【感想・ネタバレ】YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colorsのレビュー

あらすじ

女子校に進んだわたし。男子の目を気にしなくていい女子校ライフって最高! でも、共学に進んだ大好きな幼なじみには恋人ができたらしい。やっぱり女子校なんて最悪!?(『女子校か共学か、それが問題だ!』小林深雪)

変わり者のわたしは、友達のミッコが好き。ミッコがくれるチョコは夢のように甘いから、いつだってわたしは泣きたくなる。だけどミッコには彼氏もいて、わたしにも事情があって──。(『チョコレートの香りがするね』にかいどう青)

お父さんは悪い人じゃない。でも、一緒にお風呂に入りたがったり、スカートをめくろうとしたり、ちょっと疲れる。そんなある日、クラスメイトのみやびが父親によって暴力を振るわれていることを知ってしまう。私のお父さんなんて、全然マシ?(『チキンとプラム』長谷川まりる)

千歳とつきあっている真結は、「そろそろ隠すのをやめない?」と提案をされ、動揺する。レズビアンだとカミングアウトすることへの不安と、千歳に嫌われてしまうかもしれないという不安。セクシャルマイノリティについての本には、無理にカミングアウトすることないって書いてあったけど……。(『いわないふたり』如月かずさ)

「ピュア」で「コドモっぽい」僕は、みんなのエロ話に付いていけない。急にみんながオトナになってしまったみたいだ。廊下でティッシュだと思ってナプキンを拾ったときも、大騒ぎになった。どうやったらオトナになれるんだろう?(『羽つきスキップ』水野瑠見)

クールな安寿に、どこか憧れる栞。しかし安寿には手のかかるいとこ、咲留がいた。少しずつ二人の事情を知っていくなか、ふと安寿がこぼす。「役に立たないから、期待されないから、廃墟が好き」だと。(『いつかアニワの灯台に』菅野雪虫)

◆ ◆

心と身体を取り巻くあれこれ。「今」を生きる児童文学作家がジェンダーと中学生をテーマに物語をつづります。
六人の児童文学作家のほか、イラストと漫画は『少年ノート』『ヒラエスは旅路の果て』の鎌谷悠希が担当。漫画「Peony」では、ジェンダーがまとう「香り」をみずみずしく表現。
ここでしか読めない、珠玉のアンソロジーです。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

YA!ジェンダーフリーアンソロジー。いわゆるLGBTQだけでないテーマが描かれている。
「男女」に縛られてないか、「普通のこと」と考えるのを停止してないかと問われる想いが胸をつく。
執筆者は小林深雪、にかいどう青、長谷川まりる、如月かずさ、水野瑠見、菅野雪虫、鎌谷悠希。

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2024年12月20日

Posted by ブクログ

ジェンダーフリーアンソロジー。
性に悩む中学生たちが主人公。ほろっときたり切なかったり可愛かったり、感情が忙しかった。
惜しいのは男の子目線が少なかったところ。男の子主人のジェンダーフリー短編集、ぜひお願いします。


よかったのは、にかいどう青さんの「チョコレートの香りがするね」と長谷川まりるさんの「チキンとプラム」。
にかいどう青さんの短編、あまりにも好きすぎるな、とずっと思っていたんだが、さすがに今回完全に射抜かれた。いやーあまりにもお見事。残酷なくらい切ない。ホラーのほうも読んでみることにする。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

ジェンダーフリーアンソロジー、ふーんと読んでみましたが、すごい! YAや児童書はジェンダーの問題をきちんと語る作品は多いですが、最先端も最先端の話がずらっと並んでいて全くゆるみのない仕上がり。作品ごとにテーマ分けもされてるし、話のバランスもいい。非常に優れた仕事だ。

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2023年11月20日

Posted by ブクログ

こういう本が、小学校や中学校の図書室にあってほしい。ジェンダーについてだけじゃなく、他のさまざまなことについても、いろんな考え方や生き方があっていいんだって思わせてくれる本だから。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

児童書でこういったアンソロジーがあるのかと、とても新鮮だった。わたしが子供の頃にはなかった。
ジェンダーフリーアンソロジー。
世界は日々変化していっているのだな。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

現在活躍中で人気の児童文学作家さん達の
中学生にも納得できる
ジェンダーフリーアンソロジー

こんな素敵なアンソロジーが読める中高生は
なんて恵まれているんだろうと感動さえしてしまいました
朝井リョウさんの「正欲」をはじめ
ジェンダーフリーを難解にしすぎているのかもしれませんね
昔の中高生には、少し物足りないところもあるかと思いますが、6人の作家さんにもとても興味を持ちましたので、作家と作品を記録しておきます

「Peony」
漫画 鎌谷悠希
2000年月刊Gファンタジー「華屋」デビュー
2008年「隠の王」テレビアニメ化
peonyはお花の芍薬
男女による香りの性別の違和感

「女子高か、共学か。それが問題だ!」
小林深雪
1990年デビュー
青い鳥文庫 「泣いちゃいそうだよ」シリーズ
漫画原作「キッチンのお姫さま」
第30回講談社漫画賞

女子高こそジェンダーフリー⁉︎
と、好きな幼馴染と別の中学になり
幼馴染の男の子に紹介された好きな人の考え方
本当の平等なミライを感じる

「チョコレートの香りがするね」
にかいどう青
青い鳥文庫「ふしぎ古書店」シリーズ
講談社タイガ「7日目は夏の扉」

MtF、FtM、 SOGI
このソジという性的指向への思考

「チキンとプラム」
長谷川まりる
2022年第53回日本児童文学者協会新人賞
「お絵かき禁止の国」
2024年野間児童文学賞 「杉森くんを殺すには」
2025年第7回ほんま大賞「呼人は旅をする」

父親の昭和的家庭内セクハラジョークへの対抗
家庭での話し合い
家庭で性的な意見を言って解決できてこの家庭がすごく良い
これは読み込んでしまった
確かに昭和の時代、鳥肌が立つほど気持ち悪い
状況があったんですよ

「いわないふたり」
如月かずさ
2012年第45回日本児童文学協会新人賞
「かえるの歌姫」

少女達のセクシャルマイノリティ

「羽つきスキップ」
水野瑠美
2014年第59回講談社文学新人賞「14歳日和」

少年が知る大人になる為の知識と優しさ
羽付は、例の羽付です

「いつかアニワの灯台に」
菅野雪虫
2005年第46回講談社児童文学新人賞
「ソニンと燕になった王子」

母娘と娘の友人達と
子供という呪縛
性別にライフプラニングという固執

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

ジェンダーフリーがテーマのアンソロジー。
「チキンとプラム」「いわないふたり」「羽つきスキップ」が好きだった。
いろんな作家さんの雰囲気の違う作品が読めておもしろかった。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

このご時世に必要とされる短編集。欲を言えば、女の子が主人公ばかりだったので、男の子(体が男の子の人間)に寄り添った話がもう一編あると良かった。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

児童書の棚で見つけた。大人でも難しいLGBTQをどう扱うのか?(この本はそれだけでは無い)
当事者の多くは自己肯定感が低く悩んで成長していくらしいが、ここでは肯定していいんだといっている。
自分の感覚を大事に、他人の感覚も尊重して。

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2023年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

改めて有名な作家さんの集まりだと思いました。
ジェンダーに関連した深い、不快、日本の人間関係が漫画も入れて7作品。視点が全て違って、タメにもなる。

①男の匂い、女の匂い。個人の好みで男女関係ないのでは?
②男性が好きな男性を好きな女子。
③性自認が女性で女性が好き。
④父親の愛情表現がセクハラ。家族の対応も不満。
家族観。
⑤女性が恋人の女性。男性が好きな女性で距離感が近い人がいる。誤解されたくない。カミングアウト。
⑥性への関心と誤解。コドモっぽいとは。女性の生理と自分にできる事。
⑦男尊女卑。優しい、いいことは。

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

中学生が主人公でジェンダーフリーがテーマの短編集。巻頭の漫画の鎌谷悠希さんが各短編の扉絵も書いていて、とても良い。

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2023年09月11日

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