考えたことなかった

考えたことなかった

1,386円 (税込)

6pt

ある日、ネコに声をかけられた。
「わたしは、未来のおまえなのにょー。」
このままだと、おれの将来、たいへんなことになるらしい。

いったい、どうして?

知らないうちにさせられてる競争。
「ふつう」は男子がおごるもの?
おばあちゃんがなんでもやってくれる祖父母の家の「居心地の良さ」。

どこかでつながりあった社会のしくみに気づいて
考えはじめる男の子の物語。


:::::::::::::::::::::::::::::

なんでおれだけにさせるんだよ。なんでおじいちゃんはやらないんだ。おじいちゃんは男で、年上だから、やらなくていいのか。
泡だらけの皿を洗いながら、イライラしてくる。
なんにもしないおじいちゃんを横目に、おばあちゃんはこうやって、いつもひとりで家事をやっていたんだろうな。
だけど、おばあちゃんがぜんぶやってくれるから、おれも居心地がよかったんだ。
そう思うと複雑な気分になる。
ふと、陽菜子の話を思いだした。
『おばあちゃんは、わたしにだけ手伝わせるんだよ。』
でも、そうか。おばあちゃんは、陽菜子にはさせるんだ。
ということは、どういうことだ?
おばあちゃんは不公平に腹を立てているけど、陽菜子には不公平なことをするということか。
『どうしてわたしばかり家事をやらされるの? なんでおにいちゃんはしなくていいの?』
以前、陽菜子がお母さんにそう訴えていたときも、そんなに怒ることかよ、と颯太は最初、うっとうしく感じただけだった。
だけど、不公平をされるほうは、すごく腹が立つんだ。でも不公平をするほうや、不公平に関係ないと思っているほうはピンとこないんだ。


(本文より)

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考えたことなかった のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月27日

    「いいたいことがあります」の続編。
    今度は兄の颯太が主人公。
    一度退職しても再就職しやすい世の中になってほしい。そして、男女ともに家事をやる世の中になってほしい。でも、私が台所に立っている時はじゃまされたくないなあ。一緒にやるより分担したい笑

    0

    Posted by ブクログ 2023年04月22日

    ある日、颯太はネコに声をかけられた。
    「実は、わたしは未来のおまえなのだにょー。」

    どうやら未来の颯太は、妻に家を出ていかれて、一人さみしく死んでしまいそうになっているらしい。そこで、ネコの姿になり、そうならないよう若い颯太に忠告しにきたのだ。

    家事はぜんぶ女の人がやるもの? ふつうは男子がおご...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月11日

    男の仕事、女の仕事、それぞれの役割分担。でもそんな常識おかしいと考えるきっかけをくれる本。中学生から。

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    Posted by ブクログ 2022年10月22日

    大人や知っている人に言われると反発したり、素直に聞けなかったりすることが、別世界からの声として入ってくると、妙に受け入れてしまう、
    その気持ちをよく表現してるし、
    家事労働とは何か、を考えないといけない今を生きる子どもたちを表現してると思う。

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    Posted by ブクログ 2023年02月19日

    シリーズ2作目だけど、断然こっちのが読みやすい。
    将来の危機のため、未来の僕が乗り移ったネコという設定も、前回よりも重くなく、男女問わず手に取れる。
    日本ならばこのバイアス特に考えるべき。

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    Posted by ブクログ 2023年01月13日

    日本社会のジェンダーバイアスについて、中学生男子の目線から見た物語。
    共働きの両親と妹の4人家族と祖父母世代の家族について考える。
    世の中が変化してきているとはいえ、全然変わらない人たちも多い、難しい問題。祖父母を嫌う理由がわかる。普通って何だろうを考えるはなし。

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    Posted by ブクログ 2022年12月18日

    題名がキャッチー。何を考えたことないんだろう?ってとこから気になった。
    内容は堅苦しく言うと、男の役割と女の役割の固定観念を打破しようってことかな?でもそれだけじゃなくて、男とか女とか関係なく思い込みはキケンだってことも教えてくれている。
    おじいちゃんが、孤独死する前に変わってくれてよかった。
    こう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月14日

    祖父母の家の近くで猫に「わたしは、未来のお前なのにょー」と話しかけられ、困惑する颯太。

    勉強や野球部の自分のこともあるのに
    家では働きだした母と中学受験を控える妹と
    家事を一緒に共有するようになり、ますます大変さが増す颯太。

    祖父母の家に行くたびに出会うしゃべる猫。
    少し下がってしまった成績、後...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月18日

    「いいたいことがあります!」の続巻。
    前巻では。学校が遠い、部活があるなどのの事情でお手伝いをさせられなかった兄が主人公となる。物語は初めから突然、「にょい」となき、言葉を喋るネコに出会うところから始まる。届け物に行った祖父母の家のことや、部活でレギュラーを脅かされる新人が出現したり、同級生の女子と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月21日

    男だから、女だから。
    古い価値観を何の疑問もなく受け入れるのではなく、少し考えてみれば、世界は広がるし、物事はスムーズに動く…かもしれない。頭カチカチになる前にこういう考え方を学んだ方がいいのかも。

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考えたことなかった の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / 児童文学
  • 出版社
    偕成社
  • ページ数
    160ページ
  • 電子版発売日
    2023年05月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    9MB

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