長谷川まりるのレビュー一覧
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ネタバレLGBTQやSOGIについての学習が行われている今、若者のほうが同性愛に理解があり、考え方が柔軟だなと感心します。それにひきかえ親世代はカッチカチ頭でいろいろ決めつけてかかってくる…(ハルにキツく当たってくる同級生、親のステレオタイプを引き継いでるんでしょうね…)描き方は軽妙ですが、リアリティがあります。LINEで写真が拡散される辺り本当にリアルです。笑
文体、展開、読みやすく引き込まれるので、小学校高学年辺りから読めるのではないでしょうか。「レズとかキモ」と言い出す前に読んでほしい作品。
ほかの方も書かれていましたが、翔太渋いです。 -
Posted by ブクログ
読み終わった。うう。誰かワサビ入れましたか?
最寄りの本屋さんで、西村ツチカの装画に目が止まり、著者、長谷川まりるで購入を決めた。『杉森くんを殺すには』が素晴らしかったので期待を込めて二作目。
全体的に死の匂いがしていて、主人公の二人の少年はイライラしているのと可愛げのないのとで、鬱屈とした空気が流れている。読んでいて辛い箇所もあって、中断しながらもゆっくり読んだ。個人的にはもう少し明るいシーンがあると助かるが、独特の静けさが本書の魅力になっているとも思うので難しいところだ。
マイナスからのスタートで、今やっとゼロ。というか最後に至ってやっとスタートを切れたのだけど、人生には意外とよくあることなのかも。人が苦しんでいる事って隠されがちなので中々周りに伝わらない。知るのは終わったあとだったりする。その苦しみの伝わらなさや孤独さは『杉森くんを殺すには』でも描かれていたように思う。難しいテーマだが、安易な答えを出さない姿勢が素晴らしいと思った。
料理は栄養を摂ることか目的だけど、それ以上を求められがちだ。より美味しくしたり、綺麗に盛り付けて誰かを喜ばせたり。料理を題材にした作品だとそちらに向かいがちだが、そもそもの「栄養を摂る」ことに立ち返るようなストーリーになっていて、児童文学作家の矜持を垣間見た。怪我や病気だったりでうまく食べられない人も沢山いる。弱いときの気持ちに寄り添うような、かまくらで食べるお雑煮のような(?)、滋味に溢れた小説でした。 -
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ネタバレ児童向けなのでさらさらと読める
全て言語化しなきゃダメ?や周りの大人が対応しなきゃいけなかった、など、共感した。
日頃から、推しなど依存先は多い方がいいよ、1番の推しは自分でいてね、と子ども達に伝えているので、依存先がたくさんあればそれば自立、という言葉にも納得。
中2の娘も面白くて数時間で読破してくれて嬉しかったが、こういうのって結局恋愛に結びつけるね、と…恋愛に興味がある年頃がターゲットだしね
主人公は悩みながらも、自分の気持ちを良子さんや矢口くんに伝えるのが上手だな。
下手な相槌やアドバイスをせず、話を聞く、大人に大事なスキルだなと身が締まる思い。 -
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「杉森くんを殺すことにしたの」
高校1年生のヒロは、一大決心をして兄のミトさんに電話をかけた。ヒロは友人の杉森くんを殺すことにしたのだ。そんなヒロにミトさんは「今のうちにやりのこしたことをやっておくこと、裁判所で理由を話すために、どうして杉森くんを殺すことにしたのか、きちんと言葉にしておくこと」という2つの助言をする。具体的な助言に納得したヒロは、ミトさんからのアドバイスをあますことなく実践していくことにする、というお話。
児童書に分類されるらしいですが、中々読み応えがありました。
ネタバレしない範囲で言うと、思春期の高校生の複雑な頭の中を言語化したような、言葉がどんどん溢れてきてしまうような文章がとても魅力的でした。
「杉本くん」のようなケースはあまりないかもしれませんが、登場する誰かには共感ができて、そこから学びを得ることができるのではないでしょうか。
環境の変化を受け入れることの難しさを感じた人には是非手に取っていただきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ児童書だけどそう思わせないぐらい面白い展開。最初に殺したいと言った時はギョッとしたけど、まさか自殺やグリーフケアの話に繋がるとは。すごく良くできているし、読ませる。最初ん?って思ったことがどんどん見え方が変わっていって明らかになるという展開で面白い。さらに学びもある。最初はくん付けだからクラスにいるわがままで嫌な男の子だと思っていたけど、女の子だったし、わがままなんじゃなくてヒロにしか心のうちを開かせなかったのか。大人にも子どもにも読んでほしい。素晴らしい本。ミトさんも大人として、対応しなかったのは悪かったと思ってるところまであるのがすごいなと思った(語彙力)。一つのことに頼っているのは依存だけど、依存先が複数あればそれは自立。覚えておきたい言葉。
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Posted by ブクログ
ネタバレ児童書好き仲間の紹介で読みました。ドキッとする刺激的なタイトルと、それに逆らうようなかわいいイラストの表紙絵。
ページを開くと「もしあなたが悩みや不安をかかえてこまっているときには、相談できる場所があります。」と書いてあって巻末に相談先が掲載されている。
う~ん、なんかモヤモヤするな~。
読んでみると、よく考えられた構成の物語だと思いました。
主人公ヒロは複雑な家庭環境の中で生活している高一の女子。以前からの友人杉森君に不満があり、殺したいと思い、その理由を15個考えながら物語が進みます。
その中で徐々に家族のことも杉森君にしてあげられなかったことの後悔も整理されていきます。
結末には納得するけれど、なんかモヤモヤするな~。
モヤモヤの理由その1
これって児童文学なの?それともYA向けの心の問題予防啓発のための実用書なの?
あとがきの解説が心理士の人だったり、最初に書いたけれど
相談先リストを巻末に載せていたりして、誘導?。
文体が若い人の口語体なのに反して、心理士の解説が生真面目な分析調なのもとても違和感ありました。
もしかして、この本を読んだせいで自殺やリストカットする人が増えたり、出版社に苦情が来ると困るから相談先を書いたのだろうか、なんて勘ぐったりもしました。
モヤモヤの理由その2
この物語には素敵な大人もひどい悪人もでてこない。ちょっと天然な感じの主人公が15回もかけて、まわりくどく杉森君を殺す理由を考えてる。それは何故なんだろうとモヤモヤしながら考えました。
物語の後半に
「けんさくすればすぐにわかることだった。なんで私はすぐに調べなかったんだろう。今みたいに指ひとつ動かせばすぐにわかることだった。手に取るように簡単に」
と主人公のヒロに言わせています。
そうか、ここが著者が言いたかったところなのかもと思いました。
今の世の中は検索すればすぐに答えが出てくるから、
だからこそ早わかりせず15回かけて
「なぜ杉森君を殺したいのか」(なぜ杉森君は死んでしまったのか、なぜ止められなかったのか)
考える必要があったのかも知れません。
読んだ私もモヤモヤしながらいろいろ考えることができた物語でした。
小学校高学年から大人まで向け。第62回 野間児童文芸賞を受賞。映画化されるそうです。