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後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年11月30日
言わずと知れた古典文学。
散文形式で書かれた内容は、宮廷生活や本人の読書体験により培われた記憶が映し、心に移りゆく由無し事。
人生の理想の過ごし方に対する思索を時折挟みながら、自由に、それでいて秩序ある連想を続けていく。
意訳をふんだんに取り入れた現代語訳により、原文を直接読むよりも、はるかに読み...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月11日
卜部兼好(1283頃~1352頃)によって書かれた徒然草は十五世紀半ば以降、すなわち、没後約100年後に歌人、連歌師そして武士たちによって脚光を浴び始めた。実は生前から注目を集めていたわけではなかったのだ。
古典作品は初めから古典だったわけではなく、いったん忘れられた後誰かが価値を再発見し、作者の隠...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月20日
「通読できる徒然草」…まさに、古典を普通の読み物として読むことを叶えてくれました。
嬉しいし、楽しい。
現代語訳の良さはもちろん、注と評が最小限で邪魔しない。
古典は注釈や評などでお勉強感が漂い、
『読書中に先生がしゃしゃり出てきていちいちうるさい』感じがして萎えてしまってましたが(笑)、
通読す...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月03日
著者の吉田兼好は無欲恬淡の隠者として語られることも多いところですが、実態は30歳で朝廷を辞して田畑を購入、これを小作人に貸し出して年貢米を得るという理想的アーリーリタイアを成し遂げた人でもあります。
そんな高等遊民としての兼好の思想がにじむもの。
○自分が高貴な身分であれ、ましてものの数でもない...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月29日
ちょっと前に鴨長明の「方丈記」を読んだので、今度は、兼好の「徒然草」です。
「徒然なるままに、日暮らし、硯に向かひて、心にうつりゆく由無し事を、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ・・・」
冒頭の一節はあまりにも有名です。中学・高校の古文のテキストでもお馴染みですが、私も当時は...続きを読む
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