国内文学作品一覧

  • 辻邦生電子全集 3巻 後期長篇小説(ロマン)『嵯峨野明月記』『西行花伝』ほか
    NEW
    -
    “美”に生きる日本の人々を描いた長篇『西行花伝』『嵯峨野明月記』を中心に、関連エッセイ、談話等33篇を収録。 “美”に生きる日本の人々を描いた長篇『西行花伝』『嵯峨野明月記』『江戸切絵図貼交屏風』と『式子内親王集・建礼門院右京大夫集』の現代語訳を中心に、関連エッセイ、談話等33篇を収録。上記4作品はいずれも「小説=ロマン」という形式の中で、回想的な「語り」を通して、過去と現在、生と死、美の終焉と再生が交錯する精神的空間を立ち上げている。 『西行花伝』は、「新潮」1991年1月号から1993年6月号まで全24回にわたって連載された長篇小説で、第31回谷崎潤一郎賞を受賞した。平安時代末期の歌人・西行の生涯を彼自身の内面や周囲の人物たちの視点から壮大に描き出した歴史小説で、同時に人間の愛や苦悩、芸術に生きることの意味を問いかける辻の文学観の静かにして熱い到達点ともいえる作品である。 『嵯峨野明月記』は、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)・俵屋宗達(たわらやそうたつ)・角倉素庵(すみのくらそあん)という三人の芸術家が交差する、戦国時代から徳川時代の初期を描きながら、辻自身の日本文化との和解へと至る精神の軌跡も内包した作品。 『江戸切絵図貼交屏風』は、武士の身分を捨てた浮世絵師・歌川貞芳を主人公に、江戸の人情や風景、芸術を語る短編集。「語り」の舞台は江戸の風景を地図と身体、記憶と風俗の交錯によって創作されている。 『式子内親王集』『建礼門院右京大夫集』の現代語訳は、創作と並行して行われたもう一つの「語り」のかたちであり、原文の詩情を現代語に再現しようとする繊細な試みは、単なる翻訳ではなく、古典に対する敬意と創作的再解釈が静かに共存した詩的感興の再創造としての営みでもある。さらに「江戸の匂い」「時間の地平のなかの西行」等の関連エッセイ、談話等33篇を録している。 解説は美術史家で学習院大学名誉教授・小林忠氏が担当。付録として『嵯峨野明月記』創作ノート、『西行花伝』自筆原稿革装本等を収録。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 浮世床
    NEW
    -
    同じ作者式亭三馬による「浮世風呂」の姉妹編で、江戸滑稽本の代表作の一つ。「浮世風呂」に出る風呂屋の隣にある「浮世床」は江戸庶民の社交クラブともいうべき場所で、そこにあつまるひとびとの生態を精密にして軽妙な会話によってえがきだしている。床の主人鬢(びん)五郎、その女房、下剃りの留吉(とめきち)が店をかまえるなかに、楽隠居、素読の先生、上方者、籠舁き、櫛屋、居候の飛助などが、つぎつぎに顔を出す。てんでに勝手なことを言い、小さな喧嘩が起こるかと思うと談論風発、すぐまた新しい客と入れ替わる。三馬は3編を出す予定だったが果たせず、巻三は瀧亭鯉丈が書いた。本書はその初編部の完訳である。三馬は古本屋を開くなどしたあと、19歳で処女作の黄表紙を発表。34歳で代表作『浮世風呂』を発表した。一方、自家販売の化粧水「江戸の水」を売るなど商才にも長けていた。
  • 竹取物語
    NEW
    -
    1巻440円 (税込)
    現存する日本最古の物語であり、「かぐや姫」として有名。竹取の翁(おきな)によって光り輝く竹の中から発見され、翁夫婦に育てられた「かぐや姫」を巡る奇譚である。当初の求婚者は5人、それぞれ難しいものを持参するよう言われるが、それは「仏の御石(みいし)の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠(ひねずみ)の皮衣(かわぎぬ)」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」だった。結局、成功したものはなく、一人残らずすべて落第。最後には「帝(みかど)」が求婚するが…巻末には三谷栄一氏による「解説」を付した。
  • 小倉百人一首
    NEW
    -
    1巻770円 (税込)
    平安時代後期から鎌倉初期にかけて活躍した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰であると考えられ、百人の歌人の優れた和歌が一首ずつ選ばれ、年代順に配列されている。百首は「万葉集」から始まり「古今集」「新古今集」などの勅撰和歌集から選ばれた。本書には12人の歌人エピソードも収めてある。江戸時代には木版画の技術が普及し、「百人一首」は絵入りの歌がるたとして広く庶民に広まった。著者宮柊二氏は「戦後短歌のリーダー」として知られる歌人である。巻末には井上宗雄氏の「解説」、白洲正子氏のエッセイを収めた。
  • 好色一代男
    NEW
    -
    1巻1,100円 (税込)
    井原西鶴の処女作であり、当時のベストセラーになった出世作。好色一代男とは、色道の探求に生涯を賭けて悔いなき男という意味だ。その主人公である一代男こと世之介は、巨万の富を擁する上方町人の二世として生まれ、七歳にして恋を知り、六十歳には女護島遠征に船出したまま行方知れずになるが、それまでの五四年間を、一年を一章にする構成で五四章にまとめた好色一代記である。世之介は地方も含めてさまざまな場所に出向き、さまざまな遍歴をするが、主要な舞台は公許の廓(くるわ)で、粋(すい)という「遊興の美学」を描くことが西鶴の意図であった。巻末には西鶴全集の翻訳で知られる暉峻康隆氏による「解説」を収めた。なお「プライム」とは「グリンプス」とは異なり、古典のほぼ全巻の現代語訳を言う。
  • ヴィヨンの妻・桜桃 他九篇
    NEW
    -
    1巻1,100円 (税込)
    「私たちは,生きていさえすればいいのよ」(「ヴィヨンの妻」)――戦後の新時代への幻滅の中に書かれた諸篇が語るのは,深い虚無か,あるいは救済の可能性か.表題作他「冬の花火」「薄明」「トカトントン」「家庭の幸福」等,昭和二一(一九四六)―二三年,作家の最晩年に発表された一一篇を収録.(注・解説=安藤宏)

    試し読み

    フォロー
  • 保元物語
    NEW
    -
    1巻1,353円 (税込)
    平安末期,鳥羽院の崩御を機に,嫡子崇徳と同母弟後白河との間で王権をめぐる骨肉相食む争いが勃発,両者の確執は摂関家と武家をも巻き込み,国家を分断する一大抗争へと発展した.史上,保元の乱で知られる争乱をえがいた本作は,物語の名のもと,歴史の真実と人間存在の機微を深く見すえる.九十年ぶりの新校訂版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

    試し読み

    フォロー
  • 三島由紀夫を見つめて
    NEW
    -
    三島由紀夫の文学、思想、行動を包括的に論じる決定版批評集。エッセイでは著者自身の三島体験、作品論では『豊饒の海』四部作を中心に、その構造と思想的展開を緻密に分析。行動論では、映画への出演、政治的発言、東大全共闘との対話などを多角的に考察。又、故中上健次氏との1985年の対談を掲載し、巻末には、戦後の日本とイタリアを代表する文学者である三島とパゾリーニの架空の対話を描いた哲学小説を収録。異なる文化圏で似た運命をたどった二人の邂逅を通じて、文学と思想、歴史と偶然が交錯する想像空間が展開される。三島理解の新たな扉を開く一冊。 平野啓一郎氏推薦――「絶対」を夢見つつ、徹底した相対化を通じてこそ、却って豊かな深みを開示する不思議な作家・三島由紀夫。本書は、多年に亘り、この大仕事を取り組んできた、最適任者による渾身の一冊!
  • 半自叙伝
    NEW
    -
    大流行作家にして文藝春秋社社長、直木賞・芥川賞創設者ともなる「文壇の大御所」……1888年、香川県に生まれた少年はいかなる道を走り抜け、あまりにマルチな才能を発揮する「菊池寛」へと成長したのか。文壇に頭角を現すまでの半生を決して気取らぬ筆致で記した「半自叙伝」をはじめとする随筆5篇の他、芥川龍之介が菊池の魅力を綴った「兄貴のような心持」を併録。解説 門井慶喜
  • 走れ!スーパー茜号
    NEW
    -
    1巻1,496円 (税込)
    【第2回ハナショウブ小説賞 opsol部門大賞受賞作】走り、立ち止まり、立ち止まり、走る。そうして日々は、進んでいく。 心も身体も、限界だった。 ハードワークが原因で体調を崩した宮沢祐介は、三十歳を前にIターン転職を決意。生まれ育った東京を離れ、人口二千五百人ほどの小さな町で、移動スーパー「茜号」を走らせている。 複雑な家庭に育ち、かつての恋人とはうまく付き合うことができなかった。過去の経験から、つい人との距離感に慎重になってしまう祐介だったが、茜号を通して繋がる町の人たちとの出会いが、深く傷ついた心を静かにほどいていく――。 “変わらない現実”の中で“変わる心”を描く、再出発の物語。 人生は、そう簡単には変えられない。 それでも、偶然出会ったこの場所で、俺は確かに救われたのだ。 【目次】 なみさんの梅干し 恐るべき公民館前の乙女たち 茂さんのカータルボレ 優しい気持ち 【著者】 小川マコト TVドラマ、アニメの脚本家として『世にも奇妙な物語』『dinner』『山田くんと7人の魔女』などを手掛ける(「小川真」名義)。 2024年『走れ!スーパー茜号』で第2回ハナショウブ小説賞opsol部門大賞を受賞し、同作にて小説家デビュー。
  • 鏡地獄(乙女の本棚)
    NEW
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第50弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし それは凹面鏡によって囲まれた小宇宙なのです。われわれのこの世界ではありません。 「私」には、鏡の魅力に取りつかれた友人がいた。彼の欲望は尽きることなく、ひたすら自らの世界を追求していく。 江戸川乱歩の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、 本シリーズでは『縊死体』、『駈込み訴え』、『春の心臓』、『人間椅子』、『死後の恋』、『瓶詰地獄』、『外科室』を担当する 大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 楽園
    NEW
    -
    1巻1,870円 (税込)
    これは前進か後退か? 幼い子供を抱えながら、日々の生活に疲弊する男。思い描く理想の人生と現実の狭間でもがき、ある決断を下そうとするが― 夫婦とは、家族とは何かを問う傑作小説。 「ことばとvol.7」掲載の「不服」に、書き下ろし作品「楽園」「パールライトタワー天王寺」を収録した、話題作『学歴狂の詩』の佐川恭一による最新小説! 蓄積した時間の厚みだけが二人をつなぎとめ、しかしそれは真に重要なものではない。確かにともに過ごした時間は、消え去ることのない絶対的なものかもしれない。だがそれだけだ。たんなる事実としてそれはあり、それに束縛されるかどうかは、これも信仰の問題にすぎない。 (『楽園』本文より) 【目次】 不服 楽園 パールライトタワー天王寺 【著者】 佐川恭一 滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。著書に『舞踏会』『シン・サークルクラッシャー麻紀』『アドルムコ会全史』『就活闘争 20XX』などがある。
  • 1836年天保六年 輪廻∞転生
    NEW
    -
    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 水え、見たことがあります 「貴方なら見たことがあるでしょうね 貴方によく似た女人の方です」御住職は続けた 「女人の方に名前を尋ねます」と 御住職は私を見つつ右斜め後ろに目をそらし 眼球を強め直視している 「女人の方の名前は…」顔をしかめて傾けて 「佐藤 チヨ」と御住職は確かめる様に言った 「年若く二十六かなぁ 逝去されている 今の貴方と同い年位かなぁ 五代前か」 そして御住職は更に続けた 「女人の方は、異性を探している 貴方が異性を求めて居るのでは無く 女人の方は、異性を待っている」と そして御住職は思いついた様に呟く 「貴方は女人の方の生まれ変わりかぁ」まさしく 輪廻転生 何故か その女人の方の生きざまを 知りたくなり、知る事となり  輪廻転生を書きまとめる
  • 三島由紀夫との六十年
    NEW
    -
    三島晩年の6年間身近にいた著者が問う三島由紀夫像。55年にわたり書き続けてきた三島論の集大成に最新論考を加えた増補決定版。
  • Θの散歩
    NEW
    -
    1巻2,200円 (税込)
    大江健三郎、荒川洋治、メルヴィル、カフカ、井戸川射子、加藤典洋、聖書、田中小実昌、武田百合子、村上春樹、ドストエフスキー、小島信夫を読むことが子育てに与える影響について 「小説家を目指す」人たちは、小説を書こうと構えるので、萎縮したり、型に嵌ったりして、何のために書きたいと思ったの? と思うんだけど、この人からは書く楽しさや自由が感じられ……濃密な時間の流れに浸っていると、人生で最も貴重な記憶が何年ぶりかでリアルに蘇ってきた。読んでいてほんとに楽しい。 保坂和志(作家) 【目次】 ZINE『小島信夫の話をしたいのだけれど』が話題を集め、『これは歯的な話』で第七回ことばと新人賞佳作を獲った富田ララフネ、商業デビュー作品。 【著者】 富田ララフネ 作家。1990年東京都生まれ。京都大学文学部卒。 ZINE『小島信夫の話をしたいのだけれど』が話題を集め、『これは歯的な話』で第七回ことばと新人賞佳作を獲った作家のデビュー小説です。
  • 月刊「潮」2025年12月号
    NEW
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年12月号 主な内容 【特別企画】 政治家の本分はここにある! “右の霧の中”に消えた自民党――高まる公明党の存在感。 牧原 出 ≪対談≫ 緊迫の北東アジアに対話と協力の装置を創出せよ。 遠藤 乾 VS 谷合正明 「ソブリン・ウェルス・ファンド」とは何か――日本再生の起爆剤。 澤田貴之 【特集】 極端化する世界 暴走トランプを止められない深刻な米国事情。 西山隆行 誰の心にもある排外主義を超える“妥協の美学”。 中井 遼 【ヒューマンストーリー】 村上大樹 度重なる医療への攻撃――日本人外科医が見た南スーダンの現実。  【対談】 東畑開人VS 尾久守侑 「心」はどこにある?臨床の知からさぐる人間の全体像。 【ルポ】 “五強の壁”を突破した創価大学の次なる照準――ドキュメント出雲駅伝。  酒井政人 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇 【シリーズ】 シニアのための「生き生き」講座 「終の住処」が見つからない――高齢者の賃貸のリアル。 松田 朗 【連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 四十歳を超えてからが私のスタートでした(それまでは予習)。 夏木マリ VS 鎌田 實 【新連載】 聖地を歩く――交わる死者、人、自然 自然と共に生きるアイヌ文化の精神。 佐藤弘夫 【対談】 今 陽子 VS 中江有里 年を重ねることで新たな自分を見いだす――そんな女性の物語。 【ルポ】 迫るインフラ老朽化から地域を守る技術者養成プログラム。 長岡義幸 【ルポ】 健康寿命の延伸に転倒・骨折予防がなぜ必要か。(上) 荒川 龍 【好評連載】 ニッポンの問題点 高橋 元 VS 田原総一朗/高島礼子の歴史と美を訪ねて 宮島達男 VS 高島礼子/世界への扉 三浦瑠麗/他 その他
  • 辻邦生電子全集 2巻 中期大長篇小説(ロマン) 『春の戴冠』ほか
    -
    古都フィレンツェを舞台に画家ボッティチェルリの生涯を描いた大作『春の戴冠』を中心に、関連するエッセイ10篇を収録。 ルネサンス末期のフィレンツェを舞台に画家サンドロ・ボッティチェルリの生涯を描いた大長篇『春の戴冠』を中心に、関連するエッセイ10篇を収録。 『春の戴冠』は、「新潮」1972年1号から1976年10月号まで全45回にわたって連載され、1977年に単行本(上下巻)として刊行された長篇小説。15世紀イタリア・ルネサンス期のフィレンツェの栄耀と没落を、メディチ家と画家サンドロ・ボッティチェルリや、人文哲学者マルシリオ・フィチーノ、およびその弟子ピコ・デラ・ミランドラ等のプラトン・アカデミアとの関わりを軸に、パッツィ家との対立、サヴォナローラの暗躍などを交えながら描く大作。 本作は「偽伝」という形式で、史実再現ではなく、都市と芸術の記憶を繋ぐ語りの方法を採用している。「偽伝」の語り手に設定されたのが、古典語学者フェデリゴという架空の人物で、羊毛輸入商の家に生まれ、修道院でラテン語やギリシア語を学び、のちにプラトン・アカデミアに連なる知識人となる彼は、幼少期からサンドロと交わり、生涯にわたってその芸術と生き方を見つめ続ける人物として描かれる。 画家サンドロ・ボッティチェルリの生涯と、ルネサンス期フィレンツェの盛衰を描く本作は、辻の小説の中でもとりわけ壮麗な構成と、美の倫理をめぐる深い問いを孕んだ作品。 当巻では「『春の戴冠』歴史紀行」等『春の戴冠』に関する辻のエッセイ文章14篇も収録している。 解説は美術史家で学習院大学文学部教授・京谷啓徳氏が担当。付録として『春の戴冠』」の創作メモ等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)
    3.0
    もういいかげん、ギャツビーのことを知る潮時が来たようだ――。いつかは読みたい、けれどなんだか敷居が高い古典名作の数々。国も時代も文化も違うそれらの世界は、自分と同じような悩みや、新しい友達のような登場人物や、生きるうえで勇気が持てる姿勢に満ち満ちていた! 『灯台へ』『ペスト』『カラマーゾフの兄弟』など、全92作の魅力をふだん使いの言葉で綴る、軽やかで愉快な文学案内。(解説・辻山良雄)
  • 夜叉ヶ池・天守物語
    4.0
    1巻572円 (税込)
    伝説を媒介に,二世界の恋愛を鋭く対立させた緊密な作劇法が光る「夜叉ヶ池」,戯曲にとどまらない鏡花世界の本源を示す「天守物語」.人間の本質を異界から鋭く照射しつつ,美と永遠の救済を求めてやまぬ感情の純度の高さとその尊さによって,「今」なお甦り続ける傑作戯曲二篇を収録(解説=澁澤龍彦・吉田昌志)

    試し読み

    フォロー
  • 東の国から 新しい日本における幻想と研究
    3.5
    日清戦争前夜,古代伝説の地出雲から,軍都の色彩を強めていた熊本に移住したハーン.旅の宿屋で夢のあわいに浦島伝説へと入りこんだような「夏の日の夢」,一つの心中事件を描いて日本人の〈信仰〉に迫る「赤い婚礼」他,〈詩人の直観と哲人の思索〉に基づく繊細な筆をもって書き綴った,近代日本の肖像.(解説=西成彦)

    試し読み

    フォロー
  • 百年の短歌(新潮選書)
    -
    1巻1,815円 (税込)
    森鴎外、樋口一葉、柳田國男、斎藤茂吉、中島敦、塚本邦雄、岡井隆、河野裕子、俵万智、穂村弘……。子規の短歌革新から始まり、前衛短歌運動、口語短歌などの広がりを見せながら、短歌は日々の暮らしと密着した詩型であり続けた。105首の名歌を懇切に鑑賞することにより、作歌へのヒントが学べるユニークな短歌入門書。
  • 燃ゆる頬(乙女の本棚)
    3.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第49弾は、文豪・堀辰雄×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし こうして私の脱皮はすでに用意されつつあった。そしてただ最後の一撃だけが残されていた。 寄宿舎に入れられた十七歳の「私」。学友たちとの交流を通じて、彼の中に何かが生まれつつあった。 堀辰雄の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集め本シリーズでは江戸川乱歩『悪霊物語』を担当するイラストレーター・粟木こぼねによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 伸子
    5.0
    1918年、作家を志す佐々伸子は留学先のNYで年上の研究者・佃に惹かれる。自由で対等な夫婦を夢見て結婚する二人だが、母の病で帰国してから歪みが露呈。佃の嫉妬や不機嫌での支配、あてつけの如き自己犠牲もさることながら伸子もまた実家から自立できないままだった。「妻」ではなく、ただ「人」として在るのは贅沢なのか? 著者の実体験に基づく女の立身の物語。解説 斎藤美奈子
  • 月刊「潮」2025年11月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年11月号 主な内容 【特別企画】 「閉塞ニッポン」を突破せよ! ≪対談≫ 「中道層」の存在感が、SNSの暴走から健全な社会を守る。 佐々木俊尚 VS 山本龍彦 長期低迷の日本経済が這い上がるための処方箋。 河野龍太郎 若い女性たちはなぜ故郷を去るのか――ジェンダー平等を求めて。 大崎麻子        【特集】漂流する民主主義 ≪対談≫ 持続可能な未来を考える(下)――対立や分断を煽る言説は破滅への道。  神野直彦 VS 井出英策 ≪連載対談≫ ニッポンの問題点  “親米”だけど“自立”――これが世界に示せる日本の外交戦略。  渡辺啓貴 VS 田原総一朗 ≪連載≫ 世界への扉   “石破退陣”ではわからない新興政党が支持された理由。 三浦瑠麗 【ルポ】 井上尚弥VSアフマダリエフ観戦記  「今回は判定勝ちでいい」こう言った時の王者は恐ろしく強い。 天野純希 【対談】人はなぜ“書かずにはいられない”のでしょうか。 上田岳弘 VS 中江有里 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇(2) 【特別インタビュー】 小泉 凡 小泉八雲とセツが夫婦愛で紡いだ『怪談』の世界像。 【特別インタビュー】 田部井進也 母・田部井淳子が教えてくれた“人生”という山登り。  【人間探訪】 伊原剛志 ≪対談≫ 日本の医療が抱える課題と未来への展望。 篠原文也 VS 松本吉郎 【ルポ】 大川原化工機冤罪事件――違法捜査はなぜ起きたか。 粟野仁雄 【ルポ】 他人とつながる認知症フレンドリーな町づくり。(下) 荒川 龍 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・森下洋子/高島礼子の歴史と美を訪ねて 宮島達男 VS 高島礼子/その他 その他
  • 敗戦日記
    3.0
    「この小さなノートを残さねばならない。あらゆる日本人に読んでもらわねばならない」。敗戦へと向かうなかで綴られた日記。分量は45頁ほど。1945年3月11日から始まり、大部分はフランス語で書かれている。そこには、国家への絶望と希望のはざまにあって、一人の文学者がいかに苦悩し、いかに正確な判断を下そうとしていたか、生々しい声が記されていた――。本書は、日記全文の翻訳に、串田孫一宛書簡と関連の文章15篇を加えたほか、戦後数カ月分の日記も収録。日記の原文は口絵に収めた。
  • 辻邦生電子全集 1巻 初期長篇小説(ロマン) 『背教者ユリアヌス』ほか
    -
    古代ローマ帝国の皇帝ユリアヌスの短くも激動の生涯を描いた、辻邦生の代表的長篇作品『背教者ユリアヌス』を中心に、「背教者ユリアヌス歴史紀行」等関連エッセイ14篇を収録した一巻。 『背教者ユリアヌス』は、「海」1969年7月創刊号から1972年8月号まで、全38回にわたって連載され、同年に単行本として刊行された長篇小説で、4世紀から5世紀の過渡期、ビザンツ帝国の基礎を築いたコンスタンティヌス大帝の甥・ユリアヌスの短い治世と生涯、ローマ帝国の終焉、そしてキリスト教世界の台頭という歴史の転換点を描いた全14章からなる大作である。 緻密な構成と壮大なスケールをもって描かれたこの物語には、宗教に端を発する戦争や、国境・利害をめぐる紛争が絶えることのない未来を、すでに1969年の執筆開始時点で予感していた辻の警鐘が込められていて、辻は、「ユリアヌスが辿った悲劇を、自分の感覚として日々刻々に痛切に感じる」と述べ、時代の転換点に立たされた一人の人間への共感と、現代への問いかけとを重ね合わせていたのであった。 当巻では「ユリアヌスの廃墟から」等『背教者ユリアヌス』に関する辻のエッセイ文章14篇を収録している。 解説は中世から近世にかけての欧州を舞台とした歴史小説を多数発表している作家・佐藤賢一が担当。 付録として「背教者ユリアヌス」の創作メモ等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 断腸亭日乗(一) 大正六―十四年
    4.0
    1~4巻1,188~1,265円 (税込)
    大正六年から昭和三十四年,逝去の前日まで四十一年間,書き継がれた荷風の日記.明治・大正・昭和三代にわたる文豪の畢生の代表作にして近代文学の至宝.詩趣溢れる,鋭利な批評を込めた日本語で綴られる.全文を収載,注解,解説,索引を付した初の文庫版.第一巻は,大正六年から同十四年までを収録.(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

    試し読み

    フォロー
  • 文豪誕生
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    7人の文豪のデビュー作・出世作に加え、彼らがブレークするまでの道のり、彼らへの理解が深まるキャラクターファイルを文豪ごとに載録しました。彼らがなぜ「文豪」と呼ばれるまでになったかを理解するために最適な一冊です。イラストは『乙女の本棚』(立東舎)シリーズなどで人気のイラストレーター げみ氏が担当。 読者対象:中学生以上 ◎文豪ごとに載録したキャラクターファイルの内容 ・直筆原稿写真 ・書簡やエッセイなど生の声の紹介 ・人となりがわかるトピック紹介 ・聖地巡礼情報 ①芥川龍之介 【ブレークまでの道のり】失恋の挫折感が執筆の大きな動機にブレークまで [デビュー作]老年 ── 1914(大正3)年 [出世作]鼻 ── 1916(大正5)年 ②太宰 治 【ブレークまでの道のり】薬物の常用で体を侵されながらの執筆活動 [デビュー作]列車 ── 1933(昭和8)年 [出世作]逆行 ── 1935(昭和10)年 ③織田作之助 【ブレークまでの道のり】二番目に発表したある意味での処女作「雨」 [ある意味での処女作]雨 ── 1938(昭和13)年 ④坂口安吾 【ブレークまでの道のり】神経衰弱を語学学習で克服 [デビュー作]木枯らしの酒蔵から ── 1931(昭和6)年 ⑤中島 敦 【ブレークまでの道のり】文壇デビューと同年に没した「敦先生」 [デビュー作]山月記 ── 1941(昭和16)年 [デビュー作]文字禍 ── 1941(昭和16)年 ⑥江戸川乱歩 【ブレークまでの道のり】「失業時代」のあり余る時間が深めた探偵小説の造詣 [デビュー作]二銭銅貨 ── 1923(大正12)年 ⑦谷崎潤一郎 【ブレークまでの道のり】永井荷風が認めた唯一無二の耽美小説の才能 [デビュー作]刺青 ── 1911(明治44)年 (巻末付録)7人の文豪略年表
  • 文豪死す
    4.3
    中学生、高校生のうちに一度は読んでおきたい 6人の文豪たちの最後の傑作 なぜ彼らが文豪と呼ばれるのかがわかる名作小説アンソロジー 《収録作品》 芥川 龍之介『歯車』 太宰 治『グッド・バイ』 梶井 基次郎『のんきな患者』 中島 敦『李陵』 夢野 久作『女抗主』 泉 鏡花『縷紅新草』 生涯を読み解く個人年表、代表作紹介、人物相関図、ゆかりの地など 文豪たちの仕事と人物像がわかるガイドも充実。
  • 文豪たちの微妙な関係
    3.0
    人間臭く体力気力をすり減らしながら 文学の高みを求めた文豪たちの名作を読む! 中学生、高校生のうちに一度は読んでおきたい6人の文豪の代表的名作。 芥川龍之介「地獄変」 谷崎潤一郎「秘密」 太宰治「女生徒」 坂口安吾「風博士」 織田作之助「秋深き」 中原中也「山羊の歌」 文豪たちの人間関係がわかる人物相関図 / 生涯を読み解く年表 / 代表作紹介 / ゆかりの地など、文豪の仕事と人間像がわかるガイド付き。
  • 何度でも読みたい 教科書の泣ける名作 詩・短歌・俳句
    5.0
    1巻889円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国語の教科書で鑑賞した、記憶に残る詩・短歌・俳句の数々。「雨ニモマケズ」「てのひらを太陽に」「わたしと小鳥とすずと」「朝のリレー」「生きる」など、懐かしい有名作品から隠れた名作まで、充実の全53作品(詩33篇・短歌15首・俳句5句)を収録。
  • 虚構の歌人 藤原定家
    4.0
    1巻2,750円 (税込)
    定家ほど、現在まで誤解され続けた歌人はいない。定家の新解釈本登場!!  藤原定家は、「美の使徒」「美の鬼」「歌聖」「日本を代表する近代詩人」などと讃えられ、一般には「新古今」「百人一首」の選者として有名であり、日本を代表する歌人と言っても過言ではないでしょう。また18歳から74歳にわたり書き続けた日記『明月記』は、定家を識るための資料とともに、日本中世(平安、鎌倉)の歴史資料として国宝に指定されほど貴重なものとなっています。そんな藤原定家を著者は歌人としては、天才ではないと突き放します。秀才が作る歌と・・・。そして、冷徹な眼で多くの資料を猟渉し、定家の<歌>だけでなく、定家そのものを解剖していきます。まさに名外科医の発見困難な病巣を切り刻むメスのように、定家の崇拝者たちによって作られたステレオタイプの偶像を丹念に一枚一枚剥がしていきます。  しかし、著者は、定家の現在までの評価を貶めるためにこれを書いたのではなく、歌人として、歌を学び、歌を読んできた自分が、今、定家と直接対話ができる時期がきたのではないか、そして、今まで築きあげられた虚像・定家にあざむかれず、実像・定家を世に知らしめ広げることが出来るのではないかという、熱い思いでこの本書を書いたと語っております。 著者は本書の中で「定家は『おもしろき』歌を詠む人ではない、落語を見るとき人は笑おうという姿勢でみる。和歌を見るとき人はおもしろいもんだと思ってみる。しかし定家はむしろ「もののあわれや」や「おもしろさ」を否定するために歌を詠んでいる。定家の歌は前衛であり形而上的であり、いわば「禅」なのだが、たいていの人はそこまで考えが及ばない。ある人はそれにもかかわらず、定家の歌に風情を感じようと努力してとんちんかんなことを言う。またある人は、なんだこんなわざとらしい歌、とあきれてしまう。定家はこんな具合にいろんな人に誤解される。」 と述べております。本書は今までにない定家新解釈満載の定家ワールドがこれでもかと書かれていいます。本年度文芸界の注目の一冊となることでしょう。 ※紙版とは一部、内容が異なります。
  • 断食芸人(乙女の本棚)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第48弾は、文豪・カフカ×イラストレーター・ウミ乃のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 当時は街中が断食芸人に夢中だった。彼が断食を始めると、人々の興奮は日ごとに高まっていった。 断食芸を生業にする男。以前は圧倒的な人気を誇っていたその芸も、今では見向きもされなくなってしまった。それでも彼は断食を続ける。 カフカの名作が、一瞬で目が釘付けになるような美しさを備えた作品で話題のイラストレーター・ウミ乃によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 月刊「潮」2025年10月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年10月号 主な内容 【800号記念特別企画】 「乱気流の時代」を超えて ≪対談≫ 大澤真幸 VS 柳澤田実 トランプとキリスト教の奇妙な蜜月――リベラルが生んだ異端児。 ≪対談≫ 神野直彦 VS 井手英策 持続可能な未来を考える(上)――日本人はなぜ消費税を嫌うのか。 「生活保護バッシング」はいつかあなたの生存権を脅かす。 藤田孝典 【特集】SNS選挙の深層 参院選で可視化された現役世代の本音。 伊藤昌亮 日本に必要なのは「庶民ファースト」だ!――いのちが響き合う社会へ。 前田幸男 【特集】 歴史は雄弁に語る パクス・アシアーナの時代に求められる軍縮外交戦略。 進藤榮一 昭和二十年の敗戦に至らしめた明治維新の“亡霊”。 安部龍太郎 知られざる「日ソ戦争」の暗部に迫る。 麻田雅文 【連載ドキュメンタリー企画】 「民衆こそ王者」〈識者の声〉篇 信仰によって世界と人生を広げた民衆のドラマ。 開沼 博 凡夫からボサツヘ――仏教学から見た創価学会の現代的意義。 羽矢辰夫 【ルポ】 手塚治虫 『ブッダ』誕生秘話。 前原政之 【対談】 葛西 潤 VS 新家裕太郎 創大駅伝部で切磋琢磨した二人が世界の舞台に飛び立つ! 生物学から読み解く人間の「幸せ」の条件。 小林武彦 【ルポ】 他人とつながる認知症フレンドリーな町づくり。(上) 荒川 龍 【ルポ】 群馬県大泉町が取り組む多文化共生のリアル。 高橋幸春 【好評連載】 ニッポンの問題点 森崎めぐみ VS 田原総一朗/鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・森下洋子/高島礼子の歴史と美を訪ねて 松村克弥 VS 高島礼子/中国「世界遺産」――都市や名所に刻まれた歴史を辿る 塚本青史/Z世代のリアル 室橋祐貴/世界への扉 三浦瑠麗/その他 その他
  • 文豪の憂鬱な癖(へき)
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    『文豪ストレイドッグス(文スト)』の原作者・朝霧カフカ監修! 破滅願望、借金癖、薬物中毒、メンヘラ、少女趣味、不倫癖、酒乱、超甘党、重度の潔癖症、超短気――。 あなたは知っていますか? 日本の文学史に燦然と輝く文豪たちが、じつは驚くべき“癖(へき)"に囚われていたことを。 芥川龍之介や太宰治の目を疑うような破滅的な行動、夏目漱石や森鴎外の常軌を逸した食への偏執、川端康成や石川啄木の型破りな借金や金遣い、谷崎潤一郎や田山花袋の変態的な性癖など、35人の文豪がとり憑かれた衝撃の嗜好・性向・こだわり・性分を徹底的に深掘りします。 彼らの人間味あふれる“こじらせ"エピソードを読めば、きっとあなたも彼らの新たな魅力に気づくはず! [目次] 【第1章】破滅や衝動の癖(へき) 生きるべきか「死ぬべきか」……生涯の大問題 -------------------------------------- 芥川龍之介 「唯ぼんやりした不安」 狂気に囚われることに怯え自死を選んだ不世出の天才 太宰 治 「死にたがり」の意気地なし 人を恐れ、死を恐れ、そして愛を恐れて人間失格 有島武郎 最期は人妻と縊死心中 追いこまれた理想主義者の愛のカタチ 坂口安吾 “堕落"に憧れた革命児 破天荒にも見える生き方は敏感と繊細の裏返し 【第2章】嗜好や偏愛の癖(へき) 選ばれし者たちがハマった奇妙なこだわり -------------------------------------- 夏目漱石 ジャムを舐めすぎてドクターストップ? 吾輩は“超超超甘党"である 森 鴎外 ドイツで衛生学を学び潔癖症をこじらせて悪食に 饅頭茶漬けを好んだ文豪 志賀直哉 生涯の転居数は20回以上 居住地を作品に昇華した小説の神様の引越し癖 江戸川乱歩 エロ・グロ・ナンセンスとフェティシズムに彩られた 探偵小説の草分け 檀 一雄 原稿なんてそっちのけ? 頭の中は料理・料理・料理 火宅の人は“料理人" 安部公房 ワープロをいち早く導入 最新テクノロジーを偏愛しノーベル賞に近かった男 澁澤龍彦 サドを広めた博覧強記な文学者の 純粋無垢なガラクタ蒐集 【第3章】依存や中毒の癖(へき) ワラにもすがる思いに呑まれて泥沼に -------------------------------------- 中原中也 度を越した“ダル絡み" 酔うとケンカをふっかける酒に溺れた天才詩人 石川啄木 近代短歌のパイオニアは無類の女好きで借金魔 川端康成 ギョロッとした目で威圧し ためらいなく借金しまくるノーベル文学賞作家 梶井基次郎 檸檬を置いた文学青年の繊細なイメージとは対照的 野蛮でがさつな酒乱 直木三十五 大衆文学の評価を高めたが 行き当たりばったりで借金まみれの濫費ヤロウ 【第4章】恋愛や性欲の癖(へき) プラトニックからフィジカルまで恋の呪縛 -------------------------------------- 谷崎潤一郎 文体を巧みに操る耽美派は 女性に踏まれたがるドMな足フェチ 国木田独歩 武蔵野の林を愛した自然主義文学の先駆者は 重度のメンヘラ気質 田山花袋 “蒲団"の匂いを嗅いだ? 少女趣味でストーカーで髪の匂いフェチな妄想家 岡本かの子 年下男子からモテモテ「一妻多夫」の女人ぼさつ 織田作之助 二股上等!! 浪速のモテ男に同居する クズなたらしこみと一途さ 与謝野晶子 嫉妬の炎に身を焦がす情熱の歌人はダメ夫フェチ 永井荷風 付き合った女性の経歴や花街に通い詰めた日乗を 事細かに書き留めた女好き 樋口一葉 24歳の若さで逝った“こじらせ女子"の初恋が 「奇跡の14カ月」として結実 島崎藤村 恋愛対象は生涯ずっと20代 姪まで妊娠させた写実派作家の恋愛暴露癖 宇野千代 規格外れの楽観主義者 天真爛漫な恋愛体質で百歳近い生涯を生き抜く 【第5章】気質や性向の癖(へき) “偏執"の深淵を覗き続けたからこその習性 -------------------------------------- 三島由紀夫 仮面の下には劣等感? 筋肉フェチで美を追求 尾崎紅葉 親分肌で多くの弟子を育成 日本初の文豪は超短気な江戸っ子気質 泉 鏡花 日本酒は煮立たせて飲む 幻想文学の大家は胃弱で度が過ぎる潔癖症 菊池 寛 文藝春秋の創業者は 天性のお人好しでお金をばらまくおごり魔 折口信夫 極度の潔癖症に女性恐怖症、異常な量の食料備蓄…… “マレビト"の執着と執念 夢野久作 怪奇幻想小説の奇才が抱く父親への強い愛着と依存 宮沢賢治 作品には最愛の妹の影 禁欲・独身主義の天才童話作家はシスコン? 北原白秋 思い込んだら一直線 誌上で周囲にケンカを売る“激情癖"の詩人 中島 敦 謹厳で繊細な作風とは真逆 短編の名手の放蕩人生と主体性のない“流され癖"
  • 泉鏡花きのこ文学集成
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々(やわやわ)として膏(あぶら)が滴る……甘味(うまい)ぞのッ」 “世界に冠たる「きのこ文学」作家”泉鏡花の8作品を集成! 『原色日本菌類図鑑』より、190種以上のきのこ図版を収録! その魅力を説く「編者解説 きのこ文学者としての泉鏡花」付!  お姫様は茸(きのこ)だものをや。  紅茸と言うだあね、薄紅(うすあこ)うて、白うて、美い綺麗な婦人(おんな)よ。  山路はぞろぞろと皆、お祭礼(まつり)の茸だね。坊様も尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびしょびしょびしょと湿った処(ところ)を、坊主様(ぼんさま)は、すたすたすたすた乾いた土を行く。湿地茸(しめじたけ)、木茸(きくらげ)、針茸、革茸(こうたけ)、羊肚茸(いぐち)、白茸、やあ、一杯だ一杯だ。  初茸なんか、親孝行で、夜遊びはいたしません、指を啣(くわ)えて居るだよ。……さあ、お姫様の踊がはじまる。(「茸の舞姫」より)
  • 小泉八雲
    -
    2025年度の連続テレビ小説「ばけばけ」の主人公小泉セツの夫・小泉八雲について、セツとの関係や作品のルーツとなる生涯を辿る。
  • 入門講座 三島由紀夫
    -
    「身を挺して」「悲劇的な」人間になりたいという欲動を抱えながら、三島はどう自分の人生と向き合ったのか。その作品から読み解く。
  • 針女
    4.4
    戦争中、弘一への想いを秘めたまま出征を見送った清子。 だが戦後復員した彼は、まるで人が違うほど一変していた――。 戦争の傷跡への苦悩と、戦後の混乱の中で生まれた人間の欲望……。人間ドラマとして見事に描いた傑作長編。 「有吉の筆が果敢に踏み込んだのは、 戦争の、いや、人間というものの恐ろしさなのだ――木内 昇」(「解説」より)
  • 寿文の言葉と魔法の福文字 ものがたり編
    -
    1巻1,045円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 願いを込めて書いた「文字」に、本当に力が宿るとしたら? これは、そんな“想いの力”を信じたひとりの女性が、特別な文字「福文字(ふくもじ)」と出会い、不思議な体験を重ねながら、自身と他者の願いを叶えていく物語です。 迷子の愛猫を探す中で訪れた教会、そこで出会った謎の女性が教えてくれたのは、「他者の幸せを願うほど強く叶う」という魔法のような文字でした。 物語編の感動とともに、資料編ではこの福文字の秘密にも迫ります。 願いを形にし、心をこめて世界に送り出す――そんな祈りのような力を、あなたも感じてみてください。
  • 八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ
    -
    1巻3,080円 (税込)
    墓を掘り起こし八雲は思考する 八雲が記した数々の“死”と“屍”、「物語をねだる者」と「語り部」たち、レキシントンの古屋敷を舞台に語られた幽霊譚、ディオダティ荘の夜を彩る怪奇談義、前世の記憶を持つ少年・勝五郎の転生、火星に運河を見つけた男・パーシヴァル・ローウェルとの出会い… 小泉八雲を彩るエピソードはあまりに刺激的でファンタジーじみている。しかし、それらは果たして「真実」なのか── 大塚英志の決定版・八雲論。 初めて小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に触れる読者に捧ぐ、八雲と八雲の物語を愉しむための必読書。 決してファンタジーと現実を混同してはならない。 だから、私たちは八雲という死者のファンタジーを“理解”してはいけない。 それは死者の擬人化であって、私たちが読んでいるのはあくまでも「偽八雲」なのである。(本文より)
  • 月刊「潮」2025年9月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年9月号 主な内容 【特別企画】 角度を変えて見る「世界」 イスラエル・イラン対立の深層と中東情勢の行方。  田中浩一郎 日本に脱出する中国新移民をめぐるファクトとフェイク。  舛友雄大 あえて今ナポレオンに学ぶポピュリズムの本質。  藤原翔太 「健康情報」のウソホント――忍び寄るニセ科学にだまされない!  左巻健男 【連載】 ニッポンの問題点 「三一〇万人の女性」が日本の働き方を変えていく。  矢田稚子 VS 田原総一朗 【特集】 未来へつなぐ「戦争と平和」 戦争が終わったのは私の十七歳の誕生日でした。  高橋光子 ≪連載≫ 高島礼子の歴史と美を訪ねて 少女たちを「加害者」にした風船爆弾の悲劇。  松村克弥 VS 高島礼子 ≪ルポ≫ もの言わぬ“被爆樹木”が語りかける平和へのメッセージ。  南部健人 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇 (1) 【特集】 円満な人間関係の「秘訣」 役職者はつらいよ――管理職を罰ゲームにしない方法。  奥田和広 “対話のプロ”が伝授!相手の本音を引き出す3つのステップ。  中田豊一 【人間探訪】 南 佳孝 何歳になっても勉強するのは生きる歯車を回し続けてくれる。 【対談】 榎木和貴 VS 神野大地 箱根から「世界」を狙う人材を!――指導者の喜びと葛藤。 【対談】出口治明 VS 塚本青史 故事成語には人生をポジティブにしてくれる力がある。 【対談】原 武史 VS 與那覇 潤 加藤典洋と江藤淳から読み直す「戦後史」。 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・藤田千代子/中国「世界遺産」――都市や名所に刻まれた歴史を辿る  塚本青史/その他 その他
  • 細雪(上)
    -
    1~3巻770円 (税込)
    大阪船場(せんば)の旧家、蒔岡(まきおか)家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の優雅な日々の営みが、京の花見、螢狩り、月見などの四季の風雅を背景にして美しく織り成されていく。感性美を生涯追い求めた著者が、流麗な筆致で描く美の世界。発表当初の掲載禁止という当局の弾圧にもかかわらず、第二次大戦下の昭和18年から蕩々と書き続けられた本作は、5年余の歳月をへて昭和23年に完結した。時局に迎合することを拒否した作家の信念によって生みだされた、日本の美しい文化と伝統の見事な結実といっていい。
  • 日本の短編小説
    -
    1巻1,980円 (税込)
    副題にあるとおり、本作品では、明治、大正期の傑出した日本の短編小説二十三編を発表された順に選んだ。最初の二葉亭四迷の「あいびき」が明治二十一年(一八八八)、最後の芥川龍之介の「玄鶴山房」が昭和二年(一九二七)だから、この間三十九年である。四迷、漱石、鴎外、露伴、一葉、独歩、鏡花、藤村、荷風、潤一郎、直哉、菊池寛、有島武郎、佐藤春夫、横光利一、梶井基次郎、葉山嘉樹まで、十八人の作家を選んでいる。巻末には編者による簡単な解題がある。
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆
    4.0
    筒井康隆、やっぱりヤバい! 読む者すべてを虜にする底なしの想像力 「100分de筒井康隆」(2025年1月3日放送)が待望のムック化! 日本の「SF御三家」と称され、90歳を迎えた今もなお精力的に作品を世に送り続ける、文学界のスター筒井康隆。SF、スラップスティック、言語実験、精神分析、そして超虚構――小説という形式の限界に挑み、進化を重ねてきたその軌跡をたどる。 熱烈な筒井愛に溢れる4名の豪華著者陣による解説に加え、そこから続けて読みたい作品リストを特別コラムとして収載。その魅力にとりつかれた筒井マニアだけでなく、初めて作品に触れる読者も底なしの“筒井沼”へと叩き込む、筒井康隆ガイドの新定番がここに登場! 【内容】 第1章 革命と内宇宙のリズム――『脱走と追跡のサンバ』(中条省平) 第2章 拡張と回帰の物語――「七瀬シリーズ」(池澤春菜) 第3章 夢と虚構の純文学へ――『エロチック街道』(菊地成孔) 第4章 超虚構の到達点――『虚航船団』(大森望)
  • 1945年に生まれて 池澤夏樹 語る自伝
    5.0
    1巻2,860円 (税込)
    昭和20年7月7日,池澤夏樹は生を受けた.「敗戦後の年月がそのまま人生の時間」である作家の80年の歩みから「戦後」がありありと立ち上がる.父・福永武彦との数奇な運命,デビュー以前の長い猶予とギリシャ,アジア太平洋の島々への旅,そして未来のために私たちがやるべきことは──.いま初めて人生と創作のすべてを明かす.

    試し読み

    フォロー
  • 空と海と大地の言葉辞典
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 すべての言葉に実際の用例つき! * 世界を言い表す、美しい自然の言葉辞典 =============== 「太陽が落ちてしまつても、 夕映えがある。 残紅がある。余光(よこう)がある。 薄明がある」 ―斎藤茂吉『接吻』 「若い男女が短夜(みじかよ)を徹して 森のなかで愛をかたる」 ―荒俣宏『花空庭園』 「ヘロインは、ふらふら立って 鎧扉を押しあける。 かっと烈日(れつじつ)、どっと黄塵」 ―太宰治『音に就いて』 (本文より用例一部抜粋) 思わず目を閉じて、そのシーンにひたりたくなるような、 想像力を掻き立てる状況描写。 そんな人の心を震わせる表現のエッセンスになる 自然に関する言葉たちを集めました。 最大の特徴はすべての言葉に、 実際の小説や詩歌の用例がついていること! 先人たちの卓越した言葉選びに触れることで、 その言葉の魅力や奥深さを感じることができます。 小説・マンガ・歌詞・短歌・俳句・脚本・ネーミング・二次創作などに お役立てください。 また、今をときめく約50名のイラストレーターの 心揺さぶる素敵なイラストを100カット以上掲載。 言葉とともに存分にその世界観にひたれます。 創作に携わる方のみならず、言葉好き、イラスト好きの方も 紙面を眺めるだけで素敵な時間を過ごせること間違いなしです。 【目次】 ●空の言葉  ​空/春の空/夏の空/秋の空/冬の空/朝の空/昼の空/夜の空/太陽/月/星/風/雲/霧/露/靄/霞/雨/虹/雷/雪/霜/鳥 ●大地の言葉 山/岩/石/土/砂/原/水/川/湖沼/池/滝/氷/炎/花/草/葉/木/野菜/果実/穀物/大地の動物/虫 ●海の言葉 海/波/潮/磯/島/海の生き物/ ●番外編 時/神/自然の色 【著者プロフィール】 神永 曉(かみなが さとる): 1956年、千葉県生まれ。1980年に小学館の関連会社尚学図書に入社し、1993年に小学館に移籍。40年以上にわたりほぼ辞書編集一筋の人生を送る。担当した辞典は『日本国語大辞典 第二版』『現代国語例解辞典』『美しい日本語の辞典』など多数。2017年に小学館を定年で退社後も、『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂作業に参画している。著書に『悩ましい国語辞典』『さらに悩ましい国語辞典』(単行本は時事通信社、文庫本は角川ソフィア文庫)、『辞書編集、三十七年』(草思社)、監修書に「日本のことばずかんシリーズ」(講談社)などがある。 <電子書籍について> ※本電子書籍は同じ書名の出版物を紙版とし電子書籍化したものです。 ※本電子書籍は固定型レイアウトタイプの電子書籍です。 ※本文に記載されている内容は、印刷出版当時の情報に基づき作成されたものです。 ※印刷出版を電子書籍化するにあたり、電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。また、印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。 株式会社西東社/seitosha
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」から、イラストレーター・ねこ助の自選作品集が登場! 描き下ろしとして夢野久作+ねこ助『ビルディング』も掲載 小説とイラストの出会いを祝福する、魅惑の1冊。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。そのなかからイラストレーター・ねこ助による作品をピックアップした美しい画集が新たに生まれました。 収録されているイラストは、新美南吉『赤とんぼ』、中島敦『山月記』、太宰治『魚服記』、堀辰雄『鼠』、夢野久作『ルルとミミ』のなかから選ばれた、イラストレーター本人がお気に入りのものばかり。 さらに、描き下ろしとして夢野久作『ビルディング』も収録し、通常シリーズとはことなるサイズ感で小説とイラストが楽しめます。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 【目次】 新美 南吉『赤とんぼ』 中島 敦『山月記』 太宰 治『魚服記』 堀 辰雄『鼠』 夢野 久作『ルルとミミ』 夢野 久作『ビルディング』(全文収録・イラスト描き下ろし) ※本書について 本書は、乙女の本棚シリーズとして刊行された『赤とんぼ』『山月記』『魚服記』『鼠』『ルルとミミ』のなかから、イラストレーター・ねこ助自身が選んだイラストを掲載しています。巻末の『ビルディング』のイラストは描き下ろしです。 小説部分は『ビルディング』は全文、その他は抜粋となります。
  • 日本の近代詩を読む
    -
    明治から昭和へ、近代日本社会と新しい日本語が成立する端境期に生まれた近代詩を、日本を代表する詩人・高橋睦郎が選詩・解説する。
  • 月刊「潮」2025年8月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年8月号 主な内容 【特別企画】 戦後80年目に語り継ぐ「戦争」 「対馬丸の悲劇」を風化させない――次世代への誓い。 平良次子 ≪ルポ≫ 人間魚雷「回天」の悲劇――回天記念館を訪ねて。 粟野仁雄 戦争指導者の「不決断」の責任を問う。 三山秀昭 ジャーナリズムの使命は「被爆の実相」を正しく伝えることだ。 井上泰浩 【特集】 デジタルを捨てよ、町へ出よう スマホ依存があなたの脳に与える深刻なダメージ。 川島隆太 リアルな科学実験は未来をつくる「魔法の宝箱」だ! 米村でんじろう 【特別インタビュー】 岡本三成 コメから賃上げまで、公明党は「やると言ったら、やり切る!」。 【インタビュー】 宮本亞門 命ある限りあきらめないで――能登復興への思い。 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「魂の独立宣言」篇 【特集】 幸齢社会への第一歩 ≪対談≫ 結城康博 VS 藤岡陽子 介護する人される人ともに豊かになる社会を目指して。 ≪ルポ≫ 認知症は早期発見が大切で、なってからが勝負。(上) 荒川 龍 【新連載小説】 キーウから遠く離れて 宮内悠介 【アスリート列伝】 長嶋茂雄 「長嶋茂雄であることから決して逃げない」若き日の誓い。 横尾弘一 「論じる」という営みを社会へ、未来へとつなぐために。 佐々木俊尚/岩間陽子/與那覇 潤/開沼 博/東畑開人 【ルポ】 「対話」と「尊重」が日本を変えていく――民主主義博物館の挑戦。 南部健人 【新連載】 中国「世界遺産」――都市や名所に刻まれた歴史を辿る 対馬~大陸と日本の中継地点~ 塚本青史 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・藤田千代子/ニッポンの問題点 橋本健二 VS 田原総一朗/他 その他
  • 教養としての名作怪談 日本書紀から小泉八雲まで
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    日本書紀、日本霊異記、源氏物語、太平記から明治大正の名作文芸など、気鋭の怪談研究家が古典籍や名作文学の「怖い話」を厳選し、その恐怖の歴史的、文学的系譜を解説する。本書を通じて、日本の「こわい」を知るべし!
  • 近現代俳句
    3.5
    1巻880円 (税込)
    小澤實が近現代の俳人50人とその代表句5句を精選。丁寧な口語訳と深い鑑賞と共に、子規や虚子から文人俳句、自由律俳句、新興俳句まで、多彩な名句の世界へいざなう。俳句を知るに必読のアンソロジー。 井月、正岡子規、種田山頭火、飯田蛇笏、久保田万太郎、橋本多佳子、西東三鬼、星野立子、加藤楸邨、田中裕明―― 近現代の俳人50人と代表5句を精選。 口語訳と鑑賞と共に、多彩な名句を楽しむ 入門にも最適のアンソロジー。
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ
    4.0
    研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。
  • 「国語」と出会いなおす
    3.8
    1巻2,299円 (税込)
    国語は得意だったけど、文学はよくわからない 文学を読むのは好きだけど、国語はつまらなかった ──どうしてわたしたちは国語を学んだのだろう? 国語と文学の歩んできたビミョウな関係をひも解きながら、ゆるやかな共同性を育む教室の可能性と、小説のもつ多様でゆたかな解釈を結びつける現役国語教師/批評家の著者による、新しい国語/文学論。 ★芥川賞作家・滝口悠生が、自作の試験問題を解きながら国語と文学について語る特別対談も収録! 「国語で文学は教えられない」という批判に見られるように、対立するものとして語られがちな「国語」と「文学」。けれど果たしてその対立はまっとうなものなのでしょうか? 新学習指導要領に伴って新設された「文学国語」と「論理国語」や、著者が教室で体験したさまざまな生徒からの反応、文学研究の成果が反映された現在の指導内容、国語の試験と小説の相性の悪さ、「文学史」のつまらなさとその必要性…… 国語と文学をめぐるさまざまなトピックから、属性や立場の違いを超えて《同じものを読んでいる》ということのみによって担保された、共同性を育むものとしての「文学」の意義を再確認する。
  • 日本エキゾチシズム文学史
    -
    日本から外国へのまなざし、外国から日本へのまなざしを、歴史と地域を横断して幅広く解き明かす10章。先人たちや現在の日本人が、古来外国をどのように見て、感じてきたかを、その表現から解き明かす一冊。 日本文学史の中のエキゾチシズムという主題を、古代から現代の漫画までバリエーションに富んだテーマで展開している。 例えば、奈良時代の平安貴族が「檳榔」に感じた異国への幻視から、明治期の芥川文学における異国の身体観、中島敦の描く南国、そして現代については漫画『鬼灯の冷徹』の地獄観などが取り上げられている。執筆陣も、様々な国からの研究者が多くを占めている。また、留学生たちから見た現代日本のレポートは、新鮮な視点を我々に与えてくれるだろう。 エキゾチシズム研究において新たな論点を加える一冊になるであろう。

    試し読み

    フォロー
  • 謎解き『八犬伝』
    -
    1巻1,100円 (税込)
    日本を代表する文学者にしてエンタテインメント小説の始祖・滝沢馬琴が遺した『南総里見八犬伝』には、百年後の読者へのメッセージが秘められていた。物語を詳細に解きながらその謎に迫る。
  • 君たちの記念碑はどこにある? カリブ海の〈記憶の詩学〉
    5.0
    1巻2,530円 (税込)
    西洋列強による植民地支配の結果、カリブ海の島々は英語圏、フランス語圏、スペイン語圏、オランダ語圏と複数の言語圏に分かれてしまった。そして、植民地支配は、被支配者の人間存在を支える「時間」をも破壊した。 つまり、カリブ海の原住民を絶滅に近い状況まで追い込み、アフリカから人々を奴隷として拉致し、アジアからは人々を年季奉公労働者として引きずり出し、かれらの祖先の地から切り離すことで過去との繋がりを絶ち、歴史という存在の拠り所を破壊したのである。 西洋史観にもとづくならば、歴史とは達成と創造を巡って一方通行的に築き上げられていくものだ。ゆえに、過去との繋がりを絶たれたカリブ海においては、何も創造されることはなかったし、「歴史のない」もしくは「世界史的に重要でない」地域としてしか表象されえない。 ……本当だろうか?  “海が歴史であります” ――デレック・ウォルコット “「目に見える」歴史でなくとも、ここには歴史がある” ――エドワード・ボウ 本書は、『私が諸島である』で「第46回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)」を受賞した著者が、カリブ海の風景に沈む地域的記憶を訪ねゆく試みをまとめた一冊である。 西洋の思想家が信奉する歴史の「外」に置かれてきた、カリブ海作家たちが想像/創造するオルタナティヴな思想の精華は、どのような姿をしているだろうか?  “日本には、西洋社会の外から発信される記憶の思想を紹介する本はいまだ少ない。本書は、西洋の直線的な記録に抗い、海のような風景のプリズムを通して屈折し、反射し、揺らぎ重なり合い、形を変えながらも消えることのない記憶の光を描き出す、カリブ海の「記憶の詩学」を紹介する。カリブ海作家たちは、文学を通して歴史を再訪し、解体し、再構築し、そしてその記憶を想像/創造し直す。単線的な時間軸に縛られず、歴史を編み直すことで、かれらは過去へ未来へと縦横無尽に航海する多層的な記憶の物語を紡ぎ出すのである。[…]私がカリブ海のアカデミアに身を浸し、読み続けたカリブ海文学が持つ豊饒さを、読者のみなさんにも体験していただきたい。”――「序章 私たちがいなくなることはない」 かれらの詩学的挑戦に、今こそ刮目されたい。

    試し読み

    フォロー
  • 戦後文学案内 105人の作家を読む
    -
    1巻2,970円 (税込)
    日本近現代文学評論の大御所による渾身の「戦後文学の読書ガイド本」。全部で 105 人の作家と、その作家を象徴する文学作品1点を取り上げ、2ページで解説する。作家の生い立ちや思想形成、作品が執筆された社会背景などを踏まえながら、作品を端的に読解し、一冊を通して 80 年の戦後日本の歩みと実像を浮き彫りにするとともに、「昭和から平成の文学が果たした役割と、未来への可能性」を考えさせるものとなっている。特に平和・反核・人権などを考えさせる作品に着目し、被爆者や在日韓国朝鮮人、沖縄の人々などの「小さな声」「声なき声」を文学によって記録した作家たちの作品を敬意を込めて取り上げられている。 読書離れが言われて久しい昨今、その理由の一つには、「何を読んだらいいのか分からない」という悩みがあるかと思われる。そこで本書は、「今こそ読まれるべき秀作」を厳選し、若い世代の読者には戦後文学作品との出会いを、壮年から戦後世代の読者には「あのころ読んだ、あの作品」との再会をもたらしてくれる。 ところで、なぜ「現代日本文学」ではなく「戦後文学」なのか――。それについては、のちにノーベル文学賞を受賞する大江健三郎氏が、1986 年に行った講演「戦後文学から新しい文化の理論を通過して」の中で次のように語っているところに、その答えがある。 〈文学の役割は――人間が歴史的な生きものである以上、当然に――過去と未来をふくみこんだ同時代と、そこに生きる人間のモデルを作り出すことです。日本において、近代・現代の文学は 100 年を越える実績を持つわけですが、個々の文学者の、時代から突出した達成ということはあるにしても、一群の作家たちが、あきらかな文学的潮流として、日本の近代・現代文学の歴史に、同時代とそこに生きる人間のモデルをはっきり提出したのは、戦後文学とわれわれが呼ぶ一時期においてでした。〉 本書で取り上げられている戦後文学作品( 105 作品)は、著者の 50 年にわたる近現代日本文学研究者および文芸批評家としての経験を基に選んだものであり、本書もまた、「生きる人間のモデル」が満載された一冊である。

    試し読み

    フォロー
  • 「陰翳礼讃」と日本的なもの:建築と小説の近代
    -
    1巻3,520円 (税込)
    小説家としての谷崎潤一郎の名前を超えて、ひろく、長く読まれてきた「陰翳礼讃」―― 陰翳とは何か。それが日本的なものだとはどういうことか。 「陰翳礼讃」は創元選書の表題作になったことを契機に、谷崎潤一郎という小説家の個人的な随筆から、知識階級の読む日本文化論へと進化(グレードアップ)した。「陰翳礼讃」というテキストは、「文化」を謳う一九三〇年代の知的な教養の中に位置づけられたのである。 「陰翳礼讃」は、命題として何が語られているかだけでなく、何事かを語るレトリックそれ自体を読み解くベきテキストである。「陰翳礼讃」で行われているのは、建築を文学を語るための比喩として組織すること、すなわち建築を文学の修辞とすることである。 一九三〇年代、建築界では建築における「日本的なもの」が論じられた。その議論に触発された小説家たちは、建築を媒介にしてそれぞれに思索を展開した。本書で取り上げるのは、そのような思考の痕跡の刻まれたテキストである。本書では、小説家たちが話題にする建築家や建築物、建築論を広義の比喩と見なし、その表現を同時代の文脈の中で読み解く。 建築と小説という異なる領域の交錯する地点から、日本的なものという主題を捉えなおすこと、本書のねらいはそこにある。本書の独自性は、建築界の議論と小説家のテキストが交錯する範囲を画定し、そこに対象を再配置する点にある。
  • 中野「薬師湯」雑記帳2
    3.8
    部屋代不要・食事付の好条件に惹かれて銭湯・薬師湯に住み込んでいる蓮が空き部屋に誘ったのは、同じ大学に通う文矢。野球を辞めざるをえなくなった元甲子園のエースの頑なな心は、薬師湯に集う人々によって、優しく癒されていく。シリーズ第二弾。
  • 携帯遺産
    3.9
    1巻1,799円 (税込)
    小雨降る4月の晩、作家・舟倉按は知己の編集者から『文学的自叙傳』の執筆を依頼される。実家の焼失、父の失踪、震災。巡る記憶の果て、その「マイ・ブック」はloueを語りうるのか? たくらみと愛にあふれる、芥川賞受賞第1作!
  • 月刊「潮」2025年7月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年7月号 主な内容 [目次] 【創刊65周年記念特別企画】 「言論」の現在を語る 混迷の時代に際立つ月刊『潮』の現代的使命。 佐藤 優 ≪対談≫ 三浦瑠麗 VS 西田亮介 動画の時代にあえて「論壇」の存在価値を考える。 ≪対談≫ 梶原麻衣子 VS 倉本圭造 保守VSリベラル それぞれの「正義」を超えた議論を。 【座談会】 岩間陽子 VS 東畑開人 VS 佐々木俊尚 VS 與那覇 潤 VS 開沼 博 昭和から令和へ――日本人の「夢」はどこに行ったのか。 【特集】 日本が抱えるアポリア 「トランプ関税」で試練を迎える日本経済。 熊谷亮丸 「食と農の公明党」が取り組むコメの安全保障。 谷合正明 信教の自由と政教分離原則は共生社会の基盤。 齊藤小百合 【特別インタビュー】 斉藤鉄夫 国民の生活を守る――そのために公明党は勝たねばならない。 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「魂の独立宣言」篇 (11) それでも核兵器廃絶を諦めてはいけない――池田平和提言に学ぶ智慧。 副島英樹 【特別インタビュー】 宮本 輝 歴史の水底に流れる“庶民の営み”。 【特別インタビュー】 岩合光昭 自然や動物と一体化した瞬間、僕はシャッターを切る。 【新連載小説】 キーウから遠く離れて 宮内悠介 一日一分の朗読で、人生楽しく前向きに! 魚住りえ 【ルポ】 井上尚弥 VS カデナス観戦記 ボクシングに消化試合などないことを知らしめた、無名の挑戦者。 天野純希 それほど悲観する必要はない?日本の年金制度。 たかまつなな 【好評連載】ニッポンの問題点 根本祐二 VS 田原総一朗/鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・加藤登紀子/高島礼子の歴史と美を訪ねて 植松三十里 VS 高島礼子/他 その他
  • ティータイム
    3.2
    【注意】本作は全く優雅ではありません。 まず思いつかない、ぶっ飛んだ設定の奇想文学の集合体です。 「摩訶不思議なる読書旅。その果てに待つのはさらなる絶望、それとも大解放?」 ――万城目学(作家/『八月の御所グラウンド』) ※本作を読まれる皆様へ 本作はデビュー作『百年泥』で芥川賞を受賞した著者による短編集です。 作中に、やたら大人びた兄妹や、インドから脱出できない日本人や、 電車の網ダナの上で生活する女性や、末恐ろしいサンタクロースが登場します。 この奇妙さに、一度吸い込まれてみましょう。 ・・・・・・ちゃんと、戻ってきて下さいね。 なぜか笑えて、どこか怖い。 奇妙奇天烈な小説を4篇収録した、約5年ぶりとなる待望の新作。 【著者略歴】 石井遊佳(いしい・ゆうか) 1963年大阪府枚方市生まれ、埼玉県在住。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2017年「百年泥」で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作で第158回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著書に『百年泥』『象牛』がある。
  • 世界99 上
    4.4
    小説というものの輪郭が、いわば地球を覗く窓の形が、本書によりまた大きく更新されました。 それはつまり、この本の中で初めて寛げる人がいるということです。 救済と爆弾は同じ姿で在れるのだと気付かされました。 朝井リョウさん(作家) 本当は貴方もわかっていたんだろう? と迫る声が脳内に鳴り響く。 熱に浮かされるようにページを捲る手が止まらない。 これは本型ワクチン。 世界99に誘われ、もう元いた場所へは戻れない。 宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優) 足元の地面がふいになくなり、 正常と異常の境目が消え失せ、目眩がする。 人間という生き物の滑稽さ、グロテスクさ、美しさ、不思議さが、 この本の中にすべて詰まっている。 岸本佐知子さん(翻訳家) 空子がこの世界で体に蓄積する小さな暴力の音とか、風とか、どれも僕の心に刻まれていきました。 物語で一緒に過ごせた時間は、僕の宝です。 ロバート キャンベルさん(日本文学研究者) この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。 村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編! 【著者略歴】 村田沙耶香 (むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。
  • 与謝蕪村
    -
    1巻880円 (税込)
    「菜の花や月は東に日は西に」「夏河を越すうれしさよ手に草履」──俳諧の巨匠が遺した名句を、春夏秋冬の流れの中で、深い洞察と共に読み解く最良の導きの書。「春風馬堤曲」「新花摘」も含む円環世界。
  • 令和川柳選書 いちごいちえ
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち栃木を代表する川柳作家・松本とまとのベスト作品集! 今が旬走り抜けてく五十路坂 いい出だし今日は一粒万倍日 上昇の気に乗れそうないい予感 いいことがあるぞ くっきりダブル虹 ギフトショップお売りしてます良い絆
  • 令和川柳選書 ゆずり葉
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち大阪を代表する川柳作家・八木侑子のベスト作品集! 招待席は水平線の見える椅子 綾取りの橋を架けたよ春の野辺 豊かだな冬の野末にみた明かり ユアーンユアーン春のブランコはるを編む ホコホコと蕾のあたりあたたかい
  • 令和川柳選書 銀河の苺電車
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち和歌山を代表する川柳作家・堂上泰女のベスト作品集! イマジンよ響け戦火のまん中で ワクチンを待つ大衆の砂時計 縄電車どの子もこぼさないように もう少し生きる障子を張り替える 天井画ミケランジェロが降ってくる
  • 令和川柳選書 THE 川柳集
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち山形を代表する川柳作家・冨樫正義のベスト作品集! 今年酒陶器に神を宿らせて 鍵盤の隅から隅へ雪解風 火星燃ゆ寝転び眺む大文字 天高し雲を動かす象の鼻 薄氷を鼻で押し打つ稚魚の群
  • 令和川柳選書 モン シェリー
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち大阪を代表する川柳作家・出口セツ子のベスト作品集! 逢うよりも想い美化するEメール ペイオフに無縁も淋し うそ寒く 電飾が空虚に見えてくる不況 総理よりトラの景気に賭けている マニフェストだけで景気は良くならず
  • 令和川柳選書 朝が来るまで
    -
    1巻880円 (税込)
    令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。 森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。 発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。 47都道府県のうち神奈川を代表する川柳作家・近藤紡藝のベスト作品集! 春は来る名もない花に私に 果実酒のようにゆっくり愛になる 離れても星が星座になるように 笑い皺愛しき日々の刻まれる よみがえる力を秘めている大地
  • 恋恋往時
    3.6
    自分にないものを思って憂うのではなく、 他のひとにはなくて、 私だけが持っているらしいもののことを考えよう――。 国境と言語を跨いで射し込む光に照らされた、日本と台湾、4つの物語。 ――これからあたしたちは、飛行機に乗ってパパのところに行くのよ。 幼い頃、父と一緒に暮らすため、母と共に台湾から日本へ旅立った「私」。 四十年が経ち、祖母の葬儀に出席するため台湾に向かう「私」の心に蘇るのは、 かつて耳にした台湾語と懐かしい家の光景、亡き母の朗らかな歌声だった。(「二匹の虎」) 表題作「恋恋往時」や姉妹編「二匹の虎」をはじめ、 しなやかな生のありようを描いた4作を載録する作品集。 【著者略歴】 温又柔(おん・ゆうじゅう) 1980年、台北市生まれ。両親とも台湾人。幼少時に来日し、東京で成長する。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞しデビュー。2016年、『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2020年、『魯肉飯のさえずり』で第37回織田作之助賞受賞。著書に『来福の家』『真ん中の子どもたち』『空港時光』『永遠年軽』『祝宴』、木村友祐との往復書簡『私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ』、編著に『李良枝セレクション』など。
  • 桂文我 上方落語全集 第十巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    逸品・珍品、なんでもござれ! これまでに上演した噺、七百以上 四代目 桂文我が世に放つ 上方落語の集大成、第十巻刊行! 第十巻では―― 「深山隠れ」「愛宕山」など、 上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた 珠玉の高座、十五席を再現している。 “芸能博士”と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に、落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。 現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することに取り組んでおり、噺家生活四十五年で上演した噺は七百以上を数えます。 この全集では、そうした噺の中から厳選したネタを、本人の解説付きで紹介し、収集した貴重な演芸資料も数多く掲載しています。 寄席の歴史や芸能本の出版事情、速記本の世界など縦横無尽の解説が秀逸で、再現された噺に厚みと奥行きをもたらしており、聴いて楽しむ落語の世界とは、ひと味もふた味もちがった充実感を得られるでしょう。 第十巻に収録されているのは、 深山隠れ つる けんげしゃ茶屋 禁酒関所 愛宕山 番部屋 棟梁の遊び 茶の湯 莨の火 猿廻し 仔猫 壺阪 子盗人 福禄寿 転宅 の十五席。 “読んで楽しむ”落語の世界を、ぜひご堪能ください。 電車の中では絶対に読まない方がいい。 笑い過ぎ、周囲の乗客から睨まれてしまった。 ――江上 剛(作家、『失格社員』著) 解説のところがめちゃくちゃおもしろくて、 一字一句読み逃してはならんと、虫メガネを引っぱり出して、 解説の資料の中の小さな写真や文字を読み始めていた。 ――増田 喜昭(子どもの本専門店 メリーゴーランド店主) たくさんの珍品を復活させておられ、 聴いたことのない落語を聴ける喜びを たっぷりと味わわせてもらった。 ――頭木 弘樹(文学紹介者、『絶望名人カフカの人生論』編訳) 文我師匠が演じられた数々の芝居噺に人情噺。 今思い返しても鳥肌の立つような高座ばかりでした。 あー面白い! ――小野 裕司(「玉造・猫間川寄席」席亭) 文字と声が備わり、参考資料満載のこの全集は、 これからの研究の得難いテキスト、 いやカノンの一つとして、尊重されるであろう。 ――吉田 悦之(本居宣長記念館名誉館長) 『桂文我 上方落語全集』(寄稿文)より抜粋
  • 桂文我 上方落語全集 第九巻
    -
    1巻2,750円 (税込)
    逸品・珍品、なんでもござれ! これまでに上演した噺、七百以上 四代目 桂文我が世に放つ 上方落語の集大成、第九巻刊行! 第九巻では―― 「高尾」「千両みかん」など、 上方落語の逸品、珍品を織り交ぜた 珠玉の高座、十五席を再現している。 “芸能博士”と呼ばれた桂米朝師(人間国宝)の系譜を継がんとする著者は、大師匠と同様に、落語に関係する史料・文献を収集しまくる稀代のコレクターでもあります。 現代では忘れられた噺を古文献から掘りおこし復元することに取り組んでおり、噺家生活四十五年で上演した噺は七百以上を数えます。 この全集では、そうした噺の中から厳選したネタを、本人の解説付きで紹介し、収集した貴重な演芸資料も数多く掲載しています。 寄席の歴史や芸能本の出版事情、速記本の世界など縦横無尽の解説が秀逸で、再現された噺に厚みと奥行きをもたらしており、聴いて楽しむ落語の世界とは、ひと味もふた味もちがった充実感を得られるでしょう。 第九巻に収録されているのは、 オランダ 骨つり 浄瑠璃乞食 須磨の浦風 抜け雀 もう半分 鹿鍋 植木屋娘 千両みかん 百人坊主 高尾 初音の鼓 親子の嫁入り 土橋萬歳 淀川 の十五席。 “読んで楽しむ”落語の世界を、ぜひご堪能ください。 第十巻 所収予定 10-1 深山隠れ 10-2 つる 10-3 けんげしゃ茶屋 10-4 禁酒関所 10-5 愛宕山 10-6 番部屋 10-7 棟梁の遊び 10-8 茶の湯 10-9 莨の火 10-10 猿廻し 10-11 子盗人 10-12 仔猫 10-13 壺坂 10-14 福禄寿 10-15 転宅
  • ことばと vol.1
    -
    1~8巻1,540~1,870円 (税込)
    文学ムック 『ことばと』vol.1 創刊号 編集長/佐々木敦 ロゴマーク/石黒正数 表紙・本文デザイン/戸塚泰雄 装画・挿絵/近藤恵介 巻頭表現 福田尚代「文房具たち」 創作 阿部和重 小笠原鳥類 片島麦子 小林エリカ 佐川恭一 千葉雅也 保坂和志 マーサ・ナカムラ 山本浩貴 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 堤雄一 など ※電子版には≪【座談会】柴田聡子×又吉直樹×佐々木敦「「言葉と何か」についての120分」≫≪翻訳 ウティット・ヘーマムーン 心焦がすサイゴン 福冨渉訳≫は含まれません。 【目次】 巻頭表現 福田尚代 文房具たち 創作 千葉雅也 マジックミラー マーサ・ナカムラ 帝都の墓/阿弥家の墓参り 阿部和重 Hunters And Collectors 小笠原鳥類 エルガーを聞きながら書いた小説 小林エリカ 緋色の習作 A Study in Scarlet 佐川恭一 舞踏会 保坂和志 胸さわぎ 片島麦子 レースの村 山本浩貴 pot hole(楽器のような音) 本がなければ生きていけない 堤雄一 二つの本棚 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 とともに考える 執筆者プロフィール ことばと新人賞創設のお知らせ・公募一次選考通過作品 編集後記 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • ある海軍予備学生の自画像
    -
    1巻1,320円 (税込)
    生きて還った者の嘆き、恨み、悔恨──。 そんな海軍学徒士官の感慨が込められた中・短篇を著者自らが精選。故郷の町で行われた、数十年ぶりの小学校同窓会を題材にした名作「青葉の翳り」など十篇を収める。 互いの戦争体験をめぐって語った大岡昇平、半藤一利との対談二篇を付す。 〈目次〉 目次 青葉の翳り 年年歳歳 霊三題 八月六日 光の潮 友をえらばば 歪んだ自画像 軍艦ポルカ 空港風景 桃の雨 対談 兵どもが夢の跡 大岡昇平    昭和史の明と暗 半藤一利
  • 芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚
    4.6
    芥川が選んだ「新らしい英米の文芸」は,まさに当時の「世界文学」最前線であった.旧制高校の英語副読本として編まれたアンソロジー八巻より,二二の短篇・エッセイを精選.ポーやビアス,スティーヴンソンから初邦訳の作家まで,芥川自身の作品にもつながる〈怪異・幻想〉の世界を,豪華訳者陣による翻訳で堪能する.

    試し読み

    フォロー
  • 秋田にラスベガスを創る
    -
    1巻1,683円 (税込)
    「あいつらは本気だ!本気で秋田にラスベガスを創ろうとしている…」 IR法より20年早く、お台場カジノ構想より3年早く、カジノを核とする街づくりに挑んだ若者たちがいた。 「ラスベガスは何もない砂漠の上に創られ、世界中から観光客を集めている。だったら、秋田にだって世界中から人々を集める“本質的な魅力”を持った街を創ることができるはずだ」 若者たちは衰退に向かう地域の現実を直視し、誰も考えなかった方法でその流れに抗った。 彼らは自治体の事業を使ってラスベガスへの視察旅行を敢行。ラスベガスを手本に街づくりを行う“イーストベガス構想”を町長にプレゼンした。その提言に動かされた町長は次の選挙公約で「イーストベガス構想を研究する」ことを掲げた。また彼らは、秋田を面白くするために、数百人の“刑事”が秋田市街をフィールドに謎解きをしながら犯人を追いつめるリアル・ロールプレイングゲーム「大捜査線」を実行。さらに極寒の中、東京から街づくりの専門家を招き、彼らの構想を地域社会に問うフォーラムを開催した。 日本全体にとって人口減少が取り組むべき緊急の課題となっている今こそ、彼らの物語は意味を持つ。その戦いはとてつもなくユニークで爽快だ。
  • 花に誓う
    -
    1巻1,650円 (税込)
    紡いだ物語への夢 四編の作品集 収められた四作には、どの一編にもそれとなく作者自身の影が映っていて興味深いが、読み込むと、それらが繋がって自ずからもう一つの隠れた物語を形成している。それはあたかも美しいレース編みを見るようで、私は何度も感嘆させられた。思うに、これは純真な少女時代に紡いだ物語への夢を曲げることなく育ててきた作者の情熱の賜物であろう。(文芸評論家 勝又 浩) 【目次】 花に誓う そよ風に乗って めぐり会い 高原のル・スタージュ 【著者】 葉山 弥世 1941年 台湾花蓮市生まれ 1964年 広島大学文学部史学科卒業 1985年 中国新聞主催「第17回新人登壇」入賞 1986年 北日本新聞主催「第20回北日本文学賞」選奨入賞 1996年 作品「遥かなるサザンクロス」が中央公論社主催、平成8年度女流新人賞の候補作となる。 2000年 広島女学院中・高等学校退職 「水流」同人(広島市)「広島文藝派」同人(広島県廿日市市) 日本文藝家協会会員
  • 赤い部屋(乙女の本棚)
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第47弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・寿なし子のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 ああ、何という恐しくも楽しい遊戯だったのでしょう。 赤い部屋には、異常な興奮を求めて集った男たちがいた。そのなかの1人が、彼らが欲しているような奇妙な身の上話をはじめる。 江戸川乱歩の名作が、想像力を掻き立て物語を深く考えてしまうような作品で話題のイラストレーター・寿なし子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 見えない世界を視る:近代日本における〈非リアリズム小説〉
    -
    1巻1,815円 (税込)
    言語では表現し得ない世界を、言語によって表現する――。芥川龍之介、川端康成、村上春樹、川上弘美らが描く〈非リアリズム小説〉をもとに、〈読むこと〉を考える。 「言語や感覚では捉えられないものが世界には存在すると考え、それを表現しようとした作家や作品、〔中略〕例えば、日本を代表する文豪である、森鷗外や夏目漱石にもそうした要素は見られ、特に、芥川龍之介・川端康成・三島由紀夫などがこれにあたる。また現代の作家では、村上春樹・村田喜代子・川上弘美なども、この系譜に連なる作家であると言えよう。 これらの作家は、〔中略〕目の前にある現象や事物の背後に、感覚では捉えられない世界があることを認識の基盤としている。私たちの感覚では捉えられない世界、言語では表現できない世界の存在を、疑わないのだ」(本書「序章」から) )
  • 月刊「潮」2025年6月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年6月号 主な内容 【特別企画】 混迷する社会を生きる知恵 対米・対中外交に求められる持久戦とリアリズム。 益尾知佐子 多様性推進を廃止した米国に未来はあるか。 矢部 武 ≪連載≫ ニッポンの問題点  田内 学 VS 田原総一朗 人手不足の日本は、教育・介護・公務員に労働力を集約すべき。 【特集】 ニュースの“裏側”を読む 多発する山林火災は「温暖化した世界」の前兆なのか。 串田圭司 フジテレビ問題で浮き彫りになった昭和の“呪縛” 武田一顕 不安や困難に支配されないメンタルの鍛え方。 益田裕介 【特集】いま政治に求められること 政治家の境涯を変革する公明党の奮闘に期待。 佐藤 優 公明党が繰り出すトランプ関税×物価高対策。 西田実仁 「家計応援計画」で都議会公明党は都民の暮らしを守る。 東村邦浩 【特集】連載ドキュメンタリー企画 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「魂の独立宣言」篇 (10) 【特集】 山海と「高志」の国・富山県 ≪対談≫ 坂東眞理子 VS 柴田理恵 知らないのは県民だけ!?世界を魅了する富山の食・人・自然。 元テレビマン副市長も魅せられた「富山の宝物」探検記。 篠田伸二 ビジネス視点で読み解く「凡人の極致」佐々成政の魅力。 今村翔吾 ≪ルポ≫ 氷見市 藤子不二雄(A)まんがワールドへようこそ! 編集部 【人間探訪】 ふかわりょう 【ルポ】 実業団と大学はどちらが強いのか?――エキスポ駅伝観戦記 酒井政人 【ルポ】 原発事故から14年――書店が町に戻ってきた。 長岡義幸 【ルポ】 大船渡市山林火災の現場を歩く。 粟野仁雄 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・加藤登紀子/「故事成語」にはワケがある! 塚本青史/他 その他
  • 詩神の呼び声 バラッドを読む漱石
    -
    1巻7,480円 (税込)
    夏目漱石は、どのようにイギリス、そして日本の伝承された歌や物語を活用し小説を書いたのか。伝承文学の語りと歌とが漱石に大きな示唆を与えたこと、それらが文学内容にも深く関与していることを明らかにする。 【主要目次】 総論 バラッドを書く   第Ⅰ部 歌と争闘 第一章 なぜ『オシアン』を翻訳したのか(一)――古代スコットランドから 第二章 なぜ『オシアン』を翻訳したのか(二)――バラッドの復興 第三章 古謡と語り――漱石の翻訳詩から小説へ 第四章 バラッドの『夢十夜』 第五章 ウォルター・スコットの明治 第六章 『三四郎』に重なる王権簒奪劇   第Ⅱ部 詩神の声 第七章 スティーヴンソン小説からの伝授 第八章 古代日本バラッドの作用 第九章 『リリカル・バラッズ』から漱石へ 第一〇章 小品の連続性と英詩の役割――『永日小品』   第Ⅲ部 伝承の生成 第一一章『草枕』に息づく伝承 第一二章 古譚と『草枕』 第一三章 古い宗教の生々しい声と『行人』 第一四章 漱石文学に生きる古譚の蛇 第一五章 『彼岸過迄』の彼岸と此岸
  • 東海道中膝栗毛
    -
    神田八丁堀の長屋に暮らす弥次郎兵衛と喜多八は、ふとお伊勢参りを思い立ち東海道を踏破する旅に出る。ノンシャランで能天気な弥次・喜多の道中記だ。品川、川崎、神奈川と行く先々で、なにかとケチをつけ、程ケ谷に至っては「とめ女」の客引きを面白がり弥次はさっそく狂歌をものする。「おとまりはよい程ケ谷やととめ女 戸塚まへてははなさざりけり」。旅先での失敗談や庶民の生活・文化を描いた本書は絶大な人気を博し、作者一九は最初の流行作家となった。巻末には神保五彌氏の詳しい「解説」がある。
  • 心中天網島
    -
    編者水上勉は近松門左衛門の代表作4編を選び、その雰囲気を保つように心がけ、苦心の現代語訳を提供する。「曽根崎心中」「心中天網島」「女殺油地獄」「堀川波鼓」の4編がそれである。あわせて「お初」「おさん」「お吉」「お種」の4人の女主人公を「近松の女たち」と題して論じる。本編末尾には諏訪春雄氏による「心中の季節」、郡司正勝氏による「解説」を付してある。
  • 伊勢物語
    -
    「昔、男ありけり」で始まる伊勢物語の集成の「男」とは、在原業平に擬せられてきている。だが、この物語は長年のあいだに多くの人によって書き加えられ、大きく三つの時期・時代の趣味・傾向にそって改変されているのは否定できない。そこで、編者である作家中村真一郎氏はこの点に注意をはらい、従来通りの「定訳」を呈示しながら、その背後にひそむ各時期ごとの矛盾した面白さを明らかにしようとする。巻末には金田元彦氏による詳しい「解説」を付した。
  • 万葉集
    -
    1巻660円 (税込)
    現存する日本最古の和歌集である万葉集には、天皇、貴族から下級官人、防人、農民など、さまざまな身分の人々が詠んだ歌が4500首も収められている。編者山本健吉はバランスよく代表的な歌を選び、その説明にも多くの歌をひいて幅広い鑑賞の材料を提供する。また額田王、志賀皇子、柿本人麻呂、憶良など代表的な多くの歌人をコラムにして、いっそう深い分析を提供する。巻末には「万葉集とはなにか」と題した中西進氏による解説がある。
  • 竹取物語
    4.0
    「物語の原型」、誰もが知る、かぐや姫と5人の求婚者、帝が繰り広げる異世界譚を、「まるで僕が書いたような物語」と語る大人気作家が敬意をこめて抱腹絶倒・大胆不敵に新訳した画期的必読古典。 かぐや姫×森見登美彦! 1000年以上も読み継がれる「物語の原型」を 竹林をこよなく愛す当代の人気作家が現代語訳! 翁がある日、光る竹の中に見つけた可愛らしい小さな人。やがて絶世の美女に成長したかぐや姫は、言い寄る求婚者たちに無理難題を課す。恋に破れ去る男たち、そして、「その日」は近づく――千年以上も前に書かれ、読み継がれてきた異世界譚を、竹林に並々ならぬ思いを寄せる作家・森見登美彦が現代語訳した必読の一冊! 竹取物語とその現代語訳にまつわる舞台裏をたっぷり語った講義「作家と楽しむ古典 僕が書いたような物語」、竹林の中へ入り込んだ幼少期の原体験からはじまる文庫版のための書き下ろしあとがき「生きていることのふしぎ」も収録。 【もくじ】 竹取物語 全集版あとがき 千年の失恋 特別収録 講義「作家と楽しむ古典」 僕が書いたような物語 文庫版あとがき 生きていることのふしぎ 解題 大井田晴彦
  • 世界を配給する人びと 遠いところの声を聴く
    -
    彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。語られてこなかった声をどのように届けているのか。シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。 一番遠くにあるものを引き寄せてつなぐ力。 彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。 語られてこなかった声をどのように届けているのか。 シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。 映画配給に携わってきた編著者が見た、世界の重なり合い。 映画の仕事にまつわるコラムも多数収録。 「いくつかの強国の関係史だけを知ることが、世界史を学ぶということではないはずです。 弱国史という仮想のジャンルは、〈聞く〉ことでスタートするでしょう。 「ほんとうは日本との関係が深い国」と認識を新たにすること、そこにも素敵な隣人たちがいると知ることが、ひとつのゴールになるでしょう。」 (もうひとつの「はじめに」ーー岡田林太郎「〈弱国史〉概論」より抜粋) 【目次】 はじめに 1〈優しきひとさらい〉と出会うシリア 斉藤亮平 「映画配給と私」人生に関わる映画 2〈憶えている〉環礁、マーシャル 大川史織 「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[前編] 3 時の止まった島、マダガスカル 武末克久 「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[後編] 4 気取らない国、ウガンダ 大平和希子 「映画配給と私」作品の本質を大切に、どう広げ深めるか 5「動物の楽園」に暮らす、北極民族 遠藤励 「映画配給と私」「映画が好き」と言えるまで 「映画配給と私」コロナ禍で気づいたミニシアターを守りたい気持ち もうひとつの「はじめに」ーー〈弱国史〉概論 岡田林太郎 おわりに 【著者】 アーヤ藍 1990年生まれ、長野県育ち。慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中にアラビア語の研修で訪れたシリアが帰国直後に内戦状態になり、シリアのために何かしたいという思いから、社会問題をテーマにした映画の配給宣伝を行うユナイテッドピープル株式会社に入社。同社取締役副社長を務める。2018年に独立。「映画探検家」として、映画の配給・宣伝サポート、映画イベントの企画運営、雑誌・ウェブでのコラム執筆などを行う。アーヤはシリアでもらった名前。 斉藤亮平 1983年東京都生まれ。国立音楽大学卒業後、青年海外協力隊でシリアへ派遣。シリア・ハマ県パレスチナ難民地区の小、中学校で音楽教師として2年間を過ごす。その後、ブータン王国の音楽学校にてピアノ教師、日本の音楽出版社勤務の後、シリア難民支援活動に従事。2017年にJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)に入職。趣味の料理が高じて中東各地でレシピを収集、定期的に料理教室を主催。また、難民キャンプ専用バンド「ババガヌージュ」を結成し、中東各地の難民キャンプで音楽ライブを行なっている。 大川史織 1988年神奈川県生まれ。2016年に春眠舎を立ち上げ、プロデューサー・藤岡みなみと映画製作・配給を行う。ドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。『keememej』(2022)監督。編著書に『マーシャル、父の戦場―ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)『なぜ戦争をえがくのか―戦争を知らない表現者たちの歴史実践』(みずき書林、2021年)がある。2024年より春眠舎で出版事業をスタート。本書が初の版元本となる。 武末克久 1976年福岡県生まれ。バニラ商人。九州大学農学部卒。同修士課程修了。オックスフォードブルックス大学国際関係学修士課程修了。製薬会社の開発部門に就職するも911のテロから世の中の理不尽さを感じるようになり、妻のイギリス転勤をきっかけに退職。イギリスで国際政治経済学を学ぶ。帰国後は環境経営コンサルタントとして、企業活動に「環境」を組み込む仕事に専念。2017年に退職後、観光で訪れたマダガスカルのバニラ農園に一目惚れ。合同会社Co•En Corporationを設立し、バニラの輸入・販売を手がける。 大平和希子 1983年富山生まれ。アフリカ研究者。青年海外協力隊、教育機関勤務を経て進学。2023年に東京大学大学院より博士号(国際貢献)授与。2024年より上智大学特任助教。2016年より地元富山で暮らし「富山ゆかりの人からつながるアフリカ」をコンセプトに、遠いアフリカを身近に感じてもらえるような企画や講演会等を実施。主な著作に「慣習的な土地権利安定化に向けて伝統的権威が果たす役割̶ウガンダ西部ブニョロの事例から―」(2020)、「ウガンダに学ぶ」(2021)『フィールドで出会う風と人と土』第6巻など。 遠藤励 写真家。大衆スポーツとなる以前のスノーボードの黎明期を目撃し、90年代後期から国内および世界のフリースタイルシーンに携わり、国内・北米・欧州のボードカルチャーの専門誌やメディアに作品を提供。2007年頃より雪にまつわる作品表現に傾倒し、「snow meditation」や「水の記憶」などの雪や氷河の作品シリーズを発表。長野県・大町市出身・在住。作品集に「inner focus」(小学館)、2023年12月に「MIAGGOORTOQ」をリリース。 岡田林太郎 1978年岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社へ入社し、編集の仕事に従事。2012年、同社社長に就任。2018年、退職。同年4月、ひとり出版社「みずき書林」創業。みずき書林での主な刊行物に、大川史織編『マーシャル、父の戦場』、岡本広毅・小宮真樹子編『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』、早坂暁著『この世の景色』、沖田瑞穂著『マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣』、山本昭宏編『近頃なぜか岡本喜八』、松本智秋著『旅をひとさじ』などがある。
  • わが復員わが戦後
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    1945年12月、復員船は博多に着いた──。 戦争末期、一兵士としてフィリピンのミンドロ島の警備にあたり、一年弱の俘虜生活を送った復員兵を待っていた、戦後社会の混乱、家族や旧友との再会……。 戦争と戦後体験から生まれた名作を集成。 遺稿となったエッセイ「二極対立の時代を生き続けたいたわしさ」を付す。 〈解説〉城山三郎 〈巻末エッセイ〉阿部昭
  • きりぎりす(乙女の本棚)
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第46弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・しまざきジョゼのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 この小さい、幽かな声を一生忘れずに、背骨にしまって生きて行こうと思いました。 売れない画家と結婚した「私」。徐々に夫が有名になるにつれ、彼女はどこか違和感を感じるようになる。 太宰治の名作が、叙情的なイラストを得意とするイラストレーター・しまざきジョゼによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 現代語訳 中世稚児物語集
    3.7
    寺院に仕える青年と僧侶との間の恋愛を描いた稚児物語。すれ違い、嫉妬、自殺未遂……。ドキドキしっぱなしの11の物語。
  • 月刊「潮」2025年5月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2025年5月号 主な内容 【特別企画】 歴史の転換点に立つ人類 ウクライナ停戦までの難題と日本の選択肢。 東野篤子 ルワンダと東ティモールから学ぶ 平和を築く知恵と覚悟。 長谷川祐弘 “下からのナショナリズム”に翻弄されない生き方。 辻田真佐憲 【特集】 ニッポン再生への方途 日本経済復活のカギは“人への投資”にあり。 滝澤美帆 八潮道路陥没事故――日本の地下に潜む昭和の“ツケ”。 橋本淳司 「部下と一緒に育つ」上司の意識改革とテクニック。 古屋星斗 【特集】 政治家の責務とは何か ≪ヒューマンストーリー≫ 川村雄大 政界にメスを入れる外科医の使命。 公明党の子ども・若者政策が日本を元気で強くする。 末冨 芳 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「魂の独立宣言」篇 (9) 【特集】 新時代を開く希望の天地・石川県 能登半島復興のために私たちができること。 野口 健 人間性を磨けば甲子園が迎えにきてくれる。 山下智茂 きまっし、石川へ!わが故郷の魅力を語ります。 ダンディ坂野 【人間探訪】 麻木久仁子 学びは最高のアンチエイジングだと実感しました。 【アスリート列伝】 中谷潤人 誰が“モンスター”への挑戦権を手にするのか。 天野純希 【対談】 佐藤弘夫 VS 東 晋平 日本美術の巨匠たちに流れる法華経と日蓮思想。 【好評連載】 ニッポンの問題点 濱井正吾 VS 田原総一朗/高島礼子の歴史と美を訪ねて 伊多波 碧 VS 高島礼子/2030年への羅針盤――「若き日の日記」を読む 佐藤 優/老舗探訪 ―― 一〇〇年企業のここがスゴイ! 神田憲行/鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち  鎌田實 / ゲスト・上野千鶴子/他 その他
  • ハーバード大学ダムロッシュ教授の世界文学講義 日本文学を世界に開く
    5.0
    世界文学とはなにか。国際的に活躍する文学研究の第一人者が古今東西縦横に、世界のあらゆる文学作品との比較の中で、日本文学の魅力を語る。今まで比較されることのなかった作家をあえて関連づけることによって文学の新たな可能性を見出し、刺激的な読書の世界へ誘う。 【主要目次】 はじめに 第一章 近世の世界文学 第二章 文学と近代化 第三章 文学とグローバリゼーション 対 談 ダムロッシュ×沼野充義
  • 悪意の日本史
    3.4
    悪意で読み解く日本の裏面史 SNSによる誹謗中傷事件が、連日ニュースを賑わせている。 これらは「現代病」として取り上げられるが、日本の歴史を振り返れば、 決して今に始まったものではない。 勝者によって書かれる『日本書紀』などの歴史書では、 戦や権力闘争に敗れた相手は、醜く惨めに描かれることが定めのみならず、 道鏡事件における称徳天皇のように、女性への性的な誹謗中傷も古来行なわれてきた。 本書は、古典や歴史書に記された事実から人間の悪意を読み解き、 その裏にある共通点や現代に通ずる歪んだ正義感を読み解くもの。 自らもいわれなき炎上を体験した著者だからこそ書ける、日本人の本質。 [目次] はじめに 昔からあった匿名掲示板的誹謗中傷 1 悪意極まれば人間扱いしない―容貌描写と悪意 2 悪意をうたう古代歌謡 3 古代の大罪、呪詛 4 嘘の告発と悪意 5 公正であるはずの歴史書に秘められた悪意 6 言霊が信じられていた古代なればの罰としての改名 7 弱者へ向けられる悪意、強者へ向けられる悪意 8「悪霊」化の瞬間 9 女性蔑視と悪意 10 中世の大罪・悪口 11 近世の悪口祭と、古代の大祓 12「普通の人」がよそ者へ向ける悪意 13 悪意を利用した支配 14 家族の中の悪意――日本版シンデレラ『落窪物語』の場合 15 七代祟る――一定の家筋への悪意 16 まじないとわらべ歌の悪意 17 悪意をぶつけられた歴史上の人物 おわりに 正義に見せかけた悪意の怖さと、悪意の自覚の大切さ
  • 女殺油地獄
    3.8
    油屋の放蕩息子・与兵衛。色と金に溺れ、追い詰められた彼は残虐な罪に手を染める――。江戸の実在事件にもとづく近松門左衛門の人形浄瑠璃が、桜庭一樹の画期的名訳でよみがえる。
  • 窯変 源氏物語1
    4.0
    1巻1,257円 (税込)
    千年の時の窯で色を変え、光源氏が一人称で語り始めた―― 原作の行間に秘められた心理的葛藤を読み込み、壮大な人間ドラマを構築した画期的現代語訳の誕生。
  • 江戸の通信添削
    -
    1巻1,485円 (税込)
    夜明け前の「前」、江戸期に脈々と息づいていた〈みやび〉の種々相のひと齣。美濃加治田の豪商平井冬音らによる歌道研鑽のものがたり
  • ねむらない樹 vol.7
    -
    7~12巻1,320~1,540円 (税込)
    短歌ムック ねむらない樹 vol.7 特集=葛原妙子/川野芽生 巻頭エッセイ ホー・ツーニェン 特集1 葛原妙子 インタビュー 高橋睦郎「僕の知っている葛原さんのこと」(聞き手:川野里子) 座談会 石川美南×水原紫苑×睦月都×吉川宏志 論考 尾崎まゆみ 春日いづみ 花山周子 ほか トリビュート 石松佳 井上法子 紀野恵 鈴木一平 ほか 「女人短歌」とは何だったのか? 濱田美枝子 佐伯裕子 内野光子 ほか 特集2 川野芽生 短歌「燃ゆるものは」(川野芽生) 小説「蟲科病院」(川野芽生) 往復書簡 山尾悠子×川野芽生 大前粟生 短歌50首「とびひざげり」 【目次】 巻頭エッセイ ホー・ツーニェン「大家増三について私が知っている二、三の事柄」(新井知行訳) 特集1葛原妙子 インタビュー 高橋睦郎「僕の知っている葛原さんのこと」(聞き手:川野里子) 座談会 石川美南×水原紫苑×睦月都×吉川宏志 論考 尾崎まゆみ 松平盟子 高木佳子 牛山ゆう子 楠誓英 花山周子 林あまり 春日いづみ 往復書簡 川野里子×水原紫苑 トリビュート 紀野恵 井上法子 石松佳 八上桐子 鈴木一平 鴇田智哉 「女人短歌」とは何だったのか? 特集2 川野芽生 自筆年譜 短歌「燃ゆるものは」(川野芽生) 小説「蟲科病院」(川野芽生) 往復書簡 山尾悠子×川野芽生 藤原龍一郎 吉田瑞季 山階基 作品30首 高橋睦郎 作品20首 藪内亮輔 谷川電話 永田紅 土岐友浩 川島結佳子 しんくわ 石井辰彦 佐伯紺 寺井奈緒美 雪舟えま 中津昌子 早坂類 作品50首 大前粟生 第三回笹井宏之賞受賞者 新作 乾遥香 瀬口真司 嶋稟太郎 川村有史 手取川由紀 向井俊 など 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • 物語をつくる神話 解剖図鑑
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    日本をはじめ世界各地の神話を「テーマ」「モチーフ」「アイテム」に分類整理し、それぞれをいくつかの「型」に集約して、物語の構造や特徴などを分かりやすく図解しています。同時に民族・時代を超えた人類共通の価値観を解き明かしていきます。これにより、創作のアイデアをさまざまな神話から得ることができるはずです。 神話は何千年にも渡って伝え継がれてきました。その理由は、神話が単純明快であり、新たな物語を生み出す力があったから。これこそが「神話の生存戦略」であり、学ぶべきものかもしれません。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした作品からのおすすめ