長谷川まりるのレビュー一覧
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いつ自分や大切な人たちが精神的に追い詰められるか予想できないからこそ、備えるためにも読んでおきたい1冊。
ヒロが杉森君を殺す理由を言葉にする過程で、自分の感情に向き合い、受容していく姿を描いた物語。
対象年齢の読者である中高生には、悩みにどう対応していくか学べる本でもあり、対象年齢を超えた大人にも、支える側としてどう接するのが良いのか学びがあった。
「一か所だけに執着してたら、依存なんだって」
このフレーズから、執着するという状態は自分で感情や状況をコントロールできない好ましくない状態で、執着しないために他の選択肢を選べる視野の広さや心の余裕、選択肢を持てる状況を作っておく必要があると思 -
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ヒロの心が揺れて荒れていることがわかって、かつて自分にもこのような時があったなと客観的に見れる内容だった。
刑務所行く前に「やり残したことをやる」というのは、今の自分にもいいなと思った。あと4ヶ月ほどで日本を旅立つ身として、とりあえずやり残したことを片っ端からやるのにはちょうど良い期限だと思った。
心の情緒が不安定な時期特有のどうにもできない、どうにもならない気持ちが表れていて共感できた。でも最後は自己受容できるところまで落ち着いて周りの支えでそうなれたんだなと思った。自分も依存先めっちゃ増やしたいと思った。
彫刻したりするのも心の安寧が保たれて良いのだろうなと思った。自分も絵を描く時す -
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ネタバレ
長谷川まりる作品3冊目
『杉森くんを殺すには』『お絵かき禁止の国』と読んできたけれど、本作は初のファンタジー(非現実)要素がある。あと、三人称叙述(かなり主人公に焦点化はしているが)。
特定の生き物などを物理的に引き寄せる体質の「呼人」が制度的にも一応包摂されている現代社会を舞台にした、呼人やその周りの人々の物語が6つ収められた短編集。
明らかに、呼人は現実に存在する、偏見と抑圧と差別に晒されるいろんなマイノリティのファンタジックな比喩として読める。他の作品でも一貫して、周縁的な立場の人々、特に子どもたちに寄り添った物語を紡いできた作者だからなおさらだ。
その上で、第5話「男を寄せる -
Posted by ブクログ
『杉森くんを殺すには』の著者、長谷川まりるさんの最新作。心に大きな傷を負った女子高生の再生に向けたファンタジーな物語。
心に傷を負い、高校を退学し、母と二人で祖母が住んでいた田舎に引っ越してきた梓未。古い家を改築し、花屋を営む母を手伝い、通信制の高校で学び始めた。そんなある日、屋根裏部屋の小窓をのぞくと咲く季節が違うはずの花々が咲き乱れる不思議な花畑を見つける。その花畑は古めかしい浴衣のような和装の女性〝ひい〟が世話をしていた。彼女と仲良くなった梓未は、美しい花と自分が持っていたものを交換してもらうようになるが、次第にひいの態度が変わっていき……。
ちょっとホラーなファンタジー。200ペー