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己は人間として「失格」なのだと断ずる男・大庭葉蔵は、三つの手記と三葉の写真を残して消えた。1948年、入水直前の太宰治が筑摩書房の雑誌「展望」から放った異端にして普遍の世界的人気作。初版単行本表紙&本作冒頭の直筆原稿を掲載したカラー口絵付き。
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Posted by ブクログ
内なる葛藤が激しく、脆く、恐ろしい。周りと違うことを憐れんでいるようで、己を特別な存在だと思っているようにも見えた。そんな穿った見方をするのは私の歪みだろうか。身に覚えがあるからか。叫びのような言葉を浴び続けてしばし放心。圧倒されて夢中で読み耽った。最高。
人間失格は新潮文庫で3回読んでるが、帯の場面が大好きなのと他の人の解説を読みたくて購入。自分へのクリスマスプレゼント。 帯の「それは世間が許さないではない。あなたが許さないのでしょう」という場面が1番好き。ずっと心に残ってる。筑摩書房がそこに焦点を当ててくれてこの上なく嬉しい。SNS上の不毛なやり取...続きを読むりにも通ずるものがある。 古典の条件は時代が変わっても新しいことにあるというが、その定義でいうと人間失格は間違いなく古典。解説にもあったが、現代の問題意識に通ずるものがある。 解説も名文だったな。気軽な気持ちで読んで欲しいというのが頭に残っている。筑摩書房と太宰の関係も知れてよかった。
人と関わることへの恐怖や自己否定の感情が、痛いほど率直に描かれていると感じた。 主人公は常に他人の顔色をうかがい、道化を演じることで社会に適応しようとするが、その姿は次第に自分自身を追い詰めていく。 有名なフレーズ、「恥の多い生涯」という言葉に象徴されるように、主人公が自分を許せず、社会からも切り...続きを読む離されていく過程は、弱さや醜さを隠さずにさらけ出す語り口でやや不快ですらあるが、その正直さゆえに強い説得力を持っており、それに惹かれ読み込んでしまう。 暗く救いのない物語でありながら、人が人として生きることの難しさを突きつける作品である。 読む側の心の状態によって、共感にも拒否にも変わる点が、何度も手に取り、読んでしまう理由なのだろう。
大なり小なり人間は仮面をかぶっている。主人公は幼少期にそれを隠しながら生きていく。周囲を喜ばせるためのおどけをやったり。自分にも思い当たるところがある。自分の子供もそのような行動を幼児の時からやっている気もする 初めてのオーディブル小説。ナレーションもよく大変満足
葉蔵の孤独や生きづらさは、本当に特殊なものなのだろうか? 自分は「世間」とは何かがどうも異なる。決して理解し合ったり心を許すことができない。だけど道化で「世間」に紛れ込む。 誰かの書評を見て、自分と主人公は重なる部分があるのではないかと思ったことがこの本を読んだきっかけだった。 葉蔵は容姿に...続きを読む恵まれ、面白いことも言える。これは、人間社会で生きていく上で大変な武器だと思う。たとえ自分と世間との隔たりを感じても、葉蔵は社会に受け入れてもらえているではないか。だから葉蔵はなんて贅沢なんだろうと思った。 でも、容姿が良かったことがかえって葉蔵を甘やかし、不幸になってしまったのではないかと思う。女性から言い寄られ、かりそめにも孤独を癒すことができてしまった。自分から努力して相手を理解する必要が無かった。自分が優しくしなくても、葉蔵は誰かに救ってもらえた。 ヒモのようになってしまえば、一生懸命働く必要も無く、現実的な悩みが少ないため、悪く言えば暇で、より葉蔵の関心は内に内にと向かってしまったのではないか。 自分の内面を見つめすぎて、囚われすぎてしまうと、どんな人でも破滅できてしまうと思う。 葉蔵が「こうである」と評価した周りの人々1人1人は本当にそれだけの人間だったのだろうか?例えば捕まった時に話しかけて来た刑務官や、その後面倒見役になった人など。 葉蔵は「優しい」と評されていたけど、一緒に自害しようとした女性のことを何とも思わなかったり、その女性の家族のことも考えず、恐ろしいほど人に無関心で薄情だと思った。 それこそがこの本のテーマだったのだろうか? 葉蔵の1番の生きにくさは、人に関心を持てないことでは無いか? 一回では理解しきれず、感想が難しくうまくまとまらなかった。 けど、同じ境遇でも、葉蔵が容姿に恵まれていなかったら、もう少し平凡に生きれていたかもしれないとは思う。
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