以前よりいい形でよみがえって進んでいくのは希望を感じさせてすごい。 よい物語だった。 あ、あと、キム・チョヨプ『惑星語書店』の「外から来た移住者たち」を思い出して再読した。こちらは、謎めいた食堂に入ったら、今まで食べたことのない風味の、スープとプリンを供される人の話。味音痴で何を食べても美味しいと思ったことがないけどこれは美味しいというと、店主が、実は自分もそうで、味覚が鋭敏すぎるがゆえに、チョコレートがひどい味に感じられたり、塩味が苦味になったりすると告白する。でも美味しいものをあきらめるのではなく、一度でいいから美味しいものを見つけようと思ってこの仕事を始めたのだと。 じつはこの店長にはさらなる秘密があって、それがサラリと明かされるのがゆかいなんだけど、そちらは読んでのお楽しみということで。 食死病とは似ても似つかないんだけど、ちょっとだけ似ていなくもないお話でした。
易しい言葉と表現で、社会の色々な問題を教えてくれる子供向けの物語なのかもしれないが だからこそ、大人に刺さる物語。 巻末に載っていたレシピ。 ピースープと赤いチキン 作ってみたい。
有名料理家の息子と貧民街の少年が、料理を通じて少しずつ交わっていく。生まれも立場も違えば、見えてくる景色もまるで違う。その当たり前のことを改めて思い出させてくれる、対象年齢の青少年たち以上に大人に気づきを与えてくれる作品だと思う。 「食べることは、生きること」。食べたいときに食べたいものを食べられる...続きを読む環境にいること自体が、実はとても恵まれている。そんな当たり前の有難みを忘れないでいたいと思う。2人の少年を対等に扱うレストランの大人たちの姿も良かったなあ。
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