考えたことなかった

考えたことなかった

1,386円 (税込)

6pt

ある日、ネコに声をかけられた。
「わたしは、未来のおまえなのにょー。」
このままだと、おれの将来、たいへんなことになるらしい。

いったい、どうして?

知らないうちにさせられてる競争。
「ふつう」は男子がおごるもの?
おばあちゃんがなんでもやってくれる祖父母の家の「居心地の良さ」。

どこかでつながりあった社会のしくみに気づいて
考えはじめる男の子の物語。


:::::::::::::::::::::::::::::

なんでおれだけにさせるんだよ。なんでおじいちゃんはやらないんだ。おじいちゃんは男で、年上だから、やらなくていいのか。
泡だらけの皿を洗いながら、イライラしてくる。
なんにもしないおじいちゃんを横目に、おばあちゃんはこうやって、いつもひとりで家事をやっていたんだろうな。
だけど、おばあちゃんがぜんぶやってくれるから、おれも居心地がよかったんだ。
そう思うと複雑な気分になる。
ふと、陽菜子の話を思いだした。
『おばあちゃんは、わたしにだけ手伝わせるんだよ。』
でも、そうか。おばあちゃんは、陽菜子にはさせるんだ。
ということは、どういうことだ?
おばあちゃんは不公平に腹を立てているけど、陽菜子には不公平なことをするということか。
『どうしてわたしばかり家事をやらされるの? なんでおにいちゃんはしなくていいの?』
以前、陽菜子がお母さんにそう訴えていたときも、そんなに怒ることかよ、と颯太は最初、うっとうしく感じただけだった。
だけど、不公平をされるほうは、すごく腹が立つんだ。でも不公平をするほうや、不公平に関係ないと思っているほうはピンとこないんだ。


(本文より)

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / 児童文学
  • 出版社
    偕成社
  • ページ数
    160ページ
  • 電子版発売日
    2023年05月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    9MB

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    前の「言いたいことがあります!」の主人公のお兄ちゃんが主人公の物語で言いたいことがあります!の主人公とは違う感情だけどどっちの気持ちも分かるなーと思いました。

    0
    2025年07月02日

    Posted by ブクログ

    「いいたいことがあります」の続編。
    今度は兄の颯太が主人公。
    一度退職しても再就職しやすい世の中になってほしい。そして、男女ともに家事をやる世の中になってほしい。でも、私が台所に立っている時はじゃまされたくないなあ。一緒にやるより分担したい笑

    0
    2023年11月27日

    Posted by ブクログ

    ある日、颯太はネコに声をかけられた。
    「実は、わたしは未来のおまえなのだにょー。」

    どうやら未来の颯太は、妻に家を出ていかれて、一人さみしく死んでしまいそうになっているらしい。そこで、ネコの姿になり、そうならないよう若い颯太に忠告しにきたのだ。

    家事はぜんぶ女の人がやるもの? ふつうは男子がおご

    0
    2023年04月22日

    Posted by ブクログ

    男の仕事、女の仕事、それぞれの役割分担。でもそんな常識おかしいと考えるきっかけをくれる本。中学生から。

    0
    2022年12月11日

    Posted by ブクログ

    大人や知っている人に言われると反発したり、素直に聞けなかったりすることが、別世界からの声として入ってくると、妙に受け入れてしまう、
    その気持ちをよく表現してるし、
    家事労働とは何か、を考えないといけない今を生きる子どもたちを表現してると思う。

    0
    2022年10月22日

    Posted by ブクログ

    10代向けに書かれた本と思って読んだけど、もっと幅広い年代にも読んでもらいたいなぁ。
    ジェンダーバイアスは、生活の中や言葉の端々、親族家族の中で脈々と流れてきた何かの中に沁み込んでて、取っ払おうと思えば思うほど、意識しすぎて、今度は反対方向にぶれちゃったりする。
    でも、この本を読んで、「自分のことは

    0
    2025年05月18日

    Posted by ブクログ

    ジェンダーのバイアスがうまく表現されていると思った。
    普段の生活の中に、男だから、女だからという役割分担が未だに存在して、生きにくさを感じる人は多いと思う。生きにくさまでは感じないけれど、もやもやを感じているのは、まさに自分もその一人。

    ここでは、女性の役割として家事全般が多く挙げられているけれど

    0
    2025年03月05日

    Posted by ブクログ

    シリーズ2作目だけど、断然こっちのが読みやすい。
    将来の危機のため、未来の僕が乗り移ったネコという設定も、前回よりも重くなく、男女問わず手に取れる。
    日本ならばこのバイアス特に考えるべき。

    0
    2023年02月19日

    Posted by ブクログ

    日本社会のジェンダーバイアスについて、中学生男子の目線から見た物語。
    共働きの両親と妹の4人家族と祖父母世代の家族について考える。
    世の中が変化してきているとはいえ、全然変わらない人たちも多い、難しい問題。祖父母を嫌う理由がわかる。普通って何だろうを考えるはなし。

    0
    2023年01月13日

    Posted by ブクログ

    題名がキャッチー。何を考えたことないんだろう?ってとこから気になった。
    内容は堅苦しく言うと、男の役割と女の役割の固定観念を打破しようってことかな?でもそれだけじゃなくて、男とか女とか関係なく思い込みはキケンだってことも教えてくれている。
    おじいちゃんが、孤独死する前に変わってくれてよかった。
    こう

    0
    2022年12月18日

考えたことなかった の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / 児童文学
  • 出版社
    偕成社
  • ページ数
    160ページ
  • 電子版発売日
    2023年05月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    9MB

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